華々しいファンファーレと共に動き始めたアメリカのトランプ政権です。
独特な発想と派手な立ち居振る舞いで、世界の関心を集め、21世紀の今日、世界が心配している2つの戦争の終結に向けて、素早い見事な解決の可能性を感じさせてくれたのですが、残念ながら、そう簡単ではないようです。
パレスチナ問題は、何とか6週間の第一段階は無難に過ぎたようですが、第二段階、ガザからのイスラエル軍の撤退は、更なる、当事者同士の譲歩を要求することになるのでしょう。
戦争の終結とは、どちらかが完全に戦争の目的を放棄する(失う)、実質的降伏か、双方が戦意を破棄する(失う)講和が通常ですが、我々が受ける多くの情報のからの判断では、イスラエルはガザの制圧・殲滅を目指すことをやめる気はないように感じられます。
ウクライナ問題では、ロシアの領土拡大意欲は、ほとんど変わらないようで、ロシア自体は領土拡大ではなく「領土の回復」と強弁という立場です。
これ迄の推移をみると、トランプさんがこんな戦争はすぐ終わらせて見せるといった「秘策」はガザについては、アメリカが取り上げて管理し、素晴らしいリゾート地帯に再開発して見せようという政策だったのでしょう。
ウクライナについてみれば、レアアースの膨大な資源国であるという情報をひっさげて、ロシア、ウクライナ双方と協力して巨大な資源開発を行い、それにアメリカが過半を出資して権益を得る。ロシア、ウクライナ両国にとってもその方が戦争するよりよほど良いはずだというそれなりに合理性のある政策だったのでしょう。
このブログでは不動産業の戦略で国際紛争を収めるという、まさにトランプさんならではの構想と考えていました。
こうした、トランプさんの発想は、国際社会にとっても重要で、大事にしなければと思いますが、現実の国際情勢の中では、付随する問題も沢山あります。
ガザの問題では住民の移転問題が発生します、アラブ諸国にお任せすると言っても、容易ではありません。ウクライナの問題は、国境線変更は国連のルールで、力による変更は出来ません。平和裏にそれを可能にしようと各国首脳と話し合っても、独裁者としての力を持つネタニヤフ、プーチン両首脳と意を通じようと努力した過程で、ガザの住民やゼレンスキー・ウクライナ国民は納得しないとなったようです。
結局現状は、徹底した独裁国ロシアの顔を立てて期待した譲歩はなく、副産物としてアメリカとヨーロッパの意識の分断を生んだところで、今後に多くの懸念を残す踊り場でしょうか。
「アメリカ・ファースト」を掲げて、困難な国際紛争の解決にまで挑戦してみても、解決は容易でないことを、改めて、見せつけられた感じです。
勿論、今のアメリかがトランプ色一色に塗り潰されているとは思いません。国連組織を通じて、国際社会の安定発展に努力する人たちも沢山いるはずです。
トランプさんのような発想も生かしつつ、独裁者の誤った判断が、国際社会を紛争や混乱に陥れることの無いような、世界の人々の日常を回復したいものです。
戦争を経験した人、戦争の実態をテレビで見ている人は、戦争は破壊と殺戮だけで、人類社会の発展を逆走させるものでしかない事を、よくご存じのはずです
これはら改めて、独裁者と戦争の関係を強く認識させるものではないでしょうか。