光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

ワールド工芸のC55の動力をチェックする

2020-12-12 05:43:57 | 車両・蒸気機関車

 先日紹介したワールド工芸のC55流改タイプ。
 あれから何度か走らせて入るのですがやはりギアが滑りがちな走行性には幾分ストレスを感じます。

 先日の平日休で時間に余裕ができたのを幸い、この動力部の調整を試そうかと思い立ちました。

 このメーカーの特色は単体で自走できるテンダーを動力に使っている事です。現在の仕様の事はよくわからないのですが、少なくともこのモデルに関する限りはエンドウや中村精密の様にエンジンから集電していないので動力の調整でエンジン部の集電を気にする必要はないわけで、幾分気楽ではあります。
 さっそく確かめます。

 テンダー部の台車は4軸とも固定されており、首を振らない構造なのは中村精密の動力に似ていますが、台車枠は別パーツで取り外せる構造なのが中村精密のそれとは異なります。
 更にテンダーの車体はダイカストの一体構造ではなく、ブラス製の車体を折り曲げて表現されているので事によっては内側にウェイトで補重してやれば走りを改善できるかもしれないという期待が出てきました。

 で、車体を取り外し動力を引き出しました。
 ここまでのチェックではギアの欠落は見られず、集電に関しても問題が見当たりません。

 ただ、各ギアの遊びがやや大きめなのが気になりました。どうやらモーターのマウントが台車側のギアよりも高いためにギアのかみ合わせが十分でない事が不調の理由のようです。
 恐らくモーター位置を下方に微妙にずらせば改善の可能性があると思えたのですが、それをやるにはモータを包み込んでいるブラス製のパーツをばらしてマウントをずらすように固定し直さなければなりません。こうなると私のレベルの素人工作ではかなり難しいとみました。

 Nゲージの動力の場合、性質の違いはあれモーターのマウントの甘さで走行性が悪化しているケースは意外に多く、私の経験ではKATOの初代EF70や同じくD51、あるいはマイクロエースの3軸小型機関車や初期の鉄コレ動力なんかでこういうのを見ています。
 この種のトラブルは問題点は単純なのですが、それだけにモーター位置の再調整は意外に大掛かりになりがちで困難な事が多く、劇的な改善が難しいようです。そのくせモーター自体はきちんと動いているのですからストレスがたまること夥しい(汗)

 また前述のウェイト補重もテンダ内部にこれまたぎっちりとウェイトが入っている事が判明したのでこちらも困難なようです。

 やむなく元通りに再び組み直しましたが、走行性が微妙に良くなったのだけは見つけものでした。
 このモデルの場合、キットの組み立て品ではなく完成品として売られていた物のようですが最初からこういう走りだったのか、それとも走り込んでいるうちにこうなったのかの判断は現時点ではつきかねます。

 まあ、全く走らない訳でもないのでいい方法が見付かるまで宿題としておきましょうか(汗)

みにちゅあーとの「郵便局」

2020-12-10 05:41:54 | ストラクチャー
みにちゅあーとの積みキット消化ネタ

 今回は「郵便局」です。
 サイズ的に前回紹介した「医院」とほぼ同じで並べると色変え商品の様に見えますが、きちんと作り分けられています。
 あるいはこれもジオコレの差し替えを想定したサイズなのかもしれませんが。

 この種のローカルな郵便局はこれまでジオコレと食玩の「昭和情景博物館」で出ているのですが前者はレンガ造り、後者は看板建築と郵便局の建物としては聊か「らしさ」が足りない感じがします(上の写真の左側の黄色いレンガ造りの建物がジオコレの郵便局です)
 みにちゅあーとのそれは木造ながら、まるで大正時代からあったかのようなクラシカルさが特徴。

 先行品にない個性を持っています(尤も人によっては「言われなければ警察署とか役場に間違われそう」でもあるのですが。
 ペーパー貼り合わせの壁面の造形は適度なメリハリがあり特に窓周りは好い雰囲気を見せてくれます。

 もうこれ位みにちゅあーとを作って来たのでそろそろ文句を言ってもいいかなと思うのですが、屋根瓦を印刷で済ませるのはそろそろやめて欲しい感じもします。
 後から出たIORI工房の住宅なんかは屋根瓦を波板で表現していますし。
(それとも現行品の屋根瓦はもう立体造形になっているのでしょうか)

 まあ、それを差し引いても今回のキットもいい存在感を出しているのは確かです。

鉄道模型の工作にトランキライザー効果を感じる(笑)

2020-12-09 05:39:15 | 思いつくままに・考察
 今回のはなしは半分お恥ずかしくなる話なのですが、ご勘弁を。

 この間の事です。
 よく覗きに行くSNS上で少し「これはまずいんじゃないか?」と感じられる表現のブランド論争があり、平日休の朝が実に面白くない気分で明けました。

 まあ、朝っぱらからそんなのを見てしまう私も悪いのですが、SNS上での論争を観ているうちに部外者の癖に妙にエキサイトした気分になってしまい、こちらからも何か書きこまないと気が済まない気分になってきました。
 ですが時間は平日休の朝。

 とりあえず顔を洗い朝食を食べたのですが、それでも落ち着かない気分が続きます。
 で、その時点でも我ながら過激な物言いをしかねない精神状態だったのですが、書き込みをする前に少し気分を落ち着けようと前の日から仕掛かりしていたキットメイクの続きを始めました。

 そのまま大体1時間くらい手を動かしていましたか。

 するとそれまでのイライラが嘘のように静まり、工程の最後の方になるとSNSの論争のことなんかどうでもいいような気分になってきました。
 これまでにも落ち着かない気分の時に列車を走らせるとか、工作の続きをやるとかすると気持ちが落ち着くという経験はしているのですが、今回の場合は自分でも驚くくらいに劇的な気分の鎮静を感じたのです。

 すべからく趣味という奴には当人にとっての鎮静効果の要素があると思います。
 ですが特に手を動かす趣味というのは、手を使うことそれ自体に気持ちを整えさせる何かの要素が大きいのではないかと思えます。
 こういう時の工作というのは半ば「作るために作る」「手を動かすために作る」という意味合いが強いのですが「ひたすら無心になって模型を弄る」というのは朝っぱらからSNSを覗いているよりも精神衛生上いいのかもしれません。

 ただ、

 これでもう少し工作がうまくなっていればねえ(大汗)

 こういう精神状態で作ったモデルについてはいずれ紹介したいと思いますが、出来には期待しないでください(と今から予防線を張っておく汗)

 ※写真は今回の記事とは直接の関係はありません。

RM MODELSの「映える撮影用背景紙2」

2020-12-08 05:34:17 | アクセサリー

 この間RM MODELSの付録の「映える撮影用背景紙」を紹介しましたが、先日発売の1月号でその第2弾が登場しています。
 まさかこんなに早いタイミングで2弾が出るとは思わなかったので聊か慌てましたが(汗)第一弾の使い勝手が良かった事もあって今回も手を出してしまいました。

 前回森林風景から変わって今回は電車が良く似合う都会風景をモチーフにしています。
 わたし的にもこういうのが欲しいなと思っていた矢先でしたので大いに助かります。

 第二弾で面白いのは手前の線路付近のパーツを切り離して突堤あるいは掘割として使えるようにしている事。
 線路と突堤の部分を折り曲げ、スタイロフォームか何かでスペーサーをかませてやるとなかなか見られるお立ち台になります。

 さっそく試してみました。
 突堤の見上げるアングルも悪くはないのですが逆に掘割風に折り曲げて電車を斜め上から覗き込むアングルが特に気に入りました。
 実車の風景ではこんな風に流し撮りするなんて困難ですからまさに模型ならではの楽しさを堪能できます。
 いや、別に写真に撮らなくてもただモデルを置いて眺めるだけでも結構な臨場感を楽しめます(例えるなら昔懐かしの「立体スコープ」を覗く感覚に近いかもしれません)

 今回は道路のパーツも付属(笑)
 ミニカーユーザーへのフォローを狙ったのも好印象です(わたし的に、ですが)

 ところで前回の撮影用紙は思いのほか好評だったらしく鉄道模型ばかりか他のジャンルにも飛び火した様で、別の雑誌で面白い付録が付いて来るに至りました。
 まあ、それについては私のサブブログで取り上げたいと思います。

今月のジャンク車・ワールド工芸のC55流改タイプ

2020-12-06 05:51:23 | 車両・蒸気機関車
 先日うちの近所に新しい中古ショップがオープンしました。
 過去の例から言って、この種のショップは開店初日にはそれなりの出物が出ることが多かったですから、仕事が引けると同時に勇躍店に向かいました。

 今回はそこでの掘り出し物から
 相場よりも相当に格安でしたがもちろんそれだけの理由がある曲者モデルを選り出しましたw

 ワールド工芸のC55流改仕様。
 最初は流線形だったC55を後に通常と変わらない形に改装した仕様です。

 実車についていえば、鳴り物入りで登場したはずのC55流線形ボディは実際には走っても特に空力には影響せず、むしろメンテナンスの煩雑さが嫌われて一時期は下部のカバーだけ取っ払った「下半身丸出し状態」の時期もあったそうなのですが、とりあえず廃車にならず通常型になっただけ見つけものでしょう。


 今年の初め、ワールドのD52(KATOのD51ベースのカスタムキット・・・と思っていたのですが後でよく見たらマイクロのD51ベースでした汗)を入線させた時「ワールドの蒸機としてはこれが最初で最後になるのでは」とか書いたのですが、今回まさかの2機目入線を実現しました。

 一応完成品らしいですが、ワールドのテンダードライブ蒸機としては最も初期のモデルとなるそうです。
 動力も当然テンダー内蔵ですが、エンドウや中村と違ってエンジン部を集電に使っていないのでテンダー単独でも走れます。

 さて、このモデルがなぜ安かったかというと正札の以下の一語が語っています。
「集電不良、走りが不安定です」
 つまり動力系のトラブルを抱えていて、走らない可能性があるという事です。

 流石にこれは不安でしたから、店頭で試走。
 確かにモータが空転している様な響きがあり、まるでクラッチが滑ったMTの故障車みたいな走りです。でも全くの不動でもない。
 テンダを裏返すと車軸の遊びが大きい様です。

 これは完調に戻せないまでも今の状態よりマシな走りにできるのではと思い、清水から飛ぶ思いで財布を開きます。

 帰宅後、台車の様子を見るとギアは一応噛んでいる様で昔のしなのマイクロの電車の様なギアの摩耗の線は薄れます。
 ですがよく見ると、左右の台車枠が車輪の一部に摩擦して抵抗になっている様子。
 (だからフルスロットルでないとまともに走らない)
 幸い台車枠はネジで固定され調整はできる様子なので時計ドライバで調整。

 滑りはまだ見られるものの、買った時よりは少しはまともな走りになりました。
 ただ、このモデルはワールドの蒸気の中でも初期のモデルで動力性能は元々そう期待できないレベルらしいです。

 とはいえ、テンダに推されて走るエンジン部のロッドのアクションは流石に良い雰囲気を出します。
 造形についてはあるサイトで「今のワールドのモデルに比べると見劣りする」と書かれていたエンジン周りの造形ですが、25年前のモデルとしては十分にスーパーディテールに見えます。
 しかもブラスボディは16番並みの質感を感じさせKATO辺りの「細密だけど冷たい」造形とは一線を画しています。

 流改機特有の「絶壁の様な背高゙テンダ」とかキャブ周りの「なんだか変」なところは元々の流線形ボディの名残を残すところでしょうか。
 何にしろわたし的には十分に掘り出し物でした(因みに定価の6割引ですが、元々の定価が高いのでKATOの8620並みのお値段でしたが)

鉄道ミステリとNゲージ32「乗り合わせた客」と200系

2020-12-05 05:45:54 | 小説
 久しぶりに鉄道ミステリとNゲージ(あるいは鉄道模型)ネタから
 日本ペンクラブ編「悲劇の臨時列車」から中津文彦作「乗り合わせた客」を。

 仙台から上り新幹線に乗り込んだ主人公の主婦が車内でふと漏れ聞いた怪しい男の携帯電話の会話。それがきっかけとなって姿なき脅迫者から秘密を漏らさないよう脅され続ける。やがて彼らは口留めの保証料として彼女に現金を要求してきた。
 思い余った彼女は夫に相談し彼らの要求通り金を払うことにするのだったがその恐喝劇には意外な真相が仕組まれていた。

というのが大まかなストーリーです。
 作者は岩手県出身で盛岡の新聞社に勤務していたとの事もあってか、開通まもない東北新幹線を舞台にストーリーが展開しています。
 東海道新幹線の0系を舞台、あるいは題材にした短編ミステリはそれこそ星の数ほどありますが、東北新幹線の200系を舞台にした作品は私の手持ちの中では本作のみ。
 長編であればトラベルミステリの隆盛に伴い何本か書かれている様ですが、後発だけに東海道に比べて開通のインパクトが薄い事も関係あるかもしれません

 その200系ですが東北新幹線の開業がNゲージの興隆期と重なったせいもあって開業直後の段階でエンドウ、KATO、TOMIXがNゲージモデルを競作するという鉄道模型史上前代未聞な事態になりました(笑)
 私の手持ちにあるのはごく最近入線したKATOの最初期モデルだけです。
 前にも書きましたが「自分な常用している編成なのになかなか模型を買わない」という私の悪い癖(かな?)が表に出ていますね。
 0系よりも微妙に細身のノーズと上周りの軽快感と対照をなすスノープラウ付きの重厚な下回りとのアンバランスが200系の特徴ですがその点はどのメーカーのモデルも外していません。

帰省先のレンタルレイアウトとそこの戦利品

2020-12-03 05:42:21 | 旅行・探訪・イベントなど
 先々月の帰省から少し間が開きましたが、今更ながらに故郷で見つけたショップのはなしから。

 実は今回の帰省前に故郷の友人から「うちの近所に『鉄道模型』というのぼりを立てた店が最近できたらしい」という話を聞かされました。
 まあ、こう言っては何ですが私の故郷は基本的に東北の地方都市ですから模型店自体がまず少ない。
 ましてや鉄道模型を専門に扱うような店にはなかなか当たらないというのが(わたし的な)先入観にすらなっている土地柄です。

 ですからこの情報には驚かされると同時に「いったいどういう店なのか?」が興味の関心でした。
 で、帰省の際に教わった場所の周辺を探し回ったのですが一回目は見つからず、二回目に回ってようやく見つけました。

 店内には中古の鉄道グッズや鉄道模型(Nゲージメイン)、そしてご店主の自作と思しきレイアウトが鎮座しています。
 雰囲気的には現住地で私が行きつけている鉄道カフェにごく近いイメージです。

 ご店主から話を伺ったのですが開店はこの春と言う事で以前から地域のイベントなどでレイアウトを持ち込んで運転会をされていた由。

 レイアウトは土地柄東北本線周辺のイメージを感じさせるものでかなり年季が入っています。
 もちろんレンタルレイアウトで運転もできるのですがご主人の言によれば「事によると本州では最北のレンタルレイアウトではないか」との事です。
 生憎今回の帰省では走らせられる編成を持ってきていなかったので運転は叶わなかったのですが、その代わり売られていた中古モデルの中から個人的な掘り出し物を入手しました。

 それはエーダイのキハ47(M)

 実は同じモデルを数年前に秋葉で購入していたのですが、カプラーがポケットごと無くなっていたり色刺しがやや杜撰だったりという最悪のコンディションだったので入線できなかったのです。

(こんな感じの奴)


 昨年暮れにはキハ40のT車(KATOですが)を入れていたので2連の編成が組みやすくなります。
 (エーダイのキハ40系は初期のKATOのキハ40系と造形での相性がよく、2連を組ませても違和感が少ないのです)

 それにしてもここ数年帰省先の中古ショップで入線する国鉄型は気動車ばっかりの様な気が(笑)

モデラーとコレクター、そして運転派それぞれの観点から感じること

2020-12-02 05:39:49 | 思いつくままに・考察
 先日製作したワールド工芸のTMC400Aの工作中にふと思った事から。

 今回のワールド工芸TMC400Aですが細密感は全く大したものだと思います。
 走行性はスローが効きにくいのが惜しいですが、まあわたし的には許容範囲です。

 ですが、これを組み立ててみると、ただのモーターカーなのに思った以上の手間がかかりました。
 シャシやボンネットのそこここに0・5ミリの穴をあけてエッチングから切り出した各パーツを取り付ける工程がきつかったのは確かです。

 で、出来上がったTMCですがこの種のBタイプのロコの中でもずば抜けた細密感があります。
 一方で動力は意外と豪快さんの構造と相俟ってスローがほとんど効かず割合迫力のある走りを見せますが、まあ、これもいい方でしょう。

 ただ、このモデルを手に取って見てふと感じたことがあります

 小さい車体にフルに近いディテーリングが施されたこのモデル、レイアウトで常用するには少し繊細過ぎる気がしたのです。
 ちょっと手に取っただけでサイドの手すりが倒れたりとか、ステップが落ちてしまいそうになるとかと冷や汗もののシチュエーションが試運転の段階から少なからずあって、レールに載せるのにも神経を使いました。

 ですがこのTMC400Aはモーターカーです。
 レイアウトの上で走らせる前提だとこの種の機関車はかなり高頻度で活躍する機関車になりますから、ちょっと手に取っただけでディテーリングパーツが落ちたり歪んだりするような繊細さが却って邪魔になる事もあるのではないだろうかと思えました。
 こんな感想が出てくる事自体、私自身少し意外でしたが小レイアウトで主力かそれに近い活躍をさせるのであればそこまでの細密さは要らないのではないかという気はします。

 小型の機関車であることを考えればもう少しスローが効いて欲しいと思いますし、そもそもこうした小型機関車でそういう走りを期待するならNよりも寧ろ16番かHO以上のサイズの方が向いていると思えます。
 
 以上の感想は「レイアウトでの走行派」としての視点から見た場合のはなしです。

 ですがそれだけが正しいかというとそんな事もない。

 実際、このキットの組み立てには結構手間が掛かりましたが、それでいて「作っているのが楽しい」という感覚も他のイージーキットよりも濃密に感じました。
 今回のTMC400Aに関する限り、少なくとも単調な組み立てではない「何かを作っている実感」を感じさせるキットだったのは間違いありません。
 運転派にはどうでもいい事かもしれない車体の細密化にしても工作派からすれば、キットに入っているパーツは「できるなら全部付けたい!」という気分になるでしょうし。

 こちらはこちらで「モデラー派」の視点と言えます。

 また、完成させた本キットをどこかに飾るなら、今回程度の細密さがあっても良いかもしれません。
 このサイズの機関車の中では(少なくとも他社のオールプラの完成品に比べれば)ずば抜けた細密感と凝縮感のあるモデルなのも確かですし。
 (ですがこれだって本気で飾るなら16番以上のサイズの方が以下略)

 これは「ディスプレイ派」か「コレクター」的な視点といえます。

 現在のテツドウモケイはある評論家の言を借りるなら「走らせる事もできるし、飾る事もできる」という点に特徴があるのだそうです(まあ、現実は逆に「飾っているけど走らせることもできる」だと思いますが)これは以前別の投稿で触れましたが、他のジャンルの模型に比べて鉄道模型自体に鵺的な性格が強いという事でもあります。

 鵺であるがゆえに「絶対にこうでなければならない」と言ったいわゆる「王道」が存在しにくく、言い換えれば「どの視点も正しい」と言う事でもあります。そして現実には上記の3つの要素は大概のファンの中に複合して存在し続けている要素ではないかと思います(その比率に温度差があるにせよ)

 つまり、同じモデルであっても異なる観点で観れば傑作にもなりうるし駄目モデルにも映ってしまうという事でもあります。
 結局のところ、モデルの評価基準なんていうのは人それぞれ。自分の見方だけが正しいという事もそうそう無いという事なのでしょうね。
 同じ事はブランドに関してもいえることではないでしょうか。

 今回、このTMC400Aを作って走らせ、また飾りもしてみたのですが、その結果は「同じモデルであっても視点を変えると相当に違った感想が得られる」ということを自分自身で感じられたのが今回面白く、また考えさせられた点だったと思います。

バックマンの「ガソリンスタンド」

2020-12-01 05:31:47 | ストラクチャー
トミーナインスケールで売られていたバックマンのストラクチャーのはなしから

 今回は「ガソリンスタンド」をば。
 1970年代当時では日本とアメリカではガソリンスタンドの形状があまり変わらなかったのでやろうと思えばバックマン製品の和風レイアウトへの転用はそれほど無理はなかったと思います。
 (この時代までは給油部に屋根がない形状が当たり前でした)
 とはいえ、カラーリングの変更と色刺しは必須だったと思いますが。

 建物の事務所部分と整備工場の部分が隣り合っている構造も同じですが、跳ね上げ式の扉は日本のスタンドではあまり見ないタイプです。
 バックマン製品の美点(と私が勝手に思っている)「車が置いてある」のはこの製品でも同様ですが、こちらでは見るからにアメ車プロポーションのワゴンが固定されています。

 当時の自動車セットにもこの形状のクルマはなかったですから、ある意味お得かもしれません。

 さて、和風のストラクチャーでガソリンスタンドがリリースされるには本製品から10年以上後まで待たなければなりませんでしたが、TOMIXのガソリンスタンドは80年代以降のガソリンスタンドの形状を割合的確に再現した傑作と思います。
 (但し一部パーツが経年劣化しやすいので固定式レイアウトで使うには注意を要しますが)
 更に21世紀になってからは昭和40年代風と50年代風の2種類の「出光ガソリンスタンド」がリリースされ、特に前者は今回のバックマン製とよく似た構造になっています。

 ガソリンスタンドの様な建物は鉄道模型用の一般建造物の中では使用頻度が少なそうなものと思うのですが、少なくとも3種類から選べるようになっているのはすごい話ではあります。