今日は「秋分の日」です。春には「春分の日」があります。両方とも国民の祝日ということで多くの人は1日のんびり出来ます。
元々は民間では、この両日は「彼岸の中日」で、春と秋の彼岸の中日の前後3日ずつを仏教では、彼岸会と言って先祖の供養をします。その真ん中の日なのです。
皇室では春季皇霊祭、秋季皇霊祭と言って天皇家の先祖を祭る日です。
民間では仏教の行事ですが、天皇家は神道でしょうから宗教は違っても先祖の祀るのは同じです。
神仏習合の結果かどうかは別として、さらにその起こりに遡れば、この日は、春と秋にある「昼と夜の長さが同じ日」ということになるのでしょう。
「暑い、寒いも彼岸まで」と言われますが、春はこの日あたりで平均気温が15度を超えるようになり、秋は25度を下回るようになるというのが昔からの気温の変化なので、そんな言い方も生まれたのでしょう。
このところ、その諺が通用しなくなるというのが地球温暖化の中でいわれ、いよいよ今年あたりから「9月は夏」ということになるのではないかなどといわれていました。
ところが不思議なことに、今朝の東京の気温は(都下国分寺ですが)21℃でした。地球温暖化の勢力も、今日だけは少し気を使って、諺の通りにしてくれたのでしょうか。
これからどうなるかは人間の努力次第ですが、こうして暑い夏と寒い冬が毎年循環するのは(北半球と南半球では反対ですが)、北半球では春分の日から秋分の日まで太陽が当たる時間が長いので、暑さが蓄積されるからです(南半球では反対です)。
ということは、上に述べましたように春と秋に昼と夏の長さが同じになる時があるということです。
その時を天文学では、春分点、秋分点と言いその時刻を含む日が春分の日、秋分の日ということになるのです。
ついでに言えば昼が一番長い日が夏至、短い日が冬至はご承知の通りです。
ではなぜそんなことが起きるのかというと地球が太陽の周りを回っている平面と地球が自転している平面(赤道)とが23.4度傾いているからです。
地球は太陽の惑星で、太陽の子供の様なものかと思っていましたが、どうも太陽の子供ではなくて、独自の回転軸を持ちながら太陽系に編入してきたのでしょうか。それとも、回転していたガスが次第に冷えて液体になり固体になって今の地球になった過程でそうなったのか、その辺は現在研究途上なのでしょう。
最後に一つ、春分の日、秋分の日の昼と夜は本当に同じ長さなのでしょうか。
答えは春分の日も、秋分の日も7分50秒ほど昼間の方が長いのだそうです。
何故かと言いますと、日の出は、太陽の頭が地平線から出た瞬間で、日の入りは太陽の頭が地平線に没した瞬間ということになっているので(太陽の真ん中が地平線に達したときではない)合計太陽の直系の動く分だけ昼間が長くなります。
更に太陽光線が大気の中を通るとき屈折するので、日の出は早く、日の入りは遅く見えるのだそうです。その合計が7分50秒(東京天文台計測)なのだそうです。