田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

Steganopsisの一種

2008-09-22 | ハエ目(双翅目)
Steganopsisの一種
シマバエ科のSteganopsis sp1 和名はまだ無い

津市河芸町の海岸。メヒシバが茂る草むらでしゃがみ込んでいた時、メヒシバの穂に止まった小さな生き物を見つけた。こげ茶色をしていて、甲虫の仲間かなと思った。メヒシバの種子と変わらぬ大きさだから、3ミリ前後かと思う。すぐに見失った。
写真を拡大してみると、ようやくハエの仲間に思えた。
シマバエ科のSteganopsis属の一種
シマバエ科のSteganopsis属には3種が記録され、さらに2種の未記載種が確認されている。未記載の2種はどちらも和名が無く、胸部背板に縦線があるのがS.sp1、無いのがS.sp.2になるはずらしい。未記載とは正式な記載論文が出ていないということのようである。この個体には縦線があるからS.sp1ということになる。
顔面中央部は瘤状に大きく膨らみ、触覚第3節が非常に長いのはSteganopsis属の特徴らしい。
触覚第2節背面に1本の長い剛毛がある。
顔面に目玉模様がある。
腰が曲がっていて、カーブした腹部背面を包み込むように翅も内側にカーブしている。
ショウジョウバエ科のカブトショウジョウバエというのに似ているらしい。翅がSteganopsisと同じように曲がって腹部を覆っているという。カブトショウジョウバエの属はStegana。シマバエ科のSteganopsis属はショウジョウバエ科のこの属名が元になっているようだ。
複眼のピンク色は気に入った。
各地で普通に見つかっているらしい。
2008.9.15

Steganopsisの一種