光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

カツミ模型店の「ED58」

2024-08-29 05:09:33 | 車両・16番

 今年に入ってから「EF58ネタ」が続いている当ブログ。他の記事に比べてこのネタは反響が大きい様で書いているわたしも驚いています。
 今やEF58は偉大なる凡庸どころか人気の点では依然大スター級なのでしょう。

 今年に入って入線させた58はKATOにしろTOMIXにしろ相当な旧モデルで格安どころの騒ぎではないお値段(最近は中古でも結構なお値段の事が多いですし)で入線できているのですが、ここに来てまたまたKATOでもTOMIXでもない「ゴハチ」が入線してきたのですから世の中は分からない物です。

 といってもHOゲージのフリーモデルですが。
 物はカツミ模型店がかつて出していた「ED58」

 以前紹介したフリーのEB58の姉妹モデルとでも言いましょうか。EF66からED66やEB66といったフリーモデルが出た様にEF58を小運転向けにショーティ化させたモデルなのですが、流石に図体は普通のED75やED61に匹敵する堂々たるもので、走りっぷりもEB58よりもはるかに豪快です。

 資料などによるとED58というのは製造時期によってかなり外観に差異が大きく、それもボディよりも足回りの変化が大きかった模様です。

 今回入線したのはその中でも初期のものらしく、台車枠が実に堂々たるものでカプラーも台車マウントになっています。
 また、よく見ると前後の台車はねじで連結され、台車の回転が起きないような工夫がされているのが目新しいところでした(って、50年以上前のモデルに目新しいなんてのもおかしいですが)

 年式を考えると前述の様に走りはなかなか豪快且つスムーズで、元気のいい走りを見せます。

 ボディに関しては材質の変化はある物の基本的にデザインは変わっていない様ですが、それでも下回りの重厚さに引きずられた様な豪快な印象を受けました。
 (後期のモデルは他の既存電機の台車を転用しているのでもう少し華奢な雰囲気です)

 ところで今回のED58は機番が「61」というのがなかなか(笑)お召し仕様に改修してみましょうかね(まさかw)

ミニチュア工房の「二階建て住宅」に挑む・1

2024-08-28 05:07:48 | ストラクチャー

 梅雨明けこのかた猛暑日と熱帯夜の繰り返しの日々が続き、昼も夜もろくに寝られない状況が続いています。
 何の事はない、コロナ禍の蟄居が再現している様なもので、自宅に籠って何かしら手を動かしているくらいしかする事がありません。

 そんな訳で今回からは先日紹介したミニチュア工房のキットにでも挑戦してみようかと。

 他の二つはすぐ取りかかれない事情もあり、工作第1号は「二階建て住宅」です。
 フォルムとしてはTOMIXの近郊住宅に近い物ですが、板張りの壁面表現から見てTOMIXのそれより幾分古い時代の住宅をプロトタイプにしていると思われます。サイズは幾分TOMIXのより小さめの様です。

 このキットの(わたし的な)アドバンスは「玄関パーツが別体で南北の向きに合わせて玄関の位置を変えられる事」です。これまでのストラクチャーでレイアウト上の配置の向きに合わせて外見を変えられる物は殆どありませんでしたから、これだけでも大した物です。

 現時点では最初の工程にかかったばかりの段階ですが、組み立て自体はみにちゅあーとと同様の構成で組み立て説明書も梅桜堂に近い程度にしっかりしているのでペーパーストラクチャーに慣れた人ならそれほどまごつかずに作れると思います。
 (但し、これも先行他社と同様カッター、ピンセット、クラフトボンドの3種の神器は必須ですが)

 梅雨明けで多湿の季節を抜けたせいか、組み立てがサクサク進むのがありがたいところですねw

「おとなの工作読本2・鉄道模型特集号」

2024-08-27 05:06:33 | 書籍
 先日の塩尻行きで1番の掘り出し物がこれでした。

 誠文堂新光社の「おとなの工作読本2・鉄道模型特集号」
 本書は2003年に上梓されたムックですが、2003年時点での鉄道模型の魅力を一冊に凝縮したような構成で非常に読みで(と使いで)のあるものです。

 冒頭の西村京太郎と加山雄三の鉄道模型ライフのインタビュー記事で鉄道模型ホビーの魅力を俯瞰して読者の関心を掴み、続いて当代著名な鉄道模型メーカートップのインタビュー紹介(専門誌はもとより入門書でも意外とこういう紹介をしているものは少ない)でメーカー毎のこだわりを伝える構成。

 この部分だけでも十分お腹がいっぱいになりそうなのですが、それに続いて石坂義久氏の「鉄道模型入門書、専門誌の歴史」が語られ、いのうえこーいち氏がHOを中心にしたゲージ論を俯瞰。小林健二氏の手になる金属模型工作の工具の作り方などよりディープな世界に読者を誘います。

 ですが本書の後半の白眉は前記の石坂氏による「Oゲージ交流3線式B形電機の作り方」(図面付き)松井大和氏の手になるパイクの制作法といった「鉄道模型工作」関連記事。
 とどめに当時の「模型とラジオ」で菊池文雄氏が執筆されていた「16番153系ペーパー車両の作り方」井上昭彦氏の「OゲージオシレーチングエンジンのライブスチームBタンク製作」の記事をそっくり復刻。

 極め付けは前にわたしも紹介した「紙で作る日本の蒸気機関車」からE10のペーパークラフトを型紙込みでそっくり復刻しているのです。

 つまり本書を買えば少なくともHOサイズのE10が作れるということでもあります(驚)

 これほど内容の濃い、読みでのある一冊がこれまで私の目に触れなかったのが不思議なくらいですが本書の上梓された時期が私が鉄道模型の趣味を再開する直前の時期だったからではないかと思います。
 もし、趣味を再開した後でこれを見ていたらわたしなら絶対に買っていた一冊ですから。

 わたし的には「名著」と読んでも差し支えない本ですが、これがたった110円で買えたのですから文字通りの掘り出し物。雨に降られまくった家族はともかく、わたし個人はこれだけでも塩尻まで出かけた値打ちは十分ありました。

 E10だけでもこの夏作ってみようかなと思っていますw
 (とか言いつつ相変わらず暑いのですが汗)

異例の猛暑とテツモライフのはなし(大汗)

2024-08-25 05:02:36 | その他
 今回のはなしは愚痴と言い訳を兼ねた駄文ですので、多少辛気臭いのは予めご了承ください(汗)

 例年の事ですが、わたしにとって梅雨明けから秋の彼岸の前後の期間は「暑さのせいで大掛かりな工事が殆どできなくなる」のが恒例でして、この時期はストラクチャーとか車両の工作をエアコンのある台所の隅っこなんかでちまちまやっているか、昼間っからごろ寝しながら本でも読んでいるという一種の「ホビーの夏休み状態」ともいえる期間であります。

 (それでいて地元の行事とか家族の突き上げなんかで外で大汗をかくのもこの期間なのですが)

 それが今年の梅雨明け以降の暑さは、これまで経験したことが無いくらいのレベルで最高気温が38~39℃台なんてのがざら。

 それだけならまだしも、夜になっても気温が下がらず30℃を下回るのが「日付の変わる午前0時前後」という熱帯夜がこれまた過去経験したことが無い長さで続いています。当然最低気温の方も午前4時台に27℃台くらいになるのですから朝の草むしりも日の出前に済ませなければならない始末です。
 おまけに例年なら日に一度はあるはずの夕立や降水がここ10日ばかり殆どなく、前日の熱が重積している様相すら見せています。

 自他ともに認める汗っかき(まったく自慢にならない)のわたしにとってこの気候の下では、やる気と集中力が悉くこの暑さに持っていかれているのを強く実感する訳で(汗)
 エアコンや扇風機を稼働させていても、朝の9時以降に外に出るとこれまた凄まじいほどのヒートショックが待っていますし、これがまた気力を奪ってくれます(大汗)

 いつもなら夜寝る前の少しでも涼しい時間に行う小工作なんかも、熱帯夜に伴う暑さとかったるさで例年の半分程度のペースに落ち込んでいますし、レイアウト上の運転もここ半月ストップ状態(レイアウト部屋に冷房が無いのがとても痛い)

 ここを含むブログの更新でも、最近はポカや打ち間違いが増え、指摘されるまで自分でそれに気付かなかったなんてのが増えてきています(大汗)

 こういう時なら活動を休止してさっさと寝ていれば良さそうな物ですが、そうするとこれがまた不思議なもので、暫くすると「何かやりたくなってたまらなくなる」気分になってきてごそごそと起き出して工作の続きを始めたりします。

 そんなこんなで我がホビーライフも「マイペースここに極まれり」的な気まぐれ状態が暑さで加速しているのが自分でも強く感じられてたまりません。夏が暑くなければそれこそ大変なのも確かなのですが、もう少し凌ぎやすい気候にはなって欲しいものです。

ミニチュア工房のペーパーキット

2024-08-24 05:00:41 | ストラクチャー
 この夏入手したアイテムの話から。

 コロナ禍をきっかけに定着したわたし的なホビーの新習慣のひとつに「夏場、それも猛暑期の休日の昼間は自宅に蟄居してペーパーキットのストラクチャーを作って日中の暑さをやり過ごす」というのがあります。

 適度に手を使い、集中しながら地道にキットを組み上げるのは、最近の現住地のように「日中40℃以上まで気温が上がる」この季節には好適です。
 しかもペーパーキットの大半は塗装もしなければシンナーも使いませんから、そちらの心配もしなくて良いメリットもあります。

 何より「一軒出来る毎にレイアウトの街並みが拡充する充実感」が味わえるのが嬉しい。建物が増えるたびその前を走る列車までもが映えて見える錯覚すら味わえますから。

 そんな訳で毎年夏が近づくと新製品のストラクチャーキットを物色し始める悪い癖まで付きましたが(笑)今年注目したのが某ア⚫️ゾンのメールでやたらと推してくる「ミニチュア工房」という新興メーカー。

 今の所他社に比べるとラインナップは少ないですが、その中にわたしの琴線を刺激してきたのが二つ三つあったのでポチってしまいました。

 梅雨時で湿度が高い時期はペーパーキットには鬼門(紙パーツがしなしなして切りにくくなりボンドのノリも悪い)だったのですが、猛暑故に湿度が低い今ならサクサク進む気がします(汗)

鉄道コレクションの「東武鉄道350型351・353編成4両セットA」

2024-08-22 05:55:59 | 車両・私鉄/民鉄
 先日の塩尻行きでの戦利品から。

 鉄道コレクションの「東武鉄道350型351・353編成4両セットA」

 ここで話は半年前に遡りますが、今年の初めの上京の折に神田の某店でこのセットが並んでいたのを見つけましたが、中古とはいえ同じセットが6千円超で手が出せず、そのまま見送った経緯がありました。

 今回の塩尻では半額の3千円だったので神田の仇を塩尻で討った形になります(例えがセコいな)

 実車は東武鉄道の急行「りょうもう」形1800系をルーツとし、後に日光線の急行用に仕切り直され300系、350系に改修された物です。
全体のプロポーションは1800系の面影を色濃く残してはいますが、前面は丸目から角目に変更され微妙に185系に似てしまいました(笑)

 とはいえカラーリングはわたし的にはりょうもうの頃よりも好みでしたから、いい出物でもあれば入線させたかった編成でした。

 4連の編成は当鉄道でも手頃な長さでしたし、造形も特に粗もありません。

 それにしても
 実は1800系は後に「窓が開閉する普通列車仕様」のマイクロの奴が入線しており、今回が仕様違いの2編成目となっています。
でもこの後に及んで初期の「りょうもう」編成が入線していないというのがなんともですが。

久しぶりにTOMIXの東武100系スペーシア(初期モデル)を走らせる

2024-08-21 05:54:01 | 車両・私鉄/民鉄
 TOMIXに見る「あの頃の私鉄特急電車」ネタから

 今回は1990年代にリリースされた東武100系スペーシアをば。

 前にも折に触れて書いていますが私鉄の特急電車の中でわたしが最も利用していたのがこのスペーシア(きぬがわ)でした。

 正月の帰省からの帰宅で元日の夕方に盛岡から大宮に降り立ち、そこから新宿に向かおうとすると決まって辟易させられるのが「湘南新宿ラインの混雑」でした。
 あの路線は二階建てのグリーン車を併結している物の席が空いている保証は全くなく、どうかすると「グリーン券を買ったのに立ちっぱなしを強いられる」なんてふざけた仕打ちを受けたりしたものです。

 だったら「多少高くてもゆったり座れる奴に乗った方がマシ」とばかりに新幹線からスペーシアを乗り継ぐという選択をするのは当然と言えましょう(帰省時だけに荷物も多かったですし)
 登場時こそ300系新幹線みたいな先頭部デザインに驚かされたスペーシアですが、乗ってみると普通車でもJRのグリーン車並みの快適度でどうかするとビュッフェや個室まで付いてくるデラックス感は「元日の帰宅を彩る贅沢」として恰好なものでしたw

 (なお、お値段の問題のほかにスペーシアは「同じ線路を走るJRの普通電車よりも所要時間が長い」という特徴もあるので首都圏のひとはまずこういう使い方はしないと思います)

 コロナ禍からこのかた、正月の電車帰省が出来なくなっている今ではあの頃のスペーシアが懐かしくて(爆笑)

 なので当レイアウトでスペーシアを走らせる時には他にはない独特の感慨を感じることが多いのです。

 例によってごく初期の型の中古モデルを入線させているスペーシアですが、初期モデルの特徴として「妻板の塗分けを表現するためのデカール」が付属していました。
 事実実車も当初は妻板に側面同様の塗分けがありましたし、同時期にリリースされたGMのキットは妻面も塗分けていたのですが、わたしが帰省で乗る頃には塗分けが廃止されTOMIXのモデル同様に白一色の妻面になっていましたから、何が幸いするか分からない物ですw

 走行性は中古モデルとして年式相応。今のモデルと比べてがさつさは感じてもそれで不満を感じる程ではありません。

博物館の企画展「走れ!しずてつ」

2024-08-20 18:45:36 | 旅行・探訪・イベントなど
 先日の平日休、例によって夏休み突入中の家族からの突き上げを食らいまして、このくそ暑い中静岡に出掛けたのですが、そんな折にやっていたイベントから。

 静岡市歴史博物館で開催中の静岡鉄道の企画展「走れ!しずてつ」です。

 会場は駿府城公園に隣接する、博物館としては理想的なロケーションですが、今回の展示は一言でいうと開業100年を越える静岡鉄道の沿革を当時の資料や展示品で俯瞰する内容でした。現住地でも故郷でも私鉄という物に縁が薄いわたしにとっては食指の動く企画展ではあります。

 ところで、わたし的には静岡鉄道そのものとの付き合いはグランシップトレインフェスタの会場の往復に電車に乗ったり、新静岡の駅ビル「Cenova」で買い物をしたりする程度です。

 その一方で、2両編成でありながら通勤電車の体裁を持った1000系やA3000系なんかは地方都市風のレイアウトでは使いやすい編成でもあるので、よく走らせますし、その意味ではむしろ模型の方で馴染みが多い私鉄といえます。

 また、メインラインが静岡―清水間の幹線道路と並行しているので、クルマで走っていてもすれ違いや追い越しの機会が多く、今ではそっちの印象の方が強いかもしれません。


 会場の入り口には体験運転込みのモジュールレイアウトが設置されていましたが、これもなかなか良くできている印象でした。
 わたし的にも応用したくなるアイデアや表現がそこここにあって参考になります(グランシップでも展示すればいいのにとか思ったりしてw)

 本題である館内の展示はしずてつ開業時から現在に至るまでのアイテムや資料がメインですが、初めてしずてつを知る人にもわかりやすく、一方で昔からしずてつを使ってきた地元民には懐かしい内容ではないかと思います。博物館らしく管内の雰囲気は落ち着いたものでリラックスして眺められました。
 (車両模型の展示が全て鉄コレだったのには笑いましたが)

 一通り展示を見た後は、博物館1階のカフェでレモンスカッシュなどを飲みつつ、炎天下の外を優雅に眺めました(笑)

 でも、優雅だったのはそこまでで、静岡駅までの徒歩での帰路はその炎天下にやられながら、件の「Cenova」の前で大汗かきまくってへたばる自分が居たりして(大汗)


 今回のお土産は企画展に合わせて売られていた「ドリップコーヒー」と「電車羊羹」(笑)
 確か前にも岳南電車でコーヒーを買った様な気がしますが、静岡の私鉄はよくよく珈琲がお好きですねw

 まあいずれにしろ、いい歳こいたおっさんがこの歳で「夏休みの修学旅行の気分」をも味わえたのは楽しかったですね。

カラーブックスの「JRの動態保存車両」

2024-08-18 05:15:34 | 書籍
 今回は鉄道ネタのカラーブックスから。
「JRの動態保存車両」(諸河 久・花井 正弘 共著)をば。

 本書は平成4年現在JR各社が動態保存している車両を紹介しているものですが、本の性質上メインとなっているのは専ら機関車となっています。

 当時から有名だったEF58 61やD51 498などがメインを飾っているのは勿論ですがC57 1の「やまぐち号」やED18のトロッコ列車などの動態保存車両の牽くイベント列車の探訪記にも一章が割かれていたりします。

 本書に出てくる機関車の大半は後にNゲージの完成品としてリリースされているので、ガイドブックとしては今でも通用するかもしれません。

 さて、本書が出てから30年経ちますが、その間にC61とかC58などレストアを経て復活した機関車も出てきていますし、またそれらがイベントや観光用に運用されたりする様になりましたから、ある意味時代の様変わりを感じさせはします。

 今もカラーブックスが出続けていたら多分この本も続編が編まれていたでしょうが、そこが惜しい気がしますね。

宮沢模型のBタンクに驚いたこと

2024-08-17 05:14:12 | 車両・16番

 今回は先日入線した宮沢模型のHOゲージBタンクのはなしですが、実は前回だけでこの話は終わりませんでした。

 親類の形見として持っていた同じ宮沢のBタンクの存在は前回も書きましたが、帰宅してからそちらのBタンクも引っ張り出して今回のモデルとの2ショットを撮影したのですが、改めてよく見るとどうもおかしい。

 今回のモデルが黒塗装の仕様で親類の物が黒染め(または黒メッキ)の仕様の色違いくらいの認識だったのですがボディそのものにもかなりの相違点があるのです。

 こうして並べる迄は二つのBタンクは単純な色替え製品くらいに思っていましたが・・・

 親類の方をA、今回入線のをBとしてざっと相違点を上げると

 1)Aがボイラーが太い
 2)ボイラーの長さは心持ちBが長い
 3)煙突はどちらもダイヤモンドスタックだが形状が異なる
 4)サイドタンクは微妙にBが高い
 5)シャシの形状も異なる
 6)動輪もBは簡易式だがAはスポーク入り
 7)点灯式のヘッドライトもケースの形は同じだがAが方が大きい

 驚いた事にキャブ周り以外、このふたつは造形自体が異なっていたのです。
 それでいて見た目の印象が全く同じに見えていたのですから凄いはなしです。

 形状の変更に金型の改修が必要なプラ製模型と異なり金属製の手作り模型の場合は設計図の書き換えで対応できるからか、この種の設計変更が比較的容易だったのかもしれません。

 いずれにしても今回の製品が単なる色替えではなかったのはある意味収穫だったと思います。
 何にせよ「同じ模型の2両目をわざわざ買った」という罪悪感は多少軽減できますから(笑)

 走りっぷりは年代の差は感じるものの動力の構造は同じなせいか、ほぼ同じ印象でした。

 それにしても「同じに見えて実はかなり違う造形」というのは準ハンドメイドのモデルが多い昔のHOゲージモデルらしいところであり、面白い所でもあります。

マイクロのオロハネ10

2024-08-15 05:12:29 | 車両・客車・貨車
 先日入線した中古モデルから。

 この間訪れた中古ショップの店頭にあったマイクロエースのオロハネ10 500番台です。

 この客車、オロハネ10という妙に語呂のいい語感もあってわたしの記憶に残る客車ですが、生憎これが活躍しているところを見た事がなく、他の10系客車に比べると癖の強いデザインもあってこれまで注目していなかった客車ではありました。
 (いや、そもそも中古の出物を見掛けなかったですし奥やネットショップの中古は到底手が出ないお値段のものばかりでしたから)

 今回の出物は定価よりも幾分高価でしたがそれでも奥の相場よりはだいぶ格安だったのでどうにか買えるかなといったところでした。

 改めてモデルを眺めてみると車体の中央部の扉を境にA寝台とB寝台が区分けされた独特のデザインは10系はもとより国鉄の客車っぽさも希薄な印象で、むしろ欧州型の客車にごく近いイメージもあります(どうかすると1両の20M級というよりは2両の3軸客車に見えたりしてw)
 そのせいか欧州型の機関車につなげても意外と違和感がなかったりしてw

 ところでオロハネ10は元々山岳線列車の牽引定数の制限に対応するためにA寝台を車体の半分に振り分けているのだそうで、以前当ブログで紹介した急行三瓶にも組み込まれています。
 編成表を見るとオハネフの次位にオロハネが繋がれ、その後は普通客車(オハ47やナハ11など)が3,4両繋がる構成の様でしたから比較的短編成で寝台車を組み込んだ急行にはうってつけの車両といえそうです。
 その意味ではレイアウト向けというか手軽な運転を楽しむうえでは重宝する客車ではないでしょうか。

カーコレ80のハイエース郵便車

2024-08-14 05:10:45 | アクセサリー
 この冬に上京した折にカーコレ80が色々入手できた話をしたのですが、あれからその勢いが止まらないのに驚いています。

 今度は近所にオープンした中古ショップでの出物なのですが、これまた前回「現行型の出物を見ない」と書いてしまったカーコレ80の現行型ハイエースの出物に当たりました。

 ミニカーのフランス車といい「〇〇の出物を見ない」と書いた後にその〇〇の出物に当たるパターンが最近多いですが、本当に神様に感謝です。

 今回のハイエースは1/80の16番スケールですが、如何にもこのシリーズならではの曲者モデル。
 何と今ではあまり見る事がない「郵便車」の仕様でした。
 (都会はともかく現住地や故郷の様な田舎では長距離輸送のトラックか軽ワンボックスの配達車のどちらかしか見ない事が多いですから。あるいは集配用にならあるかもしれませんがそれはそれで「平日の昼間しか見ない」でしょうから)

 造形は予想通りというか期待通りというか実にしっかりしたものでプロポーションやフロンドエンドの造形に至るまで隙がありません。
 真っ赤に塗装されたボディも郵便車らしい質感を感じさせて好ましい仕上がりと思います。

 郵便車はそれこそどこに行っても見る事ができるクルマでありながら、いつでもコンスタントに買えるモデルがないのが惜しいです。
 Nスケールでももう少しモデルが出てくれるといいのですが。

KATOの485系の新旧モデルを比較する

2024-08-13 05:07:29 | 車輌・電車

 先日、リニューアル品を入線させたKATOの485系300番台。
 前にも書いた通り、今回の入線は旧製品(しかも10年以上前の中古)の振り替え編成という性格のモデルなのですが、実際に発売時期も10年くらいの間が空いたモデルです。

 新型動力とか現行の室内灯に対応とか、ヘッドライト周りに銀が色刺しされたとかの改良点はあるのですが、では実際に旧モデルと比べてバージョンアップ感があるのかは気になるところです。
 という訳で入線記念に二つを並べてみたのですが、
 実のところボディ造形に関する限りは2車に大きな差は感じられません。

 実は旧モデルの方はライト周りの色刺しや銀河モデルのライトケースのパーツを追加しているので猶更現行品との差が感じにくいのです。
 (昔の485系や583系のNゲージモデルはライトの縁取りが無かったのが実車と比べて最も違和感を感じるところなので、どうしても色刺しをしたくなるのです)
 という事は、元々の485系の造形の素性が良いという事でもあるのではないかと思えます。

 ただし現行品はレタリングがまめになされていてこれが旧製品に対するアドバンテージのひとつにはなっています。

 ただし上回りについては差は少ないのですが足回りに関しては、旧製品の銀車輪に対し現製品は黒染めの車輪を使い、且つイコライザ辺りの改善もあるのか若干腰が低くなっている様で見た目の安定感を上げているのが感じられました。
 なので厳密には旧製品と現行品の混結はそれなりに差異があるはずなのですが(旧製品も中古モデルで前ユーザーがKATOカプラーに換装していたので中間車を現行品に紛れ込ませる事は可能でした)実際に中間車を混ぜ込ませても意外と違和感はありません。

 おかげで今回の485系は早々に12連フル編成が実現できることになりました。

「梅桜堂」のペーパーストラクチャーに挑む・2

2024-08-11 05:07:35 | ストラクチャー
 先日中古を入手した梅桜堂のペーパーストラクチャーの続きです。

 寝る前の1時間くらいを使って大体六日くらいで形は仕上がりました。
 (このメーカーのストラクチャーは通常品は未塗装なので実際にはこれに塗装の工程が加わる事が多い)

 ただ、これらの工作の中心となった時期が梅雨末期の高温多湿の条件だったのは辛かったです。というのも湿度が高い状況だと素材が湿気を吸ったせいかカッターの刃が通りにくかったり切り口がけば立ったり、ボンドのノリも今一つよくなかったり(そもそも乾燥しづらい)でいつもよりも手古摺ったのも確かです。

 やはりこの手のキットは梅雨明け以降にやるのに限るのかもしれません。

 みにちゅあーと等の先行メーカーの製品を研究して製品化しているらしく、それらのメーカーのウィークポイントのいくつかをクリアしているのがこのメーカーの特色。


 それが一番わかりやすいのは瓦屋根の表現です。
 先行メーカーの多くは印刷や薄手のモールドで瓦を表現しているため見ようによってはのっぺりした感じになるところを梅桜堂は瓦の畝を短冊状に別パーツ化し、貼りあわせで瓦の立体感を出しています。このためジオコレなどのプラ整形品よりも瓦屋根の立体感がシャープに出ており細密感に貢献している印象です。

 一方で引き違い窓を一々貼りあわせで表現しているせいか他社のキットにある透明プラバンはありません。尤も窓ガラスを入れようとすると他社キット以上に手間がかかるのは間違いありませんが(笑)

 看板建築のファザードの細かさ、細密さは他者を圧倒するレベルで立体感もたっぷり。ジオタウンやみにちゅあーとの建物に混ぜ込んでもなかなかの存在感を見せます。

 手間はかかりましたが、組み立て説明書も貼り合わせの順序を明記しているので失敗も少なくなかなか親切だと思います(だからあんなに分厚かった訳ですね)

 ペーパーキットゆえの長所を最大に活かしたキットでなかなか楽しめるアイテムでした。

「鉄道ミステリ傑作選 昭和国鉄編」

2024-08-10 05:06:05 | 小説
 以前からこのブログでも「鉄道ミステリとNゲージ(或いはテツドウモケイ)」という題材で主に短編や中編を中心にした鉄道ミステリを取り上げていますが、それらの元ネタはかつて鮎川哲也が監修した何冊かの鉄道アンソロジーからとっているのが大半を占めます。

 その後も有栖川有栖や日本ペンクラブなどが同様の趣向のアンソロジーを出しているのですが、ごく最近、鉄道ネタのアンソロジーがまた出ていたのを知りました。

 双葉文庫で2020年頃に出された「鉄道ミステリ傑作選 昭和国鉄編」(佳多山 大地 編)の一群(現段階で3冊)です。
 寡聞にしてこのシリーズが出ていたのを知らなかったので、存在を知った時には新刊本の書店(とはいえ、前にも書いた様に現住地では大型書店自体が絶滅寸前なのですが)では見つける事が出来ず、つい先日近所の古本屋でようやく一部を手にすることが出来た次第です。

 とはいうものの、実は今回のシリーズで取り上げられている作品は上記の先行アンソロジーで取り上げられた作品との重複が多く、先行本をすでに手にしている読者(例えばわたしw)にはやや新鮮味が薄い物ではありました(なかには鉄ミス以外のアンソロジーですでに読んでいた物もありましたし)
 ですが、これまでこの種のアンソロジーを持っていない読者の方、あるいは鉄道ミステリの魅力に興味のある読者の方であれば「どれを読んでもハズレがない」という点で大いにお勧めできるシリーズと思います。
 何より(わたしの現住地になかったけれど)今鉄道アンソロジーの中で最も簡単に見つける事のできるシリーズは恐らくこれだけでしょうし。

 とりあえずラインナップを紹介すると
 第一弾「線路上の殺意」では
  「早春に死す」(鮎川哲也)
  「あずさ3号殺人事件」(西村京太郎)
 ※☆「特急夕月」(夏木静子)
  ☆「新幹線ジャック」(山村美紗)

 第二弾「悲劇への特急券」は
 ※☆「探偵小説」(横溝正史)
  ☆「鉄道公安官」(島田一男)
  ☆「不運な乗客たち」(井沢元彦)
  「ある騎士の物語」(島田荘司)

 第三弾「殺人者を乗せて」が
  ☆「雷鳥9号殺人事件」(西村京太郎)
  「隆起海岸の巻・石油コンビナートの巻」(種村直樹)
 ※☆「準急皆生」(天城一)
 ※☆「浜名湖東方15キロの地点」(森村誠一)

 (※マークの作品は以前当ブログで取り上げた事のある作品、☆マークのは上記の先行アンソロジーにも取り上げられていた作品です)
 わたしなんかは収録作の重複を承知で購入しましたが、前に読んだ作品でも読み返しに耐える味わい深い作ばかりだったので十分堪能できました。

 編者の佳多山 大地氏は「トラベルミステリー聖地巡礼」という紀行を上梓したことがあるそうでその縁で今回のシリーズを編んだそうですが、ミステリ評論家らしく作品選択が巧みで、更に巻末の解説が鉄道ファンらしさを感じさせるところが従来のアンソロジーにない味を出しています。
(横溝正史の「探偵小説」に絡む舞台の考察なんかはわたし的にツボにはまりました。もしこの仮説の通りだったら今度行ってみたくなりますw)

 あとで書くつもりで居たのですが、鉄道ミステリが絶滅危惧種となりつつある昨今、改めて鉄道ミステリの魅力を掘り起こし紹介するという意味でも今回のアンソロジーの存在は心強いものがあります。