中国がコロナウィルスの新規感染者が集計以降で最小になったと発表している。武漢肺炎問題は既に中国は克服しつつあり、今問題なのは中国以外の国である…などとうそぶいているのだが、これはお笑いである。
この件について作家で中国ウォッチャーでもある石平氏が説明しているので、その内容を抄録の形でお伝えする。(最後の章部分はジャーナリストの有本香氏の説明によるものである。)
まず、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が今の中国国内で何と呼ばれているかを紹介しよう。
「テドロス同志」
である。
中国共産党のメンバーはお互いに「○○同志」(○○は相手の名前)と呼び合うのだが、中国では既にテドロス事務局長は共産党の仲間だ、と認識されている事を現す事実である。WHOが中国マネーにとことん侵されている実態を示す雄弁な証拠の一つと言えよう。
中国の国家衛生健康委員会が毎日発表している情報が本当なのかどうかがまず問題である。
中国はこの新型肺炎に対して対策本部を組織して対応にあたっているが、この組織のトップは李克強首相である。この対策本部のメンバーには中国共産党の宣伝部の部長が入っているのだが、その一方で国家衛生健康委員会の人間が入っていないのだ。宣伝担当者は居るけど医療衛生関係者は入ってない・・・この時点で笑いがこみ上げてくる・・・つまり、肺炎への実質的な対策ではなくてプロパガンダだけやるぞ、と言っているのと同じである。
もうこれだけで中国が何をしたいのかお判りと思う。非常に判りやすい中国である。
これで毎日発表される新規感染者数の数字…その信憑性が「ある」と思うほうがおかしい。どうかしてるぜ!な実態である。
ここで中国の国家衛生健康委員会がホームページで毎日出している情報を見てみる。2月20日に出した新型肺炎感染者数の予測の情報である。ここには中国の(湖北省等の)各省毎に「この状況がいつ終息するのか」という予測データが掲載されている。
例えば湖南省では「2月29日に終息する」という予測が出ている。次に安徽省では「2月29日に終息する」という予測になっている。江西省ではやっぱり「2月29日に終息する」となっている。浙江省では「2月29日に終息する」と予測されている。
中国の全ての省においてまるで申し合わせたかのように2月29日にピタッと終息する予測になっているのである。当然ながら中国の各省は人口も違うし環境も違うし、その他全てのファクターが異なる。それでも中国全土で2月29日には一斉にピタッと止まるのである。感染者発生は2月末で終わらせて3月からはゼロということにしよう、と決めたのであろう。
これが中国共産党のやり方である。
共産党が「この日で終息」と決めたら、その命令に従って2月末でウィルスも自ら滅んでしまうのだろう。凄い国である。(蔑笑)
次に中国の人民日報のWEB版紙面を見てみる。人民日報の2月29日の記事である。そこには「湖南省では前日(2/28)の新規感染者数が1名である」という見出しが出ている。
さらに3月1日発表の記事では、同じ湖南省の2/29の新規感染者数の数字はゼロとなっている。そしてその翌日、3月2日の記事を見てみよう。湖南省の3/1の新規感染者数はゼロである、となっている。
いかがだろうか。
中国の他のどの省でも同じである。3月に入って中国全土から新型肺炎ウィルス感染者はきれいさっぱり消えたのだ。こんなことが現実にあるだろうか。
正に2月20日に国家衛生健康委員会が出した予測通りの数字になっている。中国共産党が決めた日にウィルスは指示通りに消えてくれたのだ。めでたしめでたし。これが偉大なる共産主義中国というものである。(蔑笑)
中国はウィルスが消える日をなぜ2月29日と決めたのであろうか。実はここが問題である。
中国の新浪という大手ポータルサイトのホームページ2月17日付に次のような記事が出ている。
リュウ・セイキンという中国国務院のシンクタンクである国務院発展研究センターの元副主任がいる。
元々は学者で中国では比較的有名で、中国政府のトップクラスのブレーンの一人である。そのリュウ氏が2月17日にあるシンポジウムで話した内容が記事として掲載されているのだ。
その発言は「色々な経済的社会的な情勢からすれば、我が国(中国)は2月末に基本的に疫状を押さえつけなければならない(終息させなければならない)」となっている。
リュウ氏は疫病やウィルス関係の専門家ではなく、社会・経済の専門家である。つまり社会・経済の観点からは「2月末にはこの肺炎問題を終わらせなければならない」と言っているのである。
国家衛生健康委員会はこれを受けて「2月末でウィルス問題終息」という方針を決定したのである。そして実際にその通りに「中国では2月29日をもってウィルス感染は終わりました」と発表したのである。
リュウ氏のこの発言は彼の個人的な意思だけではなく中国の中央政府の意向が働いている。
どういうことか。
ここで人民日報の2月23日のWEB版一面の記事を紹介する。ここに人民日報本紙評論委員が書いた文章が掲載されている。なお、人民日報の本紙評論委員は人民日報の社員ではない。だいたいは中央政府指導部の誰かが書いたものなのである。
その昔、毛沢東主席が人民日報で自分の文章を発表する時には本紙評論委員という肩書で掲載していたのだ。従って今回の文章も最高指導部の誰か、或いは習近平自身の作文である可能性がある。習近平自身の文章でなくても最高指導部の意向を代弁する文章であることは間違いない。
その文章のタイトルは「秩序正しく復工復産」である。「秩序正しく工場や商店などを再開し生産を再開する」といった意味であり、それを進めなければならない、という趣旨である。ビジネスを元通りに再開して進めなくては経済が駄目になるからそう言っているのである。
人民日報にこの記事が出たことで、それと連動して中国全体で「肺炎問題は2月末で終わらせないと3月からの経済の全面回復は無理だ」と言う事だ。
これらを総合すると「2月末までにウィルスに”消えろ”と命令したのは習近平である」ということになる。それで中国政府の発表では習近平の命令通りにウィルスは2月末で消えてなくなった…ということになった。(蔑笑)
内容的には実にお笑いな話であるが、こうした中国政府の進め方に疑問を呈した人が出てきた。
張文宏という復旦大学付属の医院で感染科の主任を務める人物である。感染症の専門家である。
彼は上海政府が設立した対策本部の専門家チームのトップであり、専門家として上海に於ける感染拡散阻止の動きをリードする人物だ。
その彼は「新しく確認された病例がゼロという発表に私はむしろ心配している」と発言したのだ。彼は言う。「そんなこと(新規感染者数ゼロ)がどうしてあり得るのか?各種ビジネスが再開されて地方からも人がたくさん流入しているのに、なぜ新規感染者がゼロだなどと言えるのか?」と。これは専門家の立場からすれば信じられない、と。
中国政府が発表している「武漢や湖北省などで新規に感染する人がいない」というのはどう考えても嘘である。中央政府は2月の中旬~下旬あたりから生産回復をしきりに言っている。そうした大規模な動きがあり、上海でも北京でも人の出入りが激しくなる中で、それでも「新規感染者数がゼロ」という状態は、もはや習近平の頭の中にしか存在しない現実であろう。
ここで中国版Twitterである微博に投稿された記事を紹介する。投稿者は不明だが、かなり拡散された情報である。多くの中国国民が高い関心を持っているのだろう。その内容趣旨を以下に記す。
「友人との雑談の中で防疫の実情を聞くと、正確な数字は言えないが実情は推測通りであり、感染者数が多少下がったとしても以前として高水準で推移しているのは事実。宣伝上では既に勝利が近いとなっているのはただの嘘であり、ビジネス再開の為に作り上げた話だ。それを貴方は理解すべきである。」
要するにこの投稿者もちゃんと実態は理解しているのだ。感染者数が下がったというのは生産回復させたい中国共産党が言ってる嘘である、ということを。
投稿記事の文章はさらに続く。
「今、中国共産党上層部である言葉が流布されている。習近平の考えとして、”今生産活動を再開させねば政権は潰れて中国共産党員一千万人は死ぬことになる。しかし生産回復して感染症も爆発的な拡散をした場合には庶民が一千万人死ぬだろう。ならば我々はどのような選択をすべきか。”というものだ」
中国共産党が選択したのは「無理矢理にでも生産回復して一般庶民が一千万人死ぬ」という道である。
中国経済が崩壊して共産党員が一千万人死ぬよりも、庶民が一千万人死ぬ方がまだマシだ、と言っているのである。それがほかならぬ習近平の意向なのである。
ただ、これはあくまで中国国内の誰かが書いた微博の投稿記事であることは前提として考えておくべきではある。いわば詠み人知らず、である。
上述のように中国全土の各省できれいに足並み揃えて2月末で新規感染者がゼロになったというのはどう考えても操作された数字であって実態は全く不明なのである。ある時点で広大な地域のどこでもピタッと感染者数がゼロになるなどということは世界のどこでも絶対にあり得ない事だからだ。明らかに中国共産党は嘘をついているのである。
さらにWHOの”テドロス同志”が言っている「中国よりも今は日本や韓国が心配」という台詞は、正にWHOが中国と連携しているが故に出てくる台詞であろう。
それにしても、こうして感染の恐怖があり続けているのに無理に仕事を再開すれば、さらに感染者数が増加するのは火を見るより明らかである。そもそも会社のオフィスというのはライブハウスなどと同じで閉鎖空間なので、このままでいくと感染の大爆発、つまり爆発的な感染者の増加が避けられない見通しとなっている。
ここでさらに興味深い事実を提示する。
2月17日に国務院シンクタンクの人が「2月中には抑え込んで、3月からは復興させないと駄目だ」と言った、と。その翌週くらいに習近平と思しき人からのお言葉が人民日報に載った。
実はこの2月16~17日あたりから日本のSNSに「日本と中国は一緒に闘いましょうキャンペーン」という動画が流れ始めたのだ。ちょうどタイミングが合致している。それで、2月下旬あたりに街頭でマスクを配る中国人が街に出現し始めるのだ。
さらに中国のアリババ創業者であるジャック・マーが百万枚のマスクをプレゼントする、と言い始めた。これにこれに対して日本の森まさこ法務大臣が謝辞をTwitterで述べているのだが、これが大炎上している。一議員ならともかく大臣職を拝命している人としてこれは適切なのか、と。
ジャック・マーはアリババの経営第一線からは退いており、社会貢献活動をするなどと言っているのだが、2018年にジャック・マーが実は共産党員だった事実が発覚して世界中が喫驚した。
アリババという大きなビジネスを成功させた手腕は高く評価されるが、しかし中国において共産党と深い関係に無ければそんな大成功は掌中にできないのも確かなことである。
ここで知っておくべきことは、今は日本でも中国でもマスクは不足している状況にある。そんな中で街角で中国人がマスクを配布するとか、突然大物が100万枚のマスクを贈る、などという事がなぜできるのか。それは生産されたマスクをどこかで集中して大量に収奪して、こうした宣伝活動に使おうとしているからにほかならないのだ。それに対してあろうことか日本の閣僚、しかも法務大臣という入国管理を所管する大臣が何を寝ぼけたことを言っているのか、と。
このようなデュープス(*1)が閣内にいっぱいいるのだから、そりゃ中国からの入国を止められない訳だ、と妙に納得できるのである。(中国からの入国は最近になって実質的に止めたが)
中国はこうしたところから日本の世論を絡め取っていこうとしているのだ。中国は我々の想像を超える手段と勢いで日本を取り込もうとしているのは厳然たる事実である。我々は最大の警戒心をもって臨むべきだろう。そして、テレビや新聞からしか情報を得ない一般の人々にはここで述べたような真実は一切伝わらない。
中国政府の最近の発言では「このウィルスが何処から来たかもわからないのだから中国肺炎という呼び名は駄目。ウィルスを抑え込んだ中国に世界は感謝すべきだ」とまで言っている。この凄まじいまでの厚顔無恥ぶり。ただただ喫驚するばかりである。同じ人間とは思えないほどの度し難い図々しさである。
(*1)
共産主義者でもないのに結果として共産党や中国と同様の主張をしてしまい、意図せず共産主義者の味方をしてしまう人々、そのような芸能人、アスリート、学者、政治家、文化人などを総称してデュープス(Dupes)と言う。騙されやすく間抜けな人、ということだ。
<2020年3月11日追記1>
大手マスメディアの報道では中国・習近平主席が「ウィルス抑え込んだ 武漢訪れアピール」というニュースが流れているが、もちろんこれは大嘘である。根拠は本記事に充分示している。また、「ウィルスを抑え込んだ」と言ってる割には習近平主席も取り巻きの連中も全員しっかりマスクしているのは何なのか?と。(蔑笑)
しかも武漢市民は誰ひとりとして習近平主席の武漢訪問を歓迎していない。本当に「抑え込んだ」のなら市民はこぞって大歓迎するであろうに。実態はむしろ中国政府の非道なやり方に強烈な憤りを感じているのであり、それが真実だ。
中国とはこのように平然と嘘をつき、あらゆる数字を操作して自国に都合の良いように書き換え、それがバレバレであっても平気でいられるほど厚顔無恥な国なのだ。
また、日本国内にも中国発表の数字を「信用できる」と平然と言い張る東大卒の医師も居る。敵は中国だけではない。国内にとことん中国に洗脳されきっている日本人が居て、中国に奉仕するべく日夜活動しているのだ。
<2020年3月11日追記2>
作家の石兵氏は、2千年前から現代までの歴史を振り返った時、日本が中国と距離をおいている時代の方が日本は平和で繁栄している、という事実を指摘している。現代の我々はサプライチェーンや製品作りの素材供給を中国に握られてしばしば困った事態に遭遇している事を大いに反省するべきだろう。現在の武漢肺炎問題から一番に学習するべきはこれではないだろうか。
<2020年3月26日追記>
3月23日に中国で新型肺炎対策会議が開催され、そこで李克強首相が「疫病感染の統計数字が正確でなければならない。ゼロ報告の為に隠蔽をやってはいけない」と発言した。これを中国国内の多くのメディアが24日から報じている。3月に入ってからの中国の「新規感染者ゼロ」が大嘘であることがこれに依っても裏付けられた。李克強首相も「新規感染者ゼロ」が情報隠蔽の結果であることをちゃんと判っていたのである。
この件について作家で中国ウォッチャーでもある石平氏が説明しているので、その内容を抄録の形でお伝えする。(最後の章部分はジャーナリストの有本香氏の説明によるものである。)
まず、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が今の中国国内で何と呼ばれているかを紹介しよう。
「テドロス同志」
である。
中国共産党のメンバーはお互いに「○○同志」(○○は相手の名前)と呼び合うのだが、中国では既にテドロス事務局長は共産党の仲間だ、と認識されている事を現す事実である。WHOが中国マネーにとことん侵されている実態を示す雄弁な証拠の一つと言えよう。
中国の国家衛生健康委員会が毎日発表している情報が本当なのかどうかがまず問題である。
中国はこの新型肺炎に対して対策本部を組織して対応にあたっているが、この組織のトップは李克強首相である。この対策本部のメンバーには中国共産党の宣伝部の部長が入っているのだが、その一方で国家衛生健康委員会の人間が入っていないのだ。宣伝担当者は居るけど医療衛生関係者は入ってない・・・この時点で笑いがこみ上げてくる・・・つまり、肺炎への実質的な対策ではなくてプロパガンダだけやるぞ、と言っているのと同じである。
もうこれだけで中国が何をしたいのかお判りと思う。非常に判りやすい中国である。
これで毎日発表される新規感染者数の数字…その信憑性が「ある」と思うほうがおかしい。どうかしてるぜ!な実態である。
ここで中国の国家衛生健康委員会がホームページで毎日出している情報を見てみる。2月20日に出した新型肺炎感染者数の予測の情報である。ここには中国の(湖北省等の)各省毎に「この状況がいつ終息するのか」という予測データが掲載されている。
例えば湖南省では「2月29日に終息する」という予測が出ている。次に安徽省では「2月29日に終息する」という予測になっている。江西省ではやっぱり「2月29日に終息する」となっている。浙江省では「2月29日に終息する」と予測されている。
中国の全ての省においてまるで申し合わせたかのように2月29日にピタッと終息する予測になっているのである。当然ながら中国の各省は人口も違うし環境も違うし、その他全てのファクターが異なる。それでも中国全土で2月29日には一斉にピタッと止まるのである。感染者発生は2月末で終わらせて3月からはゼロということにしよう、と決めたのであろう。
これが中国共産党のやり方である。
共産党が「この日で終息」と決めたら、その命令に従って2月末でウィルスも自ら滅んでしまうのだろう。凄い国である。(蔑笑)
次に中国の人民日報のWEB版紙面を見てみる。人民日報の2月29日の記事である。そこには「湖南省では前日(2/28)の新規感染者数が1名である」という見出しが出ている。
さらに3月1日発表の記事では、同じ湖南省の2/29の新規感染者数の数字はゼロとなっている。そしてその翌日、3月2日の記事を見てみよう。湖南省の3/1の新規感染者数はゼロである、となっている。
いかがだろうか。
中国の他のどの省でも同じである。3月に入って中国全土から新型肺炎ウィルス感染者はきれいさっぱり消えたのだ。こんなことが現実にあるだろうか。
正に2月20日に国家衛生健康委員会が出した予測通りの数字になっている。中国共産党が決めた日にウィルスは指示通りに消えてくれたのだ。めでたしめでたし。これが偉大なる共産主義中国というものである。(蔑笑)
中国はウィルスが消える日をなぜ2月29日と決めたのであろうか。実はここが問題である。
中国の新浪という大手ポータルサイトのホームページ2月17日付に次のような記事が出ている。
リュウ・セイキンという中国国務院のシンクタンクである国務院発展研究センターの元副主任がいる。
元々は学者で中国では比較的有名で、中国政府のトップクラスのブレーンの一人である。そのリュウ氏が2月17日にあるシンポジウムで話した内容が記事として掲載されているのだ。
その発言は「色々な経済的社会的な情勢からすれば、我が国(中国)は2月末に基本的に疫状を押さえつけなければならない(終息させなければならない)」となっている。
リュウ氏は疫病やウィルス関係の専門家ではなく、社会・経済の専門家である。つまり社会・経済の観点からは「2月末にはこの肺炎問題を終わらせなければならない」と言っているのである。
国家衛生健康委員会はこれを受けて「2月末でウィルス問題終息」という方針を決定したのである。そして実際にその通りに「中国では2月29日をもってウィルス感染は終わりました」と発表したのである。
リュウ氏のこの発言は彼の個人的な意思だけではなく中国の中央政府の意向が働いている。
どういうことか。
ここで人民日報の2月23日のWEB版一面の記事を紹介する。ここに人民日報本紙評論委員が書いた文章が掲載されている。なお、人民日報の本紙評論委員は人民日報の社員ではない。だいたいは中央政府指導部の誰かが書いたものなのである。
その昔、毛沢東主席が人民日報で自分の文章を発表する時には本紙評論委員という肩書で掲載していたのだ。従って今回の文章も最高指導部の誰か、或いは習近平自身の作文である可能性がある。習近平自身の文章でなくても最高指導部の意向を代弁する文章であることは間違いない。
その文章のタイトルは「秩序正しく復工復産」である。「秩序正しく工場や商店などを再開し生産を再開する」といった意味であり、それを進めなければならない、という趣旨である。ビジネスを元通りに再開して進めなくては経済が駄目になるからそう言っているのである。
人民日報にこの記事が出たことで、それと連動して中国全体で「肺炎問題は2月末で終わらせないと3月からの経済の全面回復は無理だ」と言う事だ。
これらを総合すると「2月末までにウィルスに”消えろ”と命令したのは習近平である」ということになる。それで中国政府の発表では習近平の命令通りにウィルスは2月末で消えてなくなった…ということになった。(蔑笑)
内容的には実にお笑いな話であるが、こうした中国政府の進め方に疑問を呈した人が出てきた。
張文宏という復旦大学付属の医院で感染科の主任を務める人物である。感染症の専門家である。
彼は上海政府が設立した対策本部の専門家チームのトップであり、専門家として上海に於ける感染拡散阻止の動きをリードする人物だ。
その彼は「新しく確認された病例がゼロという発表に私はむしろ心配している」と発言したのだ。彼は言う。「そんなこと(新規感染者数ゼロ)がどうしてあり得るのか?各種ビジネスが再開されて地方からも人がたくさん流入しているのに、なぜ新規感染者がゼロだなどと言えるのか?」と。これは専門家の立場からすれば信じられない、と。
中国政府が発表している「武漢や湖北省などで新規に感染する人がいない」というのはどう考えても嘘である。中央政府は2月の中旬~下旬あたりから生産回復をしきりに言っている。そうした大規模な動きがあり、上海でも北京でも人の出入りが激しくなる中で、それでも「新規感染者数がゼロ」という状態は、もはや習近平の頭の中にしか存在しない現実であろう。
ここで中国版Twitterである微博に投稿された記事を紹介する。投稿者は不明だが、かなり拡散された情報である。多くの中国国民が高い関心を持っているのだろう。その内容趣旨を以下に記す。
「友人との雑談の中で防疫の実情を聞くと、正確な数字は言えないが実情は推測通りであり、感染者数が多少下がったとしても以前として高水準で推移しているのは事実。宣伝上では既に勝利が近いとなっているのはただの嘘であり、ビジネス再開の為に作り上げた話だ。それを貴方は理解すべきである。」
要するにこの投稿者もちゃんと実態は理解しているのだ。感染者数が下がったというのは生産回復させたい中国共産党が言ってる嘘である、ということを。
投稿記事の文章はさらに続く。
「今、中国共産党上層部である言葉が流布されている。習近平の考えとして、”今生産活動を再開させねば政権は潰れて中国共産党員一千万人は死ぬことになる。しかし生産回復して感染症も爆発的な拡散をした場合には庶民が一千万人死ぬだろう。ならば我々はどのような選択をすべきか。”というものだ」
中国共産党が選択したのは「無理矢理にでも生産回復して一般庶民が一千万人死ぬ」という道である。
中国経済が崩壊して共産党員が一千万人死ぬよりも、庶民が一千万人死ぬ方がまだマシだ、と言っているのである。それがほかならぬ習近平の意向なのである。
ただ、これはあくまで中国国内の誰かが書いた微博の投稿記事であることは前提として考えておくべきではある。いわば詠み人知らず、である。
上述のように中国全土の各省できれいに足並み揃えて2月末で新規感染者がゼロになったというのはどう考えても操作された数字であって実態は全く不明なのである。ある時点で広大な地域のどこでもピタッと感染者数がゼロになるなどということは世界のどこでも絶対にあり得ない事だからだ。明らかに中国共産党は嘘をついているのである。
さらにWHOの”テドロス同志”が言っている「中国よりも今は日本や韓国が心配」という台詞は、正にWHOが中国と連携しているが故に出てくる台詞であろう。
それにしても、こうして感染の恐怖があり続けているのに無理に仕事を再開すれば、さらに感染者数が増加するのは火を見るより明らかである。そもそも会社のオフィスというのはライブハウスなどと同じで閉鎖空間なので、このままでいくと感染の大爆発、つまり爆発的な感染者の増加が避けられない見通しとなっている。
ここでさらに興味深い事実を提示する。
2月17日に国務院シンクタンクの人が「2月中には抑え込んで、3月からは復興させないと駄目だ」と言った、と。その翌週くらいに習近平と思しき人からのお言葉が人民日報に載った。
実はこの2月16~17日あたりから日本のSNSに「日本と中国は一緒に闘いましょうキャンペーン」という動画が流れ始めたのだ。ちょうどタイミングが合致している。それで、2月下旬あたりに街頭でマスクを配る中国人が街に出現し始めるのだ。
さらに中国のアリババ創業者であるジャック・マーが百万枚のマスクをプレゼントする、と言い始めた。これにこれに対して日本の森まさこ法務大臣が謝辞をTwitterで述べているのだが、これが大炎上している。一議員ならともかく大臣職を拝命している人としてこれは適切なのか、と。
ジャック・マーはアリババの経営第一線からは退いており、社会貢献活動をするなどと言っているのだが、2018年にジャック・マーが実は共産党員だった事実が発覚して世界中が喫驚した。
アリババという大きなビジネスを成功させた手腕は高く評価されるが、しかし中国において共産党と深い関係に無ければそんな大成功は掌中にできないのも確かなことである。
ここで知っておくべきことは、今は日本でも中国でもマスクは不足している状況にある。そんな中で街角で中国人がマスクを配布するとか、突然大物が100万枚のマスクを贈る、などという事がなぜできるのか。それは生産されたマスクをどこかで集中して大量に収奪して、こうした宣伝活動に使おうとしているからにほかならないのだ。それに対してあろうことか日本の閣僚、しかも法務大臣という入国管理を所管する大臣が何を寝ぼけたことを言っているのか、と。
このようなデュープス(*1)が閣内にいっぱいいるのだから、そりゃ中国からの入国を止められない訳だ、と妙に納得できるのである。(中国からの入国は最近になって実質的に止めたが)
中国はこうしたところから日本の世論を絡め取っていこうとしているのだ。中国は我々の想像を超える手段と勢いで日本を取り込もうとしているのは厳然たる事実である。我々は最大の警戒心をもって臨むべきだろう。そして、テレビや新聞からしか情報を得ない一般の人々にはここで述べたような真実は一切伝わらない。
中国政府の最近の発言では「このウィルスが何処から来たかもわからないのだから中国肺炎という呼び名は駄目。ウィルスを抑え込んだ中国に世界は感謝すべきだ」とまで言っている。この凄まじいまでの厚顔無恥ぶり。ただただ喫驚するばかりである。同じ人間とは思えないほどの度し難い図々しさである。
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共産主義者でもないのに結果として共産党や中国と同様の主張をしてしまい、意図せず共産主義者の味方をしてしまう人々、そのような芸能人、アスリート、学者、政治家、文化人などを総称してデュープス(Dupes)と言う。騙されやすく間抜けな人、ということだ。
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<2020年3月11日追記1>
大手マスメディアの報道では中国・習近平主席が「ウィルス抑え込んだ 武漢訪れアピール」というニュースが流れているが、もちろんこれは大嘘である。根拠は本記事に充分示している。また、「ウィルスを抑え込んだ」と言ってる割には習近平主席も取り巻きの連中も全員しっかりマスクしているのは何なのか?と。(蔑笑)
しかも武漢市民は誰ひとりとして習近平主席の武漢訪問を歓迎していない。本当に「抑え込んだ」のなら市民はこぞって大歓迎するであろうに。実態はむしろ中国政府の非道なやり方に強烈な憤りを感じているのであり、それが真実だ。
中国とはこのように平然と嘘をつき、あらゆる数字を操作して自国に都合の良いように書き換え、それがバレバレであっても平気でいられるほど厚顔無恥な国なのだ。
また、日本国内にも中国発表の数字を「信用できる」と平然と言い張る東大卒の医師も居る。敵は中国だけではない。国内にとことん中国に洗脳されきっている日本人が居て、中国に奉仕するべく日夜活動しているのだ。
<2020年3月11日追記2>
作家の石兵氏は、2千年前から現代までの歴史を振り返った時、日本が中国と距離をおいている時代の方が日本は平和で繁栄している、という事実を指摘している。現代の我々はサプライチェーンや製品作りの素材供給を中国に握られてしばしば困った事態に遭遇している事を大いに反省するべきだろう。現在の武漢肺炎問題から一番に学習するべきはこれではないだろうか。
<2020年3月26日追記>
3月23日に中国で新型肺炎対策会議が開催され、そこで李克強首相が「疫病感染の統計数字が正確でなければならない。ゼロ報告の為に隠蔽をやってはいけない」と発言した。これを中国国内の多くのメディアが24日から報じている。3月に入ってからの中国の「新規感染者ゼロ」が大嘘であることがこれに依っても裏付けられた。李克強首相も「新規感染者ゼロ」が情報隠蔽の結果であることをちゃんと判っていたのである。