tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国連の活用の仕方

2015年09月29日 11時27分28秒 | 国際政治
国連の活用の仕方
 今回の国連総会では、各国首脳が、特に活発にいわゆる「国連外交」を展開しているように思われます。

 国連については、このブログも、常にその本来の目的、果たすべき役割といった、本質論や、理想論を述べてきていますが、主要国中心に、各国主脳は、何とかフルにこの国連総会の機会を活用しようと現実に模索していることは明らかでしょう。

 矢張り何といっても、国連はその本来の設立の理念からして、国際社会の役に立つことを目的としているのですから、国連は国際社会、地球人類のために役に立つ組織なのです。
 だからこそ、各国首脳がそれを利用しようとするわけです。

 問題の本質は、その「国連を利用しようとする」姿勢にあることは、ほとんどすべての方が感じておられるでしょう。
 米中会談については前回触れましたが、国連の場というのは、本来、自国の立場を少しでも有利にしようという主張や画策をする場ではないはずです。

 地球人類全体の平和と安全と発展のために、協力してできることは何か、そのためのベストのアプローチは何かを、協力して模索する建設的な活動の場であるはずです。

 紛争への視点の対立、覇権争い、領土的野心などなどが、多少オブラートにくるんだり、それなりの合理化などをしつつ、内実は衝突を繰り返しているような権謀術策、力比べの場にしてしまうのにはあまりに勿体ないのが国連という場ではないでしょうか。

 主要国がそうした本来の国連の理念をないがしろにするような姿勢を続けている中からISのようないわゆる国際テロ組織、国内警察権の場に置き換えれば誘拐、殺人、文化財破壊を常習する犯罪組織のようなものも生まれてくるのではないかという気もします。

 こうした、改めて荒れ始めている地球社会の問題、その象徴としての大量の難民問題が世界を揺るがしている現実を一つのきっかけとして、世界の主要国、特に国連常任理事国が、暫定的にでも対立を横に置き、協力を前面に活動することが望まれてなりません。

 日本も、難民支援に資金を拠出すると同時に、それだけでなく、その発生の源である紛争解決のための国連の活動の在り方を強く主張するべきではないでしょうか。
 それが常任理事国入りを主張する日本の、国連の中での存在意義としても理解されるのではないかと思うのですが。