tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

次なる手は:実体経済を変えていくために

2012年12月31日 11時48分10秒 | 経済
次なる手は:実体経済を変えていくために
 金融緩和で一時的な円高是正に成功したのは良かったとして、さて次に打つべき手は何でしょうか。次に打つ手はいわずとしれた、「実体経済の在り方を変えますという本気のコミットメントを、世界に対して発信することです。

 ところで、選挙のゴタゴタで、今年は未だに、「来年度の経済見通し」が発表されていません。例年12月28日には「来年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」の付表として発表済みですが、予算編成が出来ていない今年は未だです。

  とうにご存知の方も多いと思いますが、これはGDPから始まって、日本経済の主要指標について前年度の確報、今年度の実績見込み、来年度の見通しを並べて表示したもので、その中には当然「経常収支」もあります(本年1月7日「24年度の政府経済見通しを見る」参照)。

 昨年暮れの24年度の見通しでは、経常黒字は12.2兆円(GDPの2.5%)で当然のことながら24年度の平均円相場は77.5円となっています。これは円高が進みデフレが深刻化するという予想ですから物価の方は、消費者物価こそ無理してプラス0.1パーセントになっていますが、GDPデフレーターはマイナス0.2パーセントデフレ経済が見通されているわけです(実際には5月~9月、消費者物価はマイナスで推移)。

 デフレ脱出宣言をした安倍内閣は、こんな見通しは立てられないでしょう。
 具体的には、経常収支はプラスマイナス0を目指す、円は$1=¥90ぐらい、それで消費者物価もGDPデフレーターもプラス2パーセントと書かなければなりません。

 もちろん数字を直すには、政策を直さなければなりません。口先介入で円安とは書けませんから、その根っこになる経常黒字の大幅減(あるいは±0)のための具体的な経済政策をきちんと書かねばなりません。
 もちろん、書くだけではなく。それを世界に向かって声高に喧伝する必要があります。目的の1つは国際投機資本の日本経済についての認識を変えることにあるのですから。

 これは、国際投機資本の認識を変えるだけではなく、日本国民自体の意識も変えることになるでしょう。「安倍内閣で景気回復」という認識は、一気に広まるだろうと思います。
 日本をインフレにするには、やらなければならないことが一杯あります。ですから、そうした政策の中身もある程度書かなければなりません。

 大型補正、本予算も大幅増で災害復興と国土強靭化、財政赤字は増大、民需(企業投資、消費支出、住宅建設)増のための補助金復活等の政策、などなど、そしてそのための資金が、従来ならGDPの使い残し、つまり経常黒字になる分である事、GDPを使い切れば、先ずこれだけのことが出来ると書くしかありません。

 これらがすべて整合的に計画されて、国際投機資本も諸外国も、そして何より、日本国民が、安倍内閣で「日本は変わる」という認識を持つ事になるのでしょう。
 長くなるのでここいらでやめて、また来年書いていきたいと思いますが、これでもまだ国債暴落、ハイパーインフレには程遠いでしょう。
 でもかなり良い日本経済になりそうですから、良い新年を期待して、今夜はゆっくりお寝みください。