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2021年3月の家計調査:消費動くか!

2021年05月11日 16時30分28秒 | 文化社会
2021年3月の家計調査:消費動くか!
 今日、総務省から「家計調査」の3月分が発表になりました。
あわせて2020年度の数字も発表になって、年度統計の方は全面的にコロナ禍の影響を受けて、消費が落ち込んだ時期の調査ですから、

「昨年度の消費支出 前の年度を4.9%下回る 新型ロナの影響で」(NHK)

といった見出しが多いようですが、このブログで追っています月々の動きで見ますと、少し違ったものが見えてくるような気がします。

 なにか今年3月は消費復活の月のような感じなのです。
 2人以上の所帯の消費支出を見ますと、対前年同月6.0%の増加で、4か月ぶりということですが、4か月ぶりというのは消費増税による統計の歪みのせいです。

  昨年10月、11月は対前年同月比の消費は伸びたように見えますが、これは2019年10月からの消費増税影響で、9月の駆け込み需要の反動で10月11月はは消費が手控えられたせいですので、実質的には1年何か月ぶりの増加という事でしょう。

  ところで増加をリードしたのは、どちらかというと、矢張り、いわゆる巣篭り需要が中心で、住居関係28.9%増、家具・家事用品10.5%増、教養娯楽が12.7%増でこれも5か月ぶりの増になっています。増加幅の大きさには注目です。

  特筆すべきは、不要不急の外出自粛の影響で伸びないと言われておりました超低迷状態の「被服及び履物」が5.2%増というプラスになったことです。

 またここにきて緊急事態宣言、蔓延防止措置ですが、国民生活が制限される中で、国民はそれなりに販売の仕方、消費の在り方を考えて、なんとかまともな消費生活に近づくよう色々と努力しているのではないでしょうか。

 という事で、例月通り、収入と支出のとれる勤労者所帯のの数字を見ますと、やはり平均消費性向が大きく上がっていることが解ります。

 この3月、2人以上の勤労者所帯では可処分所得(手取り収入)は、対前年同月比で1.1%減りました。

 しかし消費支出は6.7%増え、平均消費性向は87.5%になり、前年3月の81%を6.5ポイント上昇しています。一昨年3月の88.9%水準に近い所まで戻っているのです。

 今年1月、2月はマイナス1.4、マイナス4.4でした。昨年はほとんどマイナスで、プラスだったのは(消費増税で歪みの出た)10月0.1と11月1.5だけでした。
 3月の6.5ポイント上昇は、驚くべき大幅上昇という数字です。

 そして対コロナは、いよいよワクチン勝負の段階に入ります。さて、これからの国民の消費行動はどうなるのでしょうか、それが日本経済にいかなる影響を与えることになるのか、今後の展開も確り追ってみたいと思います。

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