![Pic1_11 Pic1_11](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/bb/dd57bedf4e3684e34133fb9acbb3198e.jpg)
Photo by Chishima,J.
(ハシブトガラ 2006年3月 北海道十勝川中流域)
「チィチィチィチィ…」、1羽のハシブトガラがヤナギの梢で力強く囀っている。この鳥は、これから冬本番という12月上旬には早くも囀り始めるので、囀り自体は冬中聞くことができるのだが、-20℃を下回る氷結の中の歌と、(気温が)プラスに手が届きそうな3月上旬の暖かい陽光の下で聞く歌とではまったく違って聞こえる。今日の歌はやけに陽気だ。それはほころび始めたヤナギの白いつぼみが、全長13cmにも満たないこの可憐な鳥にスポットライトを当てているからかもしれない。ここは十勝川中流の河川敷に広がる河畔林。依然として白銀に覆われた大地が、十勝晴れの青空を照り返して眼球をじりじりと焼き付ける。
ハシブトガラ
2006年3月 北海道十勝川中流域
![Pic2_10 Pic2_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/c9/dca76acdc3ebdc1540f0e0993d6b3a94.jpg)
Photo by Chishima,J.
「ツツ、ジャージャー」、囀っている個体とは反対側から、2羽のハシブトガラが現れた。1羽がもう片方を執拗に追いかけながら、それでいて攻撃的な衝突に発展しないところをみると隣接したなわばりの保持者同士ではなく、つがいもしくはその候補であると思われる。こちらが動くのを止め、じっと立ち尽くしていると恋の魔力で通常の警戒心を喪失した2羽はすぐ目の前までやってきて、なお愛のささやきに夢中だ。途中、別の1羽が2羽に仲介を試みたが相手にされず、すぐに去って行った。この結束の強さからすれば、2羽で今年の住居となる樹洞選びを行なう日もそう遠くはあるまい。
対峙する2羽(ハシブトガラ)
2006年3月 北海道十勝川中流域
2羽はパートナーなのかライバルなのか…
![Pic3_10 Pic3_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/d7/da2cab22b597321bd1c200ec08d32ca0.jpg)
Photo by Chishima,J.
樹洞探し(ヒガラ)
2006年2月 北海道帯広市
1羽が樹洞に入り、もう1羽は周囲の警戒に当たる。
![Pic4_10 Pic4_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8d/b7d800f04d5182e4e24a425723a95bdc.jpg)
Photo by Chishima,J.
河畔林を抜けて川岸に立つ。先月まで100羽を越えるカモ類が越冬していた開水面は厳冬期の渇水で水位が低下し、結氷してしまった。まだまだ冬か…、重くなりかけた心に背後の河畔林から再度ハシブトガラの囀り。なあに、悲観することはない。本州だったら立春前から天高く歌うヒバリが果たすところの春告げ鳥を、ヒバリがこの地に渡ってくる遥か前から担っているあの小鳥が、太鼓判を押しているのだ。もう2週間もすれば、タンチョウやガン類が帰ってくる。
オオハクチョウ
2006年3月 北海道十勝川中流域
僅かな開水面で休息する。
![Pic5_10 Pic5_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/dc/d42f39c4cfd92f224b21310cfb2b4de1.jpg)
Photo by Chishima,J.
ヒバリ
2005年4月 北海道十勝川中流域
十勝には3月下旬に渡来する、夏鳥のトップバッター。
![Pic6_10 Pic6_10](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/ba/e5a3c594ad5b9026bf70245d83261bc1.jpg)
Photo by Chishima,J.
(2006年3月4日 千嶋 淳)