先日のブログのコメントで事業者特注品についてのコメントがあった事に触発されて書いてみました。
少し勇み足な内容もあるかと思いますがご勘弁を。
数年ほど前のはなしです。
当時はまだ珍しかった鉄コレの「事業者特注品」のひとつがあるイベントで発売される事になり、珍しさがあったのとアイテム自体が個人的に欲しい物でもあったのでイベント当日に早起きして出掛けました。
数量限定で先着順で購入可能という事だったのである程度の行列は覚悟していたのですが、現地に到着してみると想像を超える長さの行列に驚かされました。
発売予定時間は朝10時くらいだったと記憶していますが、その時には群集は会場からあふれんばかりとなっていました。
(まさかこれが全部鉄コレ目当てではあるまいな)とか不安を感じ始めましたがそれでも我慢してそのまま並んでいました。
季節が結構肌寒かったので結構寒さが身に染みましたが、あと少しで発売になるという望みだけでずっと待っている始末。もちろん行列を離れてトイレに行くなどもってのほかという状態でした。
ところが発売時刻直前になって急遽発売時間の繰り下げが発表になりました。
すると突然私の周囲にいた人たちの中から一斉に罵声が上がり始め会場が騒然となったのです。
まさかここまで行くとは私も思っていませんでしたし、自分に向けられたものではないとはいえ、周囲が一斉に罵声を上げ始めるというのは初めての経験でした。
尤も、大半の人たちは不機嫌な表情だったとはいえそこまでは行かなかったのでそれ以上の騒ぎにはなりませんでしたが。
それでもどうにか発売は開始されましたが、これだけの群集相手に一度に3列かそこらの販売形態だったために行列がなかなか流れません。
パニックとまではいかないまでもそれなりにいらいらした群衆に取り巻かれながら自分の順番を待つというのは正直かなり居心地の悪い思いでした。
この何年か前でしたか、宝くじの発売の行列でパニックが起こり死者まで出た事件がありましたが、そこまでは行かないにせよかなり不穏な雰囲気を感じました。
主催者もこの勢いに驚いたのか通常の売り子に加えて本来こういう事をやりそうにない保線関係の職員まで動員して売り場を増やしそれでどうにか行列が流れ始めるという始末です。
発売から2時間近く経過しても行列は途切れる気配がなく朝10時の発売だったのに昼過ぎになっても相当な数の人数がまだ並んでいる状態でした。
さて、この発売時には一人5個までという制限があったのですがその時私はそこまで必要ではなかったので1個だけ購入しました。
ですが私の周囲の客の殆どが3個以上、制限数の5個を一人で買ってゆく者もかなりの数に上っていました。
当時は鉄コレ自体がマニア以外には知られておらず、題材となった車両もそれほどメジャーな人気車種ではなかったにも拘らず(大体、既に出ていた鉄コレの色替え品です)これほどの数の客がひしめくなどというのは当時は想像を絶する騒ぎでした。
後にも先にも、それこそ「たかがテツドウモケイを買いに行く」のにこれほど怖い思いをしたことはありません。
この時の経験から事業者特注品の鉄コレには正直あまりいい印象を持っていません(笑)
主催者側の名誉のために付け加えておきますが、この会社の事業者限定品はこれ以降もイベントのたびに出ていますが段々と段取りやさばき方がわかってきたのか以降のイベントではここまで不穏になった事は私の知る限りは無くなりました。
又、同じ特注品でも大手私鉄などが扱うものは行列を組むにしてもそれほど殺気立った雰囲気にならないような配慮はされて居るようです。
私自身は事業者限定品の鉄コレはこれ以後もいくつか買う事が出来ていますが、有難い事にいくつかはネット通販で買える様になったりソニックなどのイベントで手に取って買えるようにはなりました。
それでも人気の車種が普通に買えるという事は少ないようですが。
とはいえ、東武の6000系とか京急のデハ230の様に偶然ショップに行って初めて存在を知ったなんてのも結構あったりします。
それにしても
この種の特注品は鉄コレに限らずいくつもアイテムが出る様になりました。
ですがそのいくつかが未だに「現地まで行かないと買えない」形態のままでいる事には少し疑問も感じています。
一部は首都圏などでは専門の中古ショップや奥などで並ぶこともありますが大概の場合定価より高額のプレミアがついている事も多く買う側も何か足元を見られているような感じを持ちながら財布を開くというケースも結構ある事でしょう。
私も一度だけそういう経験をしていますが(汗)
売る側からすれば「これを買いにわざわざ現地まで客が来てくれる」という集客効果、イベント効果を少なからず狙っているのでしょうしこれだけ限定品がひしめく現状からすれば実際にその効果も上がっているのでしょう。
ですが鉄道模型の場合は同じ車両のファンが買いたくても買えない様な遠隔地に住んでいるケースも(特に旧型車両の場合)意外に多いですし、そうしたファンへの配慮というものを、特に地方私鉄などの場合はもう少し考えて良い様な気もします。
選択される車両が現地以外ではマイナーすぎて全国展開しにくい事情もあるとは思うのですが、普通のモデルの様に生産数は少なくても予約すれば確実に手に入る(?)というのとは訳が違いますし。
それと、発売情報が現地以外ではなかなか伝わらない事が多いのも悪い意味でマニアック過ぎる気もします。