週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

雨上がりの花見句会

2017年04月09日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




 4月初めの桜祭りは冷たい雨により、一週延期。

 こんなに遅れる花見も珍しい。

 平日の穏やかな日は上野で花見し、i-Phoneの液晶を割った。

 この日もあいにくの雨。

 朝一にチケットを手にいれる頃は、まだしとどに降りしきっていた。

 その割れた画面で皆に連絡をし、花見の句会を開いた。

 土曜の昼下がり。

 たくさんのアルコールと食い物を持って集まる。

 奇跡的に雨も上がり、無事水上バスに乗り込むことができた。







 天 「そよ風に 頬赤らめる 酔いさくら」笑嬢

 
 大量の酒に、持ち寄ったツマミもバッチリ。

 席が埋まるほどの観光客も羨ましいがる酒宴の始まり。

 若い衆が酒を注ぎ、ツマミを配置してくれる。

 素晴らしい活躍。

 なんとも心強いことだ。






 

 地 「曇れども 花見に集まる あたたかさ」花形

 
 毎度のビギナーズラックはあるものの、後輩二人のワンツーは見事。

 ビールも切れ、早くも吉野杉香る一升瓶もなくなる。

 お肉の遣い手、テリー肉丸差し入れの、チャーシュー1kgとメンマもあっという間に空。

 船の間に、白ワインまで到達する。

 笑い上戸の笑嬢さんの差し入れ、イチジクがこれまた辛口の白に合う。

 それにしても、まだ、午後14時なのよ。みんな、よく飲むこと。








 人 「川舟や ぼやり流るる さくら雲」純恋

 
 艶っぽい和服の姐さんも、さらりと人賞に。

 さすが児童文学からAV男優まで幅広い執筆をなさるだけある。

 あっしも見習わねば。
 
 一同、桜橋で上陸。酔って降り過ぎるとこやった。あぶねえ。

 雨の降るなか、朝から陣取りしていた若者たちの勇姿はすごい。

 彼らの根性に、日本人の桜へ対する執拗な想い、これぞ大和魂を感じる。 

 とはいえ我々には悪天候が功を奏し、いつもの築山にシートが引けた。

 ああ、絶景かな、絶景かな。

 





 「散り濡れも 桜花乱舞に 心舞う」肉舞


 本日の集い、なんと独り身が多い。

 そこで、縁結びの神さま、今戸神社へ参詣にお連れした。

 ここは沖田総司終焉の地とも噂され、今戸焼発祥の地とも言われる。

 パンパンっ、と懸命に祈る独身の姿に、日本の良い心を見る気がする。 

 絵馬を冷やかす心は下世話なもんだが、江戸の頃より人の噂話が戯作や芸術になった。

 神社の清廉で、凛とした空気は人の心を癒してくれるってこと。








 「舟遊び ゆらりゆらりと 散る花や」哲露


 一葉も通った墨堤をテクテクと吟行す。

 空は曇るが、皆の心は晴れやかだ。

 スカイツリーをバックにパシャり、菜の花と桜花をバックにパシャり。

 酔っているから、代わり映えのない絵ばかりになっちまった。

 それも愉快から来るご愛嬌。





「辻岡は 桜と眠る アーティスト」水芭蕉


 陽も落ち掛ける頃、恒例の稲垣へ。

 いよいよ句会である。

 〆切は19時までよ、と声をかけると、口数も減る。

 これもいつものごとし。

 質こそ低調だが、明るく心のある句が目立つ。

 転写を手伝ってくれる後輩も現れた。

 モチっと、本気で発句にも力を入れねばなるめえ。

 ご入賞した皆さん、おめでとう。

 ご参加の皆さん、ありがとうござんした。


「初めての 人と観る 花見かな」薬師如来

「船着きて 和服美人は 春めきて」変態公


「花の雲 我を想う日 誕生日」酔徹






 
昨年は王子山で流感にかかり、日本橋川の花見も凍え震えていた。

 今年はこんな笑顔に包まれ、あっしは幸せもんざんす。

 一日一生。

 今日も鼻を啜りながら、同人の作品を読む。

 雨の中、創作への想いを巡らしてみる。

 参加くだすった、 皆さんに感謝。

 紫陽花が露濡れる頃、またやりたいもんだ。 

 次回まで御機嫌よう。

 またよろしゅう。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花見吟行 (yu)
2017-04-10 01:27:16
いいなぁ〜。
わたいも、参加したかった。

それぞれに過ぎし日々あり八重の花
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今度ぜひ! (海光)
2017-04-12 08:57:21
Yuさん

さすがの一句に、返句。

過ぎし日を更新せなと花は散り

次回はYuさんの上京に合わせますよ
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