tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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貿易収支は回復するか?

2019年02月20日 17時23分33秒 | 経済
貿易収支は回復するか?
 今年(2019年)1月の貿易収支が発表になって、赤字幅が1.4兆円、4か月連続の赤字とマスコミが報じています。

 トランプさんは中国や日本に、アメリカの対中貿易赤字、対日貿易赤字が怪しからんと言って、2国間交渉で迫ってきています。先ずは対中交渉という事で、まさに今始まるところです。

 お互いにもう大人だし、こじれれば双方に打撃になるといった面もありますから、何とか穏便に済むのではないかという予測で株が上がったりしていますが、対中国では「知的財産権」の問題があるので大変ではないでしょうか。

 日本の場合は、安倍さんは、モノの貿易だけにしたいという事で、 TAGなどという言葉を作ってみましたが、アメリカは「モノもサービスその他もすべて含む自由貿易交渉」と言って、これから本格化するのでしょう。

 日本にしてみれば、対米より対中の方が貿易額は大きいのですから、米中摩擦の方が問題という面もあるでしょう。下の図で見ますように、日本の貿易収支は、もう黒字はあまりでなくなっています。


 原油価格が上がって貿易赤字という説明もありますが、下の図から解ることはリーマンショックの後のように「円高になれば貿易赤字は増える」(2018年もそうですね)という傾向は明確です。

 一方、円高になった時は、対外直接投資が増え、第一次所得収支(海外からの利子配当種入)が増えるという動きも明らかです。
 いま日本の経常収支の黒字は殆どが第一次所得収支ですから、何時かはこれもG7やG20などで問題になる事も考えられます。

 ところで、この茶色の柱がどんどん低くなって、青い柱が高くなるという傾向は、「モノづくりの国日本」としては 矢張り問題なのでしょう。
 外国にモノを作らせ、投資収益で暮らそうとすると、何かアメリカ型に近づくような感じになります。

 最近、国内では現場力の低下などが言われ、不注意によるような事故や災害も散見されますが、やはり日本は「万全のモノづくり体制」を堅持し続けるべきでしょう。
液晶やELディスプレーでも韓国に先行されることが多いようです。かつては考えられなかったことですが、結果的に数字として出てくる国際収支の中の 貿易収支と第一次所得収支といった問題も今後の日本の進むべき道の中の重要なポイントになるような気がしています。

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