tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀:中央銀行の独立性の行方

2018年08月03日 11時50分20秒 | 経済
日銀:中央銀行の独立性の行方
 連日長期金利の上昇が報じられるようなことになって来ました。
 日銀も、世界の情勢が金利の正常化に動いていく中で、かたくなに「ゼロ・マイナス金利」ばかり言っていたのでは、世界から批判を浴びるか、あるいは相手にされなくなるかといった事態を感じ取ったのでしょう、長期金利の上昇を容認する雰囲気を演出しています。

 しかし金融の世界環境はマネーゲーマーたちの活動が主体ですから、ボラティリティー選好は強いようで、ついつい行き過ぎるのが一番怖いのでしょう。突然とか臨時とか言われる長期国債の購入などご苦労が多いようです。

 大鬼・小鬼のマネーゲーマーたちの思惑が交錯する中で、長期金利を安定させることは大変に困難でしょう。こういう時は、こちらの強固な意志を明確に表示し、乱高下はあっても結局はそこに落ち着くというイメージを確定させることが、思惑封じに有効なのかもしれません。

 現状、日銀が、何か自らの意思をぼかしつつ、あいまいな態度をとっているのには、それなりの理由があるのでしょう。
 我々素人目から見ればその理由は計りかねますが、もしかしたら、大きく2つあって、1つは何とか円高が進まないようにしなければならないという点、もう1つは金利が上がって国債価格が下がると問題が起きるという点辺りではないかと思うところです。

 しかし、まず1つ目の円高の問題についていえば、超短期の思惑が支配するマネー市場で、その動きにいちいち対応するといったことは至難ですし、ある意味では無駄かもしれません。
 それよりも、日本は円の価格についてはこの程度が適切という基本的な見方をしていると表明(トランプさんは111円とかいった?そうですが)、それを基軸に行動をとる。場合によっては「 固定相場制もOKですよ」「本当はその方が世界経済の安定発展のためになるのですよ」ぐらい言うべきかもしれません。

 2つ目の国債価格の問題については、当面は国債価格が下がるという問題ですが、長期的には、 金利上昇で財政再建を困難にするという財政とのからみが出てくるのでしょう。
 これは政府の「財政再建」の問題で、日銀はそれを忖度する必要はないでしょう。基本は中央銀行の中立性に関わることです。

 ここからは蛇足かもしれませんが、今、世界の金融市場は勿論、政治についても、視点がどんどん短期化した「近視眼的な行動基準」に支配されているようです。
 世界の政治・経済が混乱している大きな理由の一つにはそれがあるように感じています。

 ならば日本は、そうした中で常に長期的視点に立ち、10年後、50年後、100年後の世界のあるべき姿を常に世界に語り掛け、行動としても働きかけていくというスタンスを維持するのはどうでしょうか。

 例えば、「アメリカ・ファーストは、関税やドル安でやるのではなく、アメリカの実体経済の強靭化でお願いします」と安倍さんがツイートしたらどう(なる)でしょうか。
 近視眼的なツイッターより、確りした長期的視点の話し合いの方がいいことは解っていますが・・・。

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