tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本の 経済回復を本音で考えよう

2022年01月22日 18時01分06秒 | 経済

日本(世界も)当面する最大の問題はコロナでしょう。オミクロンの次に何が出てくるか誰にも分かりません。ギリシャ文字もまだオメガまで残っています。

しかし経済は経済で、日本の場合は今までの経済政策ではだめという事は解っています。それならば「何が」が必要なのですが、「新しい・・」だけでは誰にも解りません。
政府も、学者も、国民もみんなで一緒になって、自分のことですから真剣に考ええなければなりません。

このブログでも「少し賃上げをした方が」と言う示唆をしました。しかしそれは必要条件の1つで、十分条件ではありません。

国会の議論を聞いていると、政府が赤字でもどんどんカネを出せば景気は良くなるという意見が殆どで「200兆円出せばいい」などという意見もあります。多分経済とはなにかを全く知らない人なのでしょう。 

今迄も、政府は一律10万円給付をはじめとして、色々な名目でずいぶんおカネを出しました。しかし景気は少しも良くなりませんでした。
コロナでみんな動けないのだからカネを使わないのは当然という事もあります。しかし日本人は、実は、コロナの前から金を使っていないのです。

カネが動いているのはマネーゲームなどで、一律10万円給付も多分7~8割は銀行預金になって、その行く先は金融市場のようで、お陰で日銀の資金循環表によれば、日本の個人貯蓄は2000兆円になりそうだそうです。

日本人は大変なお金持ちなのです。コロナの前も1800兆円と言われていました。世界トップクラスの個人金融資産を保有する国なのです。

それなのに、日本人はカネを使いません。カネを持っている人がカネを使わないと経済というものは動かないのです。これは当たり前のことです。

みんながケチで、おカネを使わなかったら何も売れません、売れなければ作りません。有り余ったおカネは金融市場で空中戦、実物経済はそっちのけで、銀行や証券の口座の残高が増えるのが最大の楽しみ・・・。これでは増えるのは金融資産だけです。

何故こんな事になってしまったのでしょうか。
原因は大きく2つあるように思います。
一つは、今の日本人にとっては、老人にも若者にもかなり一般的なことですが、少子高齢化が進んでだんだん公的年金等があまり宛てに出来なくなるので、若いうちから自力で貯蓄して老後に備えるという考え方が広く一般化していることです。
結果的に消費が伸びないので、消費不振で経済が停滞するという現象が顕著です。

もう一つは、所得税制のフラット化に加えて、30年に亘る長期不況で、就職氷河期などもあり、非正規労働の増加などの結果、日本社会全体が所得格差や資産格差の大きい格差社会になって来た事です。
結果的に金持ちは投資や投機で資産を増やすことに熱心になり、所得の少ない人が100%消費しても、大した額にはならないという、矢張り消費不振で経済が停滞という現象です。

現実にはそれにコロナが追い打ちをかけ消費が伸びないのですが、コロナによる分は、コロナが収まれば忽ち回復するでしょうが、最大の問題は上記の2つの消費不振です。

ハッキリ言えることはこの2つを解決しない限り、日本経済の活性化は至難という事でしょう。

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