京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京都の鬼門除けの猿、京都御所と赤山禅院の猿

2016-09-02 05:43:14 | 京都めぐり

京都の鬼門でよく知られているのは京都御所の猿ケ辻です。
東北角は鬼門とされ、築地塀の角を欠いて日吉山王社の神のお使いの猿を祀っています。
この猿が夜な夜なぬけだしては通行人にいたずらするため、金網で封じ込めたと伝えられています。

御所の北東角の築地塀だけ直角ではなく凹んでいます。
理由は鬼門である北東の方角から、鬼がやってこないようにに、角(ツノ)を取っているのです。





少し分かりにくいですが、金網の中に猿がいます。
烏帽子をかぶり横向きに座った猿が、御幣を持っているのがわかるでしょうか。





表示板





もう一カ所京都の鬼門除けで有名な猿がいる寺院があり、昨日早朝行って来ました。
修学院離宮や曼殊院にも近く、紅葉の名所でもある赤山禅院です。
この寺院は平安時代に創建された比叡山延暦寺の塔頭で、京都御所の表鬼門を守護しています。
鬼門除けの猿が知られ、方除けのお寺として信仰されています。


鳥居、「赤山大明神」の額は、後水尾天皇の行幸の際に賜った勅額です。










山門から社殿へ続く道です。秋にはあたかも紅葉のトンネルのようになります。










石段を上がると、正面に見えるのが社殿です。
屋根の上には、鬼門除けの猿が金網の中に入っています。
御幣とかぐら鈴を持ち京都御所を守護しているのです。
この猿もかつて夜な夜な悪さをしたため、逃げ出さないよう金網の中に入れられていると言われます。






屋根の上に金網に入った猿がいます。





御幣とかぐら鈴を持った猿、京都御所の猿よりリアルです。










本殿には本尊の赤山大明神が、京都御所の表鬼門の鎮守としてまつられています。
「皇城表鬼門」の表示板がかかっています。






地蔵堂
赤山大明神は地蔵菩薩の化身であるとされます。そこで赤山禅院には地蔵菩薩をまつるお堂があります。





きれいな顔立ちのお地蔵様です。





正念誦という大きな珠数をくぐり順路通り参拝します。





石仏にロウソクが点されています。





福禄寿殿、都七福神の一神、福禄寿神を奉っています。





ミニ福禄寿、中にはオミクジが入っているようです。










相生社は縁結びの神として知られます。






金神社、鬼門方除の神様です。
余談ですが、中京区に金色の鳥居など黄金色に飾られた神社で、お金を祭る神社として有名な御金神社があります。
資産運用や証券取引等の成功を願ったり、競馬競輪などでの勝利や、宝くじ等の当選を願う絵馬が大量に奉納されています。
同じ金ですが、ずいぶん異なりますね。






昨日は早朝6時半より護摩供が行われていました。











参拝の最後に還念珠を通って一巡です。
正念誦・還念珠は密教の重要な考え方を示したものです。
最初の珠数をくぐりながら、心にうかんだ願いを参拝の間思い続けます。
最後の還念珠をくぐり、その願いが大切だと考えるなら、その願いに向けてあなたが努力をすることを誓い、
仏さまに力をかしてくださるよう祈るそうです。





赤山禅院は比叡山の千日回峰行とも関わりが深く、千日回峰行を修めた大阿闍梨により「八千枚大護摩供」、
「ぜんそく封じ・へちま加持」「珠数供養」などの加持・祈祷が行われています。
都七福神の福禄寿のお寺としても知られ、また毎月行われる五日講が古くから商人に信仰され 、
「五十払い(ごとばらい)」の起源となるなど、さまざまな信仰を集めています。

猿は賢いですが、イノシシと並んで農産物を荒らす筆頭になっています。
しかし神様の使いにもなっているのです。