tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デフレの亡霊にサヨナラをしたいのですが!

2017年11月29日 16時16分50秒 | 経済
デフレの亡霊にサヨナラをしたいのですが!
 企業業績好調、労働需給は政府が自慢するほど逼迫、株価は根強い上昇基調・・・。どう考えてもデフレとは縁遠いことばかりですが、政府は未だに「デフレ脱却のために」などと言います。
 学者でも、未だ日本経済は、デフレから脱出していない、などと言う方もおられます。

 今、日本経済はデフレでしょうか。
 このブログでは、折に触れて、消費者物価の動向をみてきていますが、物価が傾向的に下落するような状況は全く見えていません。

 それなのになぜ、いまだに日本経済なデフレの中にあるように思う人たちがいるのでしょうか。
 恐らくそういう人たちは、政府も日銀もそうであるように、2パーセン・トインフレ・ターゲットが望ましいと考えている人たちで、物価上昇がなかなかそこまで行かず、0~1%未満辺りにあるものですから、感覚的にその程度の弱い物価上昇だと、「デフレだ!」と感じてしまうのでしょう。

 しかし、物価は微弱ですが上がっているのです。下がってはいません。
 4年ほど前まで、円レートが高すぎ($1=¥80)その結果日本の物価は国際的に異常に高く、日本はデフレ不況に苦しみました。しかし$1=¥110~120では、日本の物価は国際的に見て高くありまあせん、爆買いに見るように、低いぐらいです。国際的には日本の物価が下がる必然性はありません。

 しかも、今は、世界的に、物価が上がりにくい状況にあります。海外の著名な経済学者でも、なぜこんなに物価が上がらないのかわからない、なという方もおられます。

 この問題は別途論じる事にして、インフレ嫌いの日本人ですから、物価上昇率が低いのは自然ですし、ゼロ金利のもとで、物価が2%も上がって欲しいなどと考える消費者は居ないでしょう。今の日本経済では、この物価安定がベストなのです。

 然し、ニュースでも知られますように、今いろいろな消費関連業界で、製品・商品価格を引き上げたいという希望は強いようです。現に値上げを発表されているところも結構あります(ビール、ゆうパック、焼き鳥チェーン、宅急便、牛丼、ティッシュ、パン、豆腐、うどん、などなど)。

 今後、消費者物価はじりじり上がる可能性もあります。政府は喜ぶかもしれませんが、消費者には問題です。消費増税も待っています。消費者は益々財布のひもを締めるかもしれません。

 これが今の経済・物価の状況でしょう。いったい何がおかしいのでしょうか。
 これだけ景気が回復しても、物価が上がらない状態を演出しているのは、「消費不振」です。その背後にあるのは、「消費性向の低下(貯蓄率の上昇)」です。

 消費性向の低下をもたらしている原因は何でしょうか。これはもう定説ですが、「将来不安」です。これがある限り、消費者物価は低迷(下がってはいませんからデフレではありません)でしょう。デフレ脱出の条件はそろっているのに、デフレかと見まがうような消費者物価の安定状態の真因は「将来不安による消費不振」なのです。格差社会化もこれに一枚噛んでします。

 結局、消費者物価が政府の希望するように上がらない原因は、政府が国民の感じる将来不安を払しょくしないことにあるという事になるのです。
 国民にとって、全く不愉快は論議が、また繰り返されている国会ですが、これではデフレの亡霊はまだ当分消えないかもしれません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿