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(ミヤマクワガタのオス 2007年8月 北海道十勝郡浦幌町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年8月5日放送)
夏休みの子供たちが夢中になる昆虫採集。ひときわ人気が高いのはクワガタやカブトムシの仲間でしょう。中でも、ハサミのような立派な大アゴを持ち、大きなものでは体長が7cmを越えるミヤマクワガタのオスは、子供たち、否、大人にとってもの憧れの的。
漢字で深い山と書いてミヤマクワガタの通り、山地の森林に多く分布します。ミズナラやハルニレの樹液に、他の甲虫類とともに集まる習性があり、夜間は電灯にも飛来します。幼虫は枯れ木や切り株、あるいはその根などで数年を過ごしてから羽化し、成虫となります。
普通種ですが、暑さと乾燥に弱く、地球温暖化や都市周辺のヒートアイランド現象による激減または絶滅の可能性があるとして、旧環境庁により指標昆虫に選ばれました。指標昆虫とは良好な環境に生息し、環境調査の際に目安となる昆虫のことで、タガメ、オオムラサキなど10種が指定されています。
クワガタの属する甲虫目は、体の表面が硬く、鎧兜(よろいかぶと)を付けたような外見からその名があり、カナブン、カミキリムシ、テントウムシなども同じ仲間です。体が硬い皮で覆われていて環境の変化に強く、タガメのように水中、クワガタの幼虫のように土の中など多様な環境へ進出することに成功しました。そのため、世界で約37万種、日本で約9000種が知られ、すべての動植物種の約1/4を占める、生物界最大のグループとなっています。
(2015年8月2日 千嶋 淳)
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