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京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『円山応挙展』 承天閣美術館

2013-10-29 06:26:47 | 美術・博物館

昨日は暖かい日射しで、絶好のお出かけ日和でした。
相国寺の承天閣美術館開館三十周年記念として、『円山応挙展~相国寺・金閣寺・銀閣寺所蔵~ 』が開催されていましたので、行って来ました。
月曜日は官公立系の美術館や博物館などがお休みですが、承天閣美術館はお休みなしです。







円山 応挙(1733ー1795)は江戸時 代中期の絵師。近現代の京都画壇にまでその系統が続く「円山派」の祖であり、写生を重視 した親しみやすい画風が特色である。 諸説あるが「足のない幽霊」を描き始めた画家とも言われている。(Wikipedia)

今回の展示の出展数は多くないですが、目玉は重要文化財の「牡丹孔雀図」と「七難七福図巻」です。以外に、慈照寺(銀閣寺)に寄進された「釈迦十六善神像」、「遊君図」、「浜松群鶴図屏風」、「雪中山水図屏風」、「大瀑布図」、植物の写生図、鳥魚鶏などの写生帖、人物生写惣本、三井南家伝来の円山応挙関係資料などが展示されていました。

応挙は狩野派を学び、その後写生画に目覚めていきますが、従来の日本画には見られない実感的な描写が特徴です。「牡丹孔雀図」も応挙らしい作品です。
当時、四条河原町には見せ物小屋があり、異国の珍しい生き物などが出されていたそうです。孔雀もその中にいたようです。



圧巻はやはり、「七難七福図巻」です。この絵図巻は圓徳院祐常門主が応挙に描かせた作品です。人間誰しも難を逃れ、福を迎えたいと願っていますが、この絵を見て、仏神を尊び、高貴な人を崇め、貧者を愛すれば七難を逃れ、七福を迎えれるという教えの趣旨だということです。この絵を見た人が、悪を捨て、善行を進んでくれることを願ったそうです。「福寿巻」では祝宴などの祝いの絵が続きます。しかし、一変して、「人災巻」は商家に強盗殺人、旅先での 追い剥ぎ、心中、獄門刑、磔刑などが描かれています。
「天災巻」では、地震、大雨、火事、雷、旅先で狼や大蛇に出会うなどがリアルに描かれています。それぞれの巻が15メートルの大作です。





応挙の作品は、写生を元にしたリアリティーがあり素晴らしい作品が多いのですが、一方私は出来すぎの感があると思っています。

承天閣美術館では、円山応挙後期展が12月21日~3月23日まで開催されます。
後期展では、相国寺開山堂障壁画20面や、大円徳院障壁画6面などが予定されているそうです。

美術館のモミジはまだ青々していました。一部紅葉が進んでいる木々もあります。