Altered Notes

Something New.

介護の実態と無関心な政府

2017-03-02 06:36:19 | 社会・政治
高齢化社会と言われて久しいが、そうした中で当然のように介護の必要性がクローズアップされている。
介護の実態は非常にシビアで、場合によっては凄惨なシチュエーションも決して珍しくない。これは介護を実際に体験された方にしか判らないかもしれない。それだけに社会の介護への理解度はまだまだ低すぎると言える。
被介護者の要介護度は月日を追う毎に大きくなり、介護者への負担はそれとともに増大し続けている。

介護もその度合が一定限度を超過すると、家庭ではサポート不可能な領域に入ってくるが、しかし特別養護老人ホーム(社会福祉法人や地方自治体などにより運営される公的な介護施設)は需要数に対して供給数があまりに少ない。
都内の場合、その施設が自宅から近いから、といっても希望者が多くて200人待ちとか300人待ちなどざらにある。
これでは到底利用は不可能だ。中には本人が亡くなった後で「空きが出ました」という通知が来る事もある。なんというナンセンスか。
それでは、と言って少し離れた郊外の特養を希望したところで、ここも20~40人待ちなどが普通で到底「すぐ入れる」訳ではない。
しかしだからと言って自宅で介護し続けるのも不可能となると一般人にはどうしていいのか判らない。介護の現実は今日只今目の前にあり続けているのに、だ。
そうした場合に、行政の中に地域包括支援センターという部署があって、そこで相談できるようにはなっている。だが、そこで示される解決策は到底市民の側からは納得できないレベルのものばかり、であることが多い。

要は政府(政治家・官僚たち)が介護という本来緊急を要するこの分野に全然関心を持っていないからこのような体たらくぶりになっているのだ。
政治家や官僚たちが関心を持つのは自分たちの懐を豊かにする案件だけ、と言っても過言ではない。そういう連中なのだ。しかも彼らは経済的にエスタブリッシュされているので経済的に余裕のない人々の困窮度合いとその生活実感を知らないし知ろうともしない。想像もできないのだ。そうした経済的に豊かな連中は彼らの家庭内で同じ介護の問題が起きてもお金で解決する。非常に高い費用を必要とする有料老人ホームならすぐに入れる施設は存在する。要するに豊かな経済力に物を言わせて事も無げに解決してしまうのだ。
だから本当に困っている、今すぐに対策が必要な困っている人たちがリアルにどれだけ困っているかがまるで想像できない。想像できないから結局は無為無策で放ったらかしにされるのだ。

介護の分野で現総理が進めているのは、むしろ「介護は各家庭でやってくれ」という方向性である。
要は介護費用をかけたくないものだから介護施設はできるだけ使わせず、家庭で介護してくれ、という姿勢なのである。介護保険料だけはしっかり分捕っておきながらのこれである。介護の実態を知らないし知る気もない人の発想である。

現総理はそもそも極めて裕福な家庭に生まれ、あたかも貴族のような生活の中で何不自由なく育ってきた坊っちゃんである。所詮、庶民の暮らしや生活感覚・経済感覚などはそもそも理解の範疇を超えているのだ。彼には想像もつかない世界だろう。

そうした無理解で無神経な為政者がふんぞり返る一方で、今日も介護に苦しむ一般庶民は地獄のような生活を送っているのだ。