tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

3月の景気動向指数、下降局面濃厚

2019年05月13日 23時27分36秒 | 経済
3月の景気動向指数、下降局面濃厚
 今日、2019年3月の景気動向指数が発表になりました。1月の数字が下降局面を示したので、その時点(3月7日)で このブログで取り上げ 
ました。
 2月はほぼ横ばいだったので、ちょっと様子見でしたが、3月の数字が大きく下げたので、景気動向指数の読み方としては悪化といわざるを得ない状態になりました。

 上記、3月7日のブログで、過去1年間の隔月の動きを追っていますから再掲し、2月と3月の数字を付け加えておきます。

景気動向指数:CIとDIの推移

内閣府:「景気動向指数」
 
 繰り返しますが、CIは数字そのものが景気の高さを表し、DIの方は。数字が50を「下から上」に切るときが景気の谷、50を「上から下」に切るときが景気の山と言うことになっています。

 これを見ますと、景気そのものは昨年10月がピークのようで、その後じりじり下げています。具体的な数字は、
CIの方は、図の最後の1月が99.9、2月が100.7、3月が99.8
DIの方は、図の最後の1月が12.5、2月が18.8、3月が7.1で、直前の12月が50.0で、ここで50を「上から下に」切ったことになります。

 2月の15日の「 黄信号点灯」と書いた、昨年10~1月のGDP速報でも、日本経済の動きは基本的に同じです。
 政府はまだ今日の段階では下降局面とは言いたくないようですが、統計数字は正直でしょう。

 確かに今回の景気下降局面入りはアベノミクスの失敗というよりは、米中貿易交渉のこじれたことによるところが大きいことは明らかで、もし今日にでも、米中が手打ちをして問題がなくなれば、株価は急騰、中国景気も持ち直し、日本企業もほっと一息で景気は快方にということになるかもしれませんが、まあ、そんな事は無いでしょうから、下降局面入りは避けられないのでしょう。

 アベノミクスの失敗は、消費不振を放置したことで、もっともっと前から、元気になるべき日本経済を投資ばかりの「片肺飛行」にしていたことでしょうから、いずれにしても、今回の下降局面入りは避けられなかった「外来不況」でしょう。

 アベノミクスのやるべきことは「景気は緩やかに回復基調」と言い続けることではなく、国民に働きかけ、消費不振を早期に脱出して、内需拡大で、景気の落ち込みを、より浅いものにするという努力でしょう。

 でなければ、トランプさんに、「偉大な経済は高関税ではできませんから、も少し頭を使いましょう」と説得するのはどうでしょう。これができれば良い不況対策になるでしょうから。