tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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インフレを正確に理解しましょう:2 一過性のインフレ

2014年04月13日 10時01分37秒 | 経済
インフレを正確に理解しましょう:2 一過性のインフレ
 インフレには原因によって、一過性のものと、永続性のものがあります。そして、大抵のインフレは一過性です。
 ということで、先ず一過性のインフレの原因について見てみましょう。

 今年の日本経済はある程度のインフレ(物価上昇)は避けられないでしょう。複数の原因が併存しているからです。

 第一の原因は消費税の増税です。消費税が5パーセントから8パーセントに3パーセントポイント上がります。理論的には完全に正確に価格転嫁されれば、消費者物価は3パーセント(正確には108/105=1.02857ですから2.857パーセント)上昇することになります。

 もちろん端数処理や、遣り繰り・合理化で吸収して少しでも安くしようという工夫がされたり、場合によっては便乗値上げで少し余計に上げたりなどいろいろあって、結果的には多分2~3パーセントの間ぐらいになるのでしょう。

 しかしこの物価上昇は一過性です。消費増税の価格転嫁が終わればそれ以上は上がりません。今度上がるのは消費税が10パーセントなった時です。
 政府・日銀のいう「毎年2パーセントぐらい物価が上がる」という「2パーセントインフレターゲット」とは違います。

 この間もガソリンの値段が上がりました。上がった理由は、ガソリンスタンドが儲けたわけではありません。海外で原油価格が上がっているのと、円安になって円換算の原油輸入価格が上がったことの両方が原因のようです。

 我々にはデータがないので計算できませんが、業界団体などがきちんとやれば、どちらの理由でそれぞれ何円というある程度の推計は出来るのでしょう。

 食用、飼料用の輸入穀物などが値上がりして、パンやうどんや豆腐が値上がりするというのも国際的に穀物が値上がりしているのと、円安による輸入価格上昇の両方によるものです。

 小麦、大豆、ソバなど、国産と混ぜて使っていたりすると、どれがどれだけ店頭の値上げにつながったかの計算は容易でないでしょう。

 これらの理由による上昇も一過性です。かつてオイルショックなどもありましたが、海外物価の値上がりが一段落すれば、値上がりは止まりますし、円安による分も、毎年円安になるわけではないので一過性です。

 ただ、ここで注意しておきたいのは、円安による物価上昇は日本だけで起きるものですが、海外資源価格の上昇による物価上昇は世界中で同じように起きるので、両者の国際経済関係に与える影響は異なることです。

 以上見て来ましたように、インフレの原因の多くは一過性です。常態的に毎年ある程度のインフレになるというのはどういう場合に起きることなのでしょうか。2パーセントのインフレターゲットというのはどういうことなのでしょうか。
 次回はその点を見てみましょう。


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