tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人口減少と経済成長

2011年07月05日 14時41分22秒 | 経済
人口減少と経済成長
  ジャパンシンドロームではありませんが、少子化、高齢化で日本は人口減少に向かうから、これからの経済成長は難しいという意見はかなり多いように思われます。
 
  私も、そうした主張が必ずしも当たっていないとは思いません。確かに人口が若い方が経済社会も活力に富んでいる可能性が高いといえましょう。人口が増えていたほうが、マーケットが大きくなるから、経済成長しやすいとも言えましょう。

 しかし、この種の「悲観的予言」はかつてもたくさんありました。多くの学者・評論家は、悲観的意見を述べたほうが頭がいいと思われ、自分もカッコいいと思っているように見えます。
 戦後は、領土の狭くなった日本は発展出来ないという意見、資源が何もない日本では経済成長は難しいという意見、日本人は独創性がないから物まねだけでは成長には限度があるという意見、オイルショックの時は、石油資源のない日本はいよいようダメという意見、今でも食糧自給率が低い日本にはいつか限界が来る、少子高齢化で経済成長は先細り、・・・・・・などなど。

 実は、こうした予言をすべてハネ退けて日本の経済社会は、進んできています。
 ただひとつ、「際限のない円高」については、多くの学者・評論家は、どういうわけか、悲観的な意見を述べませんが、これは日本経済、社会に、現状では決定的な退行要因 となっています。

 「ピンチはチャンス」とは良く言われますし、かつて、「ボトルネックは経済成長の原動力である」という意見もありました。経済発展を阻害する要因があれば、それを克服しようとする活動が経済成長を押し上げるという見方です。
 問題がある時、それが経済成長を阻害する要因になるか、促進する要因になるかは、その問題に対して人々がどう取り組むかによって決まるのです。すべては、それに関わる人間自身の 考え方と態度が決めることだといえましょう。

 日本の人口は、2005年~2055の50年の間に、合計特殊出生率1,26のいわゆる中位推計で
総人口       1億2,777万人  →  8,993万人  29.6%減   年率0.7%減
15~64歳人口     8,442万人  →  4,595万人  45.6%減   年率1.2%減
といことになっており、こうした数字が悲観論の根拠になっているのでしょう。

 問題は大きく2つあるでしょうか。1つは、この人口推計が現実になったとして、日本経済は衰亡しなければならないのか。もう1つは、人口減少は、本当に止められないのか、です。
 さて、日本をどうするかという問題です。少し、具体的に考えて見ましょう。