tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済学とEconomics

2009年04月05日 13時51分08秒 | 経済
経済学とEconomics
経済学というのは日本語で、英語のEconomicsを日本語に訳したものだといわれます。訳したというより、Economics を勉強した人が、適当な日本語を当てはめた(慶応年間、蘭学を勉強した神田孝平という人だといわれます)ということでしょう。

 経済という言葉はもともと、中国の古い言葉「経世済民」から来ているということは多くの皆様もご承知のことと思います。意味はといえば、世の中を経営して人々を救うといったことでしょうか。
 中国には、修身、斎家、治国、平天下 などという言葉もありますが、経世済民の場合も、広く世の中全体を考えている言葉のように思います。

 一方、Economicsの語源は、ギリシャ語のoikonomia だということで、oikos というのは家のことで、oikonomia は家政学と言う意味だといわれます。つまり英語のEconomics は広く世の中全体を考えるものではなく、家の中をどうするかというのが基本的な発想のようです。

  ところで、今回の世界金融恐慌の発生の経緯などを考えますと、われわれが考えている経済と、英語でEconomicsといっている人たちの認識には、何か違いがあるような気がしないでもありません。

 われわれは、経済の勉強といえば、モノやサービスを生産して、世の中をより豊かで快適にするプロセス(実体経済)を勉強すること考えるのが普通です。しかしアングロサクソン系の国々や人々は、株式や証券、金融などの手法を駆使して、如何に世の中の富を、自分のグループや国に移転させるか(金融技術)により大きな関心を持っているようです。

 小学生や中学生に経済に関心を持ってもらおうということで、工場や流通など実体経済の現場ではなく、まず証券取引所の見学にいくといった発想は、本来の日本的なものではないような気がするのですが、私の偏見でしょうか。


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