tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本産業の誇りを失う武器輸出

2015年09月18日 10時55分10秒 | 経済
日本産業の誇りを失う武器輸出
 つい昨年、アベノミクス解散・総選挙で自分の 政策を世に問うて世論支持に自信を得たはずの安倍政権が、「集団的自衛権」では国民に信を問うことはせず、強行採決という愚挙で自論を通そうとしています。
 国民に問えば賛成を得られないと恐れている(分かっている)からでしょう。

 それと相呼応するのでしょうか、財界の一部から、武器輸出推進の動きが出ています。多くの国民はこれをどう受け止めているのでしょうか。

 戦後の日本は、政策の多少の変更はありましたが、原則として、武器の輸出には消極的でした。上記の財界の一部の声は「それでは、みすみすビジネスチャンスを失う」ということなのでしょうか。何か今流行りの利益中心主義に堕した感じがします。

 繰り返していますが、日本企業の経営理念は、社会のため、人類の発展のためといった高邁なものがほとんどです。
 こうした理念を掲げ、戦後の日本企業は、先端技術を民生品に活用する分野で発展させてきました。

 確かに武器開発は先端技術開発に役立つという意見は多くあります。しかし日本企業は、それをより優れた民生品の開発に活用し、より安全、よりきめの細かい多くの製品を開発し、社会をより豊かで快適なものにするように意識的に努力してきました。

 そしてそうした中から、民生品に注力したほうが、より高度でより有用な技術開発が可能になるといった意見も多く出るようになりました。

 武器は、抑止力をもたらすといった主張もありますが、結局は人を殺傷するためのものです。究極の武器核爆弾がすべての頂点にあります。核爆弾以外ならと言える根拠は何でしょうか。まさか小規模ならいいということはないでしょう。

 日本の産業、日本の技術開発は、あくまでも民生品中心ということで、日本産業は世界の信頼を得、評価を高めて来たはずです。

 多様なDNAの1万年以上の平和共存と融合を実践した日本文化の源流、縄文文化の伝統が、 舶来崇拝によって汚染されたと書きましたが、世界平和がますます渇望される時代に、日本産業界の一部に武器輸出推進などといった意見が出ることは、改めて日本文化の伝統を穢し、日本産業の誇りと世界からの信頼を失う大変残念な出来事に思われてなりません。