AIという領域は、まだ始まったばかりでAI自体が、今後の在り方を模索している状態でしょう。
といってもAIが模索しているのではなく、AIを設定する人たちが模索しているといったほうが正確かもしれません。
あらゆる学問の分野、研究の分野でも問題が複雑であればある程その発展には時間がかかります。これからも、AIの進化は長い間続き、人間の役に立つものに進化していくのでしょう。期待して待ちたいと思います。
例えば自動車というシステムを考えてみれば、はじめは、歩くより、馬に乗るより、具合よく移動するだけだったのでしょう。しかし今は交通インフラ通信インフラの発展もあり、自動車の用途は大変広くなりました
AIは、人間が情報を集めて整理して、それからいろいろなことを読み取って今後の役に立てるというのが基本システムのように思えます。
例えば、裁判官や医者が、いくら勉強しても、六法全書、判例のすべてを読ん忘れずに覚えているというのは無理でしょう。医者が患者のあらゆる病気の症状や訴求をすべて経験して、正確に記憶し続けている事も不可能でしょう。
しかしコンピュータには出来ます。さらにAIにはそれを整理して、問題を与えれば、それに関する適切な回答の形で、器用にまとめて報告するということも出来ます。そんな事の出来る有能な部下がいたら素晴らしいでしょう。
そういう意味では、AIは素晴らしい仕事をしてくれる部下です。裁判官や医者が、過去のあらゆるデータをもとに判断をする事が出来るのです。
では、裁判官や医者は、AIの言うとおりに判断するでしょうか。多分、その上に自分の体験、事件や症状の現実の状態を重ね合わせ、自分の判断をする際の重要な参考資料とするのでしょう。そうしたプロセスを経て、判決や診断がより良いものになるというのがAIの効果、AIの役割でしょう。
AIは過去の記録の集積です。例えば、AIに「今のトランプさんの関税政策の効果は?」と質問してみてください。最近の多くの識者の意見の要約を「うまく纏めたな」といった答えがまことしやかに述べられるでしょう。
こうした我々にも解からない事はAIにも解からないようです。最後に「あなたはどう考えますか」などと言ったりします。AIも新情報を得たいようです。
ただ、人間が絶対適わないのは、覚えたことは忘れない事、計算(思考のスピード)が圧倒的に早い事です。(関数電卓で経験済み)
しかし、AIの活躍の分野はどんどん広がっています。常識(過去の情報の集積)と関係ないところ、例えば、SFや怪奇映画、空想的な小説や漫画、ゲームの世界、更に、新しい絵画や音楽などの創作の世界などでは、斬新な発想(思考の組み合わせ)、乱数表的な無限の組合せから全く斬新な作品が生まれることもあるでしょう。それは、教養とか娯楽とか言われる分野です。
ただ、最終的にそれが受け入れられるかは人間の感性が決めるのでしょう。
AIの役割と人間の役割の分担はAIの進化次第、人間の感性次第で変わるでしょう、でも、最終的には、やはり人間が判断することになるような気がします。その理由については、改めて書いてみたいとも思っています。