tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本的思考の原点への回帰を

2011年07月02日 11時24分34秒 | 環境
日本的思考の原点への回帰を
 大震災以来の日本社会の状況から、いま、多くの日本人が感じていることは何でしょうか。震災直後、外国から、日本人の冷静さ、道徳律の高さ、精神力の強さなどが、まさに驚きの目で見られていることが報道されました。
 そう言われて、日本人は、初めて、「われわれの行動はそんなに立派だったのか 」と思ったのではないでしょうか。実はそんなところが、本当の日本人の素晴らしさなのかもしれません。

 大きな試練の中で、地域も産業も、自然災害と原発災害という2種類の困難に立ち向かい、多くを口にしませんが、真摯且つ積極的な対応を示し、被災地は予想外の速さで復興に向けての動きを見せています。漁港の水揚げの再開を喜ぶ、漁業関係者の姿などはまさに象徴的で、大災害をもたらした自然であっても、矢張り人間は自然の中で、自然の恩恵を受けて生きていくことが「自然」なんだという日本人本来の意識が躍動して、本当に印象的です。

 政治や財界の種々の思惑で、色々と歪められている日本社会ですが、本来の日本社会は、縄文以来、人間は自然の一部であり、自然が豊かになることで人間も豊かになるという地球人類本来のあり方を、確りと実行してきた社会だったのではないでしょうか。

 自然を収奪するのではなく、自然を育てることによって、人間も豊かになる。山を育てれば海も育つ、水は自然に流れれば清められると、今も国土の7割の山林を保ち、自然の水や空気、光のもたらす豊かさを大切にしている日本人の考え方です。

 今、日本はエネルギー問題で大揺れに揺れています。当面の大事は節電ということになっています。確かに非常事態のもとでは節電も大事でしょう。しかし単に短期の対策にかまけるだけではなく、こうした時こそ、エネルギー供給の将来像 を考え、それに整合する第一歩を踏み出す時ではないでしょうか。

 その際必要になるのが、日本人の本来の考え方、自然を育てつつ豊かに共存するという日本人の知恵でしょう。

 地球上のあらゆる生命を育てるのは、太陽から無償で与えられる無限のエネルギーです。このエネルギーをまず地球を豊かにするために活用する。人類の浅知恵で地球の自然を「収奪」することをやめ、地球の自然をより豊かにすることで人類も永続的な豊かさを手に入れることができるでしょう。そのための高度な技術開発の芽は日本には沢山あります。
 
 100億人にもなろうという人類が、こぞって地球を収奪したら、地球自体がもたないことは明らかです。地球を収奪することから、地球の自然をを育てることへ、人類の行動を大転換するきっかけを、日本人は自ら実行しつつ、世界にも提供することが出来るのではないでしょうか。