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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

伊良湖岬と神島

2010-10-13 | 風景

右手前の神島に向かう。左手奥は伊良湖岬。

10月9日に神島へ渡る予定で居たが,大雨と強風で定期船が欠航となった。予定を変更して,10日に答志島で一泊し,その翌日に神島へ向かうことにした。
神島から見る伊良湖岬は思いのほか近く感じられた。

伊良湖岬からは鳥のサシバや多くの昆虫たちが神島に向かって飛んでくる。
神島に咲くハマアザミの花には,やたらとイチモンジセセリが多い。次にホシホウジャクとクマバチが目立った。ヒメアカタテハやウラナミシジミも見かけた。オオハナアブも何度か見かけた。これらは伊良湖岬周辺においても多く見られたと聞いた。

今年はアサギマダラの数が少ない。マーキングをしていたチョウ屋のベテランでさえ去年の10分の1しかマーキングが出来ていないと言う。
神島でモンキチョウとキアゲハを見つければ,すごいことですよと聞いていたので,懸命に探したが見つけられなかった。ベテランのチョウ屋が見つけられないものを私なぞに見つけられるはずもない。
伊良湖岬でカバマダラの南下を確認したとチョウ屋が興奮して語っていた。

土地の古老が,今年はアサギマダラが少ないと私に声をかけてきた。私はアサギマダラを1頭見かけただけであった。島の東の海上を渡っていったサシバの数百の群れは見ごたえがあったと古老が話してくれた。鷹柱も見られたと言う。

2日間歩き回って,靴擦れした。足の指,膝,腰が痛い。
2010.10.11

神島の坂道から伊良湖岬を望む。

田中川干潟の初秋

2010-09-24 | 風景

2010.9.22 芦原海岸から田中川干潟に向かう。
足元にはオオフタバムグラが大繁殖している。


手前の植物はケカモノハシ


ハママツナは満潮の水に沈み,ナガミノオニシバの株もとにまで海水が来ている。
黄色の花を咲かせていたハマサジはすっかり赤茶色に変色している。


ハマサジの赤茶色の花穂に止まるクシヒゲハイイロヒメシャク


オオフタバムグラの株に止まったツルギアブ科Acrosathe属sp.の♂


2010.9.13に数輪の花を咲かせていたハマボウ2代目





ハマボウ咲く干潟遠望

2010-07-21 | 風景

満潮の干潟に,年々大きくなっている二代目ハマボウの姿が見える。
田中川干潟のハマボウは今年もしっかり咲いている。2本目のハマボウは,10年前には気がつかなかった。ある年,突然ヨシの中から顔を出してくれたので,ようやく気がついて,ビックリした。それまで,ひと通り干潟の中は歩き回って,ハマボウの二代目は居ないかと探していたのに気がつかないで居たのだ。
三代目たちも元気で居るのだろうか,まだ見に行ってない。

2010.7.21



田中川左岸から望む

観鳥台からの風景

2010-02-16 | 風景
観鳥台からの風景
田中川干潟の全景

風も無く,天気が良かったので,久しぶりにマリーナ河芸の展望台に登ってみた。
2010.2.13 

観鳥台からの風景
干潮時の田中川干潟。干上がることの無い澪筋が銀色に光っている。澪筋を歩いているときは安全だが,少し外れるとぬかるんでいて,長靴が抜けなくなることがある。釣り人が石積堤防を渡っている。

観鳥台からの風景
右奥の高い山は経ケ峰。中央奥の高原は青山高原。左奥の山は長谷山。手前の山は上野の丘陵地で,写真中央辺りに本城山公園がある。
堤防西には元養鰻池が見えている。
干潟の中に2本のハマボウの木が白っぽく見えている。海岸堤防際には海岸性のヒトハリザトウムシの老成個体がまだ生き残っている。カニたちはまだ砂の中や漂着物の下などで冬ごもりしている。

観鳥台からの風景
望鳥台から西の風景。鈴鹿峠方面を望む。防潮水門より上には海水は行かないようになっている。水門より手前の堤防にはマガキがたくさん付着している。それを獲っている人も見かける。手前はヨットの出入り口。

観鳥台からの風景
望鳥台から北西の風景。中央奥の山は藤原岳。右手奥の山は多度養老の山並み。
ヨットやボートがある場所はかつて干潟であった。

観鳥台
干潟から見た観鳥台。螺旋階段を登っていくと,あの手すりのある所から眺望が楽しめる。。写真右下にはハマボウの若木がある。

サギとカラス

2009-08-06 | 風景
サギとカラス
田中川干潟の横を通りかかったとき、枯れた松の木に白いサギと黒いカラスが止まっていた。
サギはダイサギとコサギの2種がいるようであった。
この木はオオヨシキリがよく鳴いていた木である。サギたちがこの木に止まるのは初めて見たように思う。この木の周りにはペットのお墓がいくつかある。

干潟はちょうど満潮のときであった。
2009.8.4

サギとカラス

ノイバラ咲く干潟

2009-05-12 | 風景
ノイバラ咲く干潟
田中川干潟の堤防際に群生するノイバラが満開である。
堤防際には他にトベラも咲いている。シロヤマブキも咲いている。
堤防から投げ捨てられたゴミもある。
バカガイの殻を袋に入れて干潟に放り込んだ輩もいる。
オオヨシキリの声が聞こえている。
もうじき、ヨシ原が緑に変わっていく。
2009.5.11

トベラ咲く干潟
手前の花はトベラ。その向こうにノイバラが咲く。堤防に登って干潟南部を見渡す。

トベラ咲く干潟
アオツヅラフジが巻きつくトベラの花越しに干潟中央部を見る。


満月の干潟

2009-04-10 | 風景
満月の干潟
堤防道路へ出ると、東の空低くにオレンジ色の満月が見えた。月に一度の満月だ。行き先を変更して、田中川干潟ヘ向かった。
満潮の干潟。
ハマボウ古木の梢越しに満月と灯台の明かりが見える。
水面に月の光が反射している。
くれない色の夕日や満月を見つけると、近づいて見たくなる。ついつい前へ歩き出してしまう。
「うつくしい、うつくしい」と近くで誰かが言っているような気がした。そんな気がしただけだった。
今度の満月は丁度1ヶ月後の5月9日。
2009.4.9

満月の干潟

風車が見える

2009-02-25 | 風景
風力発電所
ここは津市北部の海岸。海の向こうは知多半島。
今日は海の向こうに風力発電所があって、2基の風車が回っていることに初めて気づいた。
中部国際空港よりも北。風車の左手にはタンクや高い煙突が続く。
調べると、知多市の新舞子マリンパークという人工島の人工海岸に設置されているものと分かった。
2009.2.23

風力発電所

中電知多火力発電所
右手のタンク群は東邦ガスの知多LNG共同基地のものと思われる。
高い煙突は中電知多火力発電所とその周辺の工場群のものだろう。
左端には造船所が見える。IHI CHITA SHIPYARD のものだ。
造船所右手の煙突は知多第二火力発電所のものか。
造船所の左手は名古屋港へと続く。

ハシボソガラスのいる風景

2009-02-09 | 風景
ハシボソガラス
2009.2.6 冬の芦原海岸
風で砂が舞い上がる。打ちあがったバカガイも砂に埋もれていく。
そのバカガイを好んで漁っているのはハシボソガラスの群れ。
こんなにカラスが多くてはシロチドリも安心して卵を産めないだろうなあ。
たくさんの流木は少数の有志が少しずつ集めては砂浜で燃やしていた。行政は何もしてくれなかった。

海の向こうに見えるタンク群はどこのものなのだろう。知多の辺りだとは思っているが、行ったことが無い。
海を見るたびに思う。
遠くにかすんで見える山はどこの山だろう。
山の上に見える煙突はいつも煙を出している。
どこの工場のものなのだろうか。
いつかきっと解き明かしたいと。

干潟と野鳥

2008-07-28 | 風景
田中川干潟
暑い日の夕方、田中川干潟に野鳥たちが憩う。
遠くの澪筋では、ダイサギ、コサギ、アオサギが仲良くエサ探しをしている。
左手前にはカルガモがいる。
アシハラガニの姿もたくさん見えている。
思わず、車を止めて、この風景を楽しんだ。
2008.7.24

ススキの季節

2007-10-25 | 風景
ススキ
田中川干潟の堤防際。
駐車スペースも少々ある。
ススキの向こうに見える池は元養鰻場。今日は魚が群れで泳いでいた。もうじき、いろんな冬鳥がやってくる。
干潟に入るときは、いつもこのススキの脇を通っていく。ススキの葉のへりには鋭い鋸歯があって、手が切れるので注意が必要。ハチジョウススキにはこの鋸歯がない。ハチジョウススキは近辺にはないけど、自生地は知っている、会いに行きたいなあ。
2007.10.24

メリケンカルカヤ茂る砂浜

2007-10-15 | 風景
メリケンカルカヤ
10月中旬の田中川干潟。南端の砂浜には北アメリカ原産の帰化植物、メリケンカルカヤが茂る。
メリケンカルカヤは多年草で、花期を終えても茎葉は枯れたまま冬を越し、新芽が伸びてきても、まだ昨年の茎葉がそのままの姿勢で残っている。
干潟では、ホソバハマアカザなどの塩生植物が紅葉し、干潟の風景は秋らしくなってきた。
砂浜をしばらく散策したが、もはやヤマトマダラバッタの姿は無かった。
2007.10.15

メリケンカルカヤ
メリケンカルカヤ

シロザのある風景

2007-08-11 | 風景
シロザ
海岸堤防際の駐車スペースに車を止めて、田中川干潟を眺める。
土手に生える一年草のシロザが大きく育ってきた。毎年、毎年生えてくる。
若いハマボウの木も大きく育ってきた。昨年に続き、今年の発芽も確認できた。
空も海も川も青い。

昨日、捕獲禁止のカニが大量に消えた。個体個体の生態を継続して観察してきた、その多くの個体が干潟から居なくなった。
人間の仕業だ。大人の靴跡と熊手で巣穴を掘った跡が認められた。

美しい風景を眺めていても、人に対する怒りや不信感ばかり高まっていく。
2007.8.10

消える運命

2007-02-25 | 風景
マリーナ河芸の北
田中川河口の左岸にある池。すでに中ほどまで埋め立てが進んでいる。
元は養鰻池。個人の所有地でマリーナの会社が借りている。
半年ほど前、この池の活用について検討中であることをマリーナ側から知らされた。新たな利益源としてこの池の土地活用を考えているとのことであった。
会社の経営者に対して、希少野生動植物種保存推進員の方や野鳥の会関係者からもこの池の大切さについて助言をしてもらった。しかし、経営者は「この池の借上料をあなた方が負担してくれますか」と埋め立てての活用もやむを得ないと主張した。

あれから半年。池が埋まっていく。
チョウトンボが舞い、バンが子育てしていた池。
メダカやシマゲンゴロウがいた池。ゴイサギがよくやってきた池。
子どもたちとアオモンイトトンボの羽化を観察した池。

池としての資源の活用方策を切り捨てた経営陣に対して、怒りを覚えてしまう。
消えていく池を見ながら、約20年前に消えた田中川左岸の干潟のことを思った。先人たちの怒りと涙を思い出した。右岸の干潟が保全されることを条件に、マリーナ建設に反対していた人たちも止むを得ず左岸の開発には同意した。
7年ほど前にタチスズシロソウの自生が確認できなくなって、ある長老を訪ねた。彼は左岸開発に同意したことを悔やんだ、「あの開発が無かったら」と。

20年ほど前に多くの人が涙を飲んで許したマリーナの建設、今そのマリーナが新たな開発を進めている。
一度許した開発は歯止めのルールが無いから、どこまでも広がっていく。つくづく怖いものだと思う。
毎年5月の連休前には姿を見せるオオヨシキリやツバメたちのことを考えてしまう。
トンボを追いかけていた子どもたちは、なくなってしまった池をどう想うだろう。
2007.2.24

マリーナ河芸の北
オオヨシキリが毎年巣作りをしていたヨシ群落。松並木のあたりにはタチスズシロソウがかつて生育していた。

マリーナ河芸の北
右手の建物は岐阜マリンスポーツセンター、正面奥の建物はマリーナ河芸
左の堤防の向こう側には伊勢湾

ビロードモウズイカ咲く砂浜

2006-03-07 | 風景



2005.6.6
白塚海岸のビロードモウズイカ。
ヨーロッパ原産の帰化植物。各国で観賞用に栽培される。
二年目の夏に花が咲く大型の二年草。
全体に白色の綿毛があり、触った感触はまさにビロード。
ビロードモウズイカ
河芸から江戸橋にかけての海岸部で野生化しているのを見る。
砂質土を好むようだが、我が家の庭にも自生してきた。翌年には数が10倍以上に増えたので、近所の人にさしあげた。適応力の強い植物と思う。
写真左は町屋海岸の堤防際にて。

三重県内での採集記録は1957.6.30太田久次さんによる津市江戸橋での記録が最初。
現在では各地に野生化し、東北地方から北海道にかけて多い。
雄ずい(雄しべの軸)に毛が生えているので、モウ(毛)ズイ(蕊=雄ずい)カ(花)と名付けられた。