tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

なかなか下げ止まらない平均消費性向

2019年05月17日 23時04分47秒 | 経済
なかなか下げ止まらない平均消費性向
 遅くなりましたが、今月10日に3月分の「家計調査」が発表になり3月の平均消費性向(2人以上、勤労者所帯)が発表になっていましたので、取り上げます。
 先月、2月の家計調査で、何となく平均消費性向が下げ止まりの様子が見えるように感じ、このブログにも書きましたが、今月も下げ止まらず、対前年同月比で、0.8%ポイントの低下となりました。

 消費税増税が予定通りであれば今年の10月からですが、何やらまだ不透明な要素もあるようで、「駆け込み需要」云々といった雰囲気は、未だとてもないようです。

 3月というのは年度末で、家庭によっては「もう少し引き締めないと」などといった話も出たりするのかもしれませんが、ここ3年ほどの3月の平均消費性向を並べてみますと。
 2017年92.9%、2018年89.4%、2019年88.9%と言うことで、なかなか下げ止まってきていません。

 平均消費性向については、今後も継続して毎月報告するつもりですが、そろそろ下げ止まってほしいものです。
 希望を言えば、そのためには国民の将来不安を少なくするような政府の施策が必要なのでしょうが、残念ながら、その期待はうまく持てそうにありません。

 政府がだめなら、国民自身、労使団体、企業の労使といったところから、平均消費性向向上で、消費と投資のバランスの取れた日本経済をつくるための検討作業などはいかがでしょうか。

 先年、春闘の際の労使の白書がともに、「高齢化を逆手にとって日本経済を元気にしよう」という趣旨の提言をしていたことを思い出します。
 歴史を見れば、日本は労使が本気になって問題に取り組むとき、結果が出るといったことが「高度成長期」や「二回の石油危機の克服」の際などにみられます。
 改めて労使団体や企業労使が本気になって、知恵を出し合ったらどうでしょうか。