tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デフレを脱出しインフレに近づくためには

2012年12月30日 10時45分44秒 | 経済
デフレを脱出しインフレに近づくためには
 新政権の出足は、思いの外順調でした。安倍総理の日銀への働きかけが投機筋をビビらせ、ほぼ5円幅の円安を実現したのは、予想を上回る大成功でした。このまま円安が進めば、デフレ脱出、インフレ経済に近づくことも可能かと思われるほどのスピードです。

 しかし日本の実体経済が変わったわけではありません。ですから、すでにあちこちで書かれていますように、早晩、化けの皮が剥がれて、元の木阿弥にならないかといった声が出て来ても当然です。
 それも乗り越えて、もしうまくいき、そのままムードに流されて、$1=¥90、さらに$1=¥100に行ったところで、リーマンショック前に近づいただけで、また何かあれば$1=¥80に戻ってくる可能性は否定出来ません。

 ユーロ問題の時にも書かせて頂きましたが、金融支援で当面を糊塗しても、最終的には、ギリシャやスペインが、赤字を垂れ流していたのでは解決しません。やはり赤字国が、自分の生産力の中で生計を立てる(生産性の範囲で生活する)ようにならないと根本的解決にはなりません。問題はいつか再発します。

 日本も、本当の意味でデフレを脱出する、つまり、国際投機資本が、日本経済を見て、「かつての日本と違うな」と思ってくれないといけないわけで、それにはやはり「日本も人並みの国になる」ことが必要でしょう。

 具体的に言えば、日本の場合は、「万年経常黒字国」を卒業することです。万年黒字国と万年赤字国が併存すれば、投機筋は、安全が必要と見れば、万年黒字国の通貨を選ぶに決まっているからです。
 日本が万年黒字国でなくなれば、単に世界一巨大な国債残高を持つ、「IMFにとって心配な国」になり。円高の心配もなく、デフレの心配も雲散霧消するでしょう。

 そうなれば、今度は当然インフレが心配になるでしょう。第一次オイルショックの時のように、本気でインフレターゲットを論じなければならなくなるわけですが、今の円高とデフレの悪循環の方がもっと恐ろしいので、敢て、多少不健全でも、そちらに向かおうと言っているのが、インフレターゲットの本当の中身です。
 だから100パーセント健全が好きな日銀は反対だったのです。

 やはり当面心配すべきは、再び円高を呼び込まないようにするにはどうしたら良いかが今は最も緊急の課題なのです。後のことはそれが出来た後で、ゆっくりと然し確り考えよう、ということなのです。
 
 ということで、新内閣は、休まずに次々と手を打って行かなければなりません。
 化けの皮が剥がれて、また円高に戻り、年末の株価上昇は、一時の夢だった、ということにならないために矢継ぎ早に手を打って行かなければなりません。(続きは明日)


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