京都の鬼門でよく知られているのは京都御所の猿ケ辻です。
東北角は鬼門とされ、築地塀の角を欠いて日吉山王社の神のお使いの猿を祀っています。
この猿が夜な夜なぬけだしては通行人にいたずらするため、金網で封じ込めたと伝えられています。
御所の北東角の築地塀だけ直角ではなく凹んでいます。
理由は鬼門である北東の方角から、鬼がやってこないようにに、角(ツノ)を取っているのです。
少し分かりにくいですが、金網の中に猿がいます。
烏帽子をかぶり横向きに座った猿が、御幣を持っているのがわかるでしょうか。
表示板
もう一カ所京都の鬼門除けで有名な猿がいる寺院があり、昨日早朝行って来ました。
修学院離宮や曼殊院にも近く、紅葉の名所でもある赤山禅院です。
この寺院は平安時代に創建された比叡山延暦寺の塔頭で、京都御所の表鬼門を守護しています。
鬼門除けの猿が知られ、方除けのお寺として信仰されています。
鳥居、「赤山大明神」の額は、後水尾天皇の行幸の際に賜った勅額です。
山門から社殿へ続く道です。秋にはあたかも紅葉のトンネルのようになります。
石段を上がると、正面に見えるのが社殿です。
屋根の上には、鬼門除けの猿が金網の中に入っています。
御幣とかぐら鈴を持ち京都御所を守護しているのです。
この猿もかつて夜な夜な悪さをしたため、逃げ出さないよう金網の中に入れられていると言われます。
屋根の上に金網に入った猿がいます。
御幣とかぐら鈴を持った猿、京都御所の猿よりリアルです。
本殿には本尊の赤山大明神が、京都御所の表鬼門の鎮守としてまつられています。
「皇城表鬼門」の表示板がかかっています。
地蔵堂
赤山大明神は地蔵菩薩の化身であるとされます。そこで赤山禅院には地蔵菩薩をまつるお堂があります。
きれいな顔立ちのお地蔵様です。
正念誦という大きな珠数をくぐり順路通り参拝します。
石仏にロウソクが点されています。
福禄寿殿、都七福神の一神、福禄寿神を奉っています。
ミニ福禄寿、中にはオミクジが入っているようです。
相生社は縁結びの神として知られます。
金神社、鬼門方除の神様です。
余談ですが、中京区に金色の鳥居など黄金色に飾られた神社で、お金を祭る神社として有名な御金神社があります。
資産運用や証券取引等の成功を願ったり、競馬競輪などでの勝利や、宝くじ等の当選を願う絵馬が大量に奉納されています。
同じ金ですが、ずいぶん異なりますね。
昨日は早朝6時半より護摩供が行われていました。
参拝の最後に還念珠を通って一巡です。
正念誦・還念珠は密教の重要な考え方を示したものです。
最初の珠数をくぐりながら、心にうかんだ願いを参拝の間思い続けます。
最後の還念珠をくぐり、その願いが大切だと考えるなら、その願いに向けてあなたが努力をすることを誓い、
仏さまに力をかしてくださるよう祈るそうです。
赤山禅院は比叡山の千日回峰行とも関わりが深く、千日回峰行を修めた大阿闍梨により「八千枚大護摩供」、
「ぜんそく封じ・へちま加持」「珠数供養」などの加持・祈祷が行われています。
都七福神の福禄寿のお寺としても知られ、また毎月行われる五日講が古くから商人に信仰され 、
「五十払い(ごとばらい)」の起源となるなど、さまざまな信仰を集めています。
猿は賢いですが、イノシシと並んで農産物を荒らす筆頭になっています。
しかし神様の使いにもなっているのです。