司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

改正犯収法と法人登記

2024-04-03 14:53:34 | 法人制度
 会社以外の法人から法人登記の依頼を受ける場合には,犯収法施行令第8条第3項各号に列挙された法人等からの依頼のみが犯収法の規律の適用を受けることになる。

 主なところでは,NPO法人(第2号),一般社団法人及び一般財団法人(第4号),有限責任事業組合(第8号)である。

 そして,同条第4項各号に掲げられた行為又は手続を受任する場合のみが対象である。

 したがって,学校法人,宗教法人,医療法人及び社会福祉法人からの法人登記の依頼については,犯収法第4条第1項の取引時確認の規律は及ばない,すなわち実質的支配者の確認を要しないものである。


〇 犯収法別表第2条第2項第46号に掲げる者の項の中欄
 司法書士法(昭和25年法律第197号)第3条若しくは第29条に定める業務又はこれらに付随し,若しくは関連する業務のうち,顧客のためにする次に掲げる行為又は手続(政令で定めるものを除く。)についての代理又は代行(以下この表において「特定受任行為の代理等」という。)に係るもの
 一 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続
 二 会社の設立又は合併に関する行為又は手続その他の政令で定める会社の組織,運営又は管理に関する行為又は手続(会社以外の法人,組合又は信託であって政令で定めるものに係るこれらに相当するものとして政令で定める行為又は手続を含む。)
 三 現金,預金,有価証券その他の財産の管理又は処分(前二号に該当するものを除く。)

〇 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令
 (司法書士等の特定業務)
第8条 【略】
2 【略】
3 法別表第二条第二項第四十六号に掲げる者の項の中欄第二号に規定する会社以外の法人、組合又は信託であって政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
 一 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十二項に規定する投資法人
 二 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人
 三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社
 四 一般社団法人又は一般財団法人
 五 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条に規定する組合契約によって成立する組合
 六 商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合
 七 投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合
 八 有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合
 九 信託法第二条第十二項に規定する限定責任信託
4 法別表第二条第二項第四十六号に掲げる者の項の中欄第二号に規定する政令で定める行為又は手続は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項に関する行為又は手続とする。
 一 前項第一号に掲げる法人 次のいずれかの事項
  イ 設立
  ロ 合併
  ハ 規約の変更
  ニ 執行役員の選任
 二 前項第二号に掲げる法人 次のいずれかの事項
  イ 設立
  ロ 合併
  ハ 定款の変更
  ニ 理事の選任
 三 前項第三号に掲げる法人 次のいずれかの事項
  イ 設立
  ロ 定款の変更
  ハ 取締役の選任又は代表取締役の選定
 四 前項第四号に掲げる法人 次のいずれかの事項
  イ 設立
  ロ 合併
  ハ 定款の変更
  ニ 理事の選任又は代表理事の選定
  ホ 特例民法法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)第四十二条第二項に規定する特例民法法人をいう。)にあっては、同法第四十四条又は第四十五条の規定による公益社団法人若しくは公益財団法人又は通常の一般社団法人若しくは一般財団法人への移行
 五 前項第五号から第八号までに掲げる組合 組合契約の締結又は変更
 六 前項第九号に掲げる信託 次のいずれかの事項
  イ 信託行為
  ロ 信託の変更、併合又は分割
  ハ 受託者の変更
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