光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

猛暑と多湿の日々

2022-07-31 05:30:05 | 日記
今回は気候に伴う愚痴です。
 全く実のない書き殴りですがそこはご勘弁を。
 
 梅雨が明けてからの1週間はこれでもかという猛暑の状態でしたが、先週末に台風が近づいてからは暑さこそひと段落したものの今度は多湿を伴う蒸し暑さにやられっぱなしです。

 高温も多湿も私の最も苦手とするところであり、これがしばらく続くのかと思うとげんなりさせられます。
 勿論模型関係も工作や作業は殆どストップ状態。
 それどころか夜寝につくのですら一苦労という塩梅ですからたまりません。

 こんな時に愉しみらしい楽しみと言えば、暑さのひと段落着いた時間帯に散歩したり車を飛ばす事でしょうか。

 田舎暮らしの強みと言いますか、うちからちょっと飛ばせば夜景がそこそこきれいに見えるスポットがあちこちにあるのが嬉しいものです。
 幾分気温も近所よりは低いですし夜風もそこそこ流れるので、それなりに避暑気分にはなれます。

 そういえば涼菓の類も美味しく感じられる季節です。
 生憎最近の諸物価高騰の波はかき氷にまで及んでしまい、予算内で楽しむのが難しくなりつつありますが、それでもこういうお菓子が恋しい季節である事には変わりありません(笑)


 そうこうするうちに今期のコロナ禍は再び猖獗を極めつつあります。
 また外出自粛の蟄居生活が来るのかと思うとこれまたうんざりする気もしますが、こういうときこそ家の中で出来るホビーに勤しむいい機会なのかもしれません(と言うか、そうでも思っていないとやりきれない気が汗)

7月30日で「730の日w」

2022-07-30 05:44:24 | 鉄道模型 


 最近、ネタに詰まると思いつくのが日付けによる語呂合わせネタです(大汗)
 特にGWの時なんかは何本もネタが並んだりするのですが、この手が使える日というのはごく限られます。
 
 まあ「10月3日で103系の日」なんてのはでっち上げられても「10月2日だからモハ102の日」とはなかなかできませんし(いや、無理すればできるかもw)精々できるのは「上3桁までの数字も含めて語呂を合わせる」くらいが関の山でしょうか。

 で、今日の場合は7月30日です。
 これに因んだ形式番号の車両、実車には存在してもわたしがモデルとして持っている様な車両などそうそうないだろうと思っていたのですが、

 叡山電鉄の「ひえい」が730形(732)でした(汗)
 この車両は元々デオ700系だったのを改造した観光車輛ですが、模型としては一昨年鉄コレで出ていたのを購入、1年寝かせたのち昨年のグランシップで動力化デビューを果たした、わたしにとっては思い出深い車両のひとつでした。
 実車もローレル賞を取っていますし「730の日」くらいやってもいいのではないかとw

 さて、上記の解釈に従い「7300」まで範囲を広げると

 名鉄の「7300系」

 阪急の「7300系」なんかも該当する事に気が付きます(阪急の写真は厳密には7000系のそれですが、7300系自体は7000系の京都線仕様という立ち位置です)

 今回のネタは「今日は何の日」的に語呂合わせを検索していて見つけた物なのですが、こうして無理やり該当者を見つけ出すと意外な取り合わせが見付かったりして面白い数字遊びにはなりそうですね。

梅雨時の運転会のはなしその2

2022-07-28 05:27:07 | 旅行・探訪・イベントなど
 先日の日曜日は時折ぱらついたものの梅雨の中休みを思わせる晴れ間が覗きました。

 こういう日は自宅にいても爽やかさを感じるものですが、レイアウトで自宅運転会と洒落込みました。
 先日、ワサフ8800タイプが落成した記念にEF58牽引で「北星」を走らせましたが今回は牽引機を換えてED75で行きます(ワサフ8800は仙台で増結していたのでED75の仕様もあります)

 流石に青い編成の先頭に真っ赤な機関車というのは自然さの点では違和感があるかもしれませんが、わたしの故郷ではED75の牽くブルトレはごく普通の風景だったので懐かしさの方が先に立ちます。
 ED75は昨年入線のTOMIXの最新バージョン。モータもM–13に変わっているそうですが走行性は最新モデルらしいスムーズさ。

 停止時に惰行が効くのは流石ですが長編成のブルトレだと「後ろの客車に押されて停まりきれない」様にも見えるのが面白いところです。

 反対側にはEF66の牽引する12系客車。
 この間のトレインフェスタの折、HOゲージのED66を走らせましたが、その折に「実車のEF66も12系を牽いていた」という話を聞き、ならばNでもと引っ張り出しました。
 EF66はTOMIXの最初期モデル。

 今では知る人ぞ知るという感じになった「出目金テールランプ」の仕様です(初代のEF66はテールランプがユーザー後付けとなっていたのですが、レンズのパーツが長すぎたため普通に付けると出目金状態になる)
 牽引機がそんなですから、牽かせるのも「初代のTOMIX12系」香港製モデルで当時から他社に比べてラフな印象を与えるモデルですが、何両かまとめるとそれなりに編成らしくなります。
 (なお、EF66のパンタが下がりっぱなしですが、これは後付けでリペアしたパンタグラフが外れやすくなっていたため上げられなかったものです。ここも修理しなければ汗)

 この2編成が行き交う梅雨の中休みの運転会でした。

秩父鉄道デキ1と「とある特撮ヒーロー物」(笑)

2022-07-27 05:22:37 | 映画・テレビ

 今回は先日見た特撮ヒーローものに意外な客演をしていたロコのはなしです。

(講談社「テレビマガジンヒーロー大全集」132Pより画像引用)
物はCS放送でたまたま観ていた「電撃戦隊チェンジマン」(昭和60年 ANB 東映)の劇場版。
本作は現在まで連綿と続く東映戦隊シリーズ中期の傑作とされる一本です。

悪の組織が火山の噴火を偽装して周辺の住民を強制的に避難させ、その間に地球を破壊する爆弾を仕掛けようとする陰謀にチェンジマンが立ち向かうというのがストーリーのアウトライン。
物語の中盤、火山から避難する住民の中の一人の少年が家に置き去りにしていた飼い犬を助けに行こうとするのですがその為に「駅に停まっていた機関車を勝手に運転して家に向かう」という展開(!)
少年を助けるために急行するチェンジマンと列車を止めようとする敵組織の三つ巴のトレインチェイスが展開したのには驚きました。

その場面の主役というのが現在は全機退役して保存機しか残っていない「秩父鉄道のデキ1」だったりします。牽引しているのも事業車と思われるトキ500の編成(当時のこととて後尾にはちゃんと緩急車が付いています)

そのデキ1編成が駅構内を疾走するくらいだったら驚きませんが「駅構内の犬走部分をロードバイクで列車と並走」して飛び移ろうとするヒーローとか「走行中のトキの上で数人が格闘戦を行い2、3人が走行中の貨車から投げ落とされる」上にとどめが「走行中の実車に弾着、爆発が絡む」「ラストは列車が走行中の鉄橋から川へダイブするヒーロー」とまあ、やりたい放題の描写の連続(笑)

実は秩父鉄道は東映のヒーローものやアクションドラマでよく登場する私鉄でして、少なくとも昭和の終わり頃までは「鉄道の絡むアクション=秩父鉄道でロケ」というのが定番でした。当ブログでもそのうちの一本として「大非常線」というのを取り上げた事があります。
「大非常線」と秩父鉄道
(まあ、当時の国鉄や大手私鉄でここまで無茶なロケをやらせてくれるところもそうないでしょうが)

ですがそこで登場する編成は大概デキ200とかデキ300みたいな箱型デッキ付きELが牽いている事が多く(牽引するのにホッパ車が多いのでアクションシーンが見栄えがするのでしょうか)デキ1というのはわたし的には割と新鮮でした(笑)

あいにくわたしの手持ちにはデキ1はありませんが、今回は外見が比較的似ている弘南鉄道の機関車の写真でお茶を濁させていただきます。

7月19日で719系のはなし

2022-07-26 05:20:46 | 車輌・電車
 今回はメインブログで7月19日という日付の語呂合わせネタで、出し遅れ感が強いですがご勘弁を。

 今日が7月19日なので719系のはなしで行きます。
 719系とは平成元年に主に仙台近辺の東北本線に投入された近郊型交流電車です。基本が1M1Tの2連でありながら最大で8連目での長編成に対応できる機動性の高いユニットで閑散時からラッシュ時に対応できる様になっておりここ40年ほどの間に急速に都会化している仙台地区では重宝しそうな電車ではありました。

 前に紹介した715系が投入されていた仙台ー一関間の普通電車にも使われていたそうですから異形の迫力の715系から低屋根の211系フェイスにアップデートされたわけです(笑)
 この電車はクーラー搭載の関係から窓が基本固定窓で戸袋窓なしの3連窓は211系に比べてすっきりした印象がありますが実を言いますと赤と緑の仙台色ラインは個人的に馴染めない色です。
 この点では後述する「赤べえ色」や後に転属した先の秋田色の719系の方が好みだったりします。

 さて、その719系のNゲージモデルですが数年前にマイクロの4連セットの中古を故郷のショップで入手したものが入線しています。
 2連×2の4両セットですがサイズ的には手頃な長さで重宝しているもののマイクロ特有の「動力車の塊状の床下機器の表現」には古さも感じ始めています。

 また、その後鉄コレの26弾で磐越西線の「あかべぇ」仕様もリリースされており今だったらそちらの方が動力を含めた入手も手軽かもしれません。

鉄コレ31弾の「近鉄6600系」

2022-07-24 05:19:23 | 車両・私鉄/民鉄
 鉄コレ31弾の埋蔵金車両から
 今回は近鉄6600系をば。

 近鉄6600系はチョッパ制御を取り入れた3000系(エンドウやGMからN製品が出ています)の後継(というか量産型?)として投入された近鉄1400系のグループの一つに属する車両だそうで、1983年に南大阪線用に投入された系列だそうです。
 因みに他の1400系グループは標準軌ですが6600系は狭軌の仕様です。

 本系列のみ、あるいは他系列との併結で4連から8連で運用するのが基本の様ですが編成によっては「2両単位の色違い」のバラエティも楽しめる使い勝手のいい編成の様ですね。
 (「らしい」とか「様です」と言う表現が微妙ですが、なにぶんわたし自身が実車を見ても乗ってもいないものですから、伝聞での書き方になってしまいます。鉄コレは特にこのパターンが多いのですが、読み辛くなるのはご勘弁を。

 前にも書きましたが、当鉄道では近鉄車両というと「クラシカルな優等車両」
 (歴代ビスタカーとかスナックカー、あおぞら号など)が多く、普通列車用というと昔増備した3000系くらいしか有りません。
 わたしの年代、それも最近の近鉄を知らない向きには「近鉄の普通電車=マルーン一色のボディ」のイメージが強いのでツートンの通勤電車の方は馴染みが薄いのです。

 それを覆したのはここ数年の鉄コレのラインナップでして、27弾で2400系が、25弾の820系(まあ、これはマルーンに白帯の変化球ですが)単品でも900系とかが入手できたせいで「優等列車は1980年代なのに普通列車が最近の車両ばかり」と言う変則的な組み合わせになっています。
 (まあ、ここにあげた大半が「側線の彩り」的留置車両の扱いですが)

 今回の6600系がその傾向に拍車をかけるのは間違いありません。

「紙で作る日本の蒸気機関車」2作目に悩む(汗)

2022-07-23 05:10:25 | 書籍
 先日、3ヶ月以上をかけて5680を作った「紙で作る日本の蒸気機関車」の工作。

 第一弾を作って大体の要領が分かったつもりではいますが、グランシップ以降は何となく億劫になってしまい第二弾に中々取り掛かれずにいました。

 ですが今年の早い梅雨明けで「台所蟄居のデスクトップ工作」しかできなくなるくそ暑い季節を迎えましたし、そろそろここいらで2作目を考えたいと思います。

 となると一番の問題は「次は何を作ろうか」ですね。
 本書に掲載されている機関車は意外と明治・大正期のものが多いので5830の続きで言うなら6400とか4500辺りが順当かと思っていました。

 ですが5680を作っていて意外に面倒だったのが「バッファーとライト周りが意外と細かかったこと」
 ライト本体の把手付き構造やバッファの細かい丸め工作に少し辟易したのでそれらの小細工工作のない昭和の蒸気機関車から作ってみようかと思えます。

 すると候補はC11、D51(標準型と半流型)、C62、E10、あとC55の流線型辺りです。
 個人的にはオーソドックスなところでD51の標準型辺りを狙ってみようかと思います。でもテンダーの手間を考えるとタンク機のC11も捨て難い。

 ここは学校の夏休みシーズン辺りまでには決めたいと思います。

7月15日で715系のはなし(汗)

2022-07-21 05:16:39 | 車輌・電車
 今回も7月15日にネタの再録ですがご勘弁をば。

 先日に引き続き日付の語呂合わせネタでお茶を濁します。
 今日が7月15日という事で715系のはなしをば。

 マイクロの715系電車。余剰の583系をベースに普通車改造を施したものです。
 前回紹介の713系に比べると見るからにやっつけ感の強い仕様で、ゲテモノ好きはともかく実際にこれを利用する乗客はお下がりに乗せられている感が強かったのではないかという気がします。

(バスのはなしですが私が学生時代使っていた路線バスでもたまに元観光バスの仕様が混じる事がありました。これが通学に乗るには階段は高いわ通路は狭いわで辛いものがあったのを思い出します笑)

 何年か前の一時期、電車で帰省するときなど新幹線の車窓からこの仕様の普通電車が留置されていたり走っているのを見たりするのを見るにつけ「寝台電車の花形が」と言う思いに囚われたものです。
 (当時は趣味の中断中でしたがそれでもあの異様なスタイルはいやでも目立ちました)

 今回紹介するのは九州仕様なので私の見た1000番台とは厳密にはカラーリングをはじめいくつか異なるのですが、それでも私の見た電車の特徴は捉えています。

 で、さっそくレイアウト上で運転してみたのですが、やはりその走り姿は異様の一語に尽きます。

 「食パン」という渾名が付いているだけあって583系特有の異様に屋根が高いプロポーションなのに加え、中間車に無理やり運転台を追加している為まるで絶壁の如き切妻の前面スタイル。
 さらに窓配置は殆どそのままに一部だけ二段昇降窓をつけた不思議な側面デザイン。

 実車の走行ではそれほど感じなかったのですが、レイアウト上でモデルを走らせると「何かの間違いで583系の中間車だけが走っている」様にも見えます。
 特に真横から見るとその異様さが際立ちます。

 とは言うものの、このデザイン自体に一種の「異形の魅力」みたいなものが感じられるのも事実で、そうでなかったら入線などしない訳ですが(笑)

 それからしばらくして一昨年に鉄コレでも715系がリリースされます。
 こちらはJRE仕様の1000番台。
 わたしが馴染みがあるのもこちらの仕様です。


 1000番台はマイクロからも先日編成物が出ている様ですが、予算の都合で流石にそこまでは手が出せないのが現状です(大汗)

7月13日で713系のはなし

2022-07-20 05:12:43 | 車輌・電車
メインブログでは7月13日に書いたネタなのですがご勘弁を。

 こうして日付の語呂合わせネタを毎度毎度やる様になるとブログとしては末期症状みたいな気もするのですが、まあ気にせず進めたいと思います(汗)

 今日が7月13日だからという安直な理由で「713系のはなしをば」

 手元の資料を紐解いてみると713系とは1983年に登場した近郊型の交流電車で1M1Tの2連を基本とした構成となっている電車です。
 (やろうと思えば付随車を追加し3連での運用も可能なのだそうですが)
 専ら長崎本線や佐世保線での運用な様で九州に行った事のない私には馴染みのない電車な筈なのですが外見が仙台近辺を走る717系に似ている(というか712系の方が先)せいか妙に親近感を感じる電車ではあります。
 九州ではこのほか宮崎や鹿児島あたりでも使われているのだそうです。


 さて、Nゲージで713系というと鉄コレ第24弾でリリースされた900番台長崎本線仕様が最もポピュラーなモデルではないかと思います。

 昨年の今頃、やっぱり語呂合わせで担ぎ出した717系東北本線仕様に似たカラーリングですがこちらは緑が若干淡いトーンです。そう言えば食パン電車の715系も九州と東北でトーンが違っていましたが、それ単独でぱっと置かれると同じ色に見えてしまう時があります。

 こちらは717系と違い2両編成ですがこれはこれでこじんまり感が悪くありません。


 現在はリニューアルされて真っ赤になった713系が走り回っている様ですがこちらはマイクロエースで製品化されています。

 ・・・この調子だと7月15日には「715系」のはなしを書きだしそうです(大汗)

「阿房列車」とS660のはなし

2022-07-19 05:07:26 | その他
 今回は鉄道随筆とカーライフのはなし。
 鉄道ファンだったら一度は読むであろう名著の一つに内田百閒の「阿房列車」シリーズというのがあります。

 「何にも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と言った調子の書き出しで始まるこのシリーズは、内田百閒がふと思い立って出かける鉄道旅の過程を連作形式で描く随筆と言うか紀行。

 実を言いますとこれまでわたしが読んだ事があるのは第一作の「特別阿房列車」のみ。それも単行本ではなく「大都会隠居術」というアンソロジーの一編として収録されていた奴です。
 これを読んでいた頃は鉄道趣味の中断中の時期だったのですが「目的もなくぶらりと旅に出る」という呑気さと共に「そんな旅路の中でも自分の流儀をあくまで貫き通す一徹さ」が当時のわたしには眩しかった覚えがあります。
 ですがその一方で、その本で取り上げている「隠居」という生き方の持つ独特の重みが当時のわたしの年齢と照らし合わせて「続きを読むにはまだわたしは若すぎる」という気にさせたのも確かで、以後30年くらい続きを読むのを見合わせてきたものです

 で、ようやく最近になって、妙にその事が気にかかる様になり「第一阿房列車」を購入した次第です。
 通しで読んでみると戦後の荒廃からようやく復興の兆しを見せ始めた鉄道を「目的地に行くためではない、そこへ行くまでの過程を楽しむための旅のツール」と捉えている点「趣味とは手段が目的となる事」という定義通りにある意味「究極の道楽旅」を愉しむ百閒の「筋金入りの隠居」らしさを堪能できる一冊でした(笑)

 さて、鉄道趣味の中断中に読んだとはいえ、最初の「特別阿房列車」の冒頭の一節
 「何にも用事がないけれど、汽車に乗って〇〇へ行って来ようと思う」とそれに続く「しかし用事がないと云う、その良い境涯は片道しか味わえない。なぜと云うに、行く時は用事はないけれど、向こうへ著いたら、著きっ放しと云うわけには行かないので、帰りの片道は冗談の旅行ではない。そう云う用事のある旅行なら、一等なんか乗らなくてもいいから三等で帰ってこようと思う」

 と云うのには無意識のうちに影響を受けている気がします。

 ここに出てくるのは鉄道旅ですが、往復の過程を楽しむと云う点は鉄道以上に自分のペースと流儀を貫きやすい車やバイクのそれと共通する点があると感じられるのです。
 殊に「どこかへ出かける」事よりも「そこへ行くまでの過程を楽しむ」と云うのは後の目からするなら車の中でもプライオリティが運転自体に特化したスポーツカーやバイクの特質そのものではないかと思えます。
(尤も、百閒のように「車内で酒飲んで酔っ払う」という訳に行かないという根本的な違いがあるのですが汗)

 そこで思い返すのは、今乗っているS660の休日の使用法。

 例えば現住地から長野なり静岡なりに出かける場合、目的地に一刻も早く着くために高速道路を使うと云うのが一般的でしょう。
 が、運転そのものを楽しみたいとするなら到着が少しくらい遅くなったって運転が楽しい下道を使いたくなるのが、この種の車のユーザーではないかと思います。
  実際、これらの場所に出かけるときは屋根を外して山道をのんびり流し(他のタイプの車にとっては苦痛以外の何者でもない)ワインディングの曲がりくねりを楽しむことがメインになります。
 で、実際目的地についてみると意外とすることもなく、精々が昼食を食べるくらい。土地のお土産も買わずお祭りひとつ見るわけでもない。

 それでいて帰る時になるとそれこそ「帰ること自体が目的となる為、短時間で帰り着く高速道路を使う」ことが案外多いのです。
 コスト配分で言うなら往路に一等車を使う百閒とは逆のパターンですが、ポリシー自体はよく似ているのではないかと思えます。
 しかもS660の高速道路での安定性と疲労の少なさは折り紙付き。こう言う旅(と言うかドライブ)の仕方にピッタリくる車もそうはないと思います。
 行き先がメジャーどころでない狭路が連続する山の中の旧街道なんかを走るのはS660の真骨頂。3ナンバーワイドボディのスーパーカーやSUVなんかが図体や馬力すらも持て余す条件でもS660なら鼻歌気分でスイスイ行けるのです。

 これこそ(わたしにとって)阿房列車風のカーライフに近い物ではないかと思います。
 皮肉なことに新幹線網の拡充や車の恐竜化などは当時百閒が堪能した様な旅の楽しみ方とは真逆な方向に傾いています。
 最近流行りの豪華列車にしても「列車自体が目的地化している」点において阿房列車的な楽しみとは異なる方向だと思いますし、更にマウンティング目的のイキリ走法やオラオラ走りなんかは全く相容れない性質のものです。

 でもだからこそ、ユーザーサイドから阿房列車的な旅やカーライフが提案されなければならない気もしますし、そうする事がこれからの(本質的な意味での)鉄道旅の復活やこれまた(運転を楽しむ車としての)スポーツカーの復権に寄与するのではないかと思えるのです。

 今回のネタ、書き出したら止まらなくなりました(大汗)
 まさか鉄道ネタの本でカーライフが語れるとは思わなかったのでつい筆が突っ走りました。読みにくさ全開ですがすみません(さらに大汗)

アフタートレインフェスタの自宅運転会(大汗)

2022-07-17 05:59:59 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回の記事は記録ものの早さの梅雨明け早々のこの時期、出し遅れの証文みたいな内容の記事になってしまいましたがご勘弁を。
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 梅雨を前にして気分も湿りがちな昨今、トレインフェスタに伴う宿題をひと段落つけたので久しぶりに自宅運転会と相成りました。

 走らせた中にはトレインフェスタデビューを決めた物あり、その予定がありながら果たせなかった物ありですが、それらを走らせると「わたし流の出張版トレインフェスタ」の様相(笑)

 EF60 500番台が牽くはTOMIX25周年貨車セット。チグハグ度は高いですがどちらもトレインフェスタデビューを決めた車両なので思い出の編成としての意味はあります(笑)

 トレインフェスタデビューするはずだったのに時間不足で実現しなかった「鉄コレの京成3600系ターボくん風w」も今回の運転がデビューとなりました。
 檜舞台を踏めなかった恨みはあるので次回あたり持ち込んでみようかと(でもわたし以外に意味のないネタですが)

 そして静岡で入手できたワサフ8000を8800風に塗り替えた仕様は当然KATOの20系とEF58と組み合わせ「あの頃の北星」として走り初めです。

 前の切継車と比べても雲泥の差。ようやくわたしなりに気に入った北星が再現できました。
 (切継品も捨てずに旧製品の20系と組み合わせるつもりでいます)

ポルシェじゃない「911」(タイプ)のはなし笑

2022-07-16 05:58:21 | 車両・ディーゼル機関車

 クルマの世界で「911」というとそれはポルシェのスポーツカーという事になりますが、鉄道の世界でも「911」が存在します。
 但しこちらは「シンカンセン専用のディーゼル機関車」の名称ですが。

 (尤も今では「911」というと別の大事件の方が一般には有名になってしまいました)

 機関車の911の方はDD51をベースに開発された「工事・保線・救援」のどの用途にも対応できる万能機なのだそうです。
 勾配区間で(当時のフル編成だった)12連の新幹線を牽引でき、軌道検測車を牽くときには時速160キロで走行可能という、ある意味昭和の和製DLの頂点に立つ機関車と言えたのかもしれません。

 DD51ベースとはいえこちらは6軸全軸駆動の箱型車体。欧州でも見掛けそうな垢抜けたデザインがなかなか魅力的なロコでもあります。

 とはいえ実車の活躍そのものは地味だったのも確かで、3両製造されながら現在は保存機もないという不遇をかこった機関車でもありました(そういえば同じDD51ベースのDD18は今どうしているんだろう?)
 前振りが長くなりましたが、実は先日中古ショップでその911のモデルを見つけてめでたく入線させたというのが今回のはなしです。

 とは言ってもオリジナルの911ではありません。
 だいぶ前にTOMIXが記念モデルか何かでオリジナル塗装のレールクリーニングカーのセットを出した時に、その牽引機として用意した、いわゆる「タイプ」という奴です。
 (同様のパターンとして1号機の塗装で仕上げたEF30というのもあります)

 とは言ってもモデルのベースになったのは911同様に欧州風の箱型ボディが魅力の「DD54」

 これを新幹線同様に青20号と黄色の前面帯でリペイントした物なのですが、これが見ていてハッとするくらいにかっこいいのです。
 素人ならこれを911そのものだと言ってもごまかせそうですし、鉄道ファンにも「実はDD54にも改軌して新幹線で使われた仕様がある」と言って通用しそうな説得力を感じました。

 走行性は年式を考慮するとスムーズな方。まあ、前のユーザーもクリーニングカーの後補機(TOMIXのクリーニングカーは後押しで使うのが原則)くらいしか使っていなかったのかもしれません。
 わたしの場合でも普通に使うなら「0系新幹線が走る脇の置物」くらいしか思いつきません。


 ですがこれは模型です。モデルとしても「タイプ」なのですからもっと自由な使い方をしたくなります(考証とセンスが許す範囲で、ですが)
 そう思うと本機にはOE88とか20系ブルトレとか、牽かせたい編成が山ほど出て来そうな気が(爆笑)

「かわいい鉄道」

2022-07-14 05:50:21 | 書籍
 今回もこれまたトレインフェスタの土産物です。先日も紹介した「南田祐介の鉄道ミステリ」と同じ天夢人発行の「女子鉄アナウンサー 久野和美のかわいい鉄道」

 正直に言いますと、この本に関しては「イベントの雰囲気に当てられて勢いで買った一冊」でした(汗)
 タイトルからして「いい歳したおっさんが手に取って買う様な性質の本」とはなかなか思えない感じではありますし(笑)

 ですから買ったはいいものの、丸2週間くらい本棚の彩りになっていた経緯があります。
 ですが一度手に取ってみたら、これがなかなか楽しい一冊だったのは意外でもあり嬉しかったところでもあります。
  さて「鉄道」にとって「かわいい」とはどういうイメージを持たれるでしょうか?
 普通にイメージするのは専ら「車両や駅舎のデザイン」或いは「他にないファンシーな特色」と言ったものではないでしょうか。
 本書では「鉄道旅行」を筆頭に「ラッピング電車」「制服」「駅」「キャラクターグッズ」と言った具合に各ジャンルで「鉄道」の「かわいい」を俯瞰しています。

 実際、本書ではそういうジャンルは外していませんしオールカラーの紙面で「かわいい鉄道」のイメージを俯瞰しているから最初の印象は「玩具箱をひっくり返した楽しさ」を感じたのも確かです。

 ですが本書を読んでいて改めて感じたのはここ30年くらいの間に「鉄道」の立ち位置が昔とは微妙に変化している象徴としての「かわいい」ではないかと言う事です。
 それは一言で言うなら「鉄道そのもののイベント化、趣味の対象化」

 交通機関の主役だった頃の鉄道は「いかに早く、快適に目的地に行くか」が最大にして唯一の目的であり、その一点に向かって技術もデザインも進化してきました。多少デザインやインテリアに遊びがあるとは言ってもそれらは「長い鉄道旅をいかに快適に過ごしてもらうが」というレベルだったと思います。

 それが今では自動車や航空機などの競合する交通機関が並び立つ様になり、殊利便性の点では鉄道の方が圧されがちになっているのが現状と思います。
 この傾向は地方のローカル線やローカル私鉄に顕著と思われますが、その一方で一部で「鉄道バブル」とすら言われる「鉄道趣味の普及と勃興」と言うムーブメントも現れ始めているのも確かです。

 元々趣味というのは「手段が目的となること」という側面があり、手段そのものに魅力を感じ愛癖を感じる事が趣味であるともいえます。
 そうした流れの中「目的地に行くのが目的だった鉄道」から「乗る事それ自体が目的となった鉄道」への変化の兆しが現れ「走るホテルとしての豪華列車」だったり「車内のインテリアを愛でる」「車窓風景を楽しませるレストラン列車」と言った形や「他ジャンルとのコラボによるラッピング」「駅舎のイベントホール化やミュージアム化」「関連グッズの多様化」という形で現れているのが現状と思います。

 それらを「かわいい」の一言で括り俯瞰して見せている点である意味本書は「現代の鉄道図鑑」みたいな見方もできるのではないかと思います。

 まあ、そんな堅苦しいことを思ったのはほんのいっときでして、実際はカラフルな見開きの連続で真夜中、寝床の中のひと時を理屈抜きに楽しませてくれる一冊なのも確かです(汗)

ミニSLレイアウト・棚幡線開業9周年(笑)

2022-07-13 05:47:04 | ミニSLレイアウト


 昨日の七夕はあいにくの曇り空で星ひとつろくに見えない夜でした。
 ですがこの七夕の日に開業したミニSLレイアウト・棚幡線は9周年を迎えます。

 本線は9年前の七夕が梅雨明けだった事から急遽付けられたネーミングでしたが、今年の梅雨明けは更に早くなってしまいました。

 開業の年の帰省では「実家にこのレイアウトを持ち込んで屋外走行&屋外撮影」と洒落こみました。
 それ以後も年に何度かはクラブの運転会に持ち込み、モジュールレイアウトの彩りとして機能してきました。

 そして今年は久しぶりの改修の上で静岡のグランシップトレインフェスタに初参加。
 思えば私の作ってきたレイアウトの中では最もあちこちに飛び回ったレイアウトでした。

 またサイズの手ごろさとその割に複雑な線形な事もあって、主に小型車を中心に試運転の舞台としてもかなり使われているレイアウトでもあります。
 その棚幡線もついに9回目の七夕を迎える運びとなりました。

 今回の記念列車はグランシップと同じく大井川鐡道のトーマスが牽く2軸客車。
 このレイアウトの標準曲線である140Rのミニカーブをクリアできる現行型蒸機モデルはそう多くはありませんが、その中でも今回のトーマス号は良く走ってくれます。

 相方としてはいかにもイベント向きの外見の「鉄道ホビートレイン」
 実はこちらもグランシップでの運行をスタンバイしていたのですが、時間の都合で実現できず今回の記念運転で久々のお目見えです。
 この車両は見るからにイベント向けのコンセプトと外観をしていますので、記念運転には打ってつけです。

 ノス鉄もこういうレイアウトに向いたサイズとデザインの車両が多いです。
 メインの二本に比べて派手さはありませんが通常運行では逆に使い勝手の良い車両が多いのが有難いです。

 これらが行き交う今年の記念運転はいつになく賑やかな雰囲気になりました。

テツドウモケイと「衝動買い」に思うこと(汗)

2022-07-12 05:43:34 | 思いつくままに・考察
 今回は鉄道模型を購入した時にふと感じたことをば。

 先日、行きつけのショップで偶然見かけた鉄コレ京成3600を衝動買いしてしまったというはなしを書きました。

 衝動買いとは言っても鉄コレなので2連で3000円前後と悩むほどのお値段ではなかったのですが、それでも衝動買いである事には違いありません。
 これが中古モデルとなると衝動買いの比率はさらに高まる(それはそうでしょう。中古モデルともなるとモデルの出会いは「一期一会」どうかするとわずかの差で先客にお目当てをかっさらわれる事もあるのですから)訳でお財布には物騒なことこの上ありません。
 まあ、幸か不幸か最近はびっくりする様な掘り出し物が少なくなっている代わりに、無理してまで欲しい様なアイテムもあまりありませんからどうにかなってはいますが。

 そこで思ったのですが、元々は鉄道模型というアイテムはそれ自体が「衝動買い」とは無縁なジャンルだった気がします。

 HO-16番がメインだった時代でも地方の場合は模型一つ買うにも原則模型屋さんに取り寄せてもらうのが普通でしたし、今よりも工作派が多かった(かな?)せいもあってかパーツ単位で買い集めてモデルを作るというのも普通だった気がします。
(それらの変形として「16番スケールのディスプレイ用プラモデルを動力化して鉄道模型として走らせる」というのも盛んでした)

 余程の大都市圏を除けばという但し書き付きですが、少なくともデパートで服を買う様な「よりどりみどりのモデルの中から選んで買う」という買い方はNゲージが勃興するまでは一般的ではなかった様に思います。

 
 いわば、ホビーの世界も原則として計画経済的な買われ方が多かったのではないかと思います。それがあるタイミングから「見つけたらすぐ買う」的な買われ方が鉄道模型の世界にも浸透し始めました。

 そもそも「衝動買い」という行為は「欲しいものが目の前にあって手に取って見る事が出来る」から成立する行動といえます(まあ、最近は「ネットで写真だけ見てポチッ」という、ある意味物騒極まりない買い方も普及してはいますが)
 あとはそれぞれの懐事情と相談という面もありますが、とにかく「欲しいものが目の前にあるから手を出してしまう」訳です。

 その意味で言うなら地方の模型店で「店頭で見つけて、その場で手を出して買う」事ができる様になったのは(わたしの感覚的に、ですが)「トミーナインスケールの300円貨車が店頭に並ぶ様になってから」以降ではないかと思います。
 もちろんその時点で関水金属のNゲージもありましたが価格的に手を出しにくかったのも確かでした。
 これは単に価格だけの問題ではなく、量的にもプラによる量産が可能になりどこのショップでもそれなりの数のモデルが揃う様になったのが大きいと感じます。

 以後(HOに対して相対的に、という意味ですが)安価なNゲージの普及によって「テツドウモケイの衝動買い」の確率も飛躍的に上がっていったような気もしないではありません(笑)
 もちろんこれは新品に限ったことではなく、中古でも品揃えのいい店が増えましたし、それどころか「中古モデルのセールのイベント」なんてのがJAMをはじめ各地で見られるようになりましたから「衝動買いのイベント化」みたいな状況すら生まれている気がします。

 この消費形態がテツドウモケイ全体の発展にどれくらい寄与しているか(或いは害悪を垂れ流しているか)は正直今でもわからない所もあります。

 ただ、今現在でも量産品のNゲージモデルの何割かは「店頭の衝動買い(或いはそれに近い形での予約買い)で買われているかもしれない」という気はしています。
 わたし自身は鉄道模型の衝動買いがいいとも悪いとも思いません。ただ、今回の様な「店頭でのモデルとの出会いによる衝動買い」まで否定しないのは確かです。

 その意味で気になるのは最近、個人経営の模型屋さんを中心に「テツドウモケイが予約販売のみ」という販売形態が増え始めている点です。
 まあ、これには都市部での量販店の増加やネットで鉄道模型を買う事への抵抗感が薄れている事なども背景にあるとは思います。

 ユーザーの側からすればなら買い逃しの心配は薄いでしょうし、衝動買いのデメリットも幾分は減らせるのは確かでしょう。
 
 が、それでも上述した「手に取って見て、欲しいと思う」言わば買い物の原点ともいえるユーザー感情には幾分そぐわない感じもしてはいます。
 何より、そういう買い方をするのは「初めて鉄道模型に触れるビギナー」が多くを占めるはずですし、ビギナーが憧れる「実際のモケイが店頭にある」というのと「発売予告ポスターでしか見られない」というのとではやはり違うはずだからです。

 ある意味、店頭への衝動買いが趣味の原点とか出発点となるケースは多いと思いますし。

 まあそれを別にしても、普通のファンでも年に一度くらいは「店頭での衝動買い」みたいなのがあっても精神衛生上は良いのかもしれないという気はします。衝動買いには後悔とは別に「いつもと違う事をやった時の様な一種の解放感」が伴う事も多いですから。

 この辺り、考え込んでみるといろいろな事が思われてくるのですが、考えが纏まったら続きを書こうかと思っています。
 (写真へ適当に拾ったもので本題とは関係ありません)