tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「独裁者」:人類社会の最大の問題を考える

2023年12月18日 14時49分07秒 | 文化社会
ユネスコ憲章前文の冒頭に「戦争は人の心の中で始まるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という故アトリー英国首相の言葉があることは、このブログでは何回か書いています。

最近の世界の大混乱を見るにつけ、また地球人類の将来を考える時、この大切な言葉をさらに具体的に進めて行かなければならないとつくづく感じていました。

そんなことを考え続けている中で、気づいて来た事を言葉にしてみましたら、こんな言葉になりました。
「戦争や多くの紛争は、独裁者の意思決定によるものであるから、人類社会の持続的な平和のためには、独裁者を生み出さないようにしなければならない」

考えてみれば当然のことですが、地球上の人間のほとんどは平和で平穏な社会の持続的な発展を願っているのです。
この希望を無視・蹂躙し、破壊と殺戮、人類社会の退化を進めるのが戦争や紛争です。

こうした大多数の人々の意思に反する事が容易に出来るのは独裁者なのです。
民主主義が貫徹する社会では、大多数の人々の意見に逆らう事は不可能です。

今、我々はその典型をロシアに見ることがウクライナでは破壊と殺戮、ロシア側でも、多くの若者の命が失われているのです。

目を転じれば、ガザの多くの人達も、大多数のイスラエルの国民も、またミャンマーの国民も、独裁者の意思とは異なり、平和と安定・発展の日々を望んでいます。

振り返れば、日本では、軍部独裁が続いた果てに、その帰結は廃墟になった日本でした。愚かにも、国民は独裁者の嘘に騙されていたのです。日本人はそれを恥じ、それは平和憲法に結実しました。

今のロシアも同列でしょう。プーチンの嘘を信じている人も多いでしょう。気付いている人も多いと思われますが、その声を上げられないのが独裁政治の恐ろしさです。

こうした、多くの人が望まない戦争や紛争を引き起こす独裁者は、いかにして生まれるのでしょうか、独裁者が生れる原因の検討が必要でしょう。

ロシアでも来年は、大統領選挙があり、形は民主主義になっているのです。なぜ、民主主義の下で独裁者が生まれるのでしょうか。

このブログでは、「民主主義のトリセツ」でこの問題を取り上げてきました
民主主義社会の土台になる「選挙」の場で、肝心なことを列挙して、さらに多くの人からの意見を求めました。反応もいただきました。

その中で真っ先に掲げたのは「リーダーの任期には制限が必要」という事です。
現に、多くの国、組織では、リーダーの任期に制限を決めています。

プーチンは、 最初に任期が来た時、腹心のメドベージェフと大統領と総理大臣の地位を交替し、次期選挙で大統領に再選、巧みに長期政権を固めました。そして今、ウクライナ侵攻、ロシア帝国の皇帝を目指しているようです。

最近の事例に鑑みれば、中国では、毛沢東の晩年の失政に学び、国家主席は2期10年までとしていました。しかし習近平は忠告や諫言を退け、3期目に入りました。習近平の独裁者化を心配する声は国内外で大きいようです。国内の声は既に圧殺でしょう。

日本の卑近な例では、安倍総理の例があります。党紀を改めてまで3期を強行、長期政権の中で、「決める政治」の旗印の下、内閣府への権利の集中、閣議決定万能など内政、外交の独裁化が進みました。党組織の金銭的腐敗も進行したのです。

次回も、独裁者の問題を、もう少し論じてみたいと思います

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