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日銀、現状の金融政策を「当分の間」継続

2019年04月25日 23時28分28秒 | 経済
日銀、現状の金融政策を「当分の間」継続
 今日、日本銀行の政策決定会合が終わり、午後3時半でしたか、黒田総裁の記者会見がありました。 
 TVで様子を見ようと思いましたが、やっていないので、インタネットで拝見しました。

 大変大事なことだと思うのですが、TVの中継はないし、NHKの夕方7時からも、夜9時からも一言も触れていませんでした。

 マスコミとしては、特に変わったことがないのならあえて取り上げる必要はないという事なのでしょうが、やっぱり、変化する経済情勢の中で、2%のインフレ目標を6年続け、達成の気配もない中で、来年四月まで、さらにそれ以降も特に変更は考えないということ自体が重要な政策決定ではないかと考えて、やっぱり取り上げることにしました。

 黒田総裁が強調していたのは、本来の日銀、物価の番人としての日銀の基本的主張である「物価の安定」という「言葉」ですが、その意味は「2%の消費者物価上昇が物価安定であるという事でした。」
 (注:説明ではこの物価は「生鮮食品を除く総合」だということでした)

 そして「2%を超える程度の消費者物価の上昇がなければ、デフレ脱却とは言えない」という言い方で、現状はすでにデフレではないが「脱却」という意味ではそのくらいにならないと、いつまた物価が下がるかわからないようではだめ、という解説でした。

 温厚に解りやすく説明していましたが、何か、本当にそう理解した上での説明というより、日銀としては、そう説明せざるを得ないというレールに乗っての説明といった印象がどうしても拭えませんでした。

 やはり政府、日銀は一体になって、超金融緩和を続けるしかないという現政権の方針が強く反映しているのでしょうか。
 ゼロ金利による地銀の経営悪化という副作用についても、銀行の本来業務の収益は減少しているが、証券の売買益などで純利益は横ばいなので、あまり心配していないという感じの説明でした。(中央銀行がその認識でいいのかという意見もあるでしょう)

 ただ、 MMTについてどう考えるかという質問に対しては、あれは理論的に確立したものでもないし、日銀はそんな考え方を持っているわけではないと、きっぱり切り捨てていました。何といっても、物価の番人を以て任ずる「日銀」ですから、基本的には財政・金融政策の節度は重要という立場でしょう。

 しかし、現在やっていることは異次元金融緩和で、その結果を 日銀のB/Sで見れば、国債などを400兆円ほども買い上げた結果は、400兆円近い額の当座預金の受け入れになっている(巨大な行き場のないお金が日銀のB/Sの中で両建てになっているというのが現実です。

 本来、金融を緩めるのは、お金を使いたい人がいるからで、両建てになっているというのは、「供給したお金はほとんど使われていない」という事ですから、実体経済の役に立っていないことは明らかで、異次元金融緩和は 何か別の目的で利用されているということになるようです。

 このあたりが黒田総裁の説明が歯切れが悪い原因で、背後には、どこかの国の思惑で円高になれば忽ち日本経済はデフレ不況になるという恐怖感が常に存在するが、「それは口が裂けても言えない」という事情があるのではないでしょうか。

 やはり日本の経済政策は、「どうすれば異次元金融緩和を止めても円高を強いられなくて済むか」という本来求めるべき方向に梶を切っていかない事には、根本解決はないという事になるよな気がします。
しかし、いかにアベノミクスでも、これは大変難しいことのようですね。

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