tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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日本GDP , ドイツに抜かれ世界4位に

2024年01月16日 12時32分25秒 | 経済

今朝の新聞テレビは一斉に世界3位の日本のGDPが2023年にはドイツに抜かれ4位になるという予想を報道しています。

このブログでは、昨年11月16日付の記事で、IMF(国際通貨基金)が2023年の各国のGDP推計で日本がドイツに抜かれで4位という数字を出している事を取り上げましたが、そのあたりの確実性が高くなったので一斉に報道となったのでしょう。

1969年日本はドイツを抜いて世界第2位の経済大国となりましたが、その後2010年に中国に抜かれ3位に、今度はドイツに抜き返されて4位という事です。

中国に抜かれた時には「人口が10倍だから1人当たりのGDPは日本の10分の1」などと言ってあまり気にしていませんでした。

ドイツとは、いわば抜きつ抜かれつというところで、拮抗していますので気になるという事でしょうが、2023年でドイツに抜かれるという最大の原因は、為替レートでしょう。

2年前までは$1=110円程度でしたが、この所は145円前後であまり動きません。IMFの国際比較は勿論ドル換算ですから年平均140円としてもその間日本のGDPは2割以上減ることになります

ドイツの場合はユーロですから、ドル対ユーロは1.1前後でそれほど大きくは動かないし、ユーロ高の場面もありますから日本の円安継続とは違うでしょう。

マスコミでは、ドイツのインフレがGDPを押し上げたとの説明もありますが、これはインフレの進行で政策金利を引き上げた結果のユーロ高のためという事になるようです。

日本もインフレになりましたが、日銀がゼロ金利を据え置いた結果の円安で、ドル建てのGDPが減ったという事になるわけです。

そんなことで、日本のGDPが4位に落ちたら、実体経済を上向きにすれば、順位はついてくるという事で、実体経済の再建に頑張ろうというきっかけになるようにマスコミがみんなに発破をかけたと受け取りたいと思います。

これを機会に、順位の下がりつつある賃金水準も、今春闘で民間労使が協議しで積極的に引き上げ、民間消費需要主導でGDPを拡大、消費と投資のバランスのとれた成長経済を実現するよう、少し元気の出て来た民間労使の気力と実力で日本経済の構造を変えていけばGDPの規模も世界のランキングも、結果はIMFがきちんと報告してくれるでしょう。


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