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All Photos by Chishima,J.
(砂浴び中のヒバリ 2007年9月 北海道十勝郡浦幌町)
鳥類にとって飛ぶため、生きるために羽毛を清潔に保つことは欠かせない。鳥を観察していると羽づくろいにかなりの時間を費やしていることがわかるし、真冬のどんな寒い日にも水浴びを怠らないことからもそれが窺える。多くの種にとって、この羽づくろいと水浴びが基本的な身だしなみの方法であるが、中には日光や砂、蟻、煙を浴びることによって羽毛の手入れをする、一風変わった種類もいる。
アオジの水浴び
2007年9月 北海道中川郡幕別町
![2_121 2_121](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/8e/a39992fbf825699b1ef45087fb0265d9.jpg)
海岸の砂丘でヒバリの砂浴びに出会ったのは、海風が冷たく感じられた、数日前の曇った昼過ぎであった。砂地の窪み(もしくは自分で造成したものか?)に半身を埋め、体や翼を小刻みに震わせながら、周囲に砂を撒き散らしていた。こまめに向きを変えていたところから察すると、窪みの形状や体の構造から浴びられる砂の量が、部位によって異なるのだろう。そうして羽毛の間に砂を通すことによって、傷付いた部分や寄生虫を擦り落としているようだ。砂浴びはその後、人の接近によって飛び立つまで3分ほど続いたから、まさに人間の入浴みたいなものである。
砂浴び中のヒバリ(その2)
2007年9月 北海道十勝郡浦幌町
正面を向いて窪みに入り、砂浴している。
![3_119 3_119](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f6/2ed6409e21120e7862f2290ad93d309e.jpg)
ヒバリやキジ、ライチョウは砂浴び専門だという。共通しているのは地上性であること、非森林性であること等だが、特にヒバリやキジなどはいくら乾燥した草原に住んでいるとはいえ、日本のような湿潤な国なら付近に水辺の一つでもあろうものを何故わざわざ砂でと言いたくなる。もっとも、これは人間を基準にした考えで、彼らなりに利益があったからこそ、この行動が残ってきたのだろう。上記砂浴びの専門家に対して、スズメや大陸のイエスズメは、砂浴びも水浴びも行なう。そんな行動の柔軟な可変性が、スズメ類をして人間という強敵の近くで生き残らせてきた所以だろうか。
砂浴び中のヒバリ(その3)
2007年9月 北海道十勝郡浦幌町
向きを変え、体の後半部と尾羽を震わせる。周囲に砂が飛び散っている。
![4_113 4_113](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/aa/7b5bffd47c231f033d599bd45df3c450.jpg)
なお、文頭で挙げた変わった身だしなみ法のうち、日光浴はサギ類やウ類、キジバトやムクドリ等比較的多くの種類で観察されている。それ以外では、蟻浴はキジバトやカケス、カラス類、煙浴はブッポウソウ、カラフトワシ、カラス類等から知られており、寄生虫を駆除する機能があるといわれるが、詳しくはわかっていない。
アオサギの日光浴
2007年8月 北海道中川郡幕別町
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囀るヒバリ
2007年6月 北海道中川郡幕別町
ヒバリというとさえずり飛翔が有名だが、このように低い人工物や石、地上等でも囀る。十勝地方ではまだまだ農耕地や河川敷に多い小鳥だが、減少が指摘されている地方もある。
![6_109 6_109](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/19/e2254e07e693b2499f94653ecfd8eb47.jpg)
(2007年9月19日 千嶋 淳)