9月29日放送の夢の扉は、たった2台のパソコンで打ち上げ可能な新型ロ ケットに世界も注目。『イプシロン』打ち上げ 成功の舞台裏という内容です。今回のドリームメーカーは、JAXA (宇宙 航空研究開発機構) イプシロンロケット プロジェクトマネー ジャーの 森田泰弘さんです。
世界初となる“人工知能”を搭載した国産ロケット 「イプシロン」が完成しました。 組み立て時から打ち上げまで、ロケット自ら点検 作業を行うセルフチェック機能を 備えたことで、設備も人員も劇的に減らすことが でき、打ち上げコストの半減を実現、 たった2台のパソコンで発射管制が可能という、ま さに“ロケット革命”とも言えるものでした。
日本が誇るその固体燃料ロケットの技術は、「世界最高性能」と言わ れるほど、高く評価されていました。 しかし2006年、 M-Vロケットの運用は、突如終了を余儀なくされます。コスト高が理由でした。75億円は高すぎると言うのです。
森田さんらは、これを 『ピンチはチャンス。これは、新しいロケットを つくれというチャンスなんだ』 と無念を胸に秘め、白紙の状態から、新たな開発に挑みました。
そして、7年の年月を経てついに、人工知能を備え た革命的ロケット「イプシロン」が誕生します。
【イプシロンロケット とM-Vロケットの比較】
ロケット製作期間イプシロン 1年以内、M-Vロケット 3年
射場作業日数 イプシロン7日 、 M-Vロケット 42日
衛星最終アクセスから打ち上げまで イプシロン3時間 、 M-Vロケット 9時間
打ち上げ費用 イプシロン30億円以下、 M-Vロケット 75億円
しかし、打ち上げまで難産が続きます。8月22日の打ち上げ予定が、信号中継装置の誤配線により延期され 、 8月27日の打ち上げ予定も、自律点検装置がロケットの姿勢異常を誤検知したため、打ち上げ19秒前 にカウントダウンが中止されてしまいます。
ロケット発射を楽しみに集まった人たちの残念な顔がテレビに映し出されます。
打ち上げに集まった人たち
イプシロンうち上がらず
悲しむ人たち
打ち上げ失敗の理由
再度点検調整を行い、運命の打ち上げ再挑戦が9月14日と決まります。
集まった人たちは前回以上です。関心の高さをうかがわせます。
9月14日、午後2時、 ニッポンの宇宙への夢を乗せた新型ロケット・イプシロンが、 鹿児島の青空に打ち上げられ、見事成功させました。
打ち上げ成功に喜ぶ人たち
番組は、イプシロン打ち上げまでの過程と舞台裏を独占密着します。 『宇宙を身近に』と 日本の宇宙開発の未来を切り開こうと突き進む森田さんと、 彼を支える鹿児島・内之浦の人々、そして迎えた 歴史的瞬間を追います。
なかなか優れた番組でした。