光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

カラーブックス「東京の地下鉄」

2017-09-30 05:26:37 | 書籍
 今回は久しぶりのカラーブックスネタから
 「東京の地下鉄」(デニス・ショウ、諸河久著)

 先日の上京の折に帰りの電車の中で読むつもりで買った古本です。
 著者の「デニス・ショウ」氏と言うのはペンネームでもなんでもなく「長年東京在住のアメリカ人鉄道ファン」なのだそうですが、これは鉄道書に限らずカラーブックスとしても結構異色です。

 そのためかこの種の本としては珍しく鉄道車両よりも路線それ自体の特色や相互乗り入れについて俯瞰する内容で、ビギナーのファンにとってはむしろこの方が好適と思える内容になっています。
 一方写真の方は「いつものカラーブックス」的な車両の網羅的内容になっているのでこのシリーズを読みなれた人でも違和感が少ないのが面白い。


(保育社カラーブックス「東京の地下鉄」104Pより引用)
 本書の出版時期が平成4年という事で「大江戸線」の呼び名もまだなかった都営12号線が「未来の地下鉄」扱いになっているのに時代を感じます。

 大江戸線と言うと今の私にとっては「ホビーセンターカトーへの直通電車」みたいな存在になっていますし(笑)、あそこまで地下鉄で出かける事になるなんて開業当時は思いもしませんでした。


(保育社カラーブックス「東京の地下鉄」24Pより引用)

 この事実が端的に示すように東京近辺の地下鉄及びそこへ乗り入れるJR(地下鉄とは呼ばなくても実質的に地下鉄同然の区間がありますし)や私鉄のネットワークの複雑さはこうして本書を読んでみると改めて凄いと思います。

 それこそ山手線の内側は「石を投げれば地下鉄の駅に当たる」位の密度ではないでしょうか。私のような田舎者は目的地へ行くのにどれに乗ればいいのか分からなくなる事も多いと思います。
 こんな事を書いていてなんですが、田舎者にしては上京の頻度が比較的高い(と思う)私にしてからが本書に取り上げられている路線の半分以上が「まだ乗った事が無い」路線ですから(恥)

 しかも相互乗り入れシステムのおかげで地下鉄で見かける列車のバラエティの広さはそれだけで楽しめるジャンルになってもいます(京王の高尾山口付近の様に「山の中の単線区間を走る地下鉄の電車」なんてのまで観られたりもしましたし、従来考えられなかった場所で意外な私鉄編成が拝めるなんて言うのも相互乗り入れの面白さではないかと)

 その目で見ると各路線の特徴を俯瞰してみせる本書のコンセプトは良い所を突いていますし、好感を持てる所でもあります。

雨の運転会その3 モジュールレイアウトとお客の反応

2017-09-28 05:25:00 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回も先日の運転会のはなしです。
 家族連れの一般客の多いイベントだけに同じ会場では、大道芸のジャグリングあり、フリーマーケット(もちろん鉄道ネタは皆無)あり、当クラブのレイアウトの隣の部屋では楽器屋さんの演奏実演なんかもやっていました。
 おまけに外の広場では1分の1のイングラムが屹立し、屋台村がいろいろあって、更にそれらの会場内を地元のゆるキャラが徘徊する騒ぎ。

 このカオス度の高さはなんとなく「高校の文化祭」のそれを連想します。あの独特のワクワク感をいい歳過ぎても体験できるのですからこれが楽しくない訳がない(笑)

 そんな事もあってモジュールレイアウトの反応もこれまでの公開運転会とは微妙に異なる反応を感じました。

 今回のイベントでは家族連れの比率が非常に高く、しかも子供連れも多かったので子供の喜ぶような展示に人が集まりやすかった感じがあります。

 一番人気は公園モジュール内の「ハロー●ティ」のみなさん。ついで先日紹介した「おすし列車」でした。

 10代~20代の注目株はシン●ジラのモジュール。今回私の持ち込んだ駅ビルモジュールが隣接していたので
「ビル街の背景」でカットが撮れるというメリットが発揮されました。
 これだけの奥行きのあるカットはモジュールレイアウトでないとまずできないと思います。

 今回私が持ち込んだのはグランシップの時にも紹介したターミナル駅ビルと超高層ビルのモジュール。
 ところが意外にもお客様(概ね20~30代)が反応したのは、ビルの一軒の屋上に配置された「マ●リックス」でした。
 じつはこれ、グランシップのイベントの際に当日急遽付け加えたという、ある意味「やっつけ臭」が最も強い物だったのですがこれほどレスポンスがあるとは思いませんでした。

 もちろん他のモジュールや列車への反応も概ね良好だったと思います。
 これだけキワモノ的なものを並べると眉をひそめる向きもありそうですが、当クラブのモジュールはリアル志向の普通のモジュールも多数ありますし、それだからこそ上述のお遊びもより映えると思います。

 上述のパトレイバー関連のスタッフの方々も見に来られましたが、相当に楽しんで頂けた模様です(笑)

 ただ、これは仕方ない面もあったのですが雨模様の天候で湿度が高かった為に建物類でペーパー製の壁や看板が反り返ったり、モジュールの木製のベースに若干狂いが生じやすくなっていた様です。ギャラリーが多くて一部がモジュールを押したり当たったりしてベースが押し込まれる事も狂いの要因だったかもしれません。

雨の運転会その2「マルタイ・阪急・おすし列車、ほか」

2017-09-27 05:22:36 | 旅行・探訪・イベントなど

 先日のイベントのはなしから
 運転会は例によって各メンバー持込みの列車たちが快走しました。
 それとは別に鉄道公園や車両区のモジュールでは走行こそない物の変わり種の車両も並び結構賑々しい物になりました。

 この種のイベントでは車両の種類に縛りが無い(駅などの場合によっては当該地域の車両に限定されたりライバル会社の編成を自粛したりする事があります)せいかかなりバラエティの広い組み合わせになりました。
 もちろん山梨ゆかりのE351やE257なんかも疾走しています。先日紹介したように会場近くを中央線が走っていますから実車とNゲージのふたつのE351が同時走行する場面も見られたはずです。


 GMのマルチプルタイタンパーとワールドのキヤ97
 どちらも私が欲しかったモデルですがお値段と手間の関係で二の足を踏んでしまっていたものです。
 実物を直接眺められる、触れられるというのは田舎住まいには大きなメリットだったりします。

 一方で明らかに一般ギャラリー向けのイベント編成も注目を集めました。
 実は先週入線のトーマスを持っていこうかと思っていたのですが他のメンバーが持っていたなと思って持ち込まなかった失敗を(汗)
 中でもおすし列車は好評でした。先頭のロコはKATOのトレーラーで実際は後補機が押して走る形式です。

 ところで韮崎市の出身の有名人に小林一三氏がいます。言わずと知れた阪急電鉄の創始者なのですが以前ここのイベントでも阪急特集があったと聞いていたので、手持ちの阪急車を持ち込みました。

 最初はエンドウの6300を走らせたのですが、ここの電車はトレーラーの転がり抵抗が大きすぎて脱線や引っ掛かりを頻発してしまい、早々にKATOの編成に入れ替えてしまいました。
 この他しなのマイクロの3000系や2800系なども入線。私の趣味を反映して派手さに欠ける組み合わせになりました。

 そんな苦労もあったのですがギャラリーの反応はさっぱり。そもそもクラブのメンバーですら反省会でその話題を出して初めて気づかれたくらいで(涙)
 事前に何か言っておけばよかったかもしれません。

 そうは言っても渋好みの編成もなかったわけではありません。ギャラリーが不特定多数で年齢層も広いですからこういう古いのが走っても誰かしら反応が得られます。

雨の連休・運転会に参加する・1

2017-09-26 05:18:31 | 旅行・探訪・イベントなど

 先日は台風接近に伴う荒天だったのですが、かねてオファーのあったイベントに私も所属するクラブもモジュールレイアウトを持ち込み参加してきました。

 会場は山梨県の韮崎市、ここでの参加は初めてです。

 搬入のために駐車場に車を持ち込むといきなり警視庁のトレーラーがお出迎え(笑)
 今回のイベントの目玉は機動警察パトレイバーに登場するイングラム(主役の警察用ロボットと思ってください)の起動だったりします。これまでグランシップ級のものも含めていろいろイベントに参加しましたが「巨大ロボットと競演」なんてのは初めてです。

 初めての会場でありながら、設営がいつものように手際よく進むのはいつもながら当クラブの美点とおもいます。ただ、雨模様なだけに蒸し暑かったのには閉口しました。

 会場の窓から外を見ると雨に煙る山並みの中、引退迫る中央線のE351が疾走するのが見られるというサービス付(笑)もちろんレイアウト内でもE351は大活躍です。

 さて、開場と同時に予想以上の数の一般ギャラリーが来たのには驚きました。
 荒天の連休という事で遠出を避けた家族連れが集まってきたようです。これは主催者には嬉しい誤算だったのではなかったかと。


 開場後の続きについては次回に

「きかんしゃトーマス」の入線に思うこと

2017-09-24 05:12:07 | 車両・蒸気機関車
 先日の上京の折の入手品から

 東京都心部の中古屋で見かけるモデルで「機関車1両が800円」というのはなかなかありません(絶無ではありませんが)

 「2万円程度のモデルが3000円前後」といったレベルの掘り出し物ならたまにありますが。
 今回はその数少ない例外と思います。

 中野の某中古屋で見つけた「きかんしゃトーマス」(笑)

 安価な理由はもともと3両セットだったのを機関車単体で売られていた事、外箱なし、そして「右後方のバッファーの欠落」だったからと思います。
 まあ、他の中古屋でトーマスの出物自体滅多に見ませんが。

 走行性はほぼ問題なしでしたからまあ、掘り出し物の部類でしょう。
 これを入線させた理由は主に運転会でのミニSLレイアウト「棚幡線」での運用を想定していたからです。
 トーマスは運転会ではネコバスと並んで子供たちに人気のある機種ですし、グランシップ級のイベントでもこれが走っているとギャラリーの受けが明らかに違います(受け狙いとは我ながら俗っぽい表現ですが)

 ですが一種のお祭りたる公開の運転会ですから、こういう可愛げのある機種がひとつくらいあってもというのもありますが、何と言っても「大井川鐵道」の影響も大きかったりします。

大きさに差があるものの欧州型のニ軸客車はいくつかありますし。

 そういえばうちの子供がまだ小さかった頃、富士急ハイランドのトーマスランドに連れて行った事があります。ですが今うちの子にこのモデルを見せても全く反応がありません(涙)

そう言えばこんなのも買ったんだった

2017-09-23 05:09:38 | アクセサリー
 9月も半ばだというのに未だに先月初めの帰省のはなしで引っ張ってしまっている事に愕然とします(汗)
 帰省の折に入手したものから。今度こそこれが最後です(大汗)

 中古品という訳ではないのですが、現住地のショップで見掛けなかったアイテムです。
 以前はレイアウトで道路の区分線やセンターラインはジオタウンのそれを多用していたのですが、最近(ユニトラムが出た辺りから?)どこのショップでもジオタウンのそれが払底して困っていました。

 今回故郷のショップ(地元では聖地)にこばるさんの製品が出ていた事を知り、早速飛びつきました。
 インレタ系なので少し貼り付けに注意が必要ですがこれは存在自体が有難いです。

 やっぱり60年代車ばかりが売れ残っていた「ジオコレのタクシー群」
 今のモジュールはどう見ても80年代以降なのですが、タクシーだけは60年代。
 現代のクルマの入手しづらさを思うと、風景との年代差は思い切って割り切るしかありません。

 とりあえずモジュールの賑わいの足しにはなります。

昭和25年のTMSに思うこと・2

2017-09-21 05:07:35 | 書籍
先日紹介した昭和20年代のTMSのはなしの続きです。

この号と一緒に最新のTMSも買ったので、いい機会とばかりに60年前のTMSと今のそれを比べてみようかとか考えつきました。

最新号のTMSは紙質も良く厚さも当時の五倍くらいあります。まるで当時のTMSが折り込み付録にすら見えてくるくらいで。
(今思いついたのですが、1000号達成の時に創刊号の復刻を付録につけてくれないかなとか思います)

記事のメインが読者投稿になる工作記事(レイアウト含む)なのは昔も今も変わりませんが製品紹介とレポートの記事が多いこと!これだけで20号一冊の倍くらいのボリュームがあります(笑)この60年で随分と鉄道模型の製品は増えたものです。

しかもそれらの大半は製品の紹介レベルの製品名の羅列なのですから
一方で読者や編集者のオピニオン的な記事は激減。たんに投稿者が少ないというだけではなくそうした思いや拘りを披瀝する事が(近年のネット炎上の例を見るまでもなく)難しくなってきた現状を反映している気もします。
工作記事にしても凄腕モデラーの技量は良くわかる反面、誰でも出来る工夫やテクニックの記事を見なくなったのも寂しい限り(これらの面は『RMMやN』がその役割を担っている形になっていますが・・・)

全体に最近のTMSは良くも悪くもハイブロウ化して来ている印象ですが、では今のTMSが「RMMやNで作る鉄道模型趣味の魅力を感じたビギナーの次のステップとしての受け皿」になり得ているかというと少々疑問の余地があります。
それは「ミキスト」「ヒント」「わたしの鉄道から」「鉄道模型相談室」などが消えてしまった現状とも無縁ではない気もします。

(そういえばここ10年位、わたしが本誌を手にとって真っ先に見るのが「編集者の手帳」になっているのに今気がつきました。今の本誌で一番人間臭さを感じるのがそこだからなのかもしれません)

投稿記事がメインになっているのは創刊以来のTMSの伝統みたいなものですしそのノリが現在まで続いている事は立派な事とも思うのですが、ユーザー全体の広がりを与える意味でも、ここまでの過程で一度切り捨てた部分をまた拾い上げる事がそろそろ必要になってきているのではないかという気もします。

レイアウトにこんなミニシーンはどうか?

2017-09-20 05:58:50 | アクセサリー
 先日、平日休を利用してドライブ中、特に何もないのに車を止められました。
 前方で工事か事故でもあったのかと思ったのですが、よく聞いてみると「ドラマのロケで道路が一時止められているとの由」

 私の現住地の近在はドラマのロケが結構ある所で、実際これまでも街中で劇用車のパトカーとすれ違ったりすることもあったのですが、ロケ現場そのものに当たったのは今回が初めてです。

 これは珍しい経験なのでロケ現場と言う物の特徴を通過しながら観察しました。
 撮影現場それ自体は、他のメイキングものでも観る事が出来るのでその周囲がどうなっているかがチェックポイントです。

 まず、誘導棒を使って道路で車を止めているのがガードマンとも作業員とも違う私服のスタッフである事。こういうケースは他では殆どありません。
 しかもとてもこういう仕事に似合わないOL風の服装の女性もいます。

 次にロケ現場から適度に離れた空き地にマイクロバス、1BOXが集中的に止まっている事。
 そのくせほかのセダン・SUVの類が居ない事。
 こういう停め方は普通の住宅地や山の中では葬式の時以外はめったに観ません

 ドラマロケの掲示は普通の工事看板を用い、その上から張り紙で告知している事。

 撮影が走行シーンだったためピックアップトラック改造のカメラカーが居る事。これは特装車の中でもかなり特殊な形状なのでスクラッチでそれらしく見せる事は可能と見ました。

 平日の山の中なので見物人は絶無(笑)

 これらの呼吸が解ればこれは「レイアウトのミニシーンに使えそうです」
 そういえば劇用車のパトカーもちょっとした加工で作れます(撮影でなく合間の移動など)
 因みにそこで撮影されていたドラマは現在放映中ですがどんなドラマだったかと言うとヒントはこれです。
 
 ●部警察のロケをレイアウトに組み込むネタは以前にも紹介していますが、そこまで大掛かりでなくともこういうのは再現できそうですね。


 とか書いていたら先日其のドラマの撮影で事故があったとの由。
 坂の多い所だけに撮影も危険が伴っていたという事でしょうか。


昭和25年のTMSに思うこと・1

2017-09-19 22:56:35 | 書籍
 先日、古本屋で再び昭和20年代のTMSを入手する機会を得ました。

 創刊当時の号とかは今でも天文学的な値付けがされていますが20号を過ぎた辺りだと大概3桁価格の出物を見る事があります(但し程度は相当に悪い)




 今回入手したのは通巻20号目。昭和25年5月号でその店にあった一番古い号でした。
 前にも書きましたが、この頃のTMSはとにかく薄い!紙質が悪い!カラーは表紙だけでしかも写真はモノクロ!
 雑誌としては今だったら新聞のチラシにもならないレベルですが、中身が熱い!!

 この号の特集は「座談会・製作のコツを語る」と題してO、0番、16番などのモデラーたちが車両工作の苦労やポリシーについて語り合う物でした。この当時は16番はまだ勃興期でO、0番、1番ゲージなどがまだメインストリームだった時期と思います。
「車輌工作のよもやま話でモデラーが座談会」なんてのはこの当時ならではですね。

 そこで私が読んで感銘を受けたのは以下のくだりです。


 「私は0と1番で自分の理想郷を築き上げたいと思っています。終戦後、ゲージの問題がいろいろ出ましたが、この二本立てでやってくると迷うことなく進めます」

 「今の16番は少し細かすぎると思いますね。一般的にもっと簡略したものをすすめたいと思います」
 「同感ですよ。全体を荒くしても上手に纏める事です」

 「しかし実際、図面なしで作った物は何かこういい味がありますね。ユガミというかネジレみたいなものがあってー」「図面の寸法よりも大切なのは作った物の寸法です。見た寸法の狂いのないのがいい。図の寸法より目の寸法です。実物とは違います」

「僕は自分で作らねば気がすまない。人のものは走らせていても面白くないな」
「私はどんな物でも走らせるのが楽しい」
(以上鉄道模型趣味昭和25年5月号68・71ページより引用。漢字・仮名遣いなど一部現代語に修正しました)



 ~なんだかこの当時のモデラーたちが一種の仙人に見えてきました。
  ここではそれぞれのモデラーが自分の拘りを開陳しているのは当然なのですが「〇〇にこだわるのは自分が好きだからだ」「このサイズが自分には作りやすいから」というスタンスが誌面を通して伝わってきて久しぶりにすっきりした気分になれました。
それが例えばOJゲージの狭軌感とか言うところですらそうなのです。

 そう言われてみると「好きである事には本来理屈なんかは要らない」筈です。
 鉄道模型の世界では特に目立つ気がするのですが、いつから好きな理由を理論武装する必要が出てきたのでしょうか。

 何かを好きになるということは一種の本能みたいなものですから、好きである事に理屈をつけるのはどこか窮屈になっていく気がします。
 この辺りについては少し思うところもあるので近いうちになにか書きたいと思います。
 
 それにしても、これを読んでいてもう一つ感じるのが、たった4ページの座談会なのに「作ることそれ自体の楽しさ」が横溢している事です。今のレベルからすると素朴そのものなのですが
 車両ひとつとって見てもここの皆さんに比べると私のなんかは工作に入らない様なガラクタばかりになっているのですが、こういうのを読むと「また何か作ってみたくなってくる」という不思議な魅力のある特集でした。

夏の入線車・ED61から

2017-09-17 05:34:03 | 車両・電気機関車
 先日の入線車から
 これを店頭で見掛けて最初箱からモデルを引っ張り出すまでTOMIXのそれだと信じて疑いませんでした。

 それが実はワールド工芸のだと知ったときの驚きと言ったら。

 そんな訳でED61です。

 これが登場する以前はNのED61といえば香港製のTOMIXモデルしかありませんでした。

 昔の香港製らしい素朴ながら大味な造形はそれ以降の最密度を上げたKATOやTOMIXのモデルと並べて見劣りしてしまう弱みがあったのですがその隙間を埋めるかの様にリリースされたワールド工芸のED61は潜在的なユーザーの心を掴み、TOMIXのリニューアルモデルが登場するまで立派にその役目を果たしたといえます。

 否、TOMIXのリニューアル品と比べてもブラスの肉薄な造形、ブラスモデルの文法に則った細密度は引けを取りません。ですからTOMIXのそれを持っていても結構食指を動かされるモデルでもあるという事は言えそうです。

 流石に走行性は最新のTOMIXに見劣りします。が、では走りに不満があるかというと実はそれほどでもありません。少なくとも最低限のレベルは保っている様に見えます。

 これがTOMIXの中古よりも安い値段で並んでいたのにも驚きましたが、箱がTOMIXのそれだった事から店員さんがTOMIXの旧製品と間違われた可能性は濃厚です(笑)


怪談と鉄道のはなし

2017-09-16 05:32:24 | 小説

 今回はサブブログの再録ネタですが、最近はめっきり涼しくなりましたし、この機を逃すと季節外れになりそうなのでこちらでも上げようかと(笑)
 鉄道の怪談に思うことです。

 とはいっても鉄道ネタだけの怪奇本を持っていないので手持ちの書籍から鉄道ネタの怪奇をピックアップしながら考えて見たいと思います。

鉄道の場合、自動車などと異なり実録系の怪奇ネタはそのほとんどが心霊関係と言っていいと思います。
「走行中のブルトレが突然蒸気を吹き出してそのまま消滅した」とか「突如重力の逆転現象が起こって列車が宙に浮かんだ」なんて話はほとんど聞いた事がありません。
(但し事故に巻き込まれた機関車が丸ごと行方不明になったというケースは存在します)
自動車と異なり、線路という固定された軌道を走る鉄道の場合異次元ネタが使いにくいですし、UMAネタにしても鉄道の沿線にそう毎度怪獣が出現していたら警察と科学者とテレビ局が黙っていませんから怪談になる前に正体が解明されていることは必定と思います(笑)


事故が多発し死者を多く出す「呪われた車両、または列車」というのは題材として有り得ますが、客商売の鉄道ではあまり表立って出にくいかもしれません(ただし、その意味での「呪われた鉄道連絡船」というのは存在します)

 その心霊系のネタは前にも書きましたが大別すると「車内に幽霊が出る」「乗客が消える(バリエーションとして逆に「突然乗客が増える」というミステリーもあります)」「列車そのものの幽霊が出る」の三つに分けられると思います。
 私の手持ちの怪奇本で鉄道絡みのものはほぼ全てがこれに当てはまります。
 これ以外では「幻の駅」ネタが近年話題になっていることくらいでしょうか。

 バリエーションに乏しい印象であるのは致し方ありませんが、線路をはじめとした様々な施設や高度な管理システムに支えられた鉄道ではそれ以外の怪奇ネタが発掘しにくいかもしれません。(管理システムの高さの点では航空機もそうなのですが「誰の目にも触れなくなる」空白時間が存在することで消失ミステリが作りやすく、かつ時空変動系のミステリすら作りやすくなっています)

 ただし、これは「実際にあった事件」という縛りがある場合の話で、完全に架空であることを明示した小説の世界では様々な怪異談のバリエーションがあります。線路が3次元的に入り組んだ地下鉄路線内で列車が丸ごと消滅する話とか、たまたま乗り込んだ列車が運転手も含めて自分以外全くの無人のまま疾走してしまう話などがあり、それはそれで面白かったりします。

 これ以外の怪奇譚のバリエーションをご存知の方がいましたらご教示頂けると有難いです。

EH500に酔っぱらった頃

2017-09-14 05:26:34 | 車両・電気機関車

 毎回、田舎へ帰省するたびにコンテナ貨車を豪快に牽引するEH500を見るのが一つの楽しみになっています。大径のカーブをモータ音を轟かせながら文字通り爆走するEH500のコンテナ列車はいつ見ても勇壮でありそのパワフルさに元気をもらう思いがします。

 十数年前にはじめてこれが疾走する様を見て一気にこの機関車にしびれました(死語)。この感覚は今でも忘れられません。

 現住地の近くでは直流仕様のEH200を目にすることはあるもののこれほどの長編成貨物を牽いていないのと高速で突っ走る様がみられない事もあってEH500ほどの思い入れを持てません。してみると走りっぷりというのは機関車のイメージそのものにも影響を与えているのかもしれません。

 それは置いておいて、EH500のいかにも貨物専用機らしい無骨さと豪快さが感じられるスタイルはなかなかかっこよく見えたものです。ですから本機の模型がリリースされている事を知るや殆ど衝動的に直ちに3次型を、後に1次型を中古で押さえました。・・・ あの当時牽かせる貨車もろくにないのに。

 それまでは、レイアウトに合わせてこういう車輌を走らせれば似合うのではという発想で車輌を増備しているのですが、このEH500に限っては完全に思い入れだけで買ってしまった感じです。衝動買いとはこういう事を言います(爆)

 さいわい、その後になってからコンテナ貨車もそれなりに増備されるようになったので編成を組には不自由しなくはなりました。ですが一度はやってみたいのはやっぱり「トヨタロングパスエクスプレス」でしょうか。

 先日の運転会でクラブのメンバーがペーパー製コンテナでこれを実現したのを観た時には正直しびれました(笑)

 また、一度こいつに客車を牽かせてみたくなってOE88の先頭に立たせてみた事もあります。案外24系辺りも似合うかもしれません(今度やってみようかと)


 うちに在籍するEH500は一時型がTOMIX、三次形はKATOとわざと違うメーカーを選びました。EF63なんかの時もそうでしたが同じメーカー2両を買い込むよりもこの方が見ていて楽しくなります。  

KATOのアメリカ型機関車

2017-09-13 05:24:39 | 車両・ディーゼル機関車

KATOと言えば日本型Nゲージモデルの大御所であることは誰もが知るところです。
が、同時に外国型Nゲージモデルの輸出の大宗でもあります。


そうした外国型モデルはTGVのモデル化の辺りで国内のファンにも認知されている訳ですが、私個人はこれまでそうしたKATOの外国型モデルをこれまでほとんど入線させてきませんでした。

興味がない訳ではなかったのですが、一番の要因は「手頃な中古の出物を見なかったから」というのに尽きます。
先日ようやくそういう出物を見つけ(ついでに安かったから)入線を果たしました。


 物はB&OのC-C配列のごく標準的なアメリカのディーゼル機関車。
 アメリカ型には疎い事もあって形式名やら詳しい事はよくわかりません。

 このタイプの機関車はナインスケール時代のトミー(バックマン)のUB36に続く2両目ということになるのですが、並べるのがおこがましいくらいに製造時期とメーカーの差が大きい。
(UB36は「アメリカ建国200年記念モデルなので何しろ30年以上は開いている事になります)

 日本型に比べて図体そのものが違うアメリカ型の主力機関車のモデル化だけに、日本型よりもマッス感があるのは当然ですが、一方でエアフィルターなどの細部のディテーリングにも配慮が払われている様子が見て取れます。

 この「迫力と繊細さの釣り合いをギリギリのところでバランスさせた様な印象の造形」がかKATOの真骨頂なのでしょう。そして国内版に負けないスムーズな走りの動力。事にアメリカ型は超が付く位の長編成をトルクに物を言わせた巡航力でゆったり走らせるのが似合いますから尚更です。

 走りと言い、造形といい輸出で食べてきたKATOの製品の底力を目の当たりにする様な出来です。


なんて御託は実のところどうでもよろしい。
いつものレイアウトをいつもと違う外国型の機関車が疾走する様は「テツドウモケイだからできる非日常感」を感じさせてくれます。
時代設定が違う?国籍があっていない?
それはその通りですが「模型でなければ楽しめないこと」のひとつがこれである事も間違いありません。


はじめての小田急(笑)

2017-09-12 05:21:05 | 旅行・探訪・イベントなど
先日所用で町田に出かけた折、時間に余裕ができたので新宿まで足を延ばそうと思い立ち、電車で直行する事にしました。

 そこで思い当たったのは「そういえば小田急に乗るのは初めてだ」(笑)
 帰省を始め、新宿駅を使う事が多く、JRのみならず京王や都営地下鉄もそれなりの頻度で使っていながら小田急線だけはこれまで乗る機会がなかったのです。
(そもそも鉄道ファンなら用がなくともまずは「乗るために乗る」と言うのが正しい気もするのですが汗)

 そんな訳で鉄道ファンの端くれらしく快速急行を敢えて見送り一本後の各駅停車をあえて選ぶことで矜持を保とうと(爆笑)
 前後を二本の快速急行に挟まれている上に、平日昼間のせいか車内はガラガラ。

 車両も地元民にはどうという事もない「普通の電車」にしかすぎないであろう3000系ですが、それでも私にとっては「初の小田急電車」ゆえゆめゆめおろそかにできない気がします。
 町田を出てから住宅地と商店街が続く丘陵地帯を抜けて走る3000系はロケーションを除けばどこまでも普通の電車に感じられます。
 昔ほどに私鉄毎の各車両の個性と言うものが薄れ、それなりに画一化している証左かもしれません。

 ただ、車内ディスプレイで私鉄としての小田急のCMが掛かるのはそれなりに新鮮だったりします。
 (そういえば京王はディスプレイ自体無かったかな?)

 途中、以前鉄道ミステリのブログで取り上げた事がある「みえない電車」の舞台となった「生田」と「向ヶ丘遊園」に停車。
 小説を読んだ時には漠然と高架の駅を想像していたのですが、実物が地上駅だったのには驚きました。
 田舎者の持つ先入観とは怖いものです。

 ただ、この区間は他に比べると今でも寂しげな雰囲気なので、小説の当時は「電車の後ろに人一人つかまっていても誰も見ていなさそう」だった気もします。

 でもって所要時間1時間弱ほどで新宿到着。
 乗ったのが各駅停車の普通列車という事もあってか、初めての小田急と言う割に感動は薄いですね(笑)
 やはりと言いますか、NSEとか9000系とかが現役だった頃にでも乗るべきだったのかもしれません。

 そういえば30年前に初めて乗った西武電車もその印象は「やたらと混んでいる」だった気が(汗)

 追記・まさかそれから半月しないうちに「小田急電車がもらい火で屋根が燃える」なんて事になろうとは(驚)

 

夏の入線車・「茶色いDD51」

2017-09-10 05:14:32 | 車両・ディーゼル機関車

 帰省前の入線車ですがこの機会に取り上げるのも悪くないかと。

 私の故郷ではD51、C54、DD51のそれぞれファーストナンバーがいた事があります(在籍していたかどうかはともかく写真はのこっています)
 中でも北上線の無煙化に伴い、入線してきたDD51の1号機は後のものとは細部がかなり異なるデザインが個性を発散させている不思議な印象のロコなのですが、先日の秋葉行の折のこれの中古を入手しました。

 しかも国鉄旧塗装の茶色ですからますます「毎度おなじみのDD51」のイメージから遠ざかります。
 (岩手に来た時ですらオレンジの国鉄色だった筈)
 とはいえ、ローカル線の無煙化とSLの駆逐を目的として登場しただけあってNゲージのサイズでもなかなか堂々としたフォルムです。

 SLとは別の意味の力強さというか頼もしさを感じさせるのは他ではどこかひ弱な印象を与える事が多い凸型の機関車としては異例の印象なのではないでしょうか。