光山鉄道管理局・アーカイブス

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「魔の最終列車」と郵便車のはなし

2020-12-30 05:09:25 | 映画・テレビ
 先日当ブログで書いた「鉄道ミステリと最終列車」のネタに関連して。
 東映では昭和30年代に「警視庁物語」と言うシリーズ物の映画があったのですが、その中の一本「魔の最終列車」(1956年)を先日初見しました。

 
博多発東京行きの夜行最終列車(ネット上の資料では何故か東北本線と書かれていますがw)
 終点近い川崎と品川の間で郵便車が強盗に襲われ乗車していた局員二人が射殺され現金の詰まった郵便袋が奪われる。
 早速捜査に出動した警視庁の特別捜査班の面々は列車上から投げ落とされた郵便袋の手掛かりを探しに沿線の捜査を開始するのだった

 と言うのが大まかのストーリー。

 前半の20分くらいが列車内の描写と沿線での捜査活動に費やされ、昭和30年代の鉄道物としてもそこそこ楽しめる内容です。
 冒頭で襲撃される郵便車の車内はセットで表現されている様ですが何しろ郵便車の車内自体が珍しいですから車内描写もそれなりに興味深いものがあります
 (それにしても大量の現金を運ぶ郵便車に外部から犯人が乗り込める不用心さはどうかと思いましたが、この辺は「編成の後尾に郵便車や荷物車がつながっていた時代の客車列車」らしいといえば言えます)

 ただ、それを別にすれば列車の描写は割合いい加減でして、川崎ー品川間を走る同じ列車なのに牽引機がEF58になったりEF56になったりしますし、郵便車も最初はスユ42だったはずなのが東京駅に入線した時にはマユ33ぽい外見の車両に化けていたりします(笑)
 ですがそのいい加減さゆえに今の目で見れば「色々な車両が楽しめる」訳ですが。ちなみに車内セットはスユ42をモチーフにしている様です。

 その後のストーリーは「実録物っぽい捜査ネタ」「犯人側の人間模様」が延々と続く内容で鉄道ファンがどうこう言う内容ではないですが、上映時間が1時間なのでそれなりにメリハリのある展開とはなっています。

 主演は前に取り上げた「終電車の死美人」の堀雄二、神田隆が刑事を演じていますが、前作で捜査主任だった山形勲が本作では犯人役、前作で犯人役だった南原宏治が熱血刑事役になるというキャストの入れ替わりがあり、前作から引き続いて観ると頭がこんがらかります(笑)
 ゴジラなんかもそうですが、昔のシリーズ物の映画はこう言う事がままありますね。