光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

みにちゅあーとの「レストラン」

2020-06-30 05:05:42 | ストラクチャー

先日来グーチョキパン店、ラビットハウスと木組みの欧州風建造物を相次いで落成させてはいるのですが、これが似合う街並みを作るには役者の不足は否めません。
 似たような見た目の建物類を拡充する必要がある訳ですが、以前ストックしておいたみにちゅあーとのキットにそこそこ使えそうなのが残っていました。

 元々は和風の商店街用のキットである「レストラン」
 Nゲージスケールの商店街様なので上記のアニメ系に比べると小ぶりのサイズですが、外見的には使えるレベルです。

 キット自体の構造や組み立て方もグーチョキパン店に準じた構造。窓の鎧戸のパーツが多かったり窓枠が別パーツ化されているなど一般的なみにちゅあーとのキットに比べると異色の構成です。
 が、今回は先にラビットハウスなんかをやっていたので実にサクサクと進むこと!(笑)

 概ね1時間半くらいで完成できました。
 今思ったのですが初めてグーチョキパン店やラビットハウスのキットを作ろうという人が、事前の肩慣らしに使うのにはぴったりのキットではないかと思います。
 
 これに街並みコレクションの喫茶店(これも木組み風のファザードの外見です)を加えて4軒並べてみると、そこそこ町並みらしく見える様になってきました。

 なのでさっそく実験です。

 だいぶ前からご無沙汰している商店街セクションの「よ市」
 手前側の人混みはそのままに通りの片側の店舗をそっくり今回の構成に入れ替えてみました。

 こんなモンタージュ写真のような真似ができるのも模型の街並みならではですが、人混みの背景が木組みの欧州風の街並みに変わるとかなり雰囲気が変わるのが実感できます。
 これが「和風商店街の中の一軒だけ」程度のコンバートではここまでの変化は出せないでしょう。
 否、実際にはこれだけでもまだ足りないとすら感じます。

甲府モデルの「リニアモーターカー・MLU002タイプ」

2020-06-28 05:29:09 | 車輌・電車
 休日蟄居の工作ネタから。
 前にも紹介していた甲府モデルのリニアモーターカー、MLU002タイプです。

 最初にこのモデルを取り上げたときには未だグランシップトレインフェスタは開催の方向でしたから、フェスタに間に合わせるようにと書いたのですが、いざ中止になってみると手をつける気持ちもやや失せかけてしまい、まる3か月以上塩漬け状態になっていました。

 ですがコロナ禍に伴う休日蟄居の中で積みプラ状態だったキットを片っ端から消化していくうちにようやくこちらにもお鉢が回ってきたという次第。
 「工作」と言ってもボディは3Dプリンタの一体造形ですからメインはほぼ塗装という事になります。

 今回これが後回しになった背景のひとつがこの塗装というプロセスでして、自宅内でスプレーやラッカーが使えない以上「おそとに段ボール箱の即席ブースを出して塗装する」というプロセス自体がうちでは難題でした。
 どうかすると下手なバーベキューよりも臭いが飛びそうでご近所への気兼ねもありましたし、何回か重ね塗りをするからには纏まった日程が必要でしたから。
 が、これ以上引き延ばすと塗装に不向きな梅雨を迎えてしまう危惧があったので先日ようやく決断しました。

 このキットではやや複雑な帯や前面の塗り分けを再現するために専用の治具が用意されており、これを車体に当ててケガキをする事で作業を容易にしています。
 説明書では色の選択はユーザー任せという事で鉄道カフェで見た作例サンプルは京急の赤と田宮のオレンジを用いているとの事です。

 ただ、うちの近所ではGMカラーが容易に入手しにくい環境なうえに通販を使うと更に工期が遅れてしまいます。
 なので近所で調達できるタミヤのピュアホワイトとマイカレッド、オレンジ(いずれもラッカー系)を選択しました。この辺は全くの目で見たフィーリングの選択です。

 治具を使うと確かに塗分け線のケガキは楽でしたが、手を抜いてサーフェサーで下地を塗らなかったので表面がややざらついてしまいました。
 もしこのキットを購入してまだ手を付けていない向きがありましたら、下地処理は必須と申し添えておきます(大汗)

 あとはセオリー通りに白~オレンジ~赤の順に順次塗り重ね、最後に窓の部分に黒を刺す(後好みに応じてエナメルかなんかで陰影をつける)と大体の形はできます。
 前面のマスキングで少々ミスったので前と後ろで表情が変わってしまったのは下手糞モデラーのご愛嬌という事でご勘弁を。

 形の上ではこんなところですが、このモデルにはもうひとつ「自走させる」と言うプロセスがあります。



このキット、基本はディスプレイ用ですが内部に鉄コレのTM-06動力ユニットを挿入できる構造になっており、ユニットを用意できればほぼワンタッチで自走させることができます。
 レイアウトのエンドレスを試走させてみましたが、台車の首振り角が制限されるのでミニカーブは無理(と言うかミニカーブでリニアモーターカーはやらないかw)

 ですが280R以上なら問題なし。そもそも実車も殆ど急カーブなんか走りませんし、直線の線路上ならパワーパックを新幹線並みかそれ以上のスロットルにすればかなりリニアモーターカーっぽい疾走感のある走りが堪能できました。

 レイアウトを試走させてみるとかなり豪快な速さを堪能できるモデルです。
 と、言いますか直線を一気に走らせる限りはNゲージのモデルの中で最もリアルな走りを感じさせるモデルではないかと思います。
 何しろスケールスピードだと普通の電車ではありえない速さがこのMLUなら少しも不自然ではないですし記録映像なんかで観る昔のリニア実験車のそれにごく近い走りっぷりなのです。
 (まあ、強いて言えば普通の線路を走っている時点でリアルではないのですがwww)

 ある意味うちの鉄道の中では最も実車に近い走りのモデルかもしれません。

 しかも上述の様に台車の首振り角が制限されているので「リレーラーなしでも一発で線路に載せられる」という意外なメリットも(笑)
 その手軽さと見栄えを考えると、運転会のモジュールレイアウトで試験列車として走らせるという実用性のある使い方もできるでしょう。
 してみるとグランシップにこれが出せないのが残念でなりません(涙)

KATOのセドリック&パルサーに色刺ししてみる

2020-06-27 05:24:07 | アクセサリー

 先日ようやく入手したKATOのNゲージサイズのY31セドリックとN13パルサー。

 造形は非常にいいモデルですし、インテリアも作り込んでいる点とシャシ一体型の車輪で坂においても転がり落ちないのはポイント高いのですが、なんといっても未塗装なのが残念なモデルです。
 流石に全塗装は辛いので色刺しでお茶を濁してみる事にしました。

 何しろ小指の爪並みに小さいミニカー、しかもフロントエンドがきちんと造形されているだけに一歩間違うと(いや、0,1歩くらいかな)悲惨なことになるのは目に見えています。


 私のつたない腕ではこの辺が限界ですがホイルとグリル、ウィンカーを色刺しするだけでかなり印象が変わります。
(あと意外に効果的なのがナンバープレートですね)


(モーターマガジン社「MOTOR MAGAJINE 90国産・輸入車最新モデル型録 82P・106Pより画像引用)

Y31のプロトタイプはV20エンジン搭載のグランツーリスモの様ですがこれだとグリルの色刺しの効果が薄いので同じV20でもグリルがメッキのブロアム系を想定して塗りました。

(モーターマガジン社「MOTOR MAGAJINE 87東京モーターショー特集 67Pより画像引用)

(モーターマガジン社「MOTOR MAGAJINE 87東京モーターショー特集 82Pより画像引用)

N13パルサーはそっくりな国産他車が多いので色刺しの仕様では別の車種にごまかすことが可能と思います。
(BD型マツダファミリア、80型カローラFX 、AL20型カローラⅡなど。同じ日産のN13系でもラングレー、リベルタビラと言う兄弟車があります)



という訳で上の赤いパルサーは色刺しでAL20カローラⅡ風にしてみました。遠目だとそれなりにごまかせそうですw
もしライトの銀色を横長にすればラングレー、フロントグリルを黒塗りすればBDファミリアの後期型には見えそうです。 

8台分色刺ししたら肩が凝るわ目がしょぼしょぼするわでぐたっとしてしまいましたがやりがいはありました(笑)

14年目に突入して・・・

2020-06-25 05:21:22 | 思いつくままに・考察
 ふと思い出しました。
 6月5日でこのブログを開設(旧ブログを含む)してから14年目に突入していた事を、です。

 この春からの肺炎騒動やそれに伴う各種イベントの休止、更には首都圏をはじめとする県外移動の自粛(もちろん出張の類もなし)など異例ずくめの3か月ほどを過ごしていたのですっかり忘れておりました。

 それくらい今年の上半期は何もかもが異例ずくめであると言えます。

 その感染形態の特殊性と潜伏期間が長く、不顕性感染者がかなり見込まれるという今回の性質ゆえに、遠出もイベントも買い物すらもが制限されるという前代未聞の状況が世界的に進行するという、誰も経験していなかった事態ですから鉄道模型をはじめとしたホビーライフも影響がないはずがありません。

 外が晴れ上がり、見るからに行楽日和という気候の中、自宅に籠って蟄居を強いられたGW。
 そんな折でも積みキットの消化とか、専門誌の読み返しとか、自宅のレイアウトやお座敷で運転とか(もちろんブログの更新やコメントでのやり取りなども含めて)他に比べて何とか蟄居を持ちこたえられているのはひとえに「鉄道模型と言う趣味を持っていたから」だとも言えます。

 その意味では今年の上半期は「この趣味を続けてきてよかった」と思うことができたと思えます。

 しかしそれでも、ここ20年ほどの間に鉄道模型の趣味が世間的に認知され、それに伴いイベントがかなり増えたが為の「外に飛び出す鉄道模型の趣味」という一面が今回の騒動の中で一気にしぼんでしまっているのは残念な事と思わざるを得ません。

 とはいえ、そんな局面にあって趣味人としての自分にできる事と言ったらやはり「できる範囲で楽しむこと」しかない事も実感します。
 結論としては月並みなのですが、今はとにかく事態の収拾を祈りつつ、自分のできる事をする。それしかない様な気がしています。

 14年目に突入したにしては例年にない辛気臭い内容になってしまいましたがご勘弁ください(汗)

 (写真は本題とは関係ありません)

KATOの「Y31セドリック」

2020-06-24 05:17:42 | アクセサリー
 先日リリースされたKATOのク5000のトリコロールカラー。
 今回のリリースでは積み荷用にKATO久々のオリジナルミニカーが登場しています。

「自動車セット2」90年代乗用車と銘打っています。
 トリコロールカラーが日産イメージの物だそうなので、車種も日産車。

 カーマニアには待望の「Y31セドリック」とよほどの日産ファンでも忘れている「N13パルサー」の2種8台の組み合わせです。

 セドリックはともかくこの代のパルサーがなぜ選ばれたのかは謎ですが1985年前後から2000年頃までのレイアウトには使える車種ではあります。
 一見すると無塗装でホイルの色刺しもありませんからカーコレに比べると見劣りするのですが、よく見ると造形は相当に頑張っている事が分かります。

 ライト周りのモール類がやや厚ぼったい印象ですが恐らくこれは後からの色刺しを容易にするためではないかと思われます。
 なので色刺しでかなり印象が変わるモデルではないでしょうか。

(モーターマガジン社「MOTOR MAGAJINE 87東京モーターショー特集 67Pより画像引用)

(モーターマガジン社「MOTOR MAGAJINE 87東京モーターショー特集 82Pより画像引用)
 Y31のプロトタイプはバンパーの出っ張り具合から見てV20のグランツーリスモ後期型(当時の高級セダンは外見上はバンパーの大きさで5ナンバー仕様と3ナンバー仕様を分けている事が多い)N13はエアロパーツのない中級グレード(1500M1’N)の後期型ではないかと思われます。

 KATOの日本製ミニカーとしては最初にク5000をリリースした時のMS80クラウンがありますが、今回のY31はクラウンと同じ系譜を踏んだモデルの様です。
 タイヤがシャシ一体の固定なのでホイル周りの色刺しが容易なうえにレイアウトの坂においても転がり落ちません(カーコレ全般やKATOのミニカーでもエスティマなんかは車軸式なので結構よく転がってしまいます)
 しかもこのサイズで「インテリアが作り込まれています」

 「鉄道模型用のミニカーは普通のミニカーファンとは異なるニーズがある」という事を久しぶりに感じさせるモデルと言えます。

 惜しむらくはY31、N13ともども「160分の1スケールらしいこと」
 カーコレやTOMIXなどのミニカーに比べると小さめになってしまっているのが残念です。

アニテクチャーの「ラビットハウス」

2020-06-23 05:11:05 | ストラクチャー
 グーチョキパン店に続くペーパーストラクチャーの大物(とはいえNゲージのストラクチャーとしては小ぶりな部類なのですが)の第2弾
 先日書いたようにレイアウトやモジュールの街並みに使うにはグーチョキパン店だけでは違和感がどうしても出てしまうので、似たような造り、少なくとも外見のトーンに共通点のある建物がもう少し欲しいところでした。

 そこで最近見つけたのが同じペーパーストラクチャーのジャンルに参入してきた「プラム」というメーカーの製品です。
 ものは数年前に土曜夜10時半という時間帯で放送されていたアニメ「ご注文はうさぎですか?」の舞台となっている喫茶店兼バーの「ラビットハウス」の建物をペーパーキット化したものです。


 郊外型のグーチョキパン店に対し町屋の3階建てという相違はあるものの建物のトーンはごく近いのでどうにか並べて使えると思いました。
 こちらの製作期間も連休後半から、連休明けの日曜日までという長丁場となりました。
I
 キット自体の構造はみにちゅあーとに似ていますが壁面角の貼り合わせなどに独自の工夫をしているところもありますし、木組みパーツの抜けはみにちゅあーとより繊細さを感じました。
 工程自体はグーチョキパン店やこれまでのみにちゅあーとの経験があったので意外に早く進行したのですが、最後の最後で意外なストレスの種が待っています(汗)

 それがこれです。
 一見何かわからないと思いますが、これらは表の壁面の窓の下に取り付けるプランターなのです。
 他のメーカーのプランター(例えばKATOのジオタウンの付属品とか)を知っている人ならお分かりと思いますがNゲージサイズのプランターは「爪切りで切った足の小指の爪」くらいの大きさしかありません。
 このキットではそのプランターを5枚のパーツ(更に窓の下に取り付ける奴には底面に支え用の棚板が付く)の貼り合わせで作らなければなりません。
 しかも同じ形状のものを9個も。

 実際この部分だけでまる1,2時間使ってしまい、もう少しで完成というところでかなりストレスがたまったのは確かです(汗)

 このほか、屋根上の通気口や建物前面の根太の部分などに細かい工作を要するところもあります。
 構成は似ているものの、みにちゅあーととは異なるノリで細密感を感じるペーパー工作は楽しめると思います。

 ですが完成したラビットハウスはグーチョキパン店に負けない存在感があり高さも相当なものです。
 この2軒を並べてもトーンが似ているだけに違和感もまあ少ない方でしょう。


 もちろん工作の達成感も半端ないですし、仕事と蟄居で過ごしたGWにおいて「GWらしい何かをやった」という思いにはなれました。

 ただ、この2軒だけでは街並みを成立させるのにまだ足りないのも確かです。
 
 「ご注文はうさぎですか?」シリーズには第二弾として甘味処の「甘兎庵」がリリースされました。こちらは独特のアレンジを施して和洋折衷タイプの和菓子屋となっているので今回の街並みには似合うと思います。こちらについては次の機会に。

甲武鉄道ロハ5タイプ(IORI工房)が入線する

2020-06-21 05:08:27 | 車輌・電車

 最前から紹介してきたてんやわんやの末、IORI工房のボディにKATOのコアレス動力を搭載した甲武鉄道ロハ5(みたいなもの)はどうにか形になりました。

 既存の動力を転用する関係でどうしても実車よりぽっちゃりしたプロポーションになってしまいますが雰囲気的にはこれで十分と思います。
 しかも走りは従来のポケットラインとは一線も二線も画すスムーズさ。
 軽快電車らしい豪快かつスムーズな走りが堪能できました。

 先日来街並み創生が著しいペーパーキットの木組みの街に混ぜ込んでみましたがこういう雰囲気のシーナリィに溶け込ませてもそれなりに様になってくれるのが嬉しい車両と言えます。

 (科学教材社「模型とラジオ」83年11月号65Pより画像引用)
 さて、前にも書いたように今回のロハ5(デ963)に関しては模型とラジオの製作法の記事が手元にあるのですが、ポールや台車枠を真鍮切り出しで製作する部分があるので、今後のバージョンアップの参考にできます。
 (自分の工作力から言って、部材の製作の時点でかなり引っ掛かりそうですが)
 この辺は今後の課題です。

IORI工房の甲武鉄道ロハ5タイプに挑む(笑)その3

2020-06-20 05:05:04 | 車輌・電車
 国鉄初めての電車改め甲武鉄道ロハ5タイプの工作から



 車体も一通り出来上がったので次はこの電車のハイライトともいえるダブルポール。
 ここだけは別注でアルナインさんのパーツを購入して対処・・・まではよかったのですが。
 実はこのダブルポールのパーツ、基本的にアルナインのキットのASSYという扱いらしく「組み立て説明書が分かりにくい(と言うかパッケージ貼付けの文章だけなので頭の中でイメージしにくい)」のです。
 せめて組立図くらいはつけてほしかったですが、それが欲しければ同社の車体キットを買わなければならないのでしょうか(汗)
I
 やむなく同社のHPの作例写真を参考にどうにか形はでっち上げましたが、今どきポールの機構を知っていて組み立てられるユーザーがそう多いとは思えないのでここばかりはどうにかしてほしいところです。

 一方のKATOのちび客車動力ユニットは先日コアレスモータを搭載した改良品が出たばかり。これが出たので今回のキットを作る気になったと言うほどのインパクトがありました。
 実際走りはスムーズそのもので今のところ文句はありません。

 幸いと言いますかこのユニットはロハ5同様にバッファーが標準装備。これを赤く塗るだけでかなりいい雰囲気になります。
 あとはデッキ部の手すりをカットすれば一応車体は載ります。
 が、このユニットのウィークポイントは元々が「ユーレイの客車」なので足回りが二段リンクを付けた二軸貨車そのまんまであること。

 いくら何でも落差がありすぎですが、ここで役に立ったのが鉄コレの二軸動力に付属していた台車枠パーツの余り。
 これでも台車と動力の軸間距離が違うという問題が残るのですが多少は見た目が改善できます。

 こちらは動力の軸箱部分をカット、台車枠も一部の突起をカットしてクリアボンドで貼り合わせるという安直なものです。
 なお、真黒な台車枠はそのままでは目立たないのであらかじめウェザリングでさび色を軽く吹いておきました。

今月の一冊から「Nゲージプラス05」

2020-06-18 05:03:08 | 書籍
 先日久しぶりに購入した鉄道模型の新刊書から。

 以前別な巻を紹介したことがあるイカロス出版の「Nゲージ+(プラス)05」です。

 前に紹介した02では主にコレクター寄りの視点でとらえたNゲージ入門書というイメージがありましたから、今回のもそういう内容かと思って手に取ったのですが。
 今回の特集は「省スペースで鉄道模型を遊ぶ」というもので思わず読み進みました。
 で、気が付いてみると他の本と一緒にレジに持ってゆく私がいる、と(笑)

 思えば古くはOゲージ、のちには16番の頃から「狭い家で鉄道模型を走らせて楽しむ」というのはいつの時代にも重大なテーマであります。

 Oゲージでは大きすぎて家で楽しめないというニーズを拾い上げる形でHO=16番が登場し、最初のレイアウト派を生み出してきたものですが、今では16番では大きすぎて(以下略)というニーズがNゲージを生み出し(他の要因もあったにせよ)一気に普及してきた経緯があります。
 それが今では、Nゲージでは大きすぎて(以下略)というニーズから日本型Zゲージが登場という話になっていますから「この100年の間にどれだけどれだけ家は狭くなったんだ!?」と思える今日この頃(爆笑)

 ですが、鉄道模型の本質のひとつが「走らせる事を楽しむ模型」にあるのも確かですから、狭いスペースで運転をどう楽しむかというテーマはなかなか上手い所を付いています。

 さて、本書では専ら「短編成」「ヴィネット」「ミニカーブ」「小型車両」の4つのベクトルからこのテーマに挑戦しておりなかなか楽しめる一冊になっています。
 「短編成」の項ではローカル線の編成物から新幹線までの「実際にあった短編成の例」を俯瞰しており、これだけでも豆知識的な面白さがありました。
 「つなぐ!箱庭鉄道」と銘打ったヴィネット工作のコーナーでは100均で売っているコレクションケース上にミニシーンを展開、さらに、それらを相互に繋いで即席のモジュールレイアウトを作るなんて発展性も見せます。


 実はこの種のヴィネットは私の所属しているクラブのメンバーでこういうのを楽しんでいる方が複数いましたから、わたし的にも馴染みの大きいコーナーだったりします。

 更に事業用車などの短編成、路面電車やアルモデルのキットなどのNゲージの小型車両なども紹介。
 (そういえばこれらの小型車の中にはZゲージの動力車よりはるかに小型の動力の物もあります)

 ラストには「基本セットをベースにテーブルトップで楽しめるトラックプラン集」があり、これが一番参考になりました。
 (テーブルトップとは言っても実際は畳3分の2位のサイズ。実はこれはかつて16番の小型レイアウトの標準的なサイズに近いものです)

 こうしてみるとNの場合ひとくちに「省スペース」と言っても様々なアプローチの余地がまだかなり残っている事が俯瞰でき、少しほっとする気分になれます。
 まあ、そのためには長編成へのこだわりとか実車同様の機構・デザインとか色々と投げ飛ばさなければならない要素もあったりするのですが、たといそれが子供じみていたってそれでも戸棚に飾りっ放しで塩漬けにするよりははるかに健全なのは間違いありません。

 でもこれと同じ発想のHO(メルクリンを含む)16番の新刊と言うのは出てくれないものでしょうか。

IORI工房の甲武鉄道ロハ5タイプに挑む(笑)その2

2020-06-17 05:00:37 | 車輌・電車
 国鉄初めての電車改め甲武鉄道ロハ5タイプの工作から

(鉄道博物館第5回コレクション展「模型でたどる鉄道史」P19より画像引用)
 この電車、一見して路面電車に毛の生えたような形状ですが統括制御で連結運転が可能、ブレーキも手動より強力な空気圧ブレーキが採用され、モータ出力も路面電車の倍近い大出力を誇るなど現在のJR電車の機構をいち早く採用した本格的なデンシャの始祖ともいえる車両だそうです。
(最高速度では譲るのですが、当時の平均速度も実は今のJRの電車と大して変わらない)
 ですから走りも路面電車を意識しない運転ができるわけでその意味でもレイアウト向けかもしれませんw

 さて、今回のIORIさんのキットはペーパーを積層貼り付けした側板と仕切り板を組み合わせて強度を出し、デッキ部分もペーパー貼り合わせで表現するものです。
 説明書によればあらかじめ裏からクリアラッカーを吹いて強度を確保してから組み立てるのが推奨されているのでまずそこから。
 確かにクリアを吹いておけばペナペナ感はかなり少なくなります。

 またこの車両はボディこそ濃緑色ですが運転席直後の妻板は木の地色そのままの茶色(これが結構アクセントになっています)なので組み立ててからの塗装は厄介と判断。
 ある程度側板と妻板を貼り合わせてから各パーツごとに塗装をして組み立てに臨むことにしました。
 ペーパーの貼り合わせゆえに、窓枠や雨どいのパーツは思いのほか細いのでクラフトボンドでははみだしが多くなりそうです。
 なので、この部分はスプレー糊を使用。
 
 他の組み立て(芋付け)は原則クラフトボンドです。
 屋根板は3Dプリンタ製の屋根にペーパー製のダブルルーフ部と、ポールの架台を貼り合わせる工法。
 屋根の組み立て自体は全工程の中で面倒な部分と言えますが、横から見るとダブルルーフの通風孔が開いているのが妙に細密感をそそります。

 運転台前の窓が飛び出している独特な造形の前面もペーパー貼り合わせです。ヘッドライトは3Dプリンタ製ですがこれもあらかじめ塗装してから取り付けた方が無難なようです。

 IORIさんのキットについては概ねこの通りなのですが問題はこの後に控えていました。
(この項続く)

みにちゅあーとの「グーチョキパン店」

2020-06-16 05:56:52 | ストラクチャー
 今回はGWを中心に気合いを入れて仕上げたみにちゅあーとのペーパーキットから

 何年か前からさんけいのペーパーキットの新ジャンルとして「アニメの舞台となった建物をN(または16番)スケールでペーパーキット化する」というのが加わっています。
 他の建物類と違ってこちらの題材はどうかすると普通のクラフトホビー系の店でも見かける事があるので一般への認知度はむしろこちらの方が高いのかもしれません。

 で、このシリーズが出た直後くらいに題材のめずらしさとキットとしての歯応えが感じられていくつか入手していますが、いざ入手してみるとかなり面倒くさそう(笑)な気がしてこれまで手付かず出来てしまっていたものです。
 ですから今回の様に工作にまとまった時間が割けるくらいの余裕がないと今でも手を出していなかったかもしれません(じゃあ何で買ったんだ汗)

 工作のの第1弾は「魔女の宅急便」の「グーチョキパン店」
 元々は家の構造や造りが欧州風の街並みの観光地(うちのレイアウトで言うなら「竹取坂」辺り)に使えそうだったので購入しました。
 あの界隈も最後の改修から10年以上経過しているのでリニューアルの目玉にもってこいだろうという目論見もあります。

 このキット、お値段も相当だったのですが材料の量もこれまでの店舗に倍か3倍くらいのボリュームがあり説明書にあった工作時間の目安も「約10時間」とあります。
 見た目でもパーツの細かさも相当なものでしたから良いピンセットとカッター、それと田宮のクラフトボンド辺りは必須です(もちろんカッターマットも。間違っても古雑誌の上で作らない方が無難でしょう。細かいパーツが飛ぶと見つけづらいです)

 4月下旬のGW突入辺りからスタートして各壁面の貼り合わせ、仮組を行い、連休突入前後に貼り合わせて建物の形を作る。
 ここまではこれまでのキットと変わりません。ですが難物は実はここから。

 屋外の階段、屋根の出窓、煙突類などの付属パーツが細かいので工程によっては「両手でピンセットを持ってパーツを保持しつつ接着する」なんて曲芸をやる羽目になった事も一度や二度ではありません。
 (生来の不器用に加えて私の場合、手が人より大きいので細かいパーツが保持できないのです)

 結局完成はそろそろ連休も終わろうかというタイミング(尤も、大半は夜寝る前の1時間づつでしたが)
 時間をかけ、若干の失敗(例えば屋根上の煙突の向きを間違え「煙が表通りを直撃するような形」になってしまったりとか)はありましたが達成感もこれまでのみにちゅあーとのどれよりも高かったです。
 さっそく街並みに配置してみましたが、存在感はずば抜けています。
I
 欧州風の屋根の高い形状なので2階屋ながら高さは3階建てのビルに匹敵します。
 また、母屋と離れが屋根で連結され、間に門扉を配した独特の構造もレイアウト、ジオラマ映えするところです。

 ただ、この建物、和風の街並みに1軒だけぽつんとあっても浮いて見えるだけなのがレイアウト派にとって難点。
 既に欧州風のレイアウトを持っている人やこれから作ろうという人がファーラーやフォルマーの街並みを作る時のランドマークに使うのがまあ、一般的な所でしょう。

 ただ、Nゲージスケールの悲しさでこれだけをぽつんと飾って楽しむにはボリューム不足なのも確かです。
 この場合、やはり周りの風景も用意して組み合わせ、纏まった街並みを構成した方が特にこのモデルの場合は見栄えがするかもしれません。

IORI工房の甲武鉄道ロハ5タイプに挑む(笑)その1

2020-06-14 05:03:48 | 車輌・電車


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 今年(2020年)最初のブログで「2020年の計」のひとつとしてアップさせていた課題に「国鉄初めての電車・デ963をつくるぞ」というのを上げました。

 その時ブログの巻末に「今年の車両工作の第一号はこのデ963という事になりそう」とか書いていたのですが、GWどころかいい加減5月も過ぎようというタイミングで「今年の車両工作の第1号とやら」を実行することになろうとは思いませんでした(大汗)
 電車のペーパーキット、それも小さい割に手が掛かりそうなイメージが先行してしまい、ここまで持ち越していました。
 ですがその間に例の肺炎騒動に伴う自宅蟄居状態の中みにちゅあーとを中心にペーパーキットのストラクチャーを大量生産を重ねる事になったことである程度肩慣らし(と言うか「多少下手でも我慢できるくそ度胸」w)がついてきたので、そろそろやってみるかという気になりました。

 キットは以前紹介した通りIORI工房さんのペーパー車体キット。
 これにアルモデルの簡易ダブルポールのキットとKATOのちび客車用動力ユニットを組み合わせます。
 まあ、これに多少自分なりのアレンジを加えるかというところでしょうか。

 実はこのキットの製作開始前のハードルとして「カラーリングをどうするか」というのがありました。

 今回の参考に使った資料に1983年11月号の「模型とラジオ」の製作記事があるのですが、そこでのカラーリングの部分では「東京の交通博物館の模型では、車体はやや黄色みがかった濃緑色で、屋根と台車は黒」とありました。
 これは国鉄吸収前の甲武鉄道のカラーリングの様ですが、一方でIORI工房の作例写真は国鉄色のブドウ色に赤帯という旧客カラー。
 さてどっちにしようか迷うのにひと月、甲武仕様に決めたまではいいのですが記事にある「黄色みがかった濃緑色」とははて、どんな色か迷うのにGW明けまで掛けてしまいました(大汗)

 実物を鉄博まで行って見てくればそれで解決なのですが、時節柄鉄博は休館状態の様ですし、そもそも感染リスクを承知で出かけるというのも間が抜けています。
 さてどうしようかと思っていた折に思い出したのが数年前に鉄博で購入していた博物館所蔵の模型の写真集です。

 国鉄最初の電車の模型ならカラー写真が掲載されているはず。
 押し入れからパンフレットを引っ張り出してようやく色調を確認しました。

(鉄道博物館第5回コレクション展「模型でたどる鉄道史」P19より画像引用)
 これだと戦車などで使うオリーブドラブとそれほど違わない印象。これならタミヤの塗料をそこいらの模型屋さんで買うのも容易です。
 さっそく缶スプレーを入手しようやく工作は第一歩を踏み出しました(なんとまあ大仰な)

 この電車、一見して路面電車に毛の生えたような形状ですが統括制御で連結運転が可能、ブレーキも手動より強力な空気圧ブレーキが採用され、モータ出力も路面電車の倍近い大出力を誇るなど現在のJR電車の機構をいち早く採用した本格的なデンシャの始祖ともいえる車両だそうです。
(最高速度では譲るのですが、当時の平均速度も実は今のJRの電車と大して変わらない)
 ですから走りも路面電車を意識しない運転ができるわけでその意味でもレイアウト向けかもしれませんw

 さて、今回のIORIさんのキットはペーパーを積層貼り付けした側板と仕切り板を組み合わせて強度を出し、デッキ部分もペーパー貼り合わせで表現するものです。
 説明書によればあらかじめ裏からクリアラッカーを吹いて強度を確保してから組み立てるのが推奨されているのでまずそこから。
 確かにクリアを吹いておけばペナペナ感はかなり少なくなります。

 またこの車両はボディこそ濃緑色ですが運転席直後の妻板は木の地色そのままの茶色(これが結構アクセントになっています)なので組み立ててからの塗装は厄介と判断。
 ある程度側板と妻板を貼り合わせてから各パーツごとに塗装をして組み立てに臨むことにしました。
 ペーパーの貼り合わせゆえに、窓枠や雨どいのパーツは思いのほか細いのでクラフトボンドでははみだしが多くなりそうです。
 なので、この部分はスプレー糊を使用。
 
 他の組み立て(芋付け)は原則クラフトボンドです。
 屋根板は3Dプリンタ製の屋根にペーパー製のダブルルーフ部と、ポールの架台を貼り合わせる工法。
 屋根の組み立て自体は全工程の中で面倒な部分と言えますが、横から見るとダブルルーフの通風孔が開いているのが妙に細密感をそそります。

 運転台前の窓が飛び出している独特な造形の前面もペーパー貼り合わせです。ヘッドライトは3Dプリンタ製ですがこれもあらかじめ塗装してから取り付けた方が無難なようです。

 IORIさんのキットについては概ねこの通りなのですが問題はこの後に控えていました。


 車体も一通り出来上がったので次はこの電車のハイライトともいえるダブルポール。
 ここだけは別注でアルナインさんのパーツを購入して対処・・・まではよかったのですが。
 実はこのダブルポールのパーツ、基本的にアルナインのキットのASSYという扱いらしく「組み立て説明書が分かりにくい(と言うかパッケージ貼付けの文章だけなので頭の中でイメージしにくい)」のです。
 せめて組立図くらいはつけてほしかったですが、それが欲しければ同社の車体キットを買わなければならないのでしょうか(汗)
I
 やむなく同社のHPの作例写真を参考にどうにか形はでっち上げましたが、今どきポールの機構を知っていて組み立てられるユーザーがそう多いとは思えないのでここばかりはどうにかしてほしいところです。

 一方のKATOのちび客車動力ユニットは先日コアレスモータを搭載した改良品が出たばかり。これが出たので今回のキットを作る気になったと言うほどのインパクトがありました。
 実際走りはスムーズそのもので今のところ文句はありません。

 幸いと言いますかこのユニットはロハ5同様にバッファーが標準装備。これを赤く塗るだけでかなりいい雰囲気になります。
 あとはデッキ部の手すりをカットすれば一応車体は載ります。
 が、このユニットのウィークポイントは元々が「ユーレイの客車」なので足回りが二段リンクを付けた二軸貨車そのまんまであること。

 いくら何でも落差がありすぎですが、ここで役に立ったのが鉄コレの二軸動力に付属していた台車枠パーツの余り。
 これでも台車と動力の軸間距離が違うという問題が残るのですが多少は見た目が改善できます。

 こちらは動力の軸箱部分をカット、台車枠も一部の突起をカットしてクリアボンドで貼り合わせるという安直なものです。
 なお、真黒な台車枠はそのままでは目立たないのであらかじめウェザリングでさび色を軽く吹いておきました。

 最前から紹介してきたてんやわんやの末、IORI工房のボディにKATOのコアレス動力を搭載した甲武鉄道ロハ5(みたいなもの)はどうにか形になりました。

 既存の動力を転用する関係でどうしても実車よりぽっちゃりしたプロポーションになってしまいますが雰囲気的にはこれで十分と思います。
 しかも走りは従来のポケットラインとは一線も二線も画すスムーズさ。
 軽快電車らしい豪快かつスムーズな走りが堪能できました。

 先日来街並み創生が著しいペーパーキットの木組みの街に混ぜ込んでみましたがこういう雰囲気のシーナリィに溶け込ませてもそれなりに様になってくれるのが嬉しい車両と言えます。

 (科学教材社「模型とラジオ」83年11月号65Pより画像引用)
 さて、前にも書いたように今回のロハ5(デ963)に関しては模型とラジオの製作法の記事が手元にあるのですが、ポールや台車枠を真鍮切り出しで製作する部分があるので、今後のバージョンアップの参考にできます。
 (自分の工作力から言って、部材の製作の時点でかなり引っ掛かりそうですが)
 この辺は今後の課題です。

2か月ぶりに鉄道カフェに行く

2020-06-13 05:01:41 | 旅行・探訪・イベントなど

 警戒宣言がいちおう解除になったという事もあって行きつけの鉄道カフェも先日から営業を再開したとの由。

 という訳で先日の平日休を使って二月ぶりくらいにお邪魔しました。
 カフェの方は今は完全予約制になったのですが平日なら客がいっぱいの可能性も低いですし、密着、密集はとりあえず避けられそうです。
(思い立ってすぐ行ける点は田舎暮らしの数少ないメリットですが)

 久しぶりで頂くパンケーキとアイスコーヒーが美味かった事!

 ご店主の話ではカフェは営業しなかったものの、ペーパーキットの通販の方が好調だったとの事。
 私もここ2か月ばかりは休日毎にキットメイクでしたが、同じようにしていた層というのは私が思っていたよりも多かった様です。
 その意味では工作派の鉄道模型ファンにとっては今回の騒動の数少ないご利益だったのではないでしょうか。

 久しぶりのお邪魔だったのでその間のキットの新製品や試作品もかなり並んでいました。この辺は2か月のブランクを最も強く感じたところです。
 まだ試作段階のモックアップ同然の物もあったのですがその中には私の琴線を刺激してくれたものもありました。
 それらについては発売次第このブログで紹介できるものもあると思います。

 ふた月ぶりのカフェでしたが、少しだけ騒動前の日常に近づいたような心持にはなれた様な気がします。
 とはいえ、依然として警戒しなければならないという点は全く変わっていないのですが。

久しぶりにブルトレの「北星」を走らせる

2020-06-11 05:58:47 | 車両・客車・貨車
 平日休に思い出の編成を走らせる休日蟄居ネタ。

 このところ電車ばかりで機関車の牽く客車に縁がなかったので先日はブルトレ2連発で。
 とはいえ、ネタはブルトレとしてマイナーな「北星」です。

 この列車に関しては20系時代に併結されていたワサフ8800の製作記事を13年前に上げていた頃から折に触れてちょくちょくネタにしています。
 まあ、昭和の時代に私が乗った事のある唯一のブルートレインだったので個人的には思い入れは強い方でしょう。

 ですが他の看板列車に比べると出発が夜の10時台、終点が朝の6時ちょっと前という運転時間帯もあって食堂車は連結されず、夏場の到着直前くらいしか明るくならない条件もあってか機関車にヘッドマークもなし。
 おまけに実車は金沢行きの「北陸」と絡み運用だったりしてスペシャル感は実に希薄。
 これが特急とはにわかには信じ難い列車ではありました。
 事実乗ったら最後、鉄道マニアでもなければ「あとは寝るしかない」という性質のブルトレでしたし。

 (実際当時の記憶では朝6時前に上野に着いたのは良いものの、用事のある朝10時までする事が全くなかったので「まだ真っ暗な山手線をぐるぐる回った挙句ようやく開いた食堂を探して朝食を食べた」なんて思い出がありますw)

 ただ、北星が運用されていた当時、同じ時間帯の盛岡駅はゆうづるをはじめ夜行列車の発着、通過が多かったので駅自体は割と賑やかではありました。何しろ列車によっては午前2時台3時台の停車もありましたから80年代以前の盛岡駅は実質終夜営業同然だったのです。

 ですがそんな中にあって華やかさには欠けるものの、この編成は適度な短さと「偉大なる凡庸的なロコ」たちにばかり牽かれている普通さ(笑)ゆえにレイアウトで常用するブルートレインとしては適当な感じもします。
 (適当にオハネを抜いた6,7両編成でもそれっぽく見える。カニとオシの繋がった24系でそれをやると嘘っぽく見えませんか?)


 今回は初期の編成をKATO20系+自作のワサフ8800(みたいなの)で、横ルーバーのEF58に牽かせたものと後に車両が更新された14系+EF65 1000に牽引させたものの行き違い運転です。
 (交流区間ではED75、北陸を再現するならEF58の前にEF16をつなぐとそれらしくなります)
 じつはこれまで20系と14系の行き違い運転というのをやった事がなかったのですが、実際にやってみるとそれだけで十分に華やかに感じます。

 こうなると両方の列車に室内灯をつけたくなってきます。そろそろ考えないと

「線路の手前の風景」の効果に思うこと

2020-06-10 05:54:30 | クレイドルレイアウト
 件の肺炎騒ぎに伴う休日の蟄居、職場の閉鎖時間の繰り上げに伴う残業の減少の余波で先月から積みプラ化していたみにちゅあーとの工作が続いています。

 前にこの話をしたときに「商店街一個分」とか書きましたが先日紹介の駐車場で都合7棟の建物をものしています。
 で、それらの一部は現在レイアウトになっているモジュールの線路の手前に配置しています。

 運転会とかイベントの時なんかは線路手前のこのスペースには走る列車がよく見えなくなるような建物とか街並みはあまり配置したりしないものですが、自宅での運転ならその辺を気にする事もありません。
 という訳で先日来増えている建物類でちょっとした商店街を線路の手前に並べてみたわけです。

 その時はどうという事も感じなかったのですが、そのあとで列車を走らせてみると「街並みの後ろをちらちらと見え隠れする列車」が実に表情豊かに見えたのに驚きました。
 
 故・水野良太郎氏が書いた「鉄道模型入門」のレイアウトプラン集の一節にこういうのがあったのを思い出しました。
「左側のトンネル付近には民家が道路ぞいに建てられていて、列車はその背後に見え隠れしながら通過するわけだが、レイアウトで重要なのはこの”列車が見え隠れ”することである。ことに日本的な風景の場合は”見え隠れ”することがすこぶる情緒をかもし出すのだ」
(廣済堂 水野良太郎著「鉄道模型入門」200Pより引用)

 最初これを読んだ時は(私が幼かった事もあって)ただ読み流していたのですが、実際に自分のレイアウトでこれをやってみるとその意味が少しわかったような気がします。

 これらの線路手前側の街並みは運転会ではギャラリーに列車をよく見てもらうために取り外して開けた風景にしたりしますし、普段でも列車の写真を撮る時などはそうしています。
 ですがこれらの「線路手前の風景」が作られている事、更に言うなら「線路の両脇に同じ密度の風景がある事」は列車が走っている時のリアリティが段違いに違うのです。

 これが実車の写真撮影だったら、線路の手前側の建物類は列車がきれいにフレームに収まるのを邪魔するだけの存在でしかないのですが、模型、それも情景を伴うものだとこれがかなり効果的に働くのです。

 個人でレイアウトを作る際には少しでも走行距離を延ばすためにベースの端いっぱいに線路を配置してしまいがちです。
 特に手前側は「走行する列車の端から端までがよく見える様に」手前側のシーナリィは補助的なレベルに留まる事が多いものです(私もそうでしたし)
 ですがレイアウトの場合手前側の風景が与える絵効果というのは意外に馬鹿にならないものだという事が今回再認識できたのは収穫でした。

 ただしこれを楽しもうとするとレイアウトのベースはギャラリーの視点のにごく近い高さである必要はあります。
 あくまで「レイアウトの風景の中に入り込んで列車を眺める」という意味での快感ですから、運転会とかレンタルレイアウトとかではなかなかできない楽しみ方ではあります。