パイロットが買収防衛策として基準日に関する定款変更を行なうとのこと。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050330AT2D2900X29032005.html
基準日とは、会社が定めた一定の日(基準日)に株主名簿に記載されている株主を議決権などの権利行使ができる株主とみなすことを認める制度(商法第224条ノ3第1項)。会社が基準日を定めた場合には、会社は、その日に株主名簿に記載されている者を株主として取り扱わなければならない。したがって、会社がいったん基準日を定め、公告した場合には、正式に基準日変更の手続を採らない限り、会社が、基準日に株主名簿に記載されていない者を株主として取り扱うことはできない。パイロットの場合は、この「正式な基準日変更の手続」を採るものである。
基準日後の株主の議決権の行使の可否につき、平成13年11月改正(平成14年4月1日施行)前の通説的な解釈として、基準日は会社の便宜のために認められた制度であることから、基準日後であっても新株発行により新たに株主となった者については、これを把握している立場にある会社からその議決権行使を認めることは構わないとの解釈がなされ、実務上もそのような取扱がなされていた。
しかし、平成13年11月改正において、基準日の制度について、基準日に株主名簿に記載されている株主のみが議決権を行使することができる株主であるとの整理がなされ、基準日後に株主となった者については当然議決権を有しないものとされ、実務界からは議決権を認める取扱が望まれていた。
そこで、新会社法においては、議決権を行使することができる株主を定めるために基準日を設定した場合であっても、株式会社の判断により、基準日後に株主となった者のうち、議決権を行使することができる株主を定めることを認めるものとされる。ここで、「会社の判断により」とあるが、同じように基準日後に株主となった者であっても会社の判断により議決権が認められる者と認められない者と別異の取扱をするのは、株主平等原則に反し当然に違法となる。したがって、パイロットの場合のように、「正式な基準日変更の手続」を採るべきことになろう。
なお、平成16年6月改正(平成16年10月1日施行)により、株主名簿の閉鎖制度が廃止され、基準日制度に一本化されており、中小同族企業を含めたすべての株式会社が基準日制度の適用を受けるものであることに留意すべきである。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050330AT2D2900X29032005.html
基準日とは、会社が定めた一定の日(基準日)に株主名簿に記載されている株主を議決権などの権利行使ができる株主とみなすことを認める制度(商法第224条ノ3第1項)。会社が基準日を定めた場合には、会社は、その日に株主名簿に記載されている者を株主として取り扱わなければならない。したがって、会社がいったん基準日を定め、公告した場合には、正式に基準日変更の手続を採らない限り、会社が、基準日に株主名簿に記載されていない者を株主として取り扱うことはできない。パイロットの場合は、この「正式な基準日変更の手続」を採るものである。
基準日後の株主の議決権の行使の可否につき、平成13年11月改正(平成14年4月1日施行)前の通説的な解釈として、基準日は会社の便宜のために認められた制度であることから、基準日後であっても新株発行により新たに株主となった者については、これを把握している立場にある会社からその議決権行使を認めることは構わないとの解釈がなされ、実務上もそのような取扱がなされていた。
しかし、平成13年11月改正において、基準日の制度について、基準日に株主名簿に記載されている株主のみが議決権を行使することができる株主であるとの整理がなされ、基準日後に株主となった者については当然議決権を有しないものとされ、実務界からは議決権を認める取扱が望まれていた。
そこで、新会社法においては、議決権を行使することができる株主を定めるために基準日を設定した場合であっても、株式会社の判断により、基準日後に株主となった者のうち、議決権を行使することができる株主を定めることを認めるものとされる。ここで、「会社の判断により」とあるが、同じように基準日後に株主となった者であっても会社の判断により議決権が認められる者と認められない者と別異の取扱をするのは、株主平等原則に反し当然に違法となる。したがって、パイロットの場合のように、「正式な基準日変更の手続」を採るべきことになろう。
なお、平成16年6月改正(平成16年10月1日施行)により、株主名簿の閉鎖制度が廃止され、基準日制度に一本化されており、中小同族企業を含めたすべての株式会社が基準日制度の適用を受けるものであることに留意すべきである。