tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コロナ後、必要になる経済政策を考える

2021年06月13日 20時58分10秒 | 経済
コロナ後、必要になる経済政策を考える
 コーンウォールのG7サミットでは、ワクチンの世界的接種を視野 に、コロナのパンデミックの終息を来年中には完了したいという事のようですが、日本の場合には今年中には何とか目鼻がついてほしい所です。

 いずれにしても、秋までには総選挙があり、新しい政権は、コロナ後を目指して、新たな日本の進むべき道を示さざるを得ないでしょう。

 中でも当面最も関心の高いのは日本経済をどうするかではないでしょう。
 日本経済は、安倍政権の末期から低迷を続け、この1年半ほどは、コロナ禍の中で大変不自由な経済活動、国民生活になって今に至っています。

 国民の中には、コロナの終息を待ちきれずに、コロナ後を先取りするような気配もあり、繁華街など人流が増えている場所も少なくないようです。

 それだけ国民の自由な日常生活への願望が強いのですから、コロナ終息、あるいは集団免疫が有効といった見解が出れば、国民の経済活動も、勿論企業の経済活動も、急速に回復するでしょう。

 しかし、秋の選挙で勝った新しい政権は、その回復で満足するわけにはいかないはずです。典型的には、コロナ対策のために発行した巨大な国債のせいで、国債残高は急増、現政権公約の財政健全化、プライマリーバランスの回復などは、ほとんど先が見えなくなっているのではないでしょうか。

 であってみれば、新しい政権は、コロナ終息を喜ぶ国民に、その先にある日本経済の、あるべき姿を示さなければならないでしょう。

 という事で、恐らくは選挙戦の中で、コロナ禍からの回復に続く、日本経済の新たな成長路線についての論戦は、多分激しくなるでしょう。
国民もそれぞれに、その中で何が必要、何が重要かを、出来れば今の内から考えておかなければならないのではないでしょうか。

 今度の総選挙で、新たな日本経済の成長路線が論戦の主要なテーマの1つとなることを考えれば、大事なことですから、このブログでも種々検討してみたいと思う所です。

 ところでこの所の経験を見れば、アベノミクスの貢献は、先ず、日銀の金融政策を活用して、プラザ合意でアメリカに強いられた円高から漸く脱出した事でしょう。
 すでに当時アメリカは、日本をあそこ迄円高で困らせることはまずいと思っていたのではないでしょうか。
 
 日本はもういい、アメリカにとって、より重要なのは人民元高だと、重要な関心は中国に向いていたのでしょう。

しかし残念ながら、中国は、日本の失敗の経験を十分研究していたので、アメリカの人民元高の要請には全く応じませんでした。そして今日に至っているのです。

 それはともかく、円高是正後のアベノミクスには見るべきものはありませんでした。財政政策は国債累増の壁に阻まれ、規制改革は加計学園問題に矮小化され、国民は少子高齢化で年金問題に象徴される将来不安という巨大な影におびえ、消費は低迷、経済の活性化は、漸くインバウンド(外国人の消費)の盛況に見出すことが出来た程度でした。

 こうした状況にプラスコロナ禍だったわけですから、コロナ後になっても、その先、日本経済を健全な成長軌道に乗せるために必要なことは、全く新規に考えなければならないのでしょう。

 例えば、コロナ禍で見えて来たのは、ワクチン開発で明らかなように、日本の研究開発体制の劣化、国民皆保険の美名の影で、手抜きされる保健政策の現場、はしなくも見えた、学術に対する政府の偏見、といった経済成長の人的基盤、人的インフラの弱体化でした。  
 政治の在り方も含めて、他にも種々の劣化が進行していたように思われます。

 及ばず乍ら、これから、こうした問題も含めて、日本経済社会の本格的活性化に何が必要かといった問題を、折に触れて取り上げてみたいと思っています。

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