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週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

季節風の研究部会

2010年11月21日 | ☆文学のこと☆

     中野ルノアールの会議室の一室

2010年6月、季節風に入会

10月、季節風大会に参加。

そして、この日第五回研究部会に参加してきました。

この部屋の奥で、文学を志す大兄、大姉、同士たちの熱気があふれる。

 故後藤代表の聖地 中野駅に降り立つ

数年ぶりに訪れた中野駅周辺。

亡き後藤先生の暮らした町、季節風の歴史を感じ感慨深く・・・

                         
                                   研究部の課題図書の二冊

第五回の課題図書は、

「男子弁当部 オレらの友情てんこもり弁当」(イノウエミホコ・作)

「ピアチェーレ 風の歌声」(にしがきようこ・作)

参加者は部屋に入りきれないほど大盛況だった。

筆者は勝手が分からず、感想文のような、半端は評論に・・

様々な意見が楽しい。合評会と違って、出来上がった同士の作品だけに評論の難しさも指摘された。

研究課題になるような、作品を書き上げていきたいと決意した土曜日の夕刻でした

二次会には12名残り、近くの居酒屋へ移動。

閑話休題・・

結局文学論の交し合いが愉快で、終電逃し、午前様でタクシー帰宅

学生のように青臭い大人の文学討論会は話も尽きず、夜は更けたのであった。

超~眠いっす

    「文学や 論も豊かにもつ煮鍋」

                        哲路

 


12歳たちの伝説

2010年09月20日 | ☆文学のこと☆

       後藤竜二作 鈴木びんこ画名作「12歳たちの伝説」

小学生の頃、学級担任の先生に台東区の文集「下町っ子」に学校代表で作文を選出して頂いた。
いま想うと恥ずかしながら、亡きおばあちゃんが近所に文集を持って、自慢して歩いていた記憶がある。

中学年になると、別の先生から詩でたびたび取り上げていただいた。

そして、高校生の頃。
滅多に人を褒めない国語と古文の先生が親子面談の時、うちのお袋さんに、この子は文才があるからその道に進ませたほうがいいとアドバイスされたことが記憶に新しい。
その大高先生はその後大学の教授になられたとか・・
この場で、こう告白してしまうのも赤面ものだが、あえて、改めて、不惑にして、学生のように同人誌の会に入ったことから初心に戻る意味でも、自分を見つめ直してみたいというのがこの宣言というか、書評も始めようと思った正直な動機である。
生まれて初めて、本気で「書くこと」に向き合ってみようと思ったのです。
努力はあまり見せたくないが、人に公言して、自分を逃げられないように追い込むのが、昔からのクセである。
そうしないと、これまでのようにン十年と逃げる羽目になってしまうのが怖いんですね

前置きが長くなったが、いろいろと調べてみて、後藤先生が主宰する児童文学の同人誌「季節風」がいまの自分に一番合っていると直感したのだ。季節風の先生や諸先輩方には勝手で迷惑な話だが、筆者はそう思ってしまったのだ。

4年前に煙草を止めて、10年日記を書き始めた。
全そ連の活動を開始し、蕎麦屋で俳句を詠むようになった。
3年前からメタボを克服しようと、ランニングを始め、マラソン大会に出場するのが楽しみになった。
今年は春から太極拳を始めた。ただいま2クール目に突入。
そして初夏、幼い頃から一番やりたいと思って、だからこそ逃げていた「書くこと」を始めようと「季節風」の同人誌の会に申し込んだ。
8月には処女作を書いて、同人誌へ投稿。
時間合わせ、文字合わせ、あらゆるその場間に合わせ主義で、見事落選。(あたりまえだ
それなのに、お忙しいだろう先生からは、お葉書まで頂き、一言添えられていた言葉に、「書くこと」へ向き合う真摯さ、誠実さをご指摘いただいた
ほんとうに有り難いことだと思う。

20代後半で、ふと思い立ち、出版社へ入って、全国誌の雑誌の取材に原稿を書いたり、DVDの品評など偉そうに書いてきたけど、何一つ、自分の書きたいことに向き合ったことはなかったのだと気付かせていただいた。

不惑にもなって・・・いまごろ・・・

でも決して遅くない、と思う。
一人でも二人でも多くの市井の方々に生きる喜びや勇気、安らぎや希望を与えられたら、の思いで書き続けてみようと思います。
奢りや慢心など到底持てない今だからこそ、この歳になって書き始める意味が何かしらあるはずと感じるようになったのです。

ということで、筆者のブログなので、勝手ついでに、訓練兼ねて、書評の真似事をしばらく本を読むまま、思うままに書いていきたいと思います。

ご都合主義で多々お見苦しい点もあろうかと思いますが、ご興味のある方は、しばしお付き合いくださいまし。

いまから、愛読者の皆さんに感謝、感謝

     「葡萄食い 夢中で読んだ物語り」
                      
     哲路




◆飛脚の書評(1)

  「12歳たちの伝説」 後藤竜二作

季節風同人誌の主宰後藤先生の秀作。

 初めて読み始めた時は、あまりにも大人に近い12歳たちの描写にドキッとしたと同時に、ちょっぴり違和感を抱いた。読者対象の現実の小学生は、果たしてここまで感じていることなのか、そして無感動の余りに無責任な行動しているものなのか、掴みきれないでいた。そこで難しい作業だったが、私が12歳の頃を思い出してみた。たしかにあの頃も背伸びした大人子供が多勢いた。受験勉強でひねくれた奴もいた。当時絶対の人気を誇っていたピンクレディーを知らない男の子もいた。驚きだよな。それぞれにみんな親の期待を背負って、精一杯真面目に、陰で不真面目に、素直に、そしてひねくれて、陽気に、とぎの瞬間陰気な行動を取っていたことを思い出した。
 この物語の主人公は、新しく進級した六年一組の生徒全員。導入は霧島あいの朝の回想から始まる。何人かの主人公と言える、霧島あい、川口美希、益田剛、山崎夕花、谷本誠5人のオムニバス形式で綴られる12歳の青春の叙事詩。かつて、東大野球部を目指した女子ふたりは、ある些細な出来事から口を利かなくなってしまう。追っかけ隊という、いけてる(?)風の女子四人組は無視やいじめの先頭に立っていて、夕花はそのリーダー。追っかけ隊の憧れ君と仲良くしていたあいや美希の教科書をカッターで切り裂いたりしてしまう。でも、その夕花も自分で自分の行動には案外馴染めないで悩んでいるのだ。五年生の時には、六年生の不良の手前突っ張っていたマっさんもその一人。
 進級と同時に、ゴリラの巨大なぬいぐるみを教壇に置く新任の先生の影響からか、六年に上がったみんなは少しずつ変化していった。この一見気弱な先生は私たち学校の問題児パニック学級を見捨てないで残ってくれるのか?のらりくらり、オロオロとしていながら、核を持って自分の進むべきものを身につけているゴリ先生についていけないあい、マっさん、夕花たち。彼ら彼女らは現実を見つめ、受け入れることができるのか。私たちも、悩み迷いながら、決心してきた。筆者も恐らくともに育った友人たちも、時に泣いて笑って、聞いて話して、いつのまにか、少しずつ成長してきたんだな、と素直に思えるような歳になったようです。不惑の厄年をまもなく乗り越えようとして、やっとそう思えるなんて、私もずいぶんと遠回り、というか成長が遅いというか、自分で言うのもあれなんですが、実にのんびりとしておりますなぁ。
 このように12歳の等身大の姿を描けるのは物凄いことだと思います。書評とは名ばかり。一読者の感想文としてお読みくだされば幸いです。しかし、大人になっても失うどころか、益々感受性豊かな後藤先生の児童に向ける洞察力、観察力に脱帽しきりでございます。
 「12歳たちの伝説」シリーズはまだまだ続きます。
 
 佐藤さとる作のコロボックルの物語に夢中になった小学生の時からン十年。
久しぶりに、児童文学の面白さ、凄さに目覚めさせてくれた今は亡き後藤先生に感謝しております。
季節風の同人になって初めてメールへご返信頂いてすぐの、後藤先生の訃報に驚くとともに、この会へ導いて頂いたご縁を大切にしようと心に刻んでおります。一度もお会いできなかったのは誠に残念でなりませんが、この場をお借りして、後藤先生のご冥福を心よりお祈り申し上げるばかりです。

合掌。。


【飛脚Tのランニング日記
                             今月のランニングトータルは102.0km
                            今年のランニングトータルは1186.2km