光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

趣味の原点を振り返る番外編「関水金属の20系ブルートレイン」

2018-03-31 05:58:03 | 趣味の原点をふり返る
 趣味の原点を振り返る番外編・思い出の車両モデルから。

 最初に買ったNゲージの機関車がEF65、その後ナインスケールのED75とかエンドウのEF58とかも増備されましたが、これらの機関車に共通する特徴のひとつに「ブルートレインの牽引機だった」があると思います。

 私がこの趣味を始めた当時、客車と言えば関水金属のオハ31系(前述)と20系ブルートレインの二種類しかなかったのですが、幸いな事に20系は当時「岩手でも見る事ができるほとんど唯一の特急列車」でもありました(と言いますか、北海道を除いて夜行の走る幹線だったらほぼ必ず見られるのがブルートレインだったと思います)
 
 当時も今も20系で私が再現したかったのは盛岡ー上野間を結び、仙台では貨車まで併結する「北星」でした。牽引機のED75もEF58もNゲージでリリースされていましたから後は客車が揃えば形は整う訳です。

 あの当時関水金属の20系は1両800円。これなら毎月1両程度のペースで編成が揃えられます。
 最初に買ったのはごく普通の「オハネ20」でしたがこれが文字通り(私にとって)野望の第一歩でした(笑)
 その後半年かけて何とか6連を組めるところまで持っていきました(お座敷運転のエンドレスの規模から言ってフル編成なんて無理でしたし)

 あの当時「1両800円で買える特急車両」はビギナーの年少者にとってはとても嬉しい、有難い存在ではあったのです。テールランプやヘッドマークが点灯するなんてのは望むべくもなかったですが赤で色刺しするととても効果的でしたし、当時のTMSのヒントであの頃出たばかりだった「ホワイトマーカー」を使ってHゴムの色刺しをするという記事を見つけて実際にやってみたユーザーも多かったと思います。
 (私も試しましたが、結果は大惨事の出来でした。単純に腕の問題です汗)

 ただ、当時のラインナップでは後尾の車掌車がブルトレで最もポピュラーだったナハネフ22ではなく、寝台でない上に窓周りがまるで違う「ナハフ20」しかなかったのでこの時点で実物通りの編成をあきらめざるを得ませんでしたが。それを言い出せば本来ワサフ8800になる筈の併結用貨車もスニ40で代用するしかありませんでした。

 それでもあの当時私のお座敷運転の花形は「エンドウのEF58が牽引する関水金属の20系」だった訳です。
 後に24系から端を発する「ブルトレブーム」が到来する直前のはなしでした。

 それから月日は流れ、
 21世紀になってこの趣味を再開してから中古モデルやジャンク品などで当時モノの20系が増備されてしまう事がよくありました。「増備されてしまう」とは変な書き方ですが、何かの「ジャンクのまとめ品」なんかを入手すると20系のひと編成がその中に入っているというパターンが実に多かったからです。

 そうしたジャンクセットは大概が「かつてのNゲージ少年たち」の払い下げ品みたいなラインナップでしたから昔のNゲージャーの間でかなり普及したモデルである事は間違いありません(もちろん牽引機のEF65もそうですが)

 当初はひたすら溜まる20系(それもカニとナハフが無闇に余る)を前に「さて、どうしたものか」と思いましたが、あの当時なかなかできなかった「切り継ぎでナハネフ22」「車体短縮でマニ20」をやってみようと思い立ち実行してみました。出来はともかくあの頃夢見ていた編成が曲がりなりにも実現した訳です。
 しかもあの頃はできなかった「ほぼフル編成」の長さで。

 
 ワサフ8800の方も趣味の再開直後に切り継ぎで作りましたからかなり正調に近い「北星」の編成が組める事になりました。

 最初に20系を買ってからここまで来るのに30年以上かかりましたが何事もあきらめないものですね(笑)

いまさらながらに「さらばE351」(笑)

2018-03-29 05:56:18 | 車輌・電車

 実車の方がもう1週間も前にラストラン(尤も、来月頭にイベント運転がある様ですが)になっているE351系特急電車。
 日常に追われているうちに実車を見に行く機会も得られなければ、記念グッズを入手するわけでもなくただ、何となく「ああ、終わったんだな」という微かな感慨だけが今日までうっすらと残っていました。

 そんな風にして迎えた平日休。
 「そうだ、ここらで走らせてみるか」と思い立ち久しぶりにKATOのE351を引っ張り出しました。
 E351は私の手持ちでは珍しくフル編成で持っている現行型(いや、もう旧型か)のモデルです。
 私だけでなくクラブのメンバーの間でもかなり普及している上に運転会のカメラカーとしても大活躍。レンタルレイアウトでは貸出車両の中に必ずこれがひと編成はあるというメジャーっぷり。

 ただ、それだけに運転会では私の手持ちを走らせる機会がなく、後述する弱点もあってあまり走らせなかった悲運のモデルでもあります。今回のメモリアル運転(と言ってもつい1週間前まで普通に走っていた電車ですがw)はその点でも意義はありますね(汗)

 こんな風に思い立ったら即運転「普通の平日の朝が直ちにメモリアルイベントと化す」というのは曲がりなりにもレイアウトを作ってよかったと思える一瞬です。

 このE351、中古モデルがおそらく一番安くなっていた時期に基本セットを現住地で、増結セットを故郷のショップで入手するというやや変則的な経緯を持っています。このモデル、製造時期によっては振り子機構が悪さをして脱線しやすいという評判があるのですが基本セットはともかく増結セットがまさにそれに該当。
 増結セットを前に持ってくるとかなりの確率でカーブからの立ち上がりで脱線します。

 このモデルが出た当時はユニにしろファインにしろ「カント付の組線路がなかった」という事情もあると思いますが実際、うちのファイントラックカント付カーブではおっかない位に傾いて走るのが見て取れます。

 結局、増結セットを後位に持って行って走らせればどうにか走行は可能なので、一応事なきを得ましたが(笑)おかげで今回の運行では「右側通行」で疾走するE351が拝めるというおまけつき(汗)

 まあ、モデルもそうですがE351自体は帰省の足として長い事お世話になった電車でした。
 その間には「雪で2時間車内に缶詰め」とか「都内を通過中線路わきの家が全焼中だった脇をすり抜けていった」とか「大月駅で201系とスーパーあずさが衝突した折、すぐ後続のE351に乗っていた為に駅員のいない相模湖の駅で乗客全員が降ろされ、公衆電話もない駅構内で不安な夜を過ごした」とか言った思い出もあるのですが(笑)

 上記の事故の折は廃車編成に代えて長野新幹線の開通で余剰になった189系が代走した事もあったのですがその年の帰省では国鉄色でない電気釜に随分違和感を感じたものです。

 まあ、そんなのも今となっては思い出となりました。もしE351の保存車でも出てきてずっと後にそれに乗る機会でもあったらやはりそんな思い出に浸る事と思います。

テツドウモケイ4大誌を比べてみる3、個人的な感想

2018-03-28 05:54:19 | 書籍
先日来鉄道模型の専門誌4誌を読み比べて比較するなんて事をやってみましたが、今回は私個人の主観から4誌についてそれぞれ感想を語ってみたいと思います。

 

 気が付いたら40年以上の付き合いになっているTMS(新規の購読開始が昭和50年頃)ですが、TMSが本屋さんで買える唯一の鉄道模型専門誌だった頃はビギナーからベテラン、16番はじめNやライブスチーム、日本型から外国型までのあらゆる嗜好に適度に対応した総合誌としての性格が強いものでした。それでいて投稿される記事の製作水準はおしなべて高く、ビギナーには歯が立たないレベルの物が多かった一方で「私の鉄道から」「鉄道模型相談室」といったビギナーへの配慮も忘れないといういい意味での「総合誌」だったと思います。

 最近のTMSは基本的に製作記事がメインで記事の内容もかなり具体的ですし、参考になる点も多いという意味ではとても重宝する存在ではあります。が、昭和50年代以前のTMSに比べると何処か堅苦しい窮屈さを感じる面も多い気もします。お目あての記事は毎号ひとつやふたつはありますし、そういう記事はむさぼり読むのですが、それ以外の記事をなかなか見ない事の方が多くなっています。
 かつてのTMSならばそう言う時の息抜きになるようなコラムやビギナー向けコーナー、或いは読者の視野を広げてくれるような海外の著名作の記事や新しいコンセプトの紹介があったのですが、そういうのも最近はありませんし、良くも悪くも「高級模型クラブのアカデミックな会報か同人誌」的な雰囲気が強まっている気もします。

 ただ、わたし的に読んでいる時の安心感は4誌の中で一番高いのも確かです。

 とれいんの方も創刊から40年以上経過してTMSとはやや異なるベクトルの高級趣味誌的なステイタスを確立している感じがあります。確かにハイレベルな作品の製作記事がメインではありますが(今回の号ではZゲージの線路を使ったNのファインゲージ化が割合面白かったです)TMSに比べると全体に長閑な部分がまだ残っている気もします。同じ読むのでもTMSが「ワークショップの片隅で目を三角にして読む」様な感じになりがちなのにとれいんの方は「帰省の帰り、真夜中の特急のクロスシートに納まって読み流す」様な雰囲気が似合う様な感じとでもいうのでしょうか。

 そこは好感が持てるのですが何と言っても私の所では置いている本屋さんがないのと、4誌の中で一番高いのがネックです(汗)


 RM MODELSは元々Rail Magazineという実物誌から派生した模型誌という性格のせいか実車記事が思いのほか少なくその分を製作記事や製品紹介に費やしている感じがあります。
 先行誌にない特徴として毎号核になる特集が組まれ、複数の製作記事や実物紹介を並べているところはいい意味で商業誌的であり、一方でフリーランスや製作技法記事にも意を用いている辺り4誌中最もエンターテイメント的な性格が強いと感じます。
(Nゲージスケールの「走るジャパリバス」なんて先行2誌はまず載せないでしょうし)
 以前より減ってはいるもののビギナー向けの記事や連載も残され雑誌としてのバランスは最もよく取れている印象です。

 ただ、それだけにディープな工作マニアにはやや食い足りないところもあるかもしれません。個人的に感じる本誌の弱点は印刷が豪華で頁数が多いだけに「本が重すぎて寝っころがって読むと肩が痛くなる」点だったりします(笑)

 そして最後発であり且つNゲージ専門の隔月刊という、もっとも異色な「N」

 対象を特化しているだけにNゲージャー以外が読む機会が少なさそうですが、毎号「実車の知識を応用してモケイを楽しむ」事の紹介に力を入れている点は先行誌ではなかなかやらないだけに貴重な存在と思います。
 また毎号キットメイクやジオラマ製作のハウツーを掲載しているので「中身が毎号変わる教科書」の様な楽しみ方もできますし、実際の製作に即使えるのも嬉しいポイントです。
 
 個人的に「万年入門誌」(勝手な呼称で済みません汗)と呼んでいる本誌ですが、ビギナーが読んで勉強するにはもっとも好適な雑誌ですし、こういう雑誌は絶対に必要だと思います。かつては「模型と工作」「模型とラジオ」といったビギナー向け総合模型誌が存在しそこで模型の基礎を学ぶ(『泥沼にはまるきっかけを得る』とも言いますw)初心者も多かったのですが現在は本誌が比較的近い立ち位置にいると思います。

 本誌の弱点「いい歳こいたおっさんが電車の中で読むのに一種の気恥ずかしさを感じさせるなにか」がある事でしょうか、実はRM MODELSにもそれに近い物はあります。

 実は今回の比較をやってみるまで「鉄道模型の専門誌を4つも一気読みするなんて退屈の極みじゃないか?」とか思っていたのですが、一誌しか読まない時に比べるとかなり楽しめたのに驚いています。
 それぞれの雑誌で視点やポリシーが異なる事と、読者の嗜好の幅が広いせいかクルマの雑誌なんかと違って「同じ新車で右ならえ」みたいな展開にならない事も大きいのでしょう。

 このブログで最初に書きましたが、4誌を一気読みした後の「ひとり文化祭状態」的なお祭り騒ぎ気分は一種のトリップでした(笑)

 これだけのボリュームで迫られれば「そういえばあのキットもう2年くらい作ってなかったな、そろそろやるか」という気分になってくるという隠れたメリットも(爆)

韮崎でEF15の貨物列車に出会う(笑)

2018-03-27 05:49:58 | 旅行・探訪・イベントなど
 先日の韮崎行きでC12に出会った時のことです。

 前にも書いた様に私のお目当てはC12だったので他のものにはわき目もふらなかったのですが駐車場にわがS660を押し込みふと周りを見回すと視界の端に機関車らしきものが見えます。
 それもデッキ付きの旧型機

 近づいてみるとEF15の保存機が展示されていました。
 それも貨車を4両も牽いています

 掲示板によると本機は昭和61年に廃車されたEF15最後の生き残りらしいです。経歴も稲沢第二を振り出しに米原、岡山、宇都宮、八王子、甲府と随分と渡り歩いています。

 こちらの15はC12に比べてみた目のくたびれ具合が進んでいる感じです。元々の色がそうなのか、わざとこういう色にしているのか、やや色あせた感じでどこかの私鉄電機みたいにも見えます。
 が、よく見ると「パンタグラフまでもがボディと同色」なのには驚きました。
 という事は確信犯でこういう色にしてしまったという事でしょうか。随分思い切っています(笑)

 抵抗器の部分は窓が黒い板で塞がれていて中が覗けませんでした。聞く所では以前にガラスが割られた為との由。運転席周りはそこそこ覗けますが中の荒廃ぶりが残念です。

 EF15に牽引されているのはトラ70000が3両にヨ5000が繫がった、まるでNゲージのファーストセットにでもありそうな短編成。

 実は反対側はホームの高さにデッキが組まれていて、トラについてはアオリ戸が外されているのでそのまま「貨車に乗り放題」「真横からヨ5000車内を覗き放題」という嬉しいおまけがついています。無蓋車の中で青天井を楽しむというのはこういう山岳地帯の展示車としてはなかなか気持ちが宜しいものです。

 ただ、そのデッキ側の車体が「さび放題」だったのは表から見た時のピカピカ感からするとやや幻滅です。
 まあ、何もしないで放っとけばこうなるという事でしょうか。

 なんだか「1分の1の模型のショールーム」を見ているかのような面白い展示でした。
 今回は平日休に来たのですが日曜祝日なんかは家族連れなんかでもっと盛っているのでしょうか。

 最初はC12だけをお目当てに来たのですが、意外な余禄(メインかも)も多い探訪ができました。やっぱりここにはまた来ようと思います。
 できればライブの9600が走っている時に。

ナインスケールのK・S・KタイプCタンク おかわり

2018-03-25 05:56:13 | 車両・蒸気機関車
 今回も時計屋さんのエバーグリーンでの掘り出し物から。
 以前紹介した「マイクロエースのミニ機関車群」と一緒に購入したものです。

 物は「トミーナインスケールのKSKタイプCタンク」
 実はこのロコは私の手持ちではなんと4両目になります。まさかこんなに集まるとは思っていませんでした。
 同型モデルは万代系の中古ショップでも最近は1万円弱。中野の某中古モデル屋さんでは1万5千円くらいの値が付いています。それが今回のエバグリでは千六百円。
 とはいうものの私が過去に入線させていたCタンクはいずれも五百円前後で買ったものばかりなのですが。

 値段の要素も大きいのですが、昔のNゲージ蒸気機関車モデルを象徴するかの様な朴訥さが持ち味のモデルで私は結構好きだったりします。

 走行性はあまり良い方ではありませんが、全く走らないという訳でもありません。
 帰宅後車輪のクリーニングとギアのグリスアップをやっても所々で引っかかる走りで、しかも車輪とレールの間から割合盛大に火花を出します。こういう時はROCOの塗布がそれなりに効果を上げるのでやってみた所、どうにか当鉄道の水準内の走りに持っていけた感じです。

 それにしてもこのCタンク、朴訥なスタイル故なのか何両増えても、同じ機関車が並んでいても憎めないところがあります。
 どれもが中古やジャンクゆえか1両1両の外見上のコンディションが違う所も関係しているかもしれません。

久しぶりの「ソロ運転会」

2018-03-24 05:53:53 | 鉄道模型 

 今年に入り新規入線車のテスト走行を除いて纏まった時間と編成を用意しての運転と言う物をやっていませんでした。
 この3か月例のホテル製作に掛かりっきりだった事やら日常の生活の疲れなどから、なかなかレイアウトを使う気分にならなかったのがそうした要因だったと思います。あと今年の冬は殊の外寒かったですし。
 ですがこれだけ長く運転をしていないと自分の中で何かが煮詰まってくるような気分になったのも確かで、先日久しぶりに手持ちの編成を引っ張り出して走らせてみました。

 この間も紹介した東武DRCとスペーシア、それとマイクロの南海ズームカーという脈絡も何もない組み合わせ。レイアウト自体もモジュールを組み合わせたものですから立体交差もポイントもないただの3重エンドレスを3本の列車が行ったり来たりするだけ。

なのに轟音を上げながら列車が行き交う姿を眺めているとそれだけで元気になった気がするのですから運転の効能は大きい物があります。やっぱり自分は鉄道模型が好きなんだなあとか再認識させられました。

 そしてそれを走らせることも。

 列車を並べるまで億劫さの方が先に立っていたのが嘘のようです(汗)こういうのはやはりどこかでカマに火を入れないとなかなか燃えないものですね。
 次の休日も別の組み合わせで一人運転会をやらかそうかと思います。

韮崎にC12を詣でて思ったこと

2018-03-22 05:49:45 | 旅行・探訪・イベントなど
先日紹介した韮崎行きのはなしの続きです。
お目当てのC12は公園の奥、先日触れたライブスチームのコースの脇にあるというロケーションでした。

この間清里で見たC56の時もそうでしたがこの手の小型機関車は高原の風景が似合う気がします。
割と高台だけに空気も爽やかですし澄み渡った青空も街中や博物館で見るそれとはまた違った感動を与えてくれました。

さて、展示されていたC12は5号機です。履歴を書いた看板によると昭和8年に製造以来、宇都宮を振り出しに北海道(苗穂、遠軽、小樽築港)を経て横川、最後に甲府とあちこちを渡り歩いています。簡易線の入線を前提に設計されていたC12ですが、逆を言えばそれ以上の規格の線区ならどこにでも行けた訳ですから特に地方の線区では入替用や短編成などによく使われたのではないかと想像されます(性能上、簡易線以外での主力機にはなれなかったかもしれませんが)

さて、C12は最近になってKATOのNとかトラムウェイの16番モデルなんかが登場しモデルの世界ではそれなりに話題をさらっているモデルです。私もNや16番を入線させているのでそれらのモデルを思い出しながら各部を見てみようと思いました。

遠目から見たプロポーションは簡易線区用ゆえに他の蒸機に比べて幾分華奢な印象ですが、小さいなりに凝縮感のあるフォルムです。実際にはやや下側から見上げる形になるのですがこのアングルからだとマイクロエースのC12の雰囲気に近い印象がありました(笑)
われながら意外に思いますが、モデルを見ると実車に似ていない事夥しく見えるマイクロのプロポーションも角度によっては似て見える事もあるというのは結構な発見だった気がします。

真横から見る従輪なんかも相当に華奢に見えます。
最近のNの蒸機はこの華奢さもきちんと再現しようとする方向になっているので意外と違和感は感じませんでした(笑)最も、模型の機関車、特にNのそれは車輪が分厚くてフランジが異様にデカいのが通り相場ですが。

ボイラー廻りの梯子やパイピングは模型に比べるとかなり華奢なものです。特に梯子なんかは真面目にスケールダウンしたらかなり弱弱しく見えたのではないかと思います。市販の模型の場合はこの辺りのパーツ強度の確保も兼ねたディフォルメがなされている事を改めて感じました。
模型だからと言って何もかも実物の縮小コピーでは力強く見えないという事なのでしょう。

同じ事は前や後ろから見た時のゲージ幅の印象についても言えます。
斜め横から見ると上回りに対して足回りが引っ込んだ、いわゆる「狭軌感」と言う奴を顕著に感じます。
軌間が実物より広いNや16番のモデルではもう少し足回りが横に出張る形になりファインスケールモデラーから嫌われる「がに股」プロポーションになりがちです。
なるほど、ファインスケールに拘るのはこういう印象の再現が大事だからかと再認識させられました。
ですが一方で正面から見てみると上回りに対して軌間の狭さからくる不安定感もまた感じてしまいます。
このC12を見ていると横から突っついたら簡単にコテンと行きそうに見えたのはこれまで他の車両も見ている筈なのでわれながら意外でした。
見ようによっては「こんなに狭い足回りにこんなでかいボディ乗せて大丈夫か?」とも取れるかもしれません。これが車やなんかだったら走行安定性を稼ぐために左右の車軸幅を広く取ったりワイドなタイヤを履かせて見た目にも安定感を与えるのが定石なのですが、鉄道の場合はなかなかそうもいかないですし。

(上記の感想はあくまで実車を見た印象を書いたものですので気に障った向きにはご勘弁下さい)

・・・などと七面倒くさいことを考えもしましたが、やっぱりよく晴れた空の下、初春の澄んだ空気を吸いながら好きな形式の蒸気機関車を眺めて過ごすというのは理屈抜きに楽しいものです。
しかも今回の探訪はC12だけで終わらなかったのがわたし的にはサプライズでした。

何の事かについては次の機会に。
(と言っても地元の人ならわかりきった事なのですが汗)

4大誌を比べてみる2・記事の比率とジャンルから

2018-03-21 05:47:10 | 書籍
 先日このブログでも書いた鉄道模型専門誌の比較ネタ
 今回は記事の比率から俯瞰してみたいと思います。

 まずは昔の例として私の手元にあるTMSの74年8月号ととれいんの76年1月号、それとRM MODELSの95年10月号をサンプルとして見てみたいと思います。
(選択の基準は全くの無作為)
 TMSの目次を繰ってみると総ページ数100ページ中、記事数は9、うち車両工作記事は6(16番・ライブスチーム)レイアウトの記事は1(海外のレイアウト紹介)ストラクチャー改造記事1、実物取材記事1(ローカル線の駅、ただし車両工作記事に実物の特写が3ページ入っています)
 これにレギュラーの「ミキスト」「ヒント」「私の鉄道から」「鉄道模型相談室」「製品の紹介」と続きます(因みに紹介されていたのはマルチコントローラーひとつだけ、4ページ費やしています)

 とれいんの方は総ページ数80ページ中記事数12、内、この号の特集であるEH10について模型製作記事1、製作資料やインタビューに5つの記事を使っています。この他車両製作1、実物関連記事2(EH10関連を除く)レイアウト記事1、コレクション記事2、運転会レポート1の構成
 レギュラー記事の「PipeSmoking」「模型店散歩」「交換欄」「新車登場」が続きます。(こちらは7ページ7アイテム)

 時代が20年近く違いますがRM MODELSは月刊化記念号で総ページ数162ページ。記事数は15で車両工作は3、レイアウト関連は3、ストラクチャーが1、出版時期を反映してかカタログ系の記事が1、実物系が情景関連で3、その他が3
 創刊直後という事もあってかレギュラー記事は11と多くこの中にはキットの組み立てインプレッションやテクニカル系、あるいは「鉄道模型考古学」なんかもあります。
製品紹介は12ページでアイテム数は何と57!ただし半数以上が外国形で占められています。

 この頃から比べるとどの雑誌もページ数はかなり増えていますし記事の総数も多いと思いますが昔と比べてそれぞれのジャンルの比率に違いがあるでしょうか。
 そこが今回の比較の注目点です。
(とはいえ厳密な形式の調査ではないので所々いい加減なところも出てくると思いますが)

 先ずTMSは総ページ数116ページ。その中で車両工作記事は2(うち一つはクラブの作品集)レイアウト関連は4、実物記事が1。
 実質的なレギュラー記事として「模型のためのエッセンス」「フリーランス雑感」「ニュールンベルグメッセ2017レポート」がありこれだけで23ページを占めます。
 その他メディアチェックや運転会だよりなどの記事が4つと言う構成でした。

 とれいんの方は総ページ数140.トップに来るのは模型ではなく実車の相模鉄道20000系(表紙もそれです)ついでシベリア鉄道乗車記、台湾鉄道ナビが続き、最初の30ページだけ観ると模型雑誌とは思えない構成です。
 実車記事はこれだけにとどまらず東武鉄道7300系関連も含めレギュラーを含めると8つに上ります。車両工作は2(競作集を含む)運転会・イベント紹介が3
 上記の記事数の重複があるのですがレギュラー記事は目次で見る限り16もあります。

 RM MODELSは総ページ数180ページ、特集が16番工作だったせいもあるのか車両工作記事が10!実車記事が2、ストラクチャー、ジオラマが2、運転会・イベント記事が3
 レギュラー記事は8つですが上の車両・ストラクチャー記事、イベント記事との重複があります。
 この雑誌の巻頭は「NEW MODEL PREMIUM」前月か前々月あたりの新製品について製品紹介の補足や軽加工のヒントなどを纏めたものでこの雑誌の特色になっています。


 最後に最も新しい「N」
 隔月刊で総ページ数134ページ。車両工作関連がレストアも含めて4、レイアウト関連が2、ストラクチャーが1、実物記事(情景)が1と言う構成です。
 大半が製品モデルの紹介とその応用に費やされているのがNゲージに特化した専門誌らしいところですが、一方で読者投稿やイラスト、アンケートに8ページを割いているのは先行誌にない特色と思います。

こうして俯瞰してみると平均して車両工作(加工、レストアも含む)がメインなのは大体予想通りでした。レイアウト関連の記事はTMSが意外に多く、RM、とれいんは少ない印象でした。
 またTMS以外はレイアウトよりもモジュールやパイクに工作記事の軸足が移りつつある様な印象も感じます。
(RM MODELSは毎回特集が異なる為レイアウトメインの号だとこの比率が逆転することがあります)

 Nを除く先行3誌を俯瞰した限りではどれもページ数は増えていますが工作記事に関する限りじっくりと腰を据えて読ませる(楽しませる)物は総じて減っている感じはしました。特にラージスケール系、ライブスチームは殆ど見られなくなりましたし、昔はよく見られた海外のモデラーやレイアウトビルダーの作品があまり見られなくなった事もあり相対的に読んだ時の解放感が薄い気もします。

 こうした記事はたとえ自分が作らなくても趣味のイマジネーションを広げる意味で重要な存在だったと思えますが、今はそういうのを感じたかったら海外誌を買わなければならないという事でしょうか。

 一方で、RMとNに関して言えば既存完成品やキットの加工でオリジナリティを出す方向性の工作記事の比率が高く、手軽に手を動かす楽しみを紹介しているのが目を引きます。
 これなどはこの40年間のNゲージの普及とそれに伴うこの世界の構造の変化が最も顕著に感じられるところと思いました。

 その一方で昔は少なかった運転会・イベント関連の記事はどれも比率が上がっている印象です。この辺りも昔と今との環境の変化を感じさせます。個人だけでなく、クラブやフォーラムなどで鉄道模型の趣味を外に披瀝しやすい環境が以前よりは出来てきているという事でしょうか。

 あと、これはどの雑誌にも共通していたのですがレギュラーの連載記事が一番安心して読めました。
エッセイ系の記事にその傾向が強く、寝る前に布団の中なんかで読むには好適です(但し本が重くてそういう用途に耐えられないのもありますが笑)
ある意味「オトナの趣味としての鉄道模型の世界」を端的に体現しているのがこうしたレギュラー記事の部分かもしれません。

 個々の雑誌についての個人的な感想については次の機会に。

C12とミニSL(汗)

2018-03-20 05:42:38 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回は実車のはなし・・・になる筈だったのですがやっぱり鉄道模型のはなしになってしまいました。

 昨年秋、クラブの運転会で山梨の韮崎に行った折、近くの公園にC12が展示されているというはなしを聞きました。
 運転会当日の天候が荒れ模様だったのでその時は行けずじまいだったのですが、先日の平日休、朝から晴れあがっているのを見て「そうだ、行ってみようかな」と思い立ち早起きしてS660を走らせました。

C12(とその他の車両)は確かにありましたが、そのほかに少し興味深い物も見られました。
(尤も、地元の方々や知っている人は知っているのでしょうが)

 実は公園内のあちこちに「ミニSL 」と書かれた案内表示があったのですが、最初はそのミニSLとはC12の事だと思っていました。
 実際に案内表示の先にC12はいたのですが、そのC12が展示場所に隣り合った一角に柵で囲まれた雑木林がありました。最初は何の気なしに通り過ぎたのですが
 「あれ?線路がある」

 つまり「ミニSL」とはこちらの事だったのです。
 改めて周りの表記を確認してみたのですがこの公園では毎年一定期間の間、週末にミニSLを走らせ(恐らく子どもなんかも乗せて)ているらしいです。見た感じではゲージは127ミリ程度でしょうか。


 看板によると走っているのは9600らしいです。多分ライブスチームなのでしょう。今はオフシーズンで運転はしていない様ですが機関庫か何かに保管されているのでしょうか。
 そういえば線路をふさぐ形でそれっぽい建物があります(あるいはシーズン中の保管兼整備の場所かもしれません)

 写真では少しわかりにくいですが線路の引き回しは単なる平面ではなく2,3か所に築山がありそこの合間を縫って走るエンドレスのようです。雑木林が結構成長しているので地形の変化が分かりにくい物の一応「庭園鉄道的なシーナリィ」は感じられます。

 運転が再開されたら一度この9600を見に行ってみたいと思います。

 肝心のC12については次の機会に。

今月の入線車・鉄コレの阪神3011形

2018-03-18 05:36:44 | 車両・私鉄/民鉄

先日の秋葉行きで入手したアイテムから。
地元や故郷のショップでは事業者限定品の鉄コレはなかなか目に触れない事が多いのですが、そういうのがコンスタントにおいてあるのが東京のショップの強み(それでも何でもかんでもという訳ではないのですが)ではあります。
で、この手のモデルはあらかじめ「こういう機種が欲しい」と探しに出るよりも見た事のないモデルの中から自分の琴線に触れたものがあれば購入するというのがパターンですし、その方がお土産らしくもあります。
ショップによっては存外安かったりしますし(これも大事汗)


今回入手したのは、阪神の3011の3両セットです。
実はこのアイテムも上京のたびに時折店頭で見かけていてかねて気になっていたモデルでした。
車両そのものに馴染みはないですが、不思議に丸っこいフォルムと湘南風の二枚窓の前面が好ましいクラシカルさを感じさせたからですが、このモデルも最近は徐々に店頭から姿を消し始めており、今回の上京が最後のチャンスに感じられたことから入線を決断しました。

まして、今回購入したモデルはパッケージ裏に「ヤフオク出品中」なんてタグがありましたから事によると危ないところだったかもしれません。

実車は昭和29年デビューの阪神初の3両固定編成の特急車両だったそうです。パッケージの写真もレトロ感満点ですが、パッケージから出して見たモデルはヘッドマークがなかったせいでかなり印象が違います。
ですので帰宅後、動力化と並行してヘッドマークを貼り付けました。
が、透明度の高いステッカーのせいか貼り付けてもいまひとつ目立たないのが惜しい。

連結面角の曲面ガラスもなかなかに個性的です。
マルーンとアイボリーのカラーの組み合わせは個人的に好みですし3連という短さもレイアウトで走らせるには手頃なサイズと言えます。

後付けパーツは屋根上のベンチレーターと個性的な円形アンテナ。これは追々取り付けるつもりです。

趣味の原点を振り返る番外編「エンドウのEF58」

2018-03-17 05:29:58 | 趣味の原点をふり返る
 趣味の原点を振り返る番外編・思い出の車両モデルから

 昭和53年の初め頃のはなしです。
 何かの用で亡父と名古屋まで行く機会があり生まれて初めて0系の新幹線で西下しました。
 初めてのシンカンセンでそれなりに興奮したのはもちろんですが、思い出としてそれ以上に大きかったのは「名古屋の三越で鉄道模型を買ってもらったこと」
 それも「まだ発売間もないエンドウのEF58だったこと」でした(笑)

 それまで16番きってのブランドだったエンドウが(レールは前年から出ていましたが)Nゲージに進出したという驚き、まだ出て間もない新製品モデルを入手できた嬉しさが「シンカンセンに乗れた」それを上回ったのです。

 当時の私の機関車のラインナップではTOMIXのオハ35系(これについては次の機会にでも紹介します)を牽引するのに適当な機関車がありませんでしたし、20系の「北星」の再現には欠かせない機関車がEF58だった事もあって当機の登場はまさに福音でした。
 但し、当時の目から見てもディテーリングはないも同然。車体のプロポーションの造形はよかったものの足回りとの組み合わせは妙に腰高だったのが残念でした。
 一方で動力のタフさは流石16番で鳴らしたエンドウ製。KATOや当時国産動力に切り替え中だったTOMIXのそれに比べるといささかがさつな走行フィールだったものの動力自体の信頼性は高く、ある意味F級旧式機関車らしい豪快さとタフネスを感じさせる走りはそれはそれで好感を持ちました。
 

 一時期自宅のお座敷運転ではEF65やED75を差し置いてこのEF58が事実上の主力機関車として君臨していたものです。何を牽かせてもそこそこ様になる(さすがにEF65で木製二軸貨車は辛かったですし)のはEF58ならではの人徳といえます。


 趣味の再開後、EF58は「偉大なる凡庸」の綽名に恥じずKATOやTOMIXのモデルが次々に入線しました。
(まあ、その大半が中古なのですが)その中にあって意外な事にエンドウのEF58も徐々に勢力を伸ばし気が付いたら4両ものエンドウ製EF58が在籍していま

 そのうちの1両などはつい最近新古品と思われるオリジナルのボディを交換して外観のレストアに成功するなんて荒業も使いましたし。

 上述の様に実車への忠実度の点では80年代以降のプラ製モデルとは比べるべくもないのですが、それでも「モケイとしてのキャラクター性」の点ではまだまだ魅力的なモデルです。遠目で見れば意外にいい雰囲気を感じますし、恐らく高すぎる腰を少し落とすだけでも印象はかなり改善できるのではないでしょうか。
(そのかわりボディ一体のエアタンクが台車に干渉して小回りが利かなくなるリスクもあるのですが)

 ブラスボディの質感と印象把握の適切さは今でもそれほど色褪せていませんし、豪快かつ信頼性の高い動力は「いつでも安心して運転できる」という長所につながります(何しろギアの一部が欠けていたりしても豪快な力技で押し切ってしまう様な所すらあります)

 この調子で行くとまだこれからもエンドウEF58は増備されるのではないかと言う気もします(とは言っても未入線なのは「青大将」か「無塗装」しか残っていないのですが)

4大誌を比べてみた(笑)1

2018-03-15 05:24:15 | 思いつくままに・考察
今回は少し毛色の変わったネタで。

先月はいつも定期購読しているTMSの他に前述した事情からいつもは買わない「N」とか「とれいん」も購入しました。
ここまで揃えてみたらやはり残る「RM MODELS」も揃えたくなり4誌ある鉄道模型誌をコンプリートする(わたしにとっては)空前の事態となりました(笑)

かつては専門誌と言えば後にも先にもTMSしかなかったのですから、これだけでも時代の違いを感じさせられます。

その4誌を並べて読み比べてみたのですが、一通り読み終わった時に「まるで鉄道模型の専門店街を一日歩き回った様な感覚」になったのには驚きました(笑)
専門誌が4誌もあると情報量も半端ないですし、どれもこれも全編オールカラーに近いカラフルさですから真面目に目がチカチカしてきた位です。

ですが、もちろんそれぞれの雑誌は微妙に対象者や嗜好、方針の違いがありますし、それを念頭に置いて読み比べてみるのも面白かったりします。またそうした個性があるからこそ鉄道模型の雑誌が4つも並立できてきているとも言えます。
が、今回当ブログで取り上げたいのは各誌の「製品の紹介」の比較です。

かつてのTMSでは「1号に載った新製品が二つか三つ、しかもそのうち二つくらいは車輪とかモーターのパーツ」なんて言うのがザラでした。私が読み始めた時期ですら10ページを超えるという事は少なかったと思います(大体、Nゲージの新製品なんてどうかすると「年に2,3種類」だったりしましたし)
しかしそれゆえに製品の紹介は実地のテストや筆者の印象も反映した濃密な物でここだけ読んでも楽しめたりしたものでした。

現在TMSでは製品紹介に22ページ35アイテム(バリエーションを除く)とれいんでは同じ22ページながら58アイテム、RM MODELSに至っては31ページ73アイテム(但しカタログ含む)製品紹介ページだけでかつての本誌並みのボリュームになっています。
これだけの製品攻勢ですからどの雑誌もゆっくりとチェックやテストをする余裕は無いかそれに近い状況なのかもしれません。

今回は(「N」だけは隔月刊の性質上前月までのアイテムしか載っていない)上記三誌に共通して取り上げられているアイテムの記述を比較してみようかと思います。
最初のサンプルは天賞堂の16番C58、同時に5機出ていますが今回は特に「SL銀河」仕様に絞ります。
特定機のモデル化なので各誌の個性が浮かびやすいのではないかという事で。

TMSではアイテム名のほか、共通の基本仕様とスペックが記され銀河のみの写真はカラー1枚白黒3枚。誌面のサイズに比べてかなり写真を詰め込んでいる印象ですがスペックなどの記述は最小限と言う感じ。
簡潔ながら必要な情報は揃っている印象です。但し特定機の仕様についての記述はなし。
一方で付属パーツの写真を5バリエーション分きちんと用意しているのは他誌にない特徴です。

とれいんのそれはカラーが1枚ですが特定機としてのSL銀河の説明がパレオエクスプレス仕様と併せて6行分記述されています。
C58自体の記事の扱いは他の2誌に比べて少ないですが最後に「さまざまな牽引車両と合わせて、蒸機末期から現在まで幅広い活躍を続ける姿を楽しみたい」とあるのに個人的に好感を持ちました。

RM MODELSは誌面が一番でかい上にページ数が多いせいか単独のカラー写真が3枚、しかもそれぞれの写真にキャプションが付いておりこれが特定機の特徴の説明にもなっています(文章換算で3~4行相当)
他のバリエーションとの違いや装備なども分かりやすい内容でした。

専門誌が三つもあれば単純に解釈すれば情報量も3倍になる訳ですが、実際に3誌を見比べると基本的な内容はほとんど同じでありながら味付けの点で辛うじて3誌の個性のようなものを感じる事は出来た気がします。
ですが一方で昔に比べて書き手の顔が見えにくい無機質さのような物も同時に感じました。その意味ではとれいんのそれにはかつてのTMSに近いテイストは感じられます。

実際に走らせたり、後付けパーツを付けてみてそのやりやすさをチェックしたりといったかつての製品紹介(あるいは批評?)の雰囲気は(予想はしていましたが)今の3誌を比べてみてもやはり希薄な気がします。

もっとも最近は特にNの人気アイテムの場合発売から1週間も待っていればブログやSNSのユーザーレポートが容易に見られる様になっていますから専門誌にそれが無かったからと言って不自由は感じない事が多いかもしれません。
(但しネットの場合記述の信憑性を読む側が判断しなければならないハンデがあるのですが)

ですが専門誌を買う側からすればネットとは違う何かを求めたい気持ちもありますし、それに応えてくれるのが紙媒体の専門誌の矜持ではないかとも思えます。
(ではそれが何か?と聞かれてもとっさにイメージが出てこないのがもどかしい。ただ、物足りない気がするのです)
「N」も含めた4誌の製作記事などの比較と感想については次の機会にでも。

とあるホテルを製作するその2

2018-03-14 05:22:03 | ストラクチャー
第1回から大分開きましたが、ホテル製作の話その2です。

今回の建造物はまともにNスケールで作ると大変なサイズになりそうだったのでロケハンで得られた印象から寸法を設定してマテリアルを切り出し、その先は現物あわせでサイズを詰めてゆくというやり方を考えました。

またロケハンでは類推が難しい建物真上からの間取りについてはGoogle Mapを参考にしています。実際これのおかげで確認できたのですが、モデルとなるホテルは真上から見るとほぼ正方形の形状をしています。プレゼン用ならともかくレイアウトに組み込んだり一般のギャラリーが眺めたりする分には裏側の造形はあまり意味がない感じがします。
このホテルで最も目立ち、かつ印象的に見えるのは表通りから仰ぎ見るアングル(それでいて玄関は左側面にあったりするのがまた厄介なのですが)と見ました。

この種の建造物はかっちり感が造形の肝と判断し、たわみやすいプラ板ではなくホームセンターにもある1ミリ厚の塩ビ板を使用。
これをカッターで切削することにしたのですが、いざやって見ると確かにたわみは少ないのですが、切断や折り取りをを誤ると簡単に角が割れてしまう事が判明。
慎重にパーツを切り出します。

切り出したパーツはマスキングテープで仮組みして印象をチェック。
実際の物よりも若干窓を減らしてサイズダウンを図った筈なのですがやっぱり「奥行きが大きすぎる」
大雑把に行って30センチ四方のスペースを取ってしまいます。これはNスケールとしてはかなり大きい。
印象としてはやはり裏側のデッドスペースが大きいように感じたのでこの部分を中心に現物あわせでもう数センチは詰めた方が良さそうです

(その代わり実質的に1方向か2方向から見ないと実物っぽく見えなくなってしまいますが)やはりこの辺りは建築模型とジオラマ模型の違いを実感させられます。

中村精密のC57と今月号の「N」のはなし

2018-03-13 05:19:46 | 車両・蒸気機関車

 先日のC57大行進の話の続きです。
 とは言ってもKATOのでもTOMIXのでもありません。

 先週のブログでは手持ちの5両のC57を紹介しているのですがその中の1両の中村精密製「やまぐち号」は以前も紹介した「ジャンク上がりの不動品をレストア」した個体でした。

 今回久しぶりに引っ張り出して試走させようとしたのですが、うんともすんとも言わない。
 前の時も集電のリード線が切れていたのが原因でしたので再びバラします。

 案の定はんだ付け部分の剥離でしたので再びはんだ付け。
 ところが組み立て直して再度運転しようとすると今度はショートの連発。

 前のレストアでは一応走ったので、どこかで組み立てのミスがあったとしか思えません。
 はて、どうしようかと思い気晴らしに書店へ出かけました。
 幸運というのはあるものです。

 店頭に出ていた最新号の「N」を開いていたら「中村精密蒸機のレストア」記事があったのです。
紹介されていたのはC51ですが、C51とC57の動力構造は基本的に変化はないはずなので参考にはなります。
 という訳で、久しぶりに「N」を買って帰りました。

 で、記事を片手に再びやり直してみたのですがやっぱりショートが止まらない。
 唯一関係がありそうなのがシリンダ直後に挟まっていたはずの「絶縁用の紙の欠落」なのですが紙を切り出して挟んでも結果が変わりません。

 はて、おかしいと思い真横からヒョイっと見ると「動力車輪でないはずのテンダー第2軸から火花が上がっています」
 何のことはない、絶縁車輪の向きが逆だったのですが一時焦りました。

 再度はめ直して走らせるとだいぶスムーズにはなりました。
 これでようやくブログで走行性を紹介できることにはなった訳です(笑)

 それを別にしてもこの個体はこれまで入手している中村精密のモデルの中では最悪に近いコンディションでした。
 動力内蔵のテンダと集電部のあるエンジンを結ぶドローバーはド派手にひん曲がり、ドローバーと繋がった従台車が上をむいたり下を向いたりのフニャフニャ状態でしたし、外したボディを裏から見るとあちこちに塗装の剥離(それも何かで削れたような)も散見します。
 一体前のユーザーはどこをどう痛めつけるとこうできるのかとすら思うほどでした。

 ドローバーの方は最初のレストアではペンチで曲げ直したのですが、今回は根本的に修正が必要と判断して「曲がったドローバーを金床上でハンマーで叩き直していったん平らにする」というおよそNゲージの工作とは思えない荒技を使うことになりました(汗)
 更に通電用のリード線を交換した折に純正品よりやや太かった為にエンジン部にうまくリード線が収まらなかった点についてもキャブ下回りを少し修正して線の逃げ道を作ります。
 これでどうにか走りは復活。より中村らしい走りにはなりました。

 そうまでして走りを復活させたいかと我ながら思うのですが、やはり手のかかるモデルほど面白いところがあるとも思えるのでこれはこれでありかなとか思います。
(間違ってもオークションに出して稼げるようなモデルでもないですし)

 ところで今回「N」を買ったところでふと思いついた事がもうひとつあるのですがそれについては次の機会に

マイクロエースのフリー機関車3題

2018-03-11 05:04:53 | 車両・ディーゼル機関車
今回は先日の時計屋さんでの入手モデルの話。

昨年暮れ以来、あそこのエバーグリーンでのNゲージ中古モデルがすごいことになっているのですが今回の上京でも引き続き驚かされました。

何しろしなのマイクロのブラス電機が「2両セットで六千円」エンドウの機関車4両セットが八千円弱なのですから。奥の相場の半額以下でモデルもピカピカ。
もし私の持っていないモデルでもあったら迷わず手を出していたであろうことは間違いありません。

ですが今回私の琴線を揺さぶったのはその隣にあった別のモデルでした(笑)
同じマイクロエース(旧)の三軸フリー機関車たち。
中でも産業用凸型機関車は他のフリーに比べてオリジナル色が強く棚幡線でも使えるサイズなのに惹かれました。

・・・これが走ればですが。

店頭で試走させようと線路に乗せた時点で気づいたのですが3軸の中の端の1軸が線路から浮き上がっています。
旧マイクロエース(日本製)の動力ユニットはギアの精度に問題があったりウェイトが経年劣化で変形している個体が非常に多いのが特徴なのですがこのモデルもそうしたひとつだった様です。勿論通電してもうんともすんとも言いません。
DSCN9810.jpg
普通ならそこで諦めるところなのですが、店頭には他にもマイクロの3軸機関車がいくつかありました。これらはボディこそ違え動力ユニットは同じものですから走れるモデルから動力をコンバートするという荒技が使えるのです。
その中からすでに手持ちがあるED91タイプ、今回初めてまみえるDD51タイプをセレクト。いずれも走れることを確認した上で一緒に購入しました。

一見、豪気な買い物に見えますがこれらのロコはどれも1両1200円。3両買っても5千円でお釣りが来ます。

帰宅後、予定通りED91のそれをコンバートして走れる様にしてしまいました。
それにしても、今回のは車輪が浮き上がるくらいにシャシが変形していたわけですがこういう個体に当たったのは初めてです。
過去のケースではモータとギアの噛み合わせが不完全でモーターだけ空転するのが殆どでしたから。ユニットの機構が単純な構造だけに一旦こういうのが出ると修正が意外に難しいのです。

とは言え望外の掘り出し物だったのも確かです。