一昨日、9月5日に、総務省から家計調査の家計収支編の7月分が発表になりました。
今年度に入って前月6月までのデータを見ながら、このブログでは、このままで行ったら2022年から回復してきた家計の消費支出の積極化が腰折れ以なるのではないかとの危惧を感じていましたが、7月の数字はどう見てもその兆候を示している感じです。
アベノミクス以来の消費需要の不足による日本経済の低迷の根源である家計の消費支出の低迷から、ようやく脱出ムードに切り替わるかと見えた途端の消費支出の失速です。
これをこのまま放置することは出来ないとう強い思いから今日のブログを書いています。
GDPの半分以上を占める家計の消費需要ですから、これが伸びなければ日本経済は投資中心か財政主導の片肺飛行です。
その家計消費支出が2022年から、コロナ終息もあり、それまでの節約疲れもあったのでしょうかはっきり堅調に変わってきていました。
2人以上世帯の消費支出の年間伸び率(実質)で見れば2020年マイナス5.3%、2021年にはプラス0.7%そして2022年はプラス1.2%と確り回復基調でした。
2022年の春闘賃上げ率はまだ低迷でしたが、家計に消費意欲が出てきたことが感じられました。
それを見ているのが、このブログで追っている2人以上勤労者世帯の「平均消費性向」(手取り注入の何%を消費支出しているか)です。図示してみます。
2人以上勤労者世帯の平均消費性向の推移(%)
資料:総務省統計局「家計調査」
柱の色は青2021年、赤2022年、緑2023年で、各月の%(平均消費性向)が並んでいます。
2022年赤の柱は、3月と11月を除いて2021年の青の柱より高くなっています。これは収入に比して消費支出が増えた事、つまり、節約ばかりではなく、少し生活を良くしようというムードが出て来た事の表れでしょう。
ところが最近に至って、様子が変わってきました。
今年は春闘賃上げも前年を1ポイント以上上回ったようですし、コロナも5類になったので、人の動きも活発になりました。
しかし昨年、前年比プラス1.2%まで回復してきた年間実質消費支出の伸びが、急速に落ち込み、月毎では、ことし6月は対前年でマイナス4.0%、7月にはマイナス5.2%です。
これは勿論消費者物価が異常な上昇をしているからですが、恐ろしいのはここに来て名目の消費支出も対前年で減って来ている事です。
3月までは名目では増えていましたが、4月以降は名目支出額も一貫して前年比マイナスになり、想像すれば「春闘賃上げもあの程度で、この物価高ではやっぱり節約するしかない」という気分でしょうか。
上の図の勤労者世帯の平均消費性向で見ても、緑の柱が赤い柱より高くなる月が無くなってくる気配です。
これが「1億総節約」への逆戻りの兆しとすれば、日本経済に回復のチャンスはないという事になりかねません。それではあまりに経済無策に過ぎます。
政府も、日銀も、アカデミアも、企業も、消費者も、日本経済の中の何がおかしくてこんな事になるのか、本気で考える必要がありそうです。
今年度に入って前月6月までのデータを見ながら、このブログでは、このままで行ったら2022年から回復してきた家計の消費支出の積極化が腰折れ以なるのではないかとの危惧を感じていましたが、7月の数字はどう見てもその兆候を示している感じです。
アベノミクス以来の消費需要の不足による日本経済の低迷の根源である家計の消費支出の低迷から、ようやく脱出ムードに切り替わるかと見えた途端の消費支出の失速です。
これをこのまま放置することは出来ないとう強い思いから今日のブログを書いています。
GDPの半分以上を占める家計の消費需要ですから、これが伸びなければ日本経済は投資中心か財政主導の片肺飛行です。
その家計消費支出が2022年から、コロナ終息もあり、それまでの節約疲れもあったのでしょうかはっきり堅調に変わってきていました。
2人以上世帯の消費支出の年間伸び率(実質)で見れば2020年マイナス5.3%、2021年にはプラス0.7%そして2022年はプラス1.2%と確り回復基調でした。
2022年の春闘賃上げ率はまだ低迷でしたが、家計に消費意欲が出てきたことが感じられました。
それを見ているのが、このブログで追っている2人以上勤労者世帯の「平均消費性向」(手取り注入の何%を消費支出しているか)です。図示してみます。
2人以上勤労者世帯の平均消費性向の推移(%)
資料:総務省統計局「家計調査」
柱の色は青2021年、赤2022年、緑2023年で、各月の%(平均消費性向)が並んでいます。
2022年赤の柱は、3月と11月を除いて2021年の青の柱より高くなっています。これは収入に比して消費支出が増えた事、つまり、節約ばかりではなく、少し生活を良くしようというムードが出て来た事の表れでしょう。
ところが最近に至って、様子が変わってきました。
今年は春闘賃上げも前年を1ポイント以上上回ったようですし、コロナも5類になったので、人の動きも活発になりました。
しかし昨年、前年比プラス1.2%まで回復してきた年間実質消費支出の伸びが、急速に落ち込み、月毎では、ことし6月は対前年でマイナス4.0%、7月にはマイナス5.2%です。
これは勿論消費者物価が異常な上昇をしているからですが、恐ろしいのはここに来て名目の消費支出も対前年で減って来ている事です。
3月までは名目では増えていましたが、4月以降は名目支出額も一貫して前年比マイナスになり、想像すれば「春闘賃上げもあの程度で、この物価高ではやっぱり節約するしかない」という気分でしょうか。
上の図の勤労者世帯の平均消費性向で見ても、緑の柱が赤い柱より高くなる月が無くなってくる気配です。
これが「1億総節約」への逆戻りの兆しとすれば、日本経済に回復のチャンスはないという事になりかねません。それではあまりに経済無策に過ぎます。
政府も、日銀も、アカデミアも、企業も、消費者も、日本経済の中の何がおかしくてこんな事になるのか、本気で考える必要がありそうです。