光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

マイクロエースのキハ91系「のりくら」仕様

2020-01-30 05:38:02 | 車両・気動車

 先日紹介した「鉄道民宿で買った中古モデル」
 前回のブログでは「M社のK」なんてボカした書き方をしましたが、その正体はマイクロエースのキハ91系晩年型「急行のりくら」仕様です。


 キハ91は以前マイクロエース20周年記念モデルとして試作型2連が出ていますがそのベースとなっていたのが今回入手した編成物の仕様です。
 キハ91系はそれ以前以上の大馬力エンジン搭載を前提にした設計で屋根上に巨大なラジエータが載っかり3枚折り戸のドア、独特な前面窓の造形などキハ58とキハ181の中間的なイメージで異彩を放ちます。
(しかも試作タイプは4枚折りの扉を採用してさらに異彩を放っていますがw)


 試作仕様は持っていたものの量産以降の編成物の方には流石に手が出せないでいたのですが、民宿で手頃な値段の出物を見つけて食指が動きました。

 キハ91系はマイクロの後にKATOもリリースしており、同じ値段でどちらかを選べと言われれば私ならKATOを選ぶかもしれません。
 が、気動車や電車は余程のものを除けば造形上では大きな差を感じないのも確かでマイクロを選んでもそう後悔はしない気もします。
 動力ユニットの一体造形だけが外見上の瑕疵ですが走らせてしまえば気になりませんし。その走行性もが店主が言った通りマイクロの中古としてはよく走る方です。

 この編成の異様な点はもうひとつ、7連編成でありながら中間のキサハを除く全ての車両がキハ91で統一されている点。同じ事はキハ58系なんかでもよくある事なのですが、キハ65とキハ180が合体した様な特異なフォルムな上に前面デザインも微妙にキハ58とは異なるために独特の違和感が感じられる所が面白いところです。

 それにしても中部地方を走る気動車の優等列車は名鉄キハ8000系といい、キハ181系といい他に比べてユニークな形状の機種が多い気がします。そのユニークさが違和感となってか私の故郷とか現住地の模型屋ではなかなか扱わない(予約がない)事も多い様です。

今年最初の鉄道カフェにて 「甲府モデルの新製品」

2020-01-29 05:32:41 | 旅行・探訪・イベントなど
先日の平日休、昨年暮れ以来ご無沙汰していた行きつけの鉄道カフェにお邪魔しました。

最近、ここへ来るたび注文するようになった横須賀色フロートを片手にご店主やお客さんとモケイ談義ができるというのは待田舎暮らしには全く有難い事です。
さて、ここの見どころの一つは甲府モデルの新製品が見られる事。
聞く所では週末に行われるという大阪のイベントに持ち込むための新製品や試作品がずらりと並びちょっとした内覧会の気分です。

先日発売された16番の新機軸、天賞堂の「T-Revorution」シリーズ。第一弾はクモヤなのですが

側板の組換えで身延線のクモハ123に改造するキットと言うのがありました。第一弾がクモヤという事で実をいうとあまりT-Revorutionに注目していなかったのですが(恥)1両で完結する単行の電車になるならなかなかお手軽に16番が楽しめるコンバージョンと思います。

なんだか見ていると急に欲しくなってきました。

Nゲージでは昨年のソニックシティでも発売されたというリニアモーターカー(試作車)が目玉です(すずめ模型)
3Dプリンタの一体成型ながらも、既存の動力ユニットを組み合わせて自走させる事も可能と言う優れもの。
どちらも子供の頃に図鑑なんかで見た「未来の列車」のイメージそのものです。

専用の線路(ダミー)も用意され抜かりはありません。

で、最新作が「エスカレーターの積荷」
これも積荷としてはなかなかの大穴モデルと思います(笑)

こんな風に「いつ出掛けても何かしらサプライズが味わえる鉄道カフェ」と言うのはひょっとしたらここだけかもしれません。

ところで、先日紹介した「60年前の模型とラジオ」のはなしでたまたま私がそれを持って行った折にそこに掲載されていた、とある貨車が貨車マニアのご店主の目を惹きました。

(「模型とラジオ」1959年11月号より画像引用)
キャプションには「国鉄の移動屋根式有蓋車(汽車会社製)」とあるのですが形式名なし。セメント輸送用で屋根が三つにスライドするようになっているとの事です。が、それ以上の事が不明で貨車に詳しいご店主にもわからない機種の様です。
もしご存知の方が居られましたらご教授頂きたいとこの場を借りてお願いします。

レイアウトを差し替える2020・その2・風景を並べる

2020-01-28 05:29:11 | クレイドルレイアウト
 レイアウトのコンバート 前回に続いてその2です

 鉄道の街のモジュールはこれまたベースに線路だけを固定し、シーナリィを鉄博やミニSLレイアウト棚幡線と入れ替えることが可能な設計です。
 今回は国鉄アパートや鉄道病院をセットしたシーナリィを並べます。
 地盤は左右二分割、線路を跨ぐ陸橋も別パーツ化、更に線路の手前側の街並みも左右二分割。
 ばらした時にそれぞれのパーツを一人で運べる事を前提に大きさを決めたのが功を奏しました。

 パーツの移動が都合5往復になるので時間を食いますが(汗)

 モジュールを一体化させたときよりも破損のリスクが少ない上に、破損してもリペアが容易になる様にしています(完全固定の時よりも繊細なシーナリィが組めるのも利点)

 線路配置で変化をつけにくいので線路を跨ぐ陸橋や人工路盤を組み合わせて見た目の変化をつけています。
 私鉄ターミナルのモジュールにつなげるとそれなりに奥行き感が出て長編成でも映えそうな風景には仕上がりました(と自画自賛して観る)

 朝9時に作業を開始して、あれこれあってどうにか試運転まで持ち込んだときには昼の2時を回っています。運転会ならこれの数倍の数のモジュールを繋いで2時間もあれば完了しますから、人出があるというのはまったくありがたいものだと再認識する次第でした(汗)

レイアウトを差し替える2020・その1

2020-01-26 06:18:56 | クレイドルレイアウト
 先日の日曜日、丸一日潰して自宅のレイアウトの組み替えを行いました。

 前々から紹介していますがうちのレイアウトは2枚の運転会用モジュールを並べ両側にリバースループを排した単純なエンドレス。
 3列車同時運転が出来る事くらいが取り柄で、ポイント、勾配一切なしの見ようによっては(よらなくてもw)面白くもないトラックプランです。
 が、必要に応じてモジュールを差し替えする事で定期的に変化をつける事ができます。風景の中を列車が走る事に魅力を感じているのでこれでも結構楽しめます。

今回組み替えを行った理由は、二枚のモジュールのうちの1枚をきたるべきグランシップに出品する為に改装を行う為です。

入れ替わるモジュールは昨年来運転会に供してきた「鉄道の街」のモジュール。
風景としては特徴がないのですが、隣接する私鉄ターミナル駅のモジュールと連続させる事でこれまでよりも広がり感のある風景に変えるつもりでした。

接続線路を外し、モジュールを搬出。
制作中に固着させたはずのバラストがバラバラと崩れたのには往生します。一度再固着させなければなりません。

そこに前回のモジュールを嵌め込み線路を再接続。実は運転会でもそうなのですがモジュール同士をつなぐ線路はユニトラック規格に合わせているはずなのですが、大抵の場合1ミリから2ミリ程度の誤差を生じます。わずか2ミリと言っても接続部の段差が大きくなり走行性に悪影響を与える為65ミリから68ミリの範囲で端数調整用の線路を自作する必要があります。幸いユニトラックはファイントラックに比べて道床や線路のカットが比較的楽なので助かります。

 おまけに10年近く経過したモジュールはベース板の経年劣化で微妙な高低差を生じたり変形があったりするのでその微調整も一苦労。
 運転会ならこれも人海戦術で調整できるのですがオーナー1人でこれをやると意外と時間を食います。

 (この項続く)

2019年最後の入線車から・ロコインターナショナルのBR191

2020-01-25 06:19:14 | 車両・電気機関車
先日に帰省の折に今年最初の入線車として鉄コレの201系を取り上げましたが、今回は同じく昨年最後の入線車として中古モデル屋で見つけたモデルを紹介します。

帰省の折に毎度覗いている、行きつけのショップでは昨年来外国形の出物が妙に豊富で、その影響が一昨年の年越し運転や夏の帰省でも色濃く出ています。
今回入手したのもやっぱり外国型ですが、構造のユニークさやクラシカルな外見が琴線を刺激してくれたモデルです。

物はロコインターナショナルのBR191形電気機関車。
これのプロトタイプの情報が知りたくてネットで検索してみたのですが、どれもこれもがオークションの落札情報か通販サイトの宣伝ばかりで要領を得ませんでした。

後に頂いたコメントから実車の情報が得られたのですが、当機は1925年に銚子電鉄のデハ1と同じDRG社で製造された山岳区間用機なのだそうです。実車は1975年に引退後85年にレストアされ走行可能となりアウグスブルグ鉄道博物館へ収蔵されているとの由。
(星川航空整備部さん、情報ありがとうございました)

なので単純に私個人が得た印象から勝手な推察を加えたいと思います。
このロコのユニークなところは動輪がC-C配置のロッド駆動である事と、車体自体が3車体の連接構造になっているところです。


日本型で言えばED42が巨大化した様なイメージですが、この構造から見て急曲線、急勾配が連続する路線である程度以上の牽引力を必要とする用途を想定した機関車ではないかと思われます。
リベットまみれのボディ造形は重厚感がありますし、シャンク軸がちゃんとロッド連動になっている所などはNゲージとしては動的な精密感を感じさせます。
カラーリングも適度に渋いですし、しなの辺りのED42と並べても違和感は少ないデザイン。
なんだかこれを見ているとED42の上位機種として実際にこういうのが碓井峠を走っていた様な気になってきました(笑)

ましてや中央部のボディにモータを内蔵させた3車体連接構造はカーブで車体をくねらせて通過する独特な走りっぷり。
単純に側線で停まっていても良い存在感を見せてくれます。


今回の年越し運転では牽引する車両を持ちこまなかったので基本単機回送状態での運転でしたがE353と並んで大いに年越し運転を盛り上げました。

中古モデルに思うこと・エトセトラ

2020-01-23 06:17:02 | 思いつくままに・考察
 昨年12月初めの事です。
 暫くぶりで近場の全国チェーン系中古ショップを覗いた折、某社のC62(勿論Nゲージです)に15万円近い値が付いていて仰天しました。

(同系列の別の店ではメルクリンの動作チェックに9V電池を持ち出してきて驚かされましたし、故郷の中古屋さんではパッケージが接着剤づけになって開閉が不能な、どう見ても事前の検品をやっていなさそうなモデルが当たった事もありますがw)
確かにそのメーカーのモデルは普通に比べて高価なのは間違いないのですがそれにしてもこれまで見たNゲージの単体モデルでは最高価格なのは間違いありません。
(まあ、東京の同系列店では「SONYのNゲージのセットに65万円」の値札が下がっていましたがw)

 事によると某社という事でそちらのメインの16番モデルの感覚で値付けをしたのかもしれませんが。
 こんなのを見ていると昨年暮れに掲載されたManicさんのブログではないのですが「鉄道模型で利殖でもするつもりなのか」と嘆きたくもなります(そのモデル、今でも残っているかな)


 それは置いておいて、
 それからしばらくして313系2500番代の中古モデルを買った時のことです。

 民宿のサイドビジネスという事もあって御店主が自らショーケースからモデルを取り出して見せてくれたのですが、その時「これは1両目の窓ガラスに接着剤の跡があるけどいいですか?ASSYのパーツが手当てできればお買い得と思いますが」とアドバイスしてくれました。

 また、同じケースに入っていた別モデル(敢えてM社のKというモデルということにしておきます)については「これはあのメーカーのモデルとしては走る方ですよ」と。結局そのモデルは3週間迷った挙句購入しましたw
 中古ショップでこういう気持ちの良い買い方ができれば有難いし嬉しいものです。
 ですが現実には、上述の様なマスプロ化したチェーン店はもとより、どうかすると秋葉原や新宿辺りのショップでもこういう丁寧かつ一つ一つのモデルの質を把握している御店主(または店員)のいる中古ショップというのはわたしの経験上では稀だと思います。
(少なくとも現住地とわたしの故郷ではこれまで当たった事はないです)

 中古モデルの場合どうしても購入自体が博打の要素が大きいものです。自分でできる範囲でモデルの瑕疵や欠落をチェックして使えるかどうかを確かめられる眼力が要求されますがどんなモデルにでもそれが通用するとは限りません。
 ですからそうした「自分の売り物のコンディションを知悉している店員のいる中古ショップ」というのは買う側からしても心強いものです。こういう中古屋さんがもう少し増えてくれればありがたいのですが。

 因みに入手した313系については次の機会にでも触れたいと思います。
 (写真は本題とは直接の関係はありません)

メルクリンと鉄コレとキハ40とその他いくばく(笑)

2020-01-22 06:12:29 | 車両・16番
 少々前のはなしですがご勘弁を

 昨年は夏に行われた中古鉄道用品チェーン主宰の鉄道フェアが今年はクリスマス前のこの時期に開催されることになりました。
 という訳で勇んで会場に直行。

 結果は古書を何冊か(しかもそのうちの一冊は「スタンプラリーの景品!」)いくばくかの車両やキットをゲットして帰宅しました。
 最もイベント自体はご家族向けの遊具やミニ列車が中心で秋葉や新宿のマニア向けイベントとは根本的にノリが異なるのですがwというわけで入手したアイテムのひとつから。

イベントの即売コーナーで見つけた唯一のメルクリン製品ですw
 物は貨車とミニカーのセット。
 パッケージのデザインから見てここ10?20年くらいの間にリリースされたものと思われます。

 プラスチック製の2軸有蓋車は先日来紹介している40年前のモデルに比べると細密感が向上しレタリングの細かさと合わせてマニアの目から見ても模型として通用するレベルとなっています。

 それでいてメルクリン専用の連結器は40年前の機関車に連結可能となっていますから古くからのファンにも優しい構造ではあります。

 このセットにはもうひとつ、1900年代物と思われるトラックのミニカー(勿論HOスケール)が付いています。
 別にこのトラックを貨車に積載するわけではなさそうなので貨車とコラボした一種の記念セットらしいです。

 このミニカーがまた雰囲気が良い!
 ファンでも知らない人がいますがメルクリンは実はミニカーのメーカーとしても長い歴史を持っていましたからこの手のおまけはお手の物だったでしょう。

 車体の構成はやはりプラ製の様ですが、パーツの組み合わせの妙が良いのと鉄道模型に準じた様な足回り表現が印象的でした。ミニカー単体でも十分飾りに耐えるレベルです。

 順番が前後しますが前に紹介した「JR東日本の鉄コレ201系」の出物もここで拾ったものです。あと諸般の事情で急に必要になったKATOのキハ40トレーラーも。
 それらについても次の機会に紹介したいと思います。

20系さくらと「大いなる驀進」

2020-01-21 06:07:46 | 映画・テレビ
 昨年末のCSで鉄道映画特集というのがありまして昭和30~40年代の鉄道映画が数本放映されたのですが、その中の一本に「大いなる驀進」(昭和35年 東映)というのがありました。
 この作品については10年ほど前の当ブログでも取り上げたことがあるのですが、あらすじをかいつまむと


 列車ボーイの矢島(演じるは中村嘉葎雄)は恋人との結婚の為に仕事を辞め、より給料の高い仕事に就こうと考えていた。それを止めようとする恋人の君枝(佐久間良子 演)は矢島の乗る夜行列車の「さくら」に無理やり同乗してしまう。

「さくら」に乗り組む専務車掌の松崎(演じるは姉妹作「大いなる旅路」の主演でもあった三國連太郎)は2人を見守りつつ、終着の長崎まで職務を全うしてゆくのだった。



 話の軸は「さくら」の走っている一夜の間に矢島が鉄道員としての使命感に目覚め、君枝とよりを戻すというシンプル極まりない展開。

 ですがこの「さくら」夕方4時半に東京を出発し翌日の昼12時半近く(途中32分の遅延ありこれについては後述)に長崎にたどり着くまでの間、これでもかというくらいにトラブルが連続するのです。

 静岡駅では殺人犯が逮捕され、車中ではスリが大物政治家の金時計をすり取り、岡山の手前では乗客の自殺未遂が発生、下関では降車ホーム上で殺人未遂事件が発生。
 とどめに広島では土砂崩れによる列車支障で「乗務員や保線区員ばかりか食堂車のコックや女乗客までもが一致団結して土砂の撤去に当たる」という物凄い展開になります(なんとこれは実話をもとにしたエピソードだそうです)


 たった一晩の間にこれほど色々なトラブルが連続するブルートレインというのは前代未聞ではないでしょうかw
 ですがそんなストーリー展開の無理矢理さを別にすると東京駅ホームで乗車する様々な客の織りなす賑わいから始まり、車窓風景や走行風景、更には食堂車の車内や車内風景が連続。
 ですから昭和30年代の花形夜行列車の雰囲気だけでもワクワクさせるものを感じさせます。

 また、牽引機が頻繁に変わる「さくら」ゆえEF58に始まりC62(撮影スケジュールの関係からか同一列車の設定ながら複数の異なるC62が登場。中には謎の3桁ナンバー機が混じっていますが)EF10、C61と機関車映像も取っ替え引っ替え!
 上述の土砂崩れシーンでは対向列車の先頭にD52も登場します。

 劇中に登場する機関車のナンバーもコロコロ変わりますしカニ22がカニ21に化けたりするのですが、それゆえに鉄道映画として見ると見どころが実に盛り沢山で非常に楽しめる作品でした。


 さて、ずいぶん長い前振りとなりましたが今回久しぶりにこの作品を取り上げたのは前回(2008年)手持ちが「さくら」の基本セットしかなかった20系客車の増備が進み(専らナハネ20ばかりですが)どうにかフル編成に近い形になったからです。

 ここまで来るのにたっぷり10年、しかも来年にはKATOの20系自体リニューアルなのに。

 映画の放映の余韻も覚めやらぬうちにと早速手持ちを連結。映画と同じというわけにはいかなかったですが15両近い編成のブルートレインがEF58に牽かれるのはうちのそれほど大きくもないレイアウトの中でさえなかなかの圧巻でした。
(新幹線大爆破と異なり本作は殆どの車内シーンが実車を使って撮られている様です。そのせいかセットだったら容易な「上からのライティング」ができず「下から光を当てる人物のアップ映像」が散見されます。そうやって撮られた三國連太郎の顔はスリラー映画さながらに心底怖いw)

 運転会以外でこれほどの長編成を走らせるなんて滅多にないのですが、年の瀬を控えて久々に楽しませて頂きました。

電車モデル「デ963タイプ」と今年の抱負

2020-01-19 06:56:58 | 車輌・電車
 先日2020年の抱負を書いた時に書き落としていたのが一件ありましたので今回はその抱負をば。
 昨年夏の帰省の折、実家から持ち帰った「模型とラジオ」83年11月号。

 表紙が「超時空要塞マクロス」やら「装甲騎兵ボトムズ」やらロボットアニメのプラモのオンパレードなので表紙を一見するとわからないのですが、私のお目当ての記事はこちらです。

 (科学教材社「模型とラジオ」1983年11月号より画像引用)
 1906年に甲武鉄道を買収して走り始めた国鉄初めての電車「デ963」の製作記事。
 かねてこのブログでも時折取り上げていますが、当時の模型とラジオはNゲージの製作記事が異様なほどマニアック、かつ当時の小中学生には敷居が高いフルスクラッチの車両工作記事が毎号掲載されていました。
 それらの中には今では完成品が製品化されている物も多いのですが、未製品化の記事の中で私の目を惹いたのがこの記事だった訳です。

 記事では動力は天賞堂のキドマイティモータを使いギア廻りまでほぼ自作、台車枠やポールも真鍮板なんかで自作させていました。TMSなんかのの製作記と異なり「作り方」を主とした記事でしたから記事と首っ引きならある程度までは作れる・・・筈です。

 実はこの記事の書かれた当時はKATOのポケットラインの動力はまだなかったと思うのですが、今ならポケットラインのチビ客車の動力を使えば(足回りの形状に相違は大きいものの)どうにか作れるのではないか?と思い立ちました。
 本来ならそのまま昨年の秋ごろにフルスクラッチの車体でこれを作っていたかもしれない訳です。

 ところが現住地に帰宅後、行きつけとなった鉄道カフェでそこの委託販売品を見ていたら何とその「デ963」タイプのペーパーキットが出ているのを見つけて心底驚きました。まさかこんなマイナーな車種がキットとはいえNでモデル化されているとは思わなかったのです。


 メーカーは昨年公営住宅キットでお世話になっている「IORI工房」
 「甲武鉄道風木造電車」で動力はポケットラインのチビ客車用を使うものです。厳密には実車よりもややぽっちゃりしたプロポーションの様なのですが、自作すると必ず手こずるであろう窓の抜けは綺麗に決まっていますし屋根板も用意されているのでこれを使わない手はありません。

 早速キットを入手。IMONの通販でポールも手に入れました。あとはチビ客車の動力があれば掛かれるわけです。
 ところがここにきて降ってわいたのが「ポケットラインの動力リニューアル」と言う情報でした。
 これも走りがかなり改善されている様なので、リリースを待つ事にしたため、製作開始がまたずれ込みました。

 と言う訳で昨年暮れにようやくその動力を入手。走りのスムーズさは店頭で確かめたのでこれでようやくデ963が作れる条件が揃った訳です。
 (実は昨年の記事で「チビ客車の動力を使って目論んでいる事」と書いたのはこれの事でした)
 初志とはやや異なりますが、今年の車両工作の第一号はこのデ963という事になりそうです。

今年最初の入線車 鉄コレの「201系H4編成」

2020-01-18 06:53:58 | 車輌・電車
今年最初の入線車は帰省から帰宅途中の某ショップで入手した鉄コレです。

 中央線130年記念でリリースされた201系快速H4編成の6連と4連のセット。
 中央線はJRの中でももっとも私に馴染みのある路線で201系自体、数えきれないほど乗っていて随分とお世話になっていた編成なのですが、その割に大昔の試作編成しかモデルを持っていなかった機種でもあります。
(新幹線と言い山手線と言い客としてお世話になっているメジャー路線には何故か淡泊になってしまう私のくせが出ています)

 今回は初売りの熱気に当てられたというのもありますが、これには私なりの深謀遠慮(ってほどでもないのですが)がありました。

 というのも、昨年の初めにJR東日本のオリジナル鉄コレが出た事があるのですが、その中に中央線仕様のクハ201が出ています。
 過去にリリースされていた201系では行先表示幕が「東京」となっていますし今回のH4編成でもそれは同様です。
 が、JR東の鉄コレでは表示幕が「高尾」になっており先頭車の付け替えだけで行先を変更できる利点があります(まさか向きを変える度に行先幕を貼りかえるなんてやらないでしょうし)

 まあ、それだけだったら6連のセットだけでも十分なのですが、今回はたまたま6連と4連を一纏めにしたセットがあったので10連での購入となりました。
 厳密にはクハ201の反対側はクハ200なのですが運転の時には目をつぶります(笑)

 それどころか、これを動力化するかはまだ未定。
 今の段階では「最長10連の側線の飾り物」と言う用途になりそうですw

「お座敷での年越し運転」に思うこと

2020-01-16 06:50:39 | 旅行・探訪・イベントなど
 毎年恒例の年越し運転のはなしから。
 ここ数年、帰省先の実家の一室で寒さに震えつつお座敷運転というのが年越し運転のパターンになっています。

 この為に用意しているエンドウのプラ道床線路317Rのエンドレス(これがどうかすると本家のTOMIXの奴より調子が良かったりします)を敷き回し、現住地から持ち込んだKATOのE353系付属編成の3連を走らせました。

 これまでの年越し運転では「お座敷平原に線路が敷かれる」と言う殺風景極まりない状態が続いていたのですが、せめて建物だけでもあればと思い車で荷物を持ち込める夏の帰省の時に甲府モデルやみにちゅあーとのペーパーストラクチャーを用意しておきました。

 線路わきに頭端駅や消防小屋が軽く並ぶだけなのですが、これだけでも雰囲気はかなり良くなります。
 そこで思い出したのですが、かつて水野良太郎氏が自著の入門書で「電柱を一本線路の脇に置いてみる」からはじまり「ミニチュアの家屋を並べる」「プラットホームを追加する」「ミニチュアカーを線路わきに並べて見る」と言うプロセスでお座敷運転からレイアウト志向へのステップアップとご利益を説いていた事がありました。

 40年くらい前、最初にこれを読んだ当時は早速当時入手しやすかったバックマン辺りの家屋やTOMIXのホームなんかを持ち出してお座敷運転に花を添えたものでした。この趣味を再開してからは最初からシーナリィ付きのレイアウトを志向していたのでこういう事をやるのは少なくなりましたが、久しぶりにお座敷運転でこれを実行してみると、かつての思い出が一気に甦る思いがしました。

 実際、用意した建物を「どう並べるとリアルに見えるか」とか「画になる配置になるか」とか検討するのはレイアウト作りでも一番楽しい部分のひとつでもあります。かつてこの趣味を始めた頃の「素朴な意味でのテツドウモケイの愉しみ」を再認識できたのが今回の年越し運転の御利益であったと言えます。

 さて運転では今年最後の入線車となった現地調達の中古モデルもE353系と共に快走しました。
 それについては次に機会に。

2020年を迎え

2020-01-15 06:48:45 | 思いつくままに・考察
 一年の計は元旦にありと言いますが、例年元日は実家の帰省なんかに追われてなかなか考える暇がありません(汗)

 とはいえ昨年来の懸案として考えている所はありましたので、その中で今年はやろうと思っている事を並べて見ると


 今年もグランシップへは参戦したいと思っていますが、そこへ持ち込むモジュールの改修が今年上半期のテーマとなります。
 ごく初期に作った、かなり檮が立ってきたモジュールなので、どうリニューアルするかは検討課題です。


 車両工作も挑戦したい課題のひとつ。キットメイクや改造が主になりますが今年も何か面白い工作ができればと思っています。
(あともう少し技量が付けば・・・)

 結局考えてみても月並みな計しか出なかったですが、とにかく頑張ってみたいと思います。

2019年を振り返る2 イベントとモジュール編

2020-01-14 06:39:39 | 思いつくままに・考察
 思えば2019年も色々な新機軸があり、見に行くことのできたイベントも多かったですし充実していたと思います。


 レイアウト、モジュールに関しては基本的に改修がメインでした。これまでで一番売りの少ない風景のモジュールでしたが、イベントではそれなりに注目を頂いたようで嬉しかったです(何しろ「鉄道病院」とか「物資部」のモデル化なんで完全な自己満足以外の何物でもないですから)

 が、それらも含めて工作の際に力強い後押しになったのは甲府モデルのストラクチャーキットでした。

 最初にリリースされた車両展示台はまさにアイデア賞ものでした。
そして次に出た頭端駅とホームはこれまである様でなかった「車両を配置して覗き込む事で感動できる」ストラクチャーとして大きなインパクトを受けたのも確かです。



 レイアウトがなくても車両展示台として十分に楽しめるストラクチャーキットという方向性は(わたしは買えなかったですが)続く車輌工場の建物で結実しています。
 また、IORI工房さんの住宅キットも非常にありがたいものでした。
 これらのキットの攻勢がモジュールやレイアウトの改修で大きな後押しになった事は間違いありませんし、作る鉄道模型を楽しむうえで大きな刺激を与えてくれたのも有難かった事です。



 今年はイベント的には久しぶりにフル参戦ができたグランシップを始め、7年ぶりくらいにJAMを覗く事もできましたし、クラブの運転会も例年並みに出席できました。

 加えて休日毎に「鉄道カフェでコーヒー飲みながらひたすらくっちゃべる」という側から見たら迷惑な行為までやらかしてしまっています。

 これだけあちこち飛び歩いていたら鉄道模型がインドアな趣味だなんてとても信じられない気分になります(笑)

 もちろん、ブログをはじめとしてネットでの交流で様々なコメントのやり取りができた事も書き落とす事はできません。
 それらも含めて2019年は色々な点で同好の士との交流が充実した年でした。

2019年を振り返る・印象に残った車両たちから

2020-01-12 06:27:18 | 鉄道模型 
 2019年を振り返る。まずは車両編です。

 今年入線した車両の中で特に印象的な物をピックアップしたいと思います。

 ただし(これも毎年書いていますが)基準はあくまで私個人がインパクトを受けた、ホビーライフに影響を与えたモデルという観点に立っているので所謂「ベストテン」ではない事は申し添えておきます。


 TOMIXの「四季島」(N 新車)
 1月のリリースだったのですがこれまでの新車の数倍のインパクトがあったモデルでした。プロトタイプのスペシャリティ性も去ることながら、模型としても走行系、通電システム、インテリアの造形などなど、全身これ新機軸の塊だった事がその理由と思います。自宅はもとより、近所のレンタルレイアウトや実家への帰省時、更にクラブの運転会でも疾走しまくりましたが、この辺り如何にもスペシャルトレインらしい活躍ぶりでした。


 KATOのE353系(N 新車)

 実家への帰省の友と言う事もありますが、初めてフル編成の新車を入線させたという意味でも記念すべきモデルでした。分割併結や相互乗り入れと機動性の高い運用ができるのでレイアウトでの使い勝手もなかなか良かった編成。勿論モデルとしてもKATOの新鋭モデルらしい造形の良さや中身の充実ぶりだった事も好印象でした。


 KATO、鉄コレの701系(N 新車)

 701系自体は昨年も取り上げましたが、待望の現行盛岡色がJR東日本の事業者特注鉄コレで登場した事、年末になってついに真打とも言うべきKATOの701系が登場した事で今年も私の関心を買いまくった電車になりました。


 天賞堂のCタンク(16番 中古)

 ある日突然、中古の出物が集中し一気に充実した16番の小型蒸気モデルの代表格がこのCタンクでした。ディテーリングは最小限ですが古典的な小型蒸機として過不足ないバランスの取れたデザインと造形はある意味非常に天賞堂らしいモデルに見えましたし、細密一辺倒の今の16番に対する一種のアンチテーゼにすら見えたものです。


 メルクリンのCタンク(HO 中古)

 これも中古の基本セットが安価に入手できていなければ全く私の興味の関心外のままだったろうと思います。欧米で何故HOが主流なのか、なぜドイツであそこまでメルクリンが普及しているのか、それらに対する答えの何割かがたった4千円の、それも40年前の基本セットで分かった気にさせてくる。
 やはりメルクリンは凄いと認識させた事とこれまでにない一種の心理的解放感を与えてくれた点でインパクトがありました。



 猫屋線のBタンク 単端 (16番ナロー 新車)

 2年ほど前にスタートしたナローの猫屋線のラインナップも急速に充実。ようやくというか遂にというか蒸気と単端がリリースされました。これでかなり軽便鉄道らしくなります。
 軽便鉄道のモデルも鉄道模型というジャンルの中では、これまでかなりマニアックな方向に進んでいたと思いますがこういう誰にでも取っ付ける鉄道模型の素朴な楽しみ方が定着してもいいのではないかと思います。


 TOMIXのキハ100「ポケモンwith You」仕様(N 新車)

 モデルとしては別にどうということのない車両ですが「岩手で走っている車両の新車を岩手に帰省の折に入手する」というこれまで出来なかったことを実現させた事。ただそれだけで今年の十傑にエントリーしたモデルです(笑)



 六半のZショーティE5系(Z 新車)

 いわゆる「Zゲージのゆる路線」を提案したモデルなのですが、わたし的には「鉄博風モジュール内周遊ミニ列車の新しいスター」として大いに歓迎したモデルです。

 走りもサイズを考えるとかなりスムーズでしたしギャラリーの受けもかなり良かった様です。



 ミニトリックス E44電気機関車(N 中古)

 これも帰省の折に発掘したモデルですが、日本型車両が少なかった頃のNゲージユーザーの苦闘の残渣を思い起こさせる(要するに日本型に混ぜ込んでも違和感の少ない旧型電機風の代表格)モデルと言えます。


 ラウンドハウスのキハ110「東北エモーション」仕様(N 中古)

 今年の正月、新幹線で読んだ「トランヴェール」誌上で存在を知り、面白そうなので中古のキハ110を種に改造してみようかなどと考えていた矢先、秋葉の某中古ショップでこれの出物を発見。

 「とっくの昔にKATOが出していた」というショックと言うか自分の不明を恥じたと言うかwとにかくそう言う笑い話で印象に残りました。 


 昨年のラインナップは機関車が1両もなく路面電車と中古・キットメイク・改造モデルが多かったのですが、今年はそれと裏腹に新車の比率が高く又、HOやZゲージに注目モデルが多かった(大概旧式モデルですが)のが特徴的です。
 
 ホビーライフとはいえジャンルの偏在が毎年毎年ブレブレなのですが、同じ路線を突き詰めるのと同じくらいに常に好奇心を刺激され続ける方が私に取っては楽しいのかもしれません。

「鉄道珍百景」

2020-01-11 06:26:47 | 書籍
先日の運転会の折、メンバーとの雑談の中でクラブの女性メンバーから紹介された一冊から。



山と渓谷社刊「鉄道珍百景」(坪内政美著)

タイトル通り鉄道にまつわる珍百景を紹介した一冊です。

私も運転会の隙を見てパラパラめくって見たのですがこれが結構面白い。


紹介されているのは変わった形の駅舎、車両をはじめ偶然が生んだ変わった情景とかが紹介されていましたが私の興味を惹いたのは「敷設上の必然性から変わった風景になった」珍風景でした。


考えてみれば博物館の展示ジオラマみたいな「実景を正確に縮尺したミニチュア」なんかを別として模型車両の運転を前提に制作されるレイアウトとかモジュールというのは基本的に「珍百景の塊」みたいなところがあります。

それらには最初から珍百景を狙って作られた物もあったりする(所謂「パイク」という奴の大半がそれに該当しますね)のですがそうでないもののほとんどは「レイアウトの製作条件の制約からやむなく珍百景化してしまった」というものだと思います。

 その目で見た場合、実景の中のそうした「必然性のある珍百景」というのは製作上のヒントやインスピレーションを得られやすいのではないかと思えます。

 本書で取り上げられている物件の殆どは一種微笑ましいものばかりですが、これをそのまま引き写さないまでも、レイアウトの中でトラックプランやベースの形状から風景創生が制約されてしまう場合のブレイクスルーのヒントを得るというのは結構使えると思います。



因みに私がそうした珍物件のヒントに使っていたのは以前紹介していた「都市、町の建築」とか「BOW!全書」なんかだったりするのですが鉄道物件に特化したこの手の本は読み物としても楽しめる分お得であると言えますw



 それにしてもこういうなんということのない雑談からも色々得られるところがあるのですから同好の士の集まりというのは有り難いと思います。