tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

世界第1位と第2位の経済大国の経済戦争の行方

2019年05月11日 00時01分28秒 | 国際経済
世界第1位と第2位の経済大国の経済戦争の行方
 日本時間の今日午後1時1分、アメリカは中国に対し、2500億ドルの輸入品の関税を10%から25%に引き上げる決定をしました。

 交渉はもう1日あるわけですが、先を急いで仕掛けていた今日といいう期限を、アメリカは実行し、中国側は冷静に「報復措置をとる」といいつつその内容は言わないというのが現状です。

 相手の対応を期待して用意した切札を切ってしまうことになってしまったということは、アメリカの思惑は(多分)外れて、ファーストラウンドはアメリカの負けでしょか。冷静な中国が余裕を残した感じです。
 さすがは共産党一党独裁の国、当初下落した上海市場も持ち直し、政府系ファンドの介入などと報道されています。

 アメリカは残る3千数百億ドルの輸入についても、関税を25%に引き上げるといって脅しをかけるようですが、関税引き上げで経済力が強くなったといった例はあまりないので、また、この節、保護主義に走るというのは、国際的にみても評判を落とすだけですから、自由主義経済圏としては(アメリカは覇権国ですから)困ったっことだと言うことになります。

 トランプさんは、その優し気な笑顔と、仁王様のような怖い顔を使い分けて、アメリカの主張を通そうというのでしょうが、習近平さんの方が一枚上手で、さすがは春秋戦国の孫子の兵法から、三国志の諸葛孔明の軍略までの歴史を持った中国の方が一枚上手かななどと見る人もいるようです。

 ま、交渉・ディールの使い手か、兵法や軍略か、といったことは話としては面白いかもしれませんが、経済戦争では、長い目で見れば、結局、経済力が強い方が勝ちを収めることが多いので、関税で攻め立てるアメリカ方式では勝つのは難しいのではないでしょうか。

 GMを始め中国で稼いでいるアメリカ企業も多いわけで、アメリカも返り血を浴びる形にもならざるを得ないでしょう。
 というより、世界が巨大なとばっちりを受ける可能性も確実にあるわけで、米中のチキンレースなどともいわれますが、チキンにしては双方が大きすぎて、傍迷惑この上ありません。

 あまりこじれないうちに、双方がなすべき努力は確りやることも含めて、何とか交渉の纏まる事を願うばかりで、かりそめにも、行く所まで行くなどいうことないように願いたいものです。