京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

イワチドリ展

2018-05-09 16:02:02 | 花めぐり2018


京都府立植物園で先日まで「イワチドリと小町蘭展」が開催されていました。
京都や滋賀の愛好家と植物園の企画で今年で23回目です。
イワチドリは紀伊半島の熊野川や十津川流域の湿った岩場に自生する固有種です。
花の形が小鳥が羽を広げて飛ぶ姿に似ていることから「岩千鳥」と呼ばれます。
今年は約200点のイワチドリが出展され、色とりどりでとても良かったです。

イワチドリ















































































セッコクも一部展示されていました。

セッコク赤花





セッコク緑花











天衣無縫の旅の画家 池大雅展

2018-05-09 05:40:58 | 美術・博物館

伊藤若冲(1716ー1800)、円山応挙(1733ー1795年)などが活躍した江戸中期、
中国絵画を手本に独自の画風で異才を放ったのが池大雅(1723ー76)です。
文人画家であり書家でもあり、与謝蕪村とともに、日本の文人画(南画)の大成者とされています。





その画業を展観する回顧展が京都国立博物館で開催されています。
初期から晩年に至る代表作約150件が一堂に会しています。
これだけの規模の「池大雅展」は昭和8年(1933)に「恩賜京都博物館」(現在の京都国立博物館)でおこなわれて以来であり、85年ぶりの大回顧展です。


国宝 山水人物襖図









池大雅は京都銀座の下級役人だった父のもとに生まれ、7歳で書を始めるとたちまち才能を発揮し神童と称されます。


獨楽図豆記 12歳の書










15歳になると扇屋を開いて生計を立て中国から伝わった画譜や室町絵画、琳派、西洋画の表現を取り入れて独自の画風を築きました。
南画は中国南宋画に日本的な解釈を加えて発展させた絵画スタイルで、文人精神への憧れが強いことから「文人画」とも呼ばれます。

一方池大雅を大きく飛躍させたのは旅です。
20代から毎年にように日光、松島、北陸、長野へと旅をし、その経験が画家として大きく成長させます。
そこで目にした自然の実感に基づく風景表現は池大雅の画業を特徴づけるものになりました。


箕山瀑布図 22歳の作品
大阪箕面市の滝です。










三岳紀行図屏風  旅のスケッチ





浅間山真景図
信州浅間山からの雄大な景観を描いた池大雅の代表作の一つ。





嵐峡泛査図屏風





瀟湘勝概図屏風
池大雅は風景などの大画面作品を屋外で制作することもあったようです。






洞庭赤壁図巻 部分










五百羅漢図





寒山拾得図 
指墨画で指で描いています。







国宝 十便十宜図のうち 池大雅筆
与謝蕪村との合作で、川端康成がこよなく愛し収集した作品です。






国宝 楼閣山水図屏風(5/2ー20展示)






池大雅の住居兼アトリエは今の円山公園です。










妻の玉瀾も画家です。
展示会では玉瀾の絵もあります。素晴らしい作品で私は好きです。