tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

金融の現状維持は上策

2015年09月16日 11時41分21秒 | 経済
金融の現状維持は上策
 このところ、国際情勢の不安定から日本の景気も、いささか足踏みといった様相もあり、今回の日銀の政策決定会合に、金融緩和を期待した筋もあるようです。

 黒田日銀は強気を崩さず、現状維持で行きましょうということのようですが、それは当然でしょうし、最も上策のように思われます。

 金融緩和を求める声は、ほとんどマネーマーケットからのようです。
 中国の経済減速、アメリカの利上げの行方などの不透明感から、3発目のバズーカで株価押し上げなどという淡い期待もあったのかもしれませんが、株価はもともと経済についてくるものでしょう。マネーゲーマーが経済に口出しして碌な事はないようです。

  現状金融は十分緩んでいます。日本にしても、いつかはアメリカのように、ゼロ金利政策から脱却して、経済と金融のまともな関係を取り戻さなければならないことは当然です。そのタイミングが、他国に振り回されることの多い日本経済では遅れているというのが現実でしょう。

 ゼロ金利の下での金融緩和の最大の狙いは通貨安というのが今の常識ですが、今の日本の$1=¥120の円レートは、すでに過去の円高時代から完全に脱却、購買力平価より円安と見られても仕方ないぐらいの状況ではないでしょうか。
 海外からの観光客の急増、さらには、いわゆる爆買いの様相を見ても知られます。

 これ以上の円安を演出することは、株価には効果があるかもしれませんが、日本の実体経済にとっては「やり過ぎ」の感を免れないでしょう。諸外国の目も、しっかり日本の金融政策を見ているでしょうし、真面目な努力型の日本経済にもいいことはないでしょう。

 現実問題として経常黒字は大幅化しています。二段階の円安で大きなウィンドフォールプロフィットを得た日本企業ですが、今後はこの為替レートの下で堅実な>安定成長への努力をすべき時です。

 経常黒字(国の貯蓄)を巧く活用すれば、経済成長率はもっと上げられるはずです。真面目に働いて経済成長を実現するという日本企業・日本経済の伝統的な手法を、一層の磨きをかけて駆使する時期でしょう。

 技術開発を含め、そのための環境は整っているように思います。


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