tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

安定を望む世界、深まる混乱

2015年09月10日 09時41分23秒 | 政治
安定を望む世界、深まる混乱
 一昨日大幅下げを演じた東京市場を見ながら、中国、ヨーロッパ、アメリカの市場は大幅上げを記録しました。そして1日遅れで東京市場も大幅上げで追随しました。きょうはまたNYの下げを受けて東京は下げていますが、各国はどうでしょうか。

 中國、アメリカの経済が、それぞれの政策努力によって、大方混乱は回避されるのではといった期待は強いでしょう。市場は、世界経済の安定を望んでいるようで、時に世界経済社会を混乱に陥入れる投機市場も、本音は安定を望んでいるということでしょうか。戦争や紛争で株が上がるといったことは昔の話になったようです。

 こうした中でヨーロッパに新たな問題が起きています。難民受け入れの問題です。先日も書かせて頂きましたが、通常、こんなに広範な地域から、こんなに大量の難民が発生するというのは過去の歴史を見ても異常でしょう。
 いかに安定した経済を誇るEUでも、何時まで続くかわからないこんなに大規模の難民の受け入れには負担の限界がありましょう。

 今日の地球上の経済システムは、基本的に国別に出来ています。巨大な難民の流れはこうした国別の経済システムの破綻に繋がりかねません。どの国でも大変苦労している社会保障システムなどは、こうした圧力に弱いことは容易に理解できます。

 安定を求める世界の世論を後目に、ISのような組織が紛争を主導し、世界を混乱に陥れているのが現状です。
 人間は本来、豊かさ、快適さを求めているはずですが、自ら好んで騒乱や殺戮、文化財破壊などに狂奔する人間の集団が出てきたということは、まさに人類社会のガバナンスの欠如を象徴するものでしょう。

 恐らくISという人間集団は、心理学的に言えば、「被害者意識の塊」となった人たちが集まって成立っているのでしょう。かつて「加害者と被害者」で書きましたように、加害者の加害者意識は薄く、被害者の被害者意識は厚く深いというのが最近の傾向のようです。

 しかも、今日の国連の常任理事国を構成する国々においても、それぞれにISのような組織に大きな危惧や危険を感じながら、当面する自国の権利や権益を守ることに汲々とし、ISのような地球人類がその政策の失敗の結果産み落とした忌まわしく禍々しい集団に対し、協力して対応しようという意識を持つに至っていません。
 
 人類の将来を背負う主要各国の指導者が、自らの利害は脇に措き、地球人類に明るく豊かで快適な将来を齎すべく、協力して適切に行動することを60億余の人類のほとんどのが望んでいるのではないでしょうか。人類の知恵が問われています。